(読売 8月21日)
東西の大学が、互いのキャンパスで自分の大学をアピール。
早稲田大学の早稲田キャンパスが、オープンキャンパスで、
大学のシンボル・大隈講堂と目と鼻の先にある26号館だけは
別の空気が流れていた。
「笑いを科学する~笑い測定機の冒険」と模擬講義を披露したのは、
関西大学社会学部の木村洋二教授(60)。
「たいていのことが学べる早稲田も、この分野はないだろうという判断」と
関大入試センターアドミッションオフィスの藪田和広課長。
ほお、腹筋、横隔膜の振動で笑いの度合いを測定するという研究は
確かにユニークで、関西ならでは、のテーマ。
関大は2010年、堺市に開設予定の健康文化学部に
「ユーモア科学専攻」も設ける計画。
日本笑い学会副会長も務める木村教授に、白羽の矢が立った。
関西では、「関関同立」と並び称される有力私大とは言え、
東京での催しには、大学も集客に不安。
しかし、講義の聴講者は午前と午後の2回で計50人を超え、
藪田さんは「上出来です」と胸をなで下ろした。
中には、関大が第1志望という東京都内の高校3年生の女子生徒の姿も。
授業での測定機の実演にも、進んでモデルに。
親せきを頼り、8月下旬の関大でのオープンキャンパスにも足を運ぶ。
同じ日、関大の千里山キャンパスでは、
早大のオープンキャンパスが開かれ、約700人が訪れた。
早大は3室を借り、学部説明会や模擬講義を3回ずつ開いたほか、
4人程度の英語の少人数レッスン「チュートリアルイングリッシュ」も披露、
計6回の授業を約30人が体験。
米国人講師が、「お互いに自己紹介して、好きなスポーツや音楽を
尋ねてみよう」と語りかけると、高校生らは時々もたつきながらも、
会話を始めた。
「質問に答える時、別の話題をつけ加える。
その話題について質問を返すと会話が続くよ」と、
講師がコツを伝授しながら授業が進んだ。
早大商学部が第1志望で、兵庫県加古川市の1浪生の男性(19)は、
「話したり聴いたりする力がつきそう。早く大学に入って授業を受けたい。
夏休みは、勉強の大切な時期なので、東京を往復するのは難しい。
近くでやってもらえて助かります」。
田中愛治・教務部長(政治経済学部教授)は、
「予想以上の参加者」と手応えを感じた様子。
チュートリアルイングリッシュについて、「早稲田は、英語を道具として
使いこなすことを重視。その点も、受験生に大いにアピールできた」。
互いのキャンパスを間借りした実験的なイベントは、
両校が5月に教育研究協力の協定を結んだことで実現。
形を変えた入試説明会と言えなくもないが、ともに一定の成果は挙げたよう。
◆早大生と関大生の出身地
早大の今春の一般入試合格者(約1万4000人)では、
関東の高校出身者が70%、中部が11%。近畿は6%強。
関大の学部生(約2万6000人)の出身地は、
近畿(福井含む、三重除く)が78%。
中国、東海、四国、九州・沖縄と続き、関東は1%。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20080821-OYT8T00220.htm
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