2008年9月2日火曜日

PRDM16は褐色脂肪/骨格筋のスイッチを調節する

(nature 2008年8月21日号Vol.454 No7207 / P.961-967)

PRDM16は褐色脂肪/骨格筋のスイッチを調節する

褐色脂肪には、呼吸を脱共役させる特殊なプログラムによって、
エネルギー消費を増大させ、肥満を予防する働きがある。

本論文では、in vivoでの発生運命地図を作製し、
褐色脂肪細胞は、白色脂肪細胞とは異なり、これまで筋細胞系列でのみ
発現されると考えられていた遺伝子Myf5を発現する前駆細胞から
分化することを示す。

転写調節因子PRDM16(PRD1-BF1-RIZ1 homologous domain containing 16)
が、骨格筋芽細胞と褐色脂肪細胞との間で細胞の運命を決める
二方向性のスイッチを制御することを明らかにする。

褐色脂肪前駆細胞からPRDM16を欠失させると、
褐色脂肪細胞の特徴を失い、筋細胞への分化が促される。

逆に、筋芽細胞にPRDM16を異所性発現させると、
褐色脂肪細胞への分化が誘導。
PRDM16は、PPAR-γ(ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ)に結合し、
転写機能を活性化して褐色脂肪生成を誘導する。

Prdm16を欠失する褐色脂肪は、異常な形態を示し、
産熱遺伝子の発現が低下して、筋特異的な遺伝子の発現が上昇。

今回の結果は、PRDM16は筋芽細胞マーカーを発現する前駆細胞を
指定して褐色脂肪系列へと分化させるが、
白色脂肪の発生には関与しないことを示す。

[原文]PRDM16 controls a brown fat/skeletal muscle switch

http://www.m3.com/tools/MedicalLibrary/nature/200808/nature/7207/01.html?Mg=4b68322d03cf1ae3f0be17c7ae0f2623&Eml=12b55b931cb52b4152963c77864c5aec&F=h&portalId=mailmag

0 件のコメント: