2008年9月5日金曜日

職員室もゆとりなく 増加する県内教職員精神疾患

(岩手日報 8月31日)

年々、増加の一途をたどる県内の教職員の精神疾患。
目まぐるしく変わる学習指導要領、対応が難しい子どもの増加、
父母との関係など、昨今の子どもたちと同様、
「職員室」もゆとりをなくしている。

教職員の悩みに長年耳を傾けてきた県立南光病院(一関市)の
山家均院長は、「精神疾患の大多数は、仕事の悩みや対人関係のストレス。
日々、人間的対応が迫られる教職員の特徴だ」

山家院長によると、教職員の精神疾患は1999年ごろから予兆、
2002年ごろに急増。
「地方公務員全般にそうだが、機構改革や大合併など、
さまざまな社会的変化が影響しているのではないか」

山家院長が相談を受けた教職員の悩みは、
①教科指導、②生徒指導、③校内外の雑務、④保護者対応、の順。
本県においては、へき地勤務による単身赴任の問題も。

「頭痛が続き、眠れず、体もだるくなり、まったく意欲がわかなくなってしまった」
県内の中学校に勤める30代の男性教諭。
うつ病と診断され、今年1月から休養。

昨年春、大規模校から小規模校に転勤。
職場環境が一気に変わり、職務内容に慣れることも、
同僚とうまくコミュニケーションをとることもできなかった。

「みんな毎日忙しそうにしていたので、話し掛けづらかった」。
1人で悩みを抱え、通院し、薬を飲みながら仕事を続けたが、限界だった。

今、振り返ると、「とにかく忙しかった」。
土日も部活で休めず、自分の健康管理などできない状態。
「業務量に比べ、教職員数は絶対的に少ない。
生徒とかかわれる時間は本当に少ない」と訴える。
間もなく復帰する予定だが、
「すぐに100パーセントの力で働くことができるだろうか」。

岩教組の豊巻浩也委員長は、
「病休前の100パーセントを求められてしまい、
また自信を喪失してしまうケースも見受けられる」と復帰後の問題点を指摘。
「同僚が完治するまで、長い目で見守ることが大事」と
職場のサポート体制の充実を呼び掛ける。

教職員の精神疾患の増加は、子どもたちへの影響も懸念。
県PTA連合会の小野寺明美会長は、
「子どもたちにも影響してくることなので、憂慮している」、
「多忙な中で、一生懸命ゆえのこと。
先生が1人で抱え込まないよう学校全体で理解し、
協力し合う工夫が必要だと思う」と改善を願う。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20080831_8

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