(毎日 8月26日)
ゴルフ場で刈り取られた芝から、バイオエタノールを製造する新技術を、
岐阜大の高見澤一裕教授(環境微生物工学)らが開発。
1カ所のゴルフ場から、車2台の1年分の燃料を生産でき、
秋にはベンチャー企業が実証プラントの運用を始める。
日本生物工学会で発表。
バイオエタノールは、トウモロコシやサトウキビを原料に実用化。
食料用作物と競合し、価格高騰を引き起こしたため、
世界で非食用植物の利用が研究。
研究チームは、ゴルフ場で使うコウライシバ、ベントグラスなどの芝に着目。
セルロースなどの繊維が多いため、酵素で繊維を糖に変えた後、
発酵させる必要がある。
チームは、数十種類の酵素からアクレモニウムセルラーゼ、
エンドグルカナーゼという2種類の組み合わせで、
高効率で糖に変換する方法を開発。
芝1グラムから、約0・15グラムのエタノールを生産することに成功。
18ホールのゴルフ場で1年間に刈る芝は、乾燥重量で約18トン、
試算ではガソリン約2300リットルに相当する
2・7トン以上のエタノールが作れる。
年間1万~1万5000キロを走る車2台分の1年間の燃料を賄える。
事業化を担うベンチャー企業、トゥービー(三重県亀山市)は、
農水省などが掲げる目標単価1リットル100円を下回る
1リットル90円以下と見込む。
ゴルフ場1カ所ずつに小型プラントを置く案や、数カ所のゴルフ場で
共同運営プラントを設置する案を検討中で、
自治体が収集した道路の雑草の利用も視野に入れる。
高見澤教授は、「芝を廃棄物として焼却すると、最大で年に1000万円かかる。
廃棄物を処分しつつ、バイオエタノールも生産できる」。
http://mainichi.jp/life/ecology/news/20080826ddm012040067000c.html
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