2008年7月25日金曜日

ビタミンC不足が老化と皮膚トラブルを促進する

(日経ヘルス 7月9日)

第8回抗加齢医学会総会で、
「美しい肌のために~年を重ねていくために今すべきこと~」と題した
ランチョンセミナーが開催。

ビタミンCの効用をテーマに、東邦大学薬学部の石神昭人准教授
藤田保健衛生大学医学部応用細胞再生医学講座の赤松浩彦教授
それぞれ講演を行った。

石神准教授の講演テーマは、「ビタミンCと老化」。
人間は、ビタミンCを体内で合成できないが、
人とサル以外の動物のほとんどが、体内でビタミンCの合成が可能。
石神准教授は、ビタミンCを合成できるマウスの遺伝子を操作することで、
体内でビタミンCを合成できない(SMP30遺伝子ノックアウト)マウス
を作ることに成功。
このマウスを使った実験で、体内でのビタミンC不足が体にどのような
影響を及ぼすのかを科学的に検証。

SMP30遺伝子ノックアウトマウスに、ビタミンCをまったく与えずに育てると、
マウスは壊血病で死亡。
1日必要量の2.5%という、わずかなビタミンCを与えて育てた場合、
体重が減少し、骨を構成する組織がぼろぼろになるという
老化の症状が現れた。

SMP30遺伝子ノックアウトマウスの臓器を調べたところ、
「小脳や膵臓などの臓器に比べ、皮膚はビタミンCが不足しやすい」。
皮膚の老化を予防するためには、肌に直接塗ることで、
抗酸化作用や抗炎症作用などを促すのがいい。

新たに、ビタミンCが合成できないヘアレス(体毛を除いた)マウス
開発に成功した。
石神准教授は、「ビタミンCが不足した場合、角層がボロボロになり、
ターンオーバーも遅れた様子が観察できた」。

ヘアレスマウスは、皮膚科研究の評価・観察に多用される。
今後、化粧品の成分評価などへの応用も期待できそう。

ビタミンCの摂取方法に質問が及ぶと、
「食事でとるのが一番だが、サプリで補給する場合は食間、食後に
のむように。過剰摂取は避けて、1日1gまでを目安にするといい」。

http://nh.nikkeibp.co.jp/article/nhpro/20080708/102154/

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