(日経ヘルス 6月9日)
夕方になると、足首が痛くなる程むくむ。
朝は、普通に履けた靴が夜になるとキツくなる。
女性なら、こんな「脚のむくみ」を経験したことがある人は多いはず。
こうした脚のむくみの予防、解消に関する情報提供を目的とした
研究会「足のむくみ予防研究会」がこのほど発足。
代表世話人には、東海病院下肢静脈瘤・リンパ浮腫・血管センターの
平井正文医師、広田内科クリニックの広田彰男院長、
東邦大学医療センター大橋病院循環器内科の中村正人准教授らが就任。
発表会当日は、代表世話人の一人である平井医師が
「血流のメカニズムとむくみの正体」をテーマに講演を行った。
むくみとは、皮膚の下に余分な水分がたまった状態のこと。
人間は、両脚で立つという状態によって、
血液やリンパ液などの液体が重力によって、脚に落ちてしまいがち。
本来、脚の筋肉や皮下組織がポンプのように働き、落ちてきた血液などを
押し上げることで循環が生まれる。
しかし、脚のポンプの力が弱いと、余分な水分が脚にたまり、
むくみやすくなる。
平野医師は、脚の周径を画面上に再現して計測する、
三次元形状計測装置(格子パターン投影法)を使って、
周径の変化でむくみ具合を評価。
女子大学生を対象に、90分間椅子に座ったとき、座ったままの状態と、
20分ごとにつま先を上げ下げする足関節運動を10回やった場合の
むくみ具合を調べた。
運動をしないときに比べ、足関節運動をした場合はむくみが抑えられた。
運動によるむくみ解消の効果を測定。
実験では、10分間の空中自転車こぎ、歩行、脚を挙げる、という
三つの動作を行った後に、足の周径を計測。
むくんだ状態の周径から、どの程度引き締まったかを調べた。
結果、空中自転車こぎによって、むくみが最も解消された。
「ただし、立って歩くことは、自らの体重も圧力となって、
水分を押し戻す脚のポンプ作用が強くなる。
普段から、歩くことを意識することがむくみ予防の一番の近道」。
脚の部位ごとに圧力を変えた「弾性ストッキング」のむくみ予防作用にも注目。
健常者であれば、ごく弱い圧迫(8mmHg)であっても、
むくみを予防する効果があることを実験で確かめた。
平野医師は、「むくみ予防を考えた場合、一般人は10mmHg前後、
立ち仕事やむくみやすい人は、20mmHg前後の弾性ストッキングを
着用するのがお薦め。
病的なむくみや、うっ血性心不全や糖尿病、高齢者の使用には、
医師と相談して着用する必要がある」。
同研究会は、今後もシンポジウムやセミナーなどの開催を予定し、
むくみに悩む女性たちへの情報提供を行っていく方針。
http://nh.nikkeibp.co.jp/article/nhpro/20080604/101890/
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