酸素や栄養分に乏しい海底下350メートル前後までの泥(堆積物)
の中に、大量の微生物が生息していることを、
海洋研究開発機構などが突き止めた。
地球全体でみると、地上の全植物の6分の1に相当する量と推計。
陸上や海中に匹敵する「第3の生命圏」を明らかにし、
生命の進化や環境適応の解明につながる成果で、
20日付の英科学誌ネイチャー(電子版)に発表。
海底下については、約1000メートルの深さまでの堆積物から、
1立方センチ当たり10万~10億個の生物細胞が、
遺伝子の形で見つかっていた。
しかし、生きているのか死んでいるのかは分からなかった。
海洋機構高知コア研究所の諸野祐樹研究員(微生物生態学)らは、
独ブレーメン大と共同で、世界16カ所から採掘された海底堆積物を分析。
生きた細胞の指標となる細胞膜の脂質を抽出し、
10センチ~365メートルの深さまでに、アーキアと呼ばれる微生物が
大量に生息していることを発見。
海底下のアーキアの総量は地球全体では、
炭素換算で900億トンに上ると推定、
地上の全土壌中に住む微生物の3倍以上に相当。
アーキアは、通常の細菌(バクテリア)より細胞膜が硬く、
物質を透過しにくい特徴。
諸野さんは、「厳しい環境に適応し、独自に進化したのではないか」
0 件のコメント:
コメントを投稿