(Medscape 7月15日)
『BMJ』Online First号に報告された前方視的コホート研究の結果、
心肺系の健康状態に関して補正した条件でも、
男性の筋力は全死亡率および癌死亡率と相関関係を示す。
カロリンスカ研究所のJonatan R. Ruizらは、
「レジスタンス運動トレーニング(無酸素運動)は、筋力増強効果があり、
主要な保健機関が健康および体力の向上を目的として処方。
心肺系の健康状態から、幅広い年齢層の成人の疾患および
死亡リスク全般に関し、強力かつ独立した予後情報が得られる。
筋力が全死亡率と逆相関関係にあることは、
複数の前方視的研究から明らか」
縦断的研究の目的は、男性の筋力と、全死亡率、心血管系疾患による
死亡率および癌死亡率の関係を前方視的に検討すること。
20-80歳の男性8762例を対象、2003年までの全死亡率を観測。
筋力は、レッグプレスおよびベンチプレスの1回反復可能な最大負荷を
組み合わせた変数により定量化。
参加者は、年齢別に3群(高筋力群、中筋力群、低筋力群)に分けた。
心肺系の健康状態は、トレッドミル最大運動負荷試験により測定。
追跡期間(平均18.9年)中に死亡した男性は503例、
うち145例の死因は心血管系疾患、199例の死因は癌。
低筋力群、中筋力群、高筋力群における年齢補正死亡率
(10,000人-年あたりの死亡数)は、全死亡率は38.9、25.9、26.6、
心血管系疾患による死亡率は12.1、7.6、6.6、癌死亡率は6.1、4.9、4.2。
年齢、身体活動度、喫煙、飲酒、体格指数、ベースライン時の医学的状態、
心血管系疾患の家族歴に関して補正したハザード比(HR)を求めた。
全死亡率の補正HRは、低筋力群、中筋力群、高筋力群が1.0、0.72、0.77。
心血管系疾患による死亡率の補正HRは、それぞれ1.0、0.74、0.71。
癌死亡率の補正HRは、1.0、0.72、0.68。
心肺系の健康状態に関して補正したところ、
筋力と全死亡率および癌死亡率の相関パターンに変化がなかった一方、
筋力と心血管系疾患による死亡率の相関性は低下。
「男性の筋力は、心肺系の健康状態および他の交絡因子に補正した条件で、
全死亡率、癌死亡率と逆相関関係を示し、
この関係は他の因子の影響を受けない」。
研究の限界は、教育水準が高く社会経済的地位が中から高の
白人男性以外に一般化できないこと、
使用薬物および食事に関する詳細な情報がないため、
残りの交絡因子により結果にバイアスが生じた可能性、
参加者の癌家族歴が報告されず、自己選択バイアスが示唆される。
「上半身および下半身の主要筋肉群の定期的な
レジスタンス運動トレーニング(週2-3回)を推進することにより、
男性の全死亡率を低下できる可能性がある。
レジスタンス運動トレーニングは、有酸素運動の代わりに行うのでなく、
有酸素運動に追加して行うべき」
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=SPECIALTY&categoryId=580&articleLang=ja&articleId=77645
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