(岩手日報 7月19日)
沢村の県農業研究センター畜産研究所家畜育種研究室は、
そばの乾めんくずとおからを乳酸発酵させた飼料(サイレージ)を、
豚や特産肉用鶏「南部かしわ」に食べさせ、
飼料コストを削減できるとする研究成果を明らかにした。
鶏は3割減、豚は半減し、豚は肉質も向上。
世界的に飼料が高騰する中、自給できる飼料の一つとして注目。
サイレージは、そばの乾めんくずとおからを6対4の割合で混ぜ、
ポリ袋1袋に20キロ入れて密閉。
2週間かけて乳酸発酵。
乳酸菌が酸素を消費し、ほかの雑菌が活動できないため
漬物の原理同様、保存期間が延びる。
肥育後期の豚に、サイレージと市販の配合飼料をそれぞれ与えると、
発育はほぼ同じだったが、サイレージ飼料を与えた豚は、
ロース中の霜降りの度合いが増加し、軟らかく肉汁が豊富になった。
南部かしわは、サイレージと配合飼料で発育と産肉は同等。
出荷までの豚1頭当たりの飼料費は、サイレージが3329円で、
6718円の配合飼料の半分以下。
南部かしわ1羽では、配合飼料416円に対しサイレージが307円。
飼料価格は、サイレージの1キロ18・1円に対し、豚用の配合飼料は
昨年10月の同研究所の購入単価で1キロ50・8円。
現在は、さらに約16円値上がり。
県内豆腐メーカーでは、おからを廃棄処分するメーカーも多いといい、
資源の有効活用策として期待。
課題は、給餌方法。
大規模な養豚場で主流の自動給餌機械では、水分が多いサイレージは
そのまま使うことができず、手作業での給餌が必要。
頭数が多いと、給餌に人件費がかかるため、
養豚では500頭までの小中規模農家での活用を勧める。
小麦とそばを主原料とするそば乾めんくずは、量が多くないといい、
サイレージに代替できるほかの資源も検討。
同研究室の吉田力室長は、「穀物が世界的に逼迫する中、
地域の資源を有効に使え、地域の養豚養鶏振興にも寄与できる。
食産業と農業の分野間をつなげる技術」と期待。
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20080719_4
0 件のコメント:
コメントを投稿