(毎日 7月19日)
さまざまなイベント企画などで、地域密着の人気を高め、
プロ野球の集客回復のお手本にもなってきたロッテ。
新たな取り組みを模索する姿勢は、まだ衰えていない。
瀬戸山隆三球団社長は、「地域密着ではなく、地域との融合」と
球団の目標を掲げる。
多額の費用をかけずとも、目標を実現する策はありそう。
今年5月、本拠地の千葉マリンスタジアムで行われた
対日本ハム戦前のマウンドに柔道着姿があった。
北京五輪柔道男子81キロ級代表の小野卓志で、
バレンタイン監督を相手に始球式。
ユニークな取り合わせに、スタンドは沸いた。
小野が所属する了徳寺学園は、千葉県浦安市で了徳寺大学を経営。
芸術学部と、理学療法士やスポーツトレーナーなどを育成する
健康科学部の2学部からなる大学で、スポーツには縁が深い。
同大学の講座で、ロッテのトレーナーらが特別講義をするなど、
友好関係にあった。
アイデアが豊富なことで知られるロッテ球団は、そこに目をつけた。
始球式だけではない。
了徳寺学園は、小野をはじめ北京五輪に柔道の4選手を送り出すが、
その記者会見まで、始球式と同じ日にマリンスタジアムで開いた。
「野球場で五輪代表選手が会見するなんて、おそらく初めてでしょう」と
球団企画広報担当の羽地朝博ディレクターが胸を張る。
学園側にとっては、五輪代表が声援を受けただけでなく、
「柔道を知らない層に対して、『了徳寺』の名前をアピールするいい機会」
(入試広報課)という知名度アップのメリット。
ロッテ側も、異種競技との交流で
「地元のスポーツ熱を高められる」とファン層拡大の期待。
教授・講師陣に、理学療法士などの有資格者を抱える学園は、
選手のリハビリプログラムや、メディカルチェックなどに
協力する希望も持つ。
羽地ディレクターは、「プロ選手なので、学生に(体調管理を任せるの)は
難しいのでは。でも、何かできることはないか話はしてみたい」
今後の新たな「産学協同」を考えている。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/
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