(共同通信社 2008年7月25日)
五輪での活躍が期待されるエリート選手たち。
主に10-20代の若者たちにのしかかる重圧は、想像以上に過酷。
日本のトップ選手でも、心身のバランスを崩して心の病気に
なってしまう例は、実は珍しくない。
日本オリンピック委員会(JOC)の強化指定選手が受診する、
国立スポーツ科学センター(東京)のクリニック。
5年前から非常勤で心療内科を担当する待鳥浩司医師(精神医学)は、
「周囲の目を気にしたり、海外遠征で時間がとれなかったりして
受診できない人が多い」。
突然の不安やパニックに襲われる不安障害、過食と嘔吐を繰り返す
摂食障害、うつ状態が現れる気分障害を訴える選手が多い。
「スタイルや体重の維持が厳しく求められる競技では、
特に女性選手で摂食障害が目立ちます」。
だが、日常的に吐き続けている選手たちには、
「嘔吐を繰り返すのは、病気ではない」という意識もみられ、
受診を妨げている。
こうした心の病気は、集団で行う球技では比較的少なく、
低年齢から始める個人競技で多い傾向。
原因はさまざま。
直接のきっかけは成績不振や失敗だが、
親や指導者との極端な密着や閉鎖的な関係に悩む選手も多く、
中には暴力や虐待が背景に潜んでいる例も。
しかし、指導者に見捨てられたり競技を辞めさせられたりすることを
恐れて受診せず、症状の悪化を招いてしまうケースも少なくない。
「精神疾患も風邪も病気。病院にかかるのは当然のことだ。
周囲の理解が得られないと、治療はうまくいかない」。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=77639
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