2007年10月17日水曜日

2型糖尿病のヘモグロビンA1C目標値に関する新ガイドラインを発表

(MDMedscape Medical News 9月17日)

米国内科学会(ACP)は、
2型糖尿病患者のヘモグロビンA1c目標値に関する指針を発表。
『Annals of Internal Medicine』9月18日号に掲載。

ACPのAmir Qaseem, MHAとACP臨床的有効性評価分科会の委員らは
「この指針は、他団体のガイドラインから抽出抜粋したもので、
現在あるガイドラインの長所と短所を評価した上で作成」。

「様々なガイドラインの評価では、
Appraisal of Guidelines, Research and Evaluation in Europe(AGREE)
評価ツールを使用した」。
ガイドラインでは、ヘモグロビンA1c目標値を推奨しているかどうかに加え、
ヘモグロビンA1c目標値の選択でも異なる。

米国家庭医学会のガイドラインを除くすべてのガイドラインが、
目標ヘモグロビンA1cを明記。
目標値として、7%前後のヘモグロビンA1cを推奨していたが、
微小血管及び大血管合併症のリスク、寿命、併存疾患の状況など
個々の患者の因子に基づいてヘモグロビンA1c目標値を
調整することを推奨したガイドラインも。
特殊な患者の場合、ヘモグロビンA1c目標値を個別に設定する点では、
レビューしたすべてのガイドラインが一致。

ACP委員会は、現在あるガイドラインを検討後、3つの声明を発表。

声明1:糖尿病の微小血管合併症を予防するため、
血糖コントロール目標値は可能な限り低く設定すること。
ただし、過剰な有害事象リスクや、許容できない負担を患者に与えない。
治療目標を立てる前に、血糖コントロール値のリスクと利益を話し合う。

ヘモグロビンA1c 7%未満が妥当であるが、すべてに適用されるわけではない。
高齢または虚弱患者、コントロールによる有害事象のリスクが高い患者、
併存疾患から実質上余命が短い患者に対しては、
ヘモグロビンA1c目標値を7%以上にしなければならない場合も。
微小血管合併症のリスクが高い患者では、
より厳しい目標値の設定が必要。

声明2:糖尿病合併症のリスク、併存疾患、寿命、患者の好みを
個別に評価した上で、特定のヘモグロビンA1c目標値を決定する。

声明3:ACP委員会は、特に重大な併存疾患を有する患者における
最適な血糖コントロール値の評価研究を実施することが好ましい。
「特に別の併存疾患を持つ患者では、
様々な血糖コントロール値の利益と害を把握することがまだ難しい」

「血糖コントロールはもちろん重要であるが、
血圧および脂質の管理も糖尿病合併症の予防に不可欠。
さらなる研究によって、年齢の異なる患者や併存疾患を有する患者、
実際の診療でよくある代表的患者集団の最適な血糖コントロール値が
明らかになれば、またひとつ糖尿病管理の重要な指針が増えることに」。

Ann Intern Med. 2007;147:417-422.

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=SPECIALTY&categoryId=580&articleLang=ja&articleId=55883

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