2011年1月8日土曜日

2011年の科学界:ISSが完成、宇宙開発「一里塚」

(毎日 1月4日)

2011年は、人類が初めて宇宙を飛んでから50年の節目。
日本では古川聡飛行士(46)が、今年完成を見る
国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在するほか、
中国が独自の宇宙ステーション計画を始動。
科学に関する今年の主な話題を紹介。

旧ソ連空軍のユーリ・ガガーリン少佐(1934~68)が乗った
宇宙船「ボストーク1号」が地球を1周し、
「人類初の宇宙飛行」を成し遂げたのは1961年4月12日。
ガガーリン少佐は、100分あまり飛行してソ連領内に無事帰還、
「地球は青かった」という名言を残した。

50年後の2011年、世界の有人宇宙開発にとって「一里塚」となる年。

日本、米国、カナダ、ロシア、欧州の計15カ国が参加し、
地上約400kmの上空で、98年から建設が進められてきた
ISSが今年、いよいよ完成する。
完成に伴い、延べ約800人を宇宙に運んだNASAの
「スペースシャトル」は、6月にも最終飛行を終えて引退。
シャトルには、日本人宇宙飛行士7人も搭乗した。
シャトルの引退により、米国は一時的に有人宇宙輸送機を失い、
ISSへの往復は、ロシアのソユーズ宇宙船に頼ることに。

5月末、古川聡飛行士がソユーズ宇宙船で、
ISS長期滞在任務に出発する。
すでに長期滞在を経験した若田光一飛行士(47)、
野口聡一飛行士(45)に続き、日本人3人目。

99年、宇宙飛行士候補に選抜されて以来、13年目での初飛行。
滞在は約半年。
医師として東大病院に勤務した経歴を生かし、
宇宙で人体がどのような影響を受けるかを調べる実験などで
成果が期待。

古川さんは昨年12月、自身のツイッターで、
「試合に出るため、ずっと練習してきて(中略)やっとレギュラーになれた。
やった!という感じ」と、元野球少年らしい表現で喜びをつづった。

ISS計画には参加せず、独自の有人宇宙開発を続けてきた中国は、
今年前半にも自前の宇宙ステーション建設に向けた無人実験機
「天宮1号」の打ち上げを予定。

年内にも、宇宙船「神舟8号」を無人で打ち上げ、
宇宙でのドッキング実験を実施。
2020年までに、宇宙ステーション「天宮」を完成させる計画の第一歩。

◆原子力ビジネス

国は、原子力利用の基本方針「原子力政策大綱」
(05年閣議決定)を見直す。
温室効果ガス排出削減で原発が見直されている半面、
核燃料サイクルを支える高速増殖原型炉「もんじゅ」などの計画が
遅れていることを考慮しながら議論。
新大綱の原案は、年内をめどにまとめる方針。

日本の原発技術を、海外に売り込む動きも活発化。
政府は、原発の大規模な増設を計画している韓国政府と、
12月に原子力協定を結んだ。
電力9社などが昨年設立した新会社「国際原子力開発」は、
新興国を中心に活発にビジネスを展開。
今後もアジアを足がかりに、官民一体で売り込みを進める。

◆世界化学年

今年は「世界化学年」。
マリー・キュリー(1867~1934)が、ラジウムの発見で
ノーベル化学賞を受賞して100年になるのを記念し、国連が定めた。
世界90カ国以上が、化学への理解と関心を高めるための
活動を連携して展開。

国内では、化学関係の学会や企業などで構成する
「世界化学年日本委員会」(委員長・野依良治理化学研究所理事長)
が設立、化学のPRに取り組む。
各地での市民講座開催や科学館での展示会、
小中学生を対象とした伝記「キュリー夫人」の感想文コンクール、
オリジナル切手の発行などが予定。

◆天文

月が太陽の一部を隠す部分日食が1回、月が地球の影にすっぽり入る
皆既月食が2回ある。
6月2日の部分日食は、東北・北海道で見られるが、欠け方はわずか。
12月10日の皆既月食は好条件で、
全体が赤銅色に染まる月が全国で観察できそう。

久々に大規模と期待されるのが、「10月りゅう座流星群」。
ジャコビニ流星群とも呼ばれ、日本では10月9日未明、
最大で1時間に100個、欧州では800個ほど現れると予想。

◆科学技術政策

5年ごとに策定される政府の「科学技術基本計画」が3月、閣議決定。
第4期(11~15年度)の5年間に、政府の研究開発予算を25兆円、
国内総生産(GDP)の1%分投入する方針。
年平均5兆円の投資をうたうが、初年度に当たる11年度予算案で
計上したのは、その7割程度。
過去、補正予算を合わせて5兆円を達成したのは09年度の1回きりで、
科学技術予算を、「未来への先行投資」とする計画の理念が
実現するかは微妙。

11年度予算案では、研究者に配分する科学研究費補助金を
過去最高の増額とするなど、研究者への配慮もにじませた。

かつて財務官僚として、科学技術の予算編成にもかかわった
和田隆志内閣府政務官は、「過去5年間に使った予算の見返りは、
国民が納得するレベルに達していない」、
投資額に見合う成果を求める方針。
女性研究者の比率など、第3期(06~10年度)で掲げた数値目標を
達成したかを、2~3月に評価。

科学技術政策の司令塔「総合科学技術会議」の強化など、
政権交代以来、積み残してきた課題の解決も、今年ヤマ場を迎える。
==============
1月 4日未明 しぶんぎ座流星群ピーク
6月 2日早朝 部分日食(一部地域)
6月16日未明 皆既月食(一部地域)
10月 9日未明 10月りゅう座流星群ピーク
12月10日夜  皆既月食

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2011/01/04/20110104ddm016040017000c.html

国語力を鍛える(2)文章の種別で書き分け

(読売 1月6日)

「『調査報告文』はすっきりしていて、『意見文』は説得力がある」。
クラスメートが書いた2種類の文章について、
5人ずつの班で話し合って見つけた特徴を発表。
北九州市立折尾西小学校で行われた5年生の国語の授業。

狙いは、文章の目的や相手に着目し、

文章の種類ごとの書き方を整理すること。
担任の岩倉智子・指導教諭(50)が、子どもたちの発表を
黒板に書きとめながら、二つの文の違いをまとめていった。

ごみ問題をテーマに意見文を書いた有松穂野花さん(10)は、
江戸時代の庶民の生活を調べ、現代の人々がごみを減らすために
できる工夫を、ベストテン形式にしてまとめた。

「友だちから、ベストテンが分かりやすかったとほめられ、うれしかった。
文章を書き上げる過程で、友だちと意見を交換し、
アドバイスを受けることも多い」

同市教育委員会は、専門性の高い教科教育の実践研究を行う
「学校大好きオンリーワン事業」を推進。
国語科の推進校となった同小は、2008年度から、
文章の種類に応じて適切に書く力の育成に取り組んでおり、
各学年の授業で、様々な文章を書く単元を設けている。

「文章の種類によって、ふさわしい相手、目的、価値意識は異なる。
その違いを理解した上で、自分の思い、伝えたいことをじっくりと考え、
適切な言葉を選んで書く力の習得を目指している」
研究主任でもある岩倉指導教諭。

文章の書き分けとともに、同小が力を入れているのが、
クラスメートが書いた文章について意見を述べ合う交流活動。
5年生の河合俊賢君(11)は、
「文章が上手な人は、作文のお手本になるだけでなく、
自分では気づかなかった自分の文章の良い点も教えてくれる」

岩倉指導教諭は、「何でも聞いてもらえるという安心感が、
国語が苦手な子にも生まれた。
2学期に入り、少しずつ自分の意見を話し始めた時はうれしかった」

河本博子校長(59)は、「交流活動で表現力がつき、
算数で式を立てる時も、根拠を持って説明できるようになった

書くことを通して思いを伝え合い、自分の文章にはない
相手の良さを考える。
そのことが相手を認めることにつながり、
コミュニケーション力の向上につながっていく。

◆折尾西小の授業の一例
▽おもちゃ作りの説明文を書こう(2年)
▽身近なもののひみつを、図書資料で調べて報告文を書こう(3年)
▽クラブ活動の楽しさを伝えよう(報告文、4年)
▽自分の生活を見直し、よりよいものにしよう(活動報告文、5年)
▽自分の歩みを振り返り、これからの生き方を考え、随筆に表そう(6年)

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20110106-OYT8T00207.htm

遅れる若手・女性研究者対象の研究開発支援課題決定

(サイエンスポータル 2010年12月29日)

若手研究者や女性研究者を対象にした、
最先端・次世代研究開発支援プログラムの採択がいまだに決まらない。
スタートが遅れると研究期間が短くなってしまうだけでなく、
任期付きの研究者は求人が遅れると、雇用が続かず
路頭に迷う可能性があるなど、研究現場への影響を心配する声も。

次世代研究開発支援プログラムには専念義務があり、
採択されたら、次年度以降の他の研究開発予算を
辞退しなければならない、という研究者に対する制約が。

採択が遅れると、来年度の研究の見通しが立たず、
困る研究者や大学なども出かねない。
予定では、10月中に日本学術振興会から採択課題・研究者の
審査結果が示され、総合科学技術会議で11月中に内定、
12月には助成金の交付申請、交付決定となるはず。

日本学術振興会から、総合科学技術会議に審査結果が示されている。
和田隆志・内閣府政務官は、「精査している。
支出して良いかを見極める」と発言、
「日本学術振興会が示した査定状況では出せるものではない」

審査は、日本学術振興会の専門家に任せることにしたはず。
津村啓介・前内閣府政務官は、「なるべく早く決定できるようにしたい」
それを受け、相澤益男・総合科学技術会議議員も、
「個別の提案書を、総合科学技術会議で見ることはしない。
それをやっていたら時間が足りないので、
それより研究を早く始められることが大事」と発言。

http://www.scienceportal.jp/news/daily/1012/1012291.html

ブロッコリースプラウト由来のスルフォラファンに ラクトフェリンなど3食品成分に比べ高い抗ピロリ菌作用

(日経ヘルス 12月7日)

東京理科大学薬学部の谷中昭典教授のグループが、
ブロッコリーの新芽(ブロッコリースプラウト)由来の有効成分
「スルフォラファン」に、ほかの三つの食品成分に比べ、
強い抗ピロリ菌作用があることを確認。

「スルフォラファン」は、ブロッコリーなどアブラナ科野菜に多く含まれる
硫黄化合物が、咀嚼の過程で変化してできる有効成分。
高い抗酸化作用を持ち、発がん物質を解毒する酵素を活性化する
働きなどが知られている。

ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は、人間の胃に住みつく細菌で、
「胃がんの発生に関与し、胃がんリスクを5倍以上に高める」

これまでも、「スルフォラファン」にピロリ菌を抑える作用があることが
報告されてきたが、谷中教授らは今回の研究で、
同じく抗ピロリ菌作用が報告されている母乳由来のたんぱく質
「ラクトフェリン」、ウコン由来の黄色色素「クルクミン」、
緑茶由来の渋み成分「カテキン」を含めた4成分で、
作用の程度を試験管で比較。

それぞれの成分をピロリ菌にさらし、
(1)ピロリ菌の増殖率、(2)ピロリ菌の生存率、
(3)ピロリ菌がダメージを受ける程度、
(4)ヒトの胃の上皮細胞へのピロリ菌の接着能、
(5)上皮細胞がダメージを受ける程度などを比較。

ラクトフェリンは、どの項目においても効果を確認できず、
(1)と(2)、(5)についてはスルフォラファンとクルクミンが
同等に高い効果を示した。
(3)と(4)においては、スルフォラファンが特に高い効果を示す結果。

ヨーグルトに含まれている乳酸菌、LG21(ラクトバチルスカゼイLG21株)
にも、抗ピロリ菌作用が確認、
「生きた細菌であるLG21は、今回の研究では同じ条件で
比較することができなかったため、評価を見送った」と谷中教授。

http://nhpro.nikkeibp.co.jp/article/nhpro/20101207/109495/

2011年1月7日金曜日

国語力を鍛える(1)理解深める「全体読み」

(読売 1月5日)

「それでは、読みの交流に移ります。
気に入った場面を隣の人に教え、好きな理由を説明し合おう」、
小林智之・主任教諭(40)が指示。

八王子市立由木中央小学校で、4年生の国語の授業。
子どもたちがそれぞれ隣の席に向かって、
情感豊かに読み上げる声が、昼下がりの教室に満ち満ちた。

子どもたちが手にしていたのは、童話作家・新美南吉の『手袋を買いに』。
授業の最後には、先生と児童の“音読対決”も行われた。
母狐が子狐に、「人間の手の方をさしだすんだよ」と言うくだりを、
児童を代表して音読した荒川翔君(10)は、
「先生より上手」と、クラスメートから支持を受け、大きく顔をほころばせた。

「約束を守りなさいという強い思いに、つかまらないでと願う
優しさを混ぜて読んだ。
自分の意見をはっきり言えるから、国語は好きです」と荒川君。
小林主任教諭は、「教師の正解を押しつけず、
児童が自由に感じたことを大切にする。
相手を意識しながら、なぜそう感じたかを根拠を明示して伝えるよう
求めていけば、疑問点を自分で解決していく態度も身につく

2011年度から全面実施される新学習指導要領に向け、
同小は09年度から、読む能力を高める国語の授業に取り組んできた。
柱の一つは、ストーリーの展開全体を見通して読む「全体読み」。
「授業時間に合わせ、場面ごとに区切ってしまうこれまでの読み方では、
登場人物の気持ちの変化などを読み取ることは到底困難」と、
研究主任の小林主任教諭。

もう一つの柱は、教材に関連した作品を取り上げる「関連読書」。
『手袋を買いに』は、3学期に教科書で取り組む『ごん狐』への導入でもある。
次の教材への意欲を喚起しつつ、同じ作者の作品を比べ読みすることもでき、
読書量の確保にもつながる。

飯田薫校長(59)は、「良質な文学作品に触れながら、
豊かな言語感覚を育成していくことが、論理的思考力にもつながっている」

「自分を分かってもらいたい」、「相手を分かりたい」――
授業での交流を通して芽生える思いが、コミュニケーション力を育んでいく。


対人関係が苦手な子どもが増えるなか、国語教育の大切さが再認識。
すべての教科の基盤となる国語力を鍛え、
コミュニケーション力向上、学力アップを目指す各地の実践を追った。

◆新学習指導要領

文部科学省が示す学習すべき内容などの基準。
ほぼ10年ごとに改定、小中学校の新しい指導要領は
2008年3月に告示。
「ゆとり教育」からの転換とともに、各教科等にわたる
「言語活動の充実」を位置づけているのが大きな特徴。
小学校は11年度、中学校は12年度から全面実施。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20110105-OYT8T00241.htm

農村の通学路を明るく…作物に優しい街灯開発

(読売 1月5日)

農作物の成長を妨げず、近くの道路を照らし出せるハイテク街灯を、
山口大の山本晴彦教授らの研究チームが開発。

稲や大豆などは、夜中に光を浴びると育ちが悪くなるため、
農地沿いの通学路に街灯を設置できない地域も多かった。
4m先の人の顔が分かれば防犯効果があると言われ、
2011年度中の販売開始を目指している。

植物の成長は、夜の照明で影響を受けやすい。
稲の場合、ろうそくで照らした程度のわずかな明るさ(2ルクス)でも
浴び続けると、穂が出るのが約5日遅れ、未熟米が増える。
水銀灯で照らされて、出穂が10日遅れた場合、
約15%減収になるとの報告。

山本教授らは、波長などが異なる100種類の光を稲に浴びせ、
影響を調べた。
その結果、長い波長の赤色光などが稲の遺伝子の働きを妨げ、
成長を遅らせることが判明。

悪影響を及ぼさない波長の発光ダイオード(LED)ばかりを

組み合わせて、青みがかった色の照明を製作。
4m先の人の顔が見える明るさ(5ルクス)で照らす試験を行ったところ、
稲の品質が劣化しなかった。
大豆など様々な作物も、光の影響を受ける遺伝子は共通、
同じ効果が期待できる。

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110105-OYT1T00050.htm

科学研究費補助金32%増 政府予算案決定

(サイエンスポータル 2010年12月27日)

政府は、来年度政府予算案を閣議決定。
第4期科学技術基本計画の初年度ということで、注目されていた
科学技術振興費(科学技術関係予算の中核)は、
1兆3,352億円と対前年度比18億円(0.1%)増。
税収見込みが当初よりも増えた部分の一部を、
菅首相がリーダーシップを発揮し、科学技術に配分した。

事業仕分けで話題になった文部科学省の競争的資金は、
科学研究費補助金が一部の若手向け資金を基金化したことで、
制度創設以来最大となる633億円(約32%)を増額、2,633億円。

科学技術振興調整費は、仕分け結果に従って廃止することになったが、
継続課題の女性研究者支援などは非競争的資金として実施、
一部のプログラムや新規プログラムについては、
科学技術戦略推進費(仮称)として、80億円を計上。

非競争的資金に伴って、間接経費はなくなるものの、
これまでの直接経費プラス間接経費にあたる予算を配分し、
間接経費的な使い勝手を可能にするよう運用の自由度を持たせることで、
現場への影響を最小限にする。

http://www.scienceportal.jp/news/daily/1012/1012271.html

2011年1月6日木曜日

世界10大ニュース:1位に反水素原子ビーム開発--英物理学会

(毎日 12月28日)

英物理学会は、今年の「世界10大ニュース」の1位に、
日本が主導する国際研究グループ「ASACUSA」の
「反水素原子ビームの開発」を選んだ。
「宇宙誕生の最大の謎に迫る突破口だ」と評価。

約137億年前、ビッグバン(大爆発)で宇宙が誕生した際、
物質と、電気的に反対の性質を持つ「反物質」とが同じ量作られた
と考えられている。
しかし、現実の宇宙は物質しかない。
反物質が、なぜ消えたかは謎のまま。

グループは、反物質の代表である反水素原子を作って、
水素原子との違いを調べる実験を考案。
欧州合同原子核研究所(CERN)に新装置を取り付け、
陽電子と反陽子から反水素を7%の高効率で合成した。
来年、反水素の性質解明に挑む。

代表の山崎泰規・理化学研究所上席研究員(原子物理学)は、
「物理学の成果が多かった年だけに、1位はうれしい。
優秀な若い研究仲間の励みになる」

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2010/12/28/20101228ddm016040008000c.html

光と熱、どちらからでも発電…新素子を初開発

(読売 1月5日)

光と熱(温度差)のどちらからでも電気を作り出せる発電素子を、
富士通研究所が開発。
1種類の素材だけで、光と熱の両方から発電できる装置は世界初。

体の状態をチェックする健康モニターなど、
24時間動く必要のある小型機器の電源として、数年後の実用を目指す。

素子の材料は、ポリ3ヘキシルチオフェンという有機化合物。
光を受けたり、温度差が生じたりすると、電気を出す性質がある。

プラスチックフィルム(縦4cm、横5cm)の上に、
この化合物の膜を作り、フィルムを4枚つなげたところ、
室内の光で1000分の1ワット、20~50度の温度差で、
1億分の1ワット程度の電力が発生。

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110105-OYT1T00165.htm

良い食事と運動の習慣を 更年期障害/5止

(2010年12月31日 毎日新聞社)

更年期障害を予防・改善するため、どんなことを心がければいいか?

日本更年期医学会理事長の水沼英樹・弘前大教授(産婦人科)は、
「更年期は老年期への準備期間ととらえ、
良い食事と運動の習慣を身につけることが必要だ」

食事は、野菜や魚を多めに取り、高カロリーのものや脂質の多い
卵黄、肉の脂身などは控える。

閉経後の女性に起こりやすい骨粗しょう症の予防のため、
カルシウムやビタミンDの摂取を心がける。
カルシウムは牛乳や乳製品、大豆製品に多く含まれ、
1日に1000~1500mg取ることが推奨。
ビタミンDは、アンコウやニシンなどの魚類、キクラゲなどの
キノコ類に豊富に含まれる。

飲酒は、適度ならストレスを取るなどの効果があるが、
飲み過ぎると骨折などのリスクが高まる。
ワインなら、1日グラス3杯程度にとどめた方がいい。

運動は、ウオーキングやジョギング、水泳など無理なく
続けやすいものが適し、1日30分、週3回以上が目安。
肩甲骨を動かしたり、肩を大きく回す体操や、背骨をまっすぐにして
上体をゆっくり回す体操は、肩こりや不眠の改善に効果がある。

水沼教授は、「過労やストレスは、自律神経が乱れる原因。
休養と睡眠を十分取り、趣味や旅行も重要だ」とアドバイス。
……………………………………………………………………
◆ミドルエージ世代から元気に過ごす10カ条

(1)「体調不良は気の持ちよう」と我慢しない
(2)40歳になったら更年期医療に詳しい婦人科などへ
(3)医師には上手に訴え、上手に質問する
(4)正確な知識と情報で自分に合う治療法を見つける
(5)更年期症状の改善は適切な医療と生活の見直しで
(6)日常の健康づくり(運動・睡眠・栄養・休養)を心がける
(7)「自分が何を望み、何が快適か」を大切にする
(8)仕事・趣味・社会参加の輪の中で本音で話せる友達づくり
(9)今からでも始めよう、パートナーとの良い関係
(10)これからこそ味わえる人生の充実期を実感しよう
(※「女性の健康とメノポーズ協会」作成)

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/1/4/130484/

消費電力百万分の1 不揮発性トランジスタ開発

(サイエンスポータル 2010年12月24日)

従来の100万分の1の消費電力で、演算も記憶も行うことができる
新しいトランジスタを、長谷川 剛・物質・材料研究機構
国際ナノアーキテクトニクス研究拠点主任研究者、
小川 琢治・大阪大学大学院理学研究科 教授、
山口 周・東京大学大学院工学系研究科 教授らの研究グループが開発。

現在のコンピュータに使われているトランジスタは、
演算素子(トランジスタ)と記憶素子(メモリ)を組み合わせた形。

コンピュータは、電源を切ると記憶された情報が保持されず、
電源を入れ直しても、元の状態に戻るまでに長い時間とエネルギーを
必要とする基本的な弱点を抱えている。

新しく開発されたトランジスタは、半導体中の電子の移動を
制御している従来のトランジスタと異なり、
わずかな金属原子を絶縁体中で移動させることから、
極めて低い消費電力で、従来の半導体トランジスタと同様の
オン・オフ動作が可能。
電圧の制御によって、状態を保持する記憶素子としても働くことが分かった。

情報通信技術の急速な進歩によって、情報通信関連機器が消費する
総電力量は、うなぎ登りに増え続けている。
これを解決するため、消費電力が極めて少なくて済む
コンピュータの実現が望まれ、そのためには電源を切っても
状態が保持される不揮発性トランジスタの開発が鍵を握っている。

新しく開発されたトランジスタは、最もエネルギーを食う記憶に要する
消費電力が従来素子の100万分の1で済むことから、
人間の脳のような柔軟なコンピュータの実現に寄与できる。

この成果は、科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業CREST
「次世代エレクトロニクスデバイスの創出に資する革新材料・プロセス研究」
の研究課題「3端子型原子移動不揮発性デバイス
『アトムトランジスター』の開発」
(研究代表者:長谷川 剛・物質・材料研究機構国際ナノアーキテクトニクス
研究拠点主任研究者)によって得られた。

http://www.scienceportal.jp/news/daily/1012/1012241.html

2011年1月5日水曜日

児童25人がハチの論文、権威ある学術誌に掲載

(読売 1月3日)

英国の小学生グループが書いた論文が、
英王立協会の発行する科学誌「バイオロジー・レターズ」に12月末、掲載。
子供の論文が、権威ある学術誌に載るのは極めて珍しい。

執筆者は、英デボン州にあるブラックオートン小学校の
8~10歳の児童25人。
科学の授業の一環で、マルハナバチを飼育。
ハチがどうやって蜜のある花を見つけるのか調べようと、
様々な色のライトを表示できる箱を使い、ハチを観察した。

黄色いライトの真ん中にある青いライトや、
逆に青いライトに囲まれた黄色いライトに、
砂糖水を仕込んでハチの行動を調べたところ、
ハチは、砂糖水がなくても、真ん中のライトに飛んでいくようになった。

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110103-OYT1T00448.htm

海外への大学留学者数08年に11%減少

(サイエンスポータル 2010年12月23日)

経済協力開発機構(OECD)などの2008年統計によると、
大学など海外の高等教育機関に留学した日本人は66,833人と、
対前年度比で約11%(8,323人)減少したことが分かった。
減少は4年連続。

日本から海外への留学者数は、04年の82,945人をピークに、
毎年2,000~3,000人ずつ減り続けていたが、
08年統計では減少数がこれまでの倍以上の8,323人に増えている。

最大の留学先である米国は29,264人と4,710人(13.9%)減り、
中国も1,907人(10.2%)減り16,733人に、
英国も4,465人と前年に比べ1,241人(21.7%)減少した。

増えたのは、カナダの558人増、ニュージーランドの93人増だけで、
ほとんどの国では日本人の留学者数は減少した。

http://www.scienceportal.jp/news/daily/1012/1012231.html

「後期高齢者医療広域連合」、市町村と連携

(2010年12月28日 読売新聞)

75歳以上のお年寄りを対象とした健康対策や保健事業で、
「後期高齢者医療広域連合」が、市町村と連携する取り組みが
広がっている。

滋賀県では、肺炎球菌ワクチンの接種代の一部を助成したり、
お薬手帳を活用したりするモデル事業を進めている。

滋賀県竜王町の中村粂弘さん(78)は今年8月、肺炎予防のため、
肺炎球菌ワクチンを接種。
接種代8000円のうち、本人負担は3000円。
県後期高齢者医療広域連合の財源を活用して、町が助成。
「ワクチンの効果は5年と聞いたが、自分の健康のため」

県広域連合では、加入者の健康対策に、2009年度から
肺炎球菌ワクチンの助成を4市町で始めた。
今年度、肺炎にかかりやすい人にも拡大。
接種を受けた人の医療費がどう変化するか、
同意を得て追跡調査も行っている。

この助成制度は、竜王町内の医療機関でも好評。
竜王町国保診療所の野洌義則医師は、
「基礎疾患のある患者らに勧めやすくなりました」

にしぶち医院の西淵繁夫院長も、「ワクチンを打った高齢者は、
病気になっても入院の心配が減り、インフルエンザが流行しても
安心して診療できます」

広域連合では、県の医師会や薬剤師会とも話し合って、
地域の医療機関で共有できる独自のお薬手帳も作っている。
処方箋をそのまま貼れるように、サイズはA5判。
予防接種歴の欄には、肺炎球菌の接種日を記録できる。

竜王町のファースト薬局では、9月以降約700人の患者に、
このお薬手帳を配布。
薬剤師の瀧川政邦さんは、「老人保健手帳を利用する人もいるが、
1冊のお薬手帳にまとめてほしいとお願いしています。
薬をただ渡すだけでなく、かかりつけ薬局として
健康管理の一翼を担いたい」と積極的。

滋賀県内では、広域連合の働きかけで、高島市でも同じような
モデル事業に取り組むほか、米原市では人工透析にならずに
済むような体制作りを検討。
こうした保健事業の方法や医療費の分析などを、
京都大医学部と連携して進めている。

県内の医療機関で勤務経験があり、医療関係者とのつながりも多い
京大の里村一成准教授(公衆衛生)は、
「お薬手帳なら、患者にも見える形でどんな情報を共有し合えばいいかを
示せるうえ、データを電子化する際にも参考にできる。
アンケートや医療費データの分析を通じ、
高齢者の健康に役立てていきたい」

厚生労働省では、保険料収納率や健診受診率などを巡って、
各広域連合が取り組んだ事業を点数化した自己評価結果を発表。
点数をつけたのは08年度分から、
滋賀は09年度に全国第2位の高い評価。
広域連合議会の議員全員が、首長または副市長という体制を
組んだことで、自治体との連携が強まったことも奏功。

全国1位の大分県も、合併で18市町村に統合されたことから、
全市町村の会議を頻繁に開けるようになり、
事業を効率よく運営している。
医療費通知も、きめ細かく行うなどの改善も重ねている。

滋賀県の目片信・広域連合長(大津市長)は、
「加入者の幸せのため、さらに介護との連携も意識した事業を進めたい」
今後も広域連合の取り組みが注目。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/28/130447/

2011年1月4日火曜日

脳内のアミノ酸不足関与か 統合失調症、治療に期待

(2010年12月27日 共同通信社)

統合失調症の患者にみられる感情や会話、社会性の喪失といった
症状に関わっているとされるグルタミン酸の神経伝達異常に、
アミノ酸の一種である「Lセリン」の脳内での不足が関係していることを、
九州大の古屋茂樹教授らのグループが、
マウスを使った実験で24日までに突き止め、
米生化学・分子生物学会誌(電子版)に発表。

古屋教授は、脳内でLセリンを増やす方法の研究も進め、
統合失調症の発症メカニズムの一端を解明し、
治療薬の開発に結び付く可能性も期待。

Lセリンは、グルタミン酸の神経伝達時、刺激を受け取る受容体を
活性化させるアミノ酸「Dセリン」の元となる物質。
これまで統合失調症の患者について、
血液中などのDセリンの含量低下が報告。

古屋教授らは、Lセリンの供給源に注目。
遺伝子組み換えにより、脳内でLセリンを生合成できないマウスを
作成して解析、脳内のLセリンは正常なマウスの15%程度、
Dセリンは10%以下の含量まで低下し、
グルタミン酸の受容体機能も低下した。

古屋教授は、「特に脳内でのLセリン合成が神経伝達機能を
保つため、不可欠だと確認できた」
今後、マウスの行動異常についても観察し、統合失調症との関連を調べる。

※統合失調症

幻覚や妄想、集中力の低下など、さまざまな症状を伴う精神疾患で、
青年期に発症することが多い。
発症率は人口の1%程度。
詳細な原因は不明だが、脳内の神経伝達物質のバランス異常や、
ストレスなどの環境要因が複合的にかかわっている。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/27/130347/

宙に浮く八幡平の地熱開発 国の調査予算大幅減

(岩手日報 12月24日)

クリーンエネルギーとして期待される地熱発電の国内開発計画が、
宙に浮きそうだ。
国の2011年度予算案の調査関係予算は、
外部有識者による事業評価で、廃止を含む抜本的改善を求められ、
大幅削減の見通し。
近年、地熱開発に本腰を入れていた国は、一気にブレーキを踏んだ形。

八幡平市の松尾八幡平地域では、
地熱発電事業化へ向け調査が進められ、
関係者は来年度以後の見通しが立たず、頭を悩ませている。

国の地熱開発促進調査事業の11年度予算案は、
前年度の約6億800万円から約1億4千万円に大幅削減される見込み。
地中の熱水を調査するパイプ試掘は、1本数億円かかるとされ、
試掘もできない勘定。

国が縮小へかじを切る契機となったのは、
5月の経済産業省の行政事業レビュー。
外部有識者が事業実態を点検し、執行や予算要求に反映する
「省版事業仕分け」だ。

同調査事業は、1980年度から10年度までに約930億円を投入し、
全国68地点で実施。
地熱発電が事業化されたのは5カ所で、
発電所は99年以来建設されていない。

地熱発電の開発についてレビューでは、
「費用対効果が期待できない」などの意見が多く、
廃止を含む抜本的改善が決まった。

経済産業省資源エネルギー庁電力基盤整備課は、
「安定し評価が高いエネルギーだが、費用対効果で難しいと判断」
と縮減の理由を説明。
「今後は、民間の手で調査や事業化を行い、
その後は(導入予定の)再生可能エネルギーの
電力全量買い取り制度を活用してほしい」

国は、08年12月から地熱発電に関する研究会を設置し、
発電能力の引き上げを摸索するなど近年、地熱開発を重視。
温室効果ガス排出量削減を掲げる中、
突然の後退に関係者は困惑する。

八幡平市は、松尾八幡平地域で出力1万キロワット程度の
地熱発電所の事業化を目指し、06~08年度と10~13年度に
企業とプロジェクトチームを組み開発調査を展開。
本年度は、地中の構造を調べる電磁調査などを行い、
来年度にも試掘を行う計画だったが、見通しは立たない。

田村正彦市長は、「非常にショックだ。
復活に向け、来年1年かけて手だてを考えたい」

プロジェクトのリーダーを務める地熱エンジニアリング(本社・東京)の
梶原竜哉探査部長は、「松尾八幡平地域が可能性を秘めているのは
明らかだが、国の支援がない中、企業で資金調達できるかは分からない」
と開発継続の方策を摸索する。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20101224_7

健診でストレスをチェック 禁煙、分煙を義務化 職場の新安全衛生対策

(2010年12月24日 共同通信社)

厚生労働省の労働政策審議会分科会は、
職場における新たな安全衛生対策として、
定期健康診断で職場に起因するストレスをチェックすることや、
事業者に全面禁煙か喫煙室設置を義務付けることを柱とする
報告書をまとめ、細川律夫厚労相に提出。

ストレスチェックは、医師が健診に併せ、「ひどく疲れた」、「不安だ」、
「憂鬱だ」などの質問をするよう義務付け。
うつ病の兆候を確認し、専門医の面接が必要と判断した場合、
労働者のみに通知する。
希望する労働者は事業者に申し出て、
事業者は産業医や地域産業保健センターの医師に労働者との面接を依頼。

産業医らは、事業者から労働者の仕事の状態について情報を得ながら、
配置転換や時間外労働の制限などを助言。
事業者には、労働者の申し出や面接指導の結果を理由として、
解雇など不利益な取り扱いをしないよう明記。

受動喫煙対策では、一般の事業所や工場では全面禁煙か分煙を義務付け。
客が喫煙する飲食店やホテル、旅館など禁煙措置が困難な場合、
換気や従業員のマスク着用によって浮遊粉じん濃度、
換気量の基準達成を求めた。
実施しなかった場合の罰則規定は、事業者側に配慮し、見送った。

早ければ、来年の通常国会に労働安全衛生法の改正案を提出。
政府は、6月に閣議決定した新成長戦略で、
2020年までに職場でメンタルヘルスサービスが受けられる割合を
100%とし、職場から受動喫煙被害をなくすとの目標を掲げた。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/24/130258/

2011年1月3日月曜日

音楽で市街地活性化 盛岡市とライブハウス連携

(岩手日報 12月24日)

中心市街地の空洞化に悩む盛岡市と、
市内の人気ライブハウスが連携し、
若者をターゲットにした音楽による市街地活性化に乗り出す。

年明けに商店街などを交えた実行委員会を設立し、
高校生や大学生による参加型音楽イベントを展開。
来年2月、市内のさまざまなパフォーマーによる
「THE盛岡フェス(仮称)」を開くなど、若い力を活性化の起爆剤にしたい考え。

同事業は市が、市内でライブハウス2店舗を経営する
盛岡クラブチェンジ(黒沼亮介社長)に事業を委託する形で実施。

実行委には、両者のほか中心商店街や近隣の大型店も加入。
事業費480万円、来年3月までに大小七つの音楽イベントを開催。

核イベントは、2月12日に県公会堂で開く盛岡フェス。
地元で活動しているロックバンドから合唱、ダンス、大道芸などの
あらゆるパフォーマーによるステージやトークショーを開催。
恒例の「もりおか雪あかり」とも連携し、出店も計画。

今月28、29両日、県内初の高校生バンドによる
トーナメント大会などを開催。
大学生合同コンサートや高校生卒業ライブ、アカペラやゴスペルなどの
各種ライブを企画。
今のところ市の補助は3月までだが、活動継続を目指して、
中心商店街にイベントスペースを常設することも計画。

今回の企画は、月間約3千人の若者を集める同ライブハウスの
動員力に注目した市が、6月ごろから練ってきた。
市内では、「いしがきミュージックフェスティバル」が開かれるなど、
音楽文化の下地もある。

同フェスのように、プロミュージシャンによる大型イベントでなく、
地元の若者らによる参加型で、運営に大学生や専門学校生を入れて
人材育成も図る考え。

市商工課の沼田秀彦課長は、
「ライブハウスに集まる若者の力を生かせないかと考えた。
情熱と行動力で、中心市街地を大いに盛り上げてほしい」と期待。

黒沼社長は、「音楽は、全ての垣根を越える力があり、
地元企業なども巻き込んで息の長いプロジェクトとして育てたい。
盛岡らしさを見つけられたらうれしい」

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20101224_14

葬儀決定まで預かります…遺体の「ホテル」登場

(2010年12月24日 読売新聞)

身近な人が亡くなってから、遺族が葬儀の段取りなどを
決めるまでの間、遺体を預かる“死者のビジネスホテル”が
今月、東京・新木場に登場。

この施設は、「りすセンター・新木場」。
生前契約に基づき、17年にわたって葬儀や遺産処理の代行を
請け負ってきたNPO法人「りすシステム」(東京)が設置。

鉄骨3階建て、延べ床面積550平方メートルの建物。
業者に葬儀を依頼するまでの間、冷蔵安置室で37体まで預かる。

遺体は、取り違いが起きないようバーコード管理する。
感染症予防のため、殺菌灯を取り付けるなど、
衛生管理に細心の注意を払っている。

遺族には、葬儀についてじっくり話し合えるように和室を用意。
遺族から要望があれば、スタッフが葬儀業者の比較や
葬儀の進め方などをアドバイスする。
遺体の安置は1泊7350円。
以後、12時間ごとに3675円。
葬儀もできる部屋の貸し出しは、1時間2100円から。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/24/130304/

冬の朝、布団出るまで13・3分 全国平均と同じ

(岩手日報 12月22日)

冬の朝、目覚めてから布団を出るまでの全国平均は13・3分、
最短は徳島と宮崎県民―。
気象情報会社「ウェザーニューズ」のアンケートで、こんな結果。

「みんなの冬の朝事情」をテーマに、同社会員を対象に今月、
携帯サイトを通じて調査。
有効回答は約1万1千人。

都道府県別で、最も布団を出るのが早いのは、
徳島県と宮崎県の11・0分、山口県の11・3分、
福井県と奈良県の11・5分と僅差で続いた。
本県は、平均と同じ13・3分。

近畿全府県で全国平均の13・3分より早いなど、
暖かい西日本で早く、北日本は遅い傾向だが、
最も遅いのは鳥取県の16・6分、熊本県16・1分、広島県15・7分と、
なぜか「のんびりトップ3」も西日本。

朝起きてから家を出るまでの男女別の時間も調査。
全国平均は女性87・2分、男性59・9分と女性の方が27・3分長かった。
男性の最短は佐賀県の47・1分、女性の最長は鳥取県の99・1分で、
1時間近い開きが出た。

寒い朝、布団から出るのに一番必要なのは、
「気合」が56%で最多、2位は「部屋を暖める」の33%。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20101222_5

2011年1月2日日曜日

さんまラーメン、10店一斉に 大船渡でお披露目

(岩手日報 12月21日)

大船渡市の飲食店有志による「大船渡さんまラーメン」プロジェクトが、
市内の10店舗で展開。
碁石海岸レストハウスで、10品をお披露目。
マップの作製・配布も予定、各店がそれぞれ趣向を凝らした味で、
知名度向上を目指す。

お披露目には発起人で、同レストハウスを運営する
小川の小川廣文社長ら全店の代表が参加。
各店のラーメンを紹介した。

同プロジェクトは、大船渡産のサンマの消費拡大や知名度向上を目的に、
B級グルメを目指すとして、8月から始動。

大船渡港水揚げのサンマを使用し、全店ともメニュー名は
「大船渡さんまラーメン」とし、価格も650円で統一。
近くマップも作る予定。

大船渡ブランド化推進会議の斉藤俊明委員長(大船渡商工会議所会頭)が、
「各店で、それぞれ内容が異なるユニークな取り組み。
将来的にはB1グランプリも誘致したい」と激励、
店主らにのぼり旗を贈った。

小川社長は、「大船渡を訪れる楽しみが増えるだろう。
大船渡のサンマを広くアピールしたい」と意気込む。

「大船渡さんまラーメン」参加店は、次の通り(かっこ内は住所と特徴)。

▽碁石海岸レストハウス(末崎町・みりん干し)
▽碁石観光ハイツ(同・穴通磯型ハンバーグ)
▽ちいぜる(同・すり身の焼き物)
▽オーシャンビューホテル丸森(大船渡町・すり身と骨煎餅(せんべい))
▽西苑飯店(同・すり身の揚げ物)
▽萬来食堂(同・サンマ煮)
▽マイヤファミリーレストラン(同・担々(たんたん)麺に揚げ物)
▽こけし(盛町・すり身ボール)
▽秋刀魚(さんま)だし黒船(猪川町・サンマだし)
▽美食厨房まるよし(日頃市町・竜田揚げ)

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20101221_8

大腸がん確率、計算できる 年齢、体格、生活習慣で

(2010年12月22日 共同通信社)

40~69歳の男性が、今後10年間に大腸がんになる確率を、
年齢や身長、体重などのデータと生活習慣から簡単に導き出す
計算法を、国立がん研究センターなどが開発、22日発表。
確率は0・2~7・4%になる。

同じ年代でも、生活習慣によって確率は数倍違う。
開発に携わった笹月静・同センター予防研究部室長は、
「確率の数値そのものを気にするよりも、
生活習慣を見直すきっかけにしてほしい」

計算法では、40~44歳を0点、45~49歳を1点などと数値化。
体重(kg)を身長(m)の2乗で割った体格指数(BMI)が
25未満は0点、25以上は1点。
飲酒は、飲む頻度や量に応じて0~2点。
喫煙習慣と運動する量に応じた点数を設定。
5項目の合計点に対応した大腸がんの発症確率が分かる。

茨城など6府県の40~69歳の男性約2万8千人を、
1993年から2005年まで追跡した疫学調査から、
大腸がんの発症確率を予測する計算法を開発。
別の地域の約1万8千人に当てはめると、
予測とほぼ同じ発症割合になった。

女性では、大腸がんのリスクを予測する項目がはっきりせず、
こうした計算法はできない。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/22/130196/