2011年7月2日土曜日

大船渡でがれき焼却開始 セメント工場、1日300トン

(岩手日報 6月23日)

太平洋セメント大船渡工場(安藤国弘工場長)は22日、
東日本大震災の津波で発生した同市内のがれきの焼却処分を始めた。
23日から、陸前高田市のがれき処分も開始。
セメント製造用の焼成炉(ロータリーキルン)を転用し、
1日約300トンの処分を計画。

初日は、大船渡町茶屋前などから運ばれた木くずなどを処理。
集められたがれきは現在、同工場のサッカー場で5cm以下に破砕し、
炉に投入後、800度以上で焼却。
焼却後の灰は、3割程度の量になる。
灰は、奥州市江刺区のいわてクリーンセンターに埋め立てる予定。

大船渡市の分別・破砕作業は今後、
永浜・山口地区の港湾埋め立て地に移す。

同工場は、5月に構内のがれきで試焼却を開始。
その結果などから、投入場所の改良や散水設備の設置などを行ってきた。
塩分を多く含んだがれき焼却は炉を傷めるが、
同工場は「覚悟の上」と地域貢献を優先。

同工場自体も、津波で甚大な被害を受け、
セメント生産の再開は11月になる見通し。
12月に、もう1基ある焼成炉の再稼働させる目標。

安藤工場長は、「これまで、がれきは撤去できても、処分できない状態。
がれき焼却で、地域に貢献するのはわれわれの使命であり、
誇りだと思っている」

県の推計では、大船渡市では約75万6千トン、
陸前高田市は約86万5千トンのがれきが発生。
同工場は、県内屈指の焼却能力があり、
県はがれきの主要な処理先の一つに位置付け。

県の実行計画案によると、県内被災地のがれき処理は、
今秋以降に本格処理を開始し、2014年3月末までの完了を目指す。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20110623_7

海抜0メートル地帯拡大 本県沿岸1・8倍に

(岩手日報 6月23日)

国土交通省は、東日本大震災に伴う本県沿岸部の
地盤沈下調査の結果を公表。
海抜0m以下になる陸地の面積は0・6平方キロ、
震災前と比べ、推定で1・8倍に拡大。

本県は梅雨入りしたが、損壊した防波堤や防潮堤は、
県が仮復旧を進めている段階で、大雨などによる潮位の変化に警戒が必要。

震災を受け県は4月、沿岸部の全域で、航空機から地表に
レーザーを当て、地盤の高さを計測する調査を実施。
2005~06年、沿岸の一部で調査した結果と今回のデータを、
国交省が比較し、震災前後の変化を解析。

陸地がそれぞれ海抜0m以下、大潮の満潮位(70cm)以下、
過去最高潮位(120cm)以下となる面積を算出。
震災前後の比較が可能な地域のデータを基に、
沿岸部全体の増加割合を推定。

海抜0m以下の陸地は、陸前高田市の高田松原など0・6平方キロ。
大潮の満潮位以下は、同3・2倍増の3・5平方キロ。
過去最高潮位以下となる陸地は、同2・3倍増の8・1平方キロ、
地盤沈下が広範囲にわたることが確認。

国土地理院が4月に行った調査では、陸前高田市小友町で
最大84cmを記録するなど、沿岸全域で沈下を確認。
県は、7月上旬までに損壊した河川堤防と防潮堤計11カ所の
応急復旧工事を終える方針。

同省東北地方整備局の舛田直樹河川計画課長は、
「被災地域の安全性を判断する一つの目安として、
地元自治体に活用してほしい」

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20110623_12

なぜ起きるの? 熱中症/上 医療&健康ナビ

(2011年6月19日 毎日新聞社)

梅雨明けから夏の盛りにかけて、熱中症が多発する季節。
厚生労働省によると、毎年平均で約350人が死亡。
気象庁が発表した3カ月予報では、気温は九州から北陸、東海までは
平年並みか高めで、東北と北海道は平年並み。
東京電力福島第1原発事故の影響で節電が求められるなか、
専門家は、「熱中症の症状やメカニズムを理解し、予防につなげてほしい

◇くらっと目まい

10年8月18日、千葉県旭市。
左官業の50代男性が仕事の手を休めると、突然くらっと目まいがして倒れた。
この日の天気は曇りで、日中の気温約28度、湿度約90%と蒸し暑かった。
くらっとしたのは、この夏だけで3~4回目。
市内の国保旭中央病院救急救命科に駆け込んだ。
体温は36度7分、脈拍や血圧なども安定、
両腕につったような感じと脱水症状があった。
熱中症と診断、生理食塩水を点滴されると、症状が消えた。

◇高齢者は要注意

人は暑かったり、運動などで体温が上がると、汗を流すなどして体温を調節。
汗が皮膚から蒸発すると、気化熱が奪われて体温を下げることができる。
血液の流れが、体内の熱を皮膚の下に運び出し、網目のように広がる
毛細血管を流れる間に、外気へ放熱。

発汗による脱水症状が進むと血液が減り、熱を運ぶ機能が下がる。
心臓が血流をスムーズにするため、心拍数を上げようとしても、
高温にさらされ、心臓を動かす筋肉に流れる血液も減り、
心臓への負担が増す。
その結果、体温調節が困難になり、体温が上昇、
熱中症になりやすくなる。

心臓の機能が弱っている心疾患や、血圧を下げる薬を服用している
高血圧の人は、危険性が高い。
高齢者も、発汗機能の低下や体内水分量の減少、
暑さに対する感受性の悪化などで注意が必要。

日本救急医学会「熱中症に関する委員会」委員長の三宅康史医師は、
「高齢者は、熱帯夜や猛暑日が続くと、徐々に脱水が進み、
持病が悪化したり食欲が落ちたりする。
複合的な要因が絡んで、熱中症になる」

熱中症の危険性は気温のほか、湿度や日差しの強さなど、
さまざまな気象条件が影響。

天気予報の気温は通常、直射日光が当たらない日陰で計測。
「気温30度」と発表されていても、アスファルト上の体感温度は
さらに4~5度高い。
財団法人「気象業務支援センター」の専任主任技師、村山貢司さんは、
「天気予報の気温が32度を超えると、路上での体感温度は
体温を超えているので注意して」

梅雨明け直後や梅雨の晴れ間など、急に暑くなった時や
風が弱く湿度が高い時は、体が暑さに慣れていないうえ、
汗が蒸発しないので、警戒が必要。

◇屋内でも重症化

熱中症は、重症度に応じて軽い方から1~3度に分類。
日本救急医学会の調査によると、10年の熱中症1780症例のうち
約4割が1度、2と3度はそれぞれ約3割。

年齢別では、50歳以上で3度の割合が多く、高齢者ほど重症化の傾向。
10代は運動中、20~50代は仕事中、60代以上は日常生活の中で
発症するケースが目立ち、日常生活で発症した半数超は屋内にいる時

左官業の男性は、「水分摂取を心がけていた」
国保旭中央病院の神田潤医師は、「対策をしているつもりでも、
水分や塩分などの補給不足で、不十分なケースがある。
症状が軽いうちに対処すれば、重症化せずに済むので、
目まいや筋肉痛など熱中症の症状があれば、早めに医療機関を受診して」
………………………………………………………………………
◆日本神経救急学会による熱中症の症状と重症度の分類

分類 症状                                重症度
1度 目まい・失神・筋肉痛・筋肉のこむら返り・大量の発汗    軽                                                  
                                        ↑
2度 頭痛・不快感・吐き気・だるさ・虚脱感・意識障害・けいれん
                                        ↓
3度 手足の運動障害・高体温                     重

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/6/20/138136/

世界初、血液検査で消化器がん発見…精度9割

(2011年6月20日 読売新聞)

金沢大発の医療ベンチャー企業「キュービクス」(石川県野々市町)は、
簡単な血液検査だけで、「消化器がん」を発見できる
世界初の検査キットの輸出を目指し、欧州人向けの性能試験のため、
ドイツの医療企業に検査キットの提供を始めた。

同社は、同大医薬保健研究域の金子周一教授らが約2年前に開発した、
消化器がんの有無を血中の遺伝子の変化で判別する新技術を使い、
「マイクロアレイ」と呼ばれる検査キットを製造。

この検査キットを使えば、2・5ccの血液を採取するだけで、
3日で結果が分かるといい、胃がん、大腸がんなどの消化器がんを
9割の精度で発見できる。

同社によると、これまでの性能試験は日本人だけに行われてきたため、
人種が違っても同様の性能があるかどうかを調べようと、
ドイツの企業と共同で試験に臨む。

マイクロアレイは、8人分を同時に検査でき、原価が1枚約40万円。
キュービクスの丹野博社長は、「人間ドックのオプションとして、
需要が期待できる。すでに国内の医療機関からは引きあいもあり、
今年度は1億5000万円の売り上げを目指したい」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/6/20/138173/

2011年7月1日金曜日

南アフリカ…貧困層向けに「無料大学」

(読売 6月2日)

パソコンが並ぶ教室で、学生たちが株取引の模擬訓練に熱中。
別の教室では、マーケティングをテーマに白熱した議論が交わされている。

南アフリカの商都ヨハネスブルクにある学校「CIDAシティーキャンパス」は、
貧困層の若者に、実質無料で大学教育を行っている。

CIDAとは、社会発展のため貧困層の教育支援などを行う
非営利組織「社会個人開発協会」。
同校は、同組織の創設者で貧民街で勉強を教えるボランティアをしていた
経営コンサルタントらが、経済的な理由で進学を諦める学生の
受け皿として、2000年創立。

3年間で、経営管理学士の取得を目指す。
学費は寮、食費込みで月額約2000円、払えなければ無料。
1200人を超す卒業生は、金融界などで活躍、就職率は89%。

現在の学生数は、周辺国も含めて662人、
コンゴ出身のユンバさん(22)は、「進学を諦めていた私には
夢のような学校」と笑顔を見せる。

年約4億6000万円の運営費に公費補助はなく、企業や著名人の寄付に
頼るが、同校のネサン・チェティ営業部長(43)は、
「本校への寄付は投資になる」と強調。

昨年、株取引の全国コンテストで上位10位に同校から4人が入賞し、
スポンサー企業は優秀な学生を採用できた。
同様の学校は国内に2校新設、最近はボツワナから視察があった。

アフリカは、15歳未満人口が41%を占め、13%の日本より若いが、
大学進学率は5%と低迷。
学費の負担だけでなく、大学を拡充できない国の力不足も要因。
民間主導の人材開発の試みは、
アフリカの貧困問題解決のモデルとして注目。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/jijou/sekai/20110602-OYT8T00283.htm

陸前高田で弁当移動販売 大船渡の居酒屋

(岩手日報 6月22日)

大船渡市立根町の居酒屋「KAIZAN」(新沼崇久代表)は、
陸前高田市竹駒町の市社会福祉協議会事務所前で、
弁当や軽食の移動販売を始めた。

黄色の車両による移動販売で、手作りの日替わり弁当、オムライス、
三陸産のワカメを使ったうどん、ホットドッグなど軽食を中心に
15種類ほどを売っている。
価格は、ワンコインの500円以下が中心、
その場で食べられるテーブルも設置。

新沼代表は、「陸前高田は、食べるのに不便な状況が続いている。
要望があれば、イベントや買い物が不便な地域にも出向きたい」と、
さまざまな地域に出向くことを計画。

営業時間は、午前10時から午後7時ごろまで。不定休。
問い合わせは、同店(090・5598・9544)へ。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20110622_11

"曖昧さ"で環境適応 遺伝子の働きに個体差

(2011年6月20日 共同通信社)

生物は、同じ遺伝情報を持っていても、
働く遺伝子の量に個体差があるため、環境変化に柔軟に
適応できることを、大阪大や弘前大のチームが大腸菌で明らかに。

働く遺伝子の量で各個体の特性が変わり、
予期せぬ状況でも、種として残れたと考えられる。

四方哲也大阪大教授は、「気候変動があっても、生物が持つ曖昧さにより
生き残ってきた仕組みの一端だ」

生物に必要なヒスチジンという、アミノ酸の合成に関わる酵素hisCに着目。
大腸菌で働いている量を調べると、
平均を1として0・5~2倍のばらつきがあった。
ヒスチジンがない環境で培養すると、hisC遺伝子が多く働いて、
ヒスチジンの合成能力が高い菌が優先的に増殖。
14時間後には、働いている遺伝子の平均量が2倍以上。

遺伝子の突然変異は起きておらず、四方教授は、
「曖昧さを利用した適応には、進化に伴うエネルギーと時間が不要で、
迅速に環境変化に対応できる」

成果は、モレキュラー・システムズ・バイオロジー電子版に発表。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/6/20/138186/

アルツハイマー病やALS、進行抑える物質生成

(2011年6月22日 読売新聞)

名古屋大学環境医学研究所の錫村明生教授らの研究グループが、
アルツハイマー病や、悪化すると全身がまひする
「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」などの進行を抑える
たんぱく質の生成に成功したと、
21日付の米科学誌プロスワン電子版。

錫村教授らのグループは、漢方薬の原料である「甘草」の主成分が、
脳内で多くなるとアルツハイマー病などを引き起こす
「グルタミン酸」の大量放出を抑える効果があることを発見。

この成分を、末端の血管から脳内に行き渡りやすくするため、
化学合成して新たなたんぱく質「INI0602」を生成。
マウスの実験でも、効果が裏付けられた。

錫村教授は、「これまでの治療法と違い、症状を根本的に抑えられた。
新薬の開発につながる成功で、今後は、薬になじみやすいよう改良したい」

グルタミン酸はアミノ酸の一種で、脳内に侵入したウイルスを
免疫細胞が“退治”する際、副産物として放出。
量が多くなると、神経細胞を傷つけ、アルツハイマー病などの
原因になることが知られている。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/6/22/138290/

2011年6月30日木曜日

ベルギー…複数言語 幼少から習得

(読売 5月19日)

フランス語とオランダ語が公用語になっているブリュッセルで、
主要言語のフランス語ではなく、少数派のオランダ語で教える
幼稚園や小学校に、子どもを通わせる親が増えている。
幼少時から、複数言語を身につけさせる狙い。

「出願のため、幼稚園や小学校の近くに保護者が泊まり込む事例が
相次いだので、昨年からウェブサイトでの登録制にした」
オランダ語による教育の行政当局者、バルト・ファンデカステールさん。

オランダ語で教える小学校は、学校数でフランス語の4分の1程度。
30年前は、児童の9割がオランダ語が母語。
2008年、フランス語やそれ以外の母語の子どもが6割。
国内で、オランダ語圏がフランス語圏より経済的優位に立ったことが
変化の要因と指摘。

夫が、欧州連合(EU)職員のイタリア人、ロベルタ・リッツィさん(45)は、
小2と小6の息子がオランダ語の小学校に通う。
リッツィさんは、「ベルギー全体では、オランダ語が主流なので就職に役立つ。
英語やドイツ語を学ぶ近道にもなる

息子たちは、友だちとの会話でフランス語も覚え、3か国語を話す。
4月、小学5、6年生で外国語活動が必修になった日本とは次元が違う。

中心部エッテルビークに、オランダ語の小学校を訪ねた。
オランダ語が母語の児童は、わずか3割。
読み書きを学ぶ1年生の教室では、担任教諭が、別メニューで
発音練習に励む児童数人にも目を配りながら授業を進めていた。

母語でない言語による初等教育は、学ぶ土台となる言葉が
不十分な児童を抱えるという難題も背負っているようだ。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/jijou/sekai/20110519-OYT8T00259.htm

「世界の平泉」成就 遺産登録決定、再挑戦から3年

(岩手日報 6月26日)

「HIRAIZUMI」が、世界に認められた。
世界文化遺産に、「登録」という待ち望んだ通りの吉報が26日未明届き、
地元平泉町は歓喜に沸いた。

暫定リスト入りから10年、登録延期となった前回審査から3年。
多くの関係者が積み重ねた地道な努力が実った。
東日本大震災で甚大な被害を受けた本県にとって、
復興の歩みを進める象徴となる。

「平泉が世界遺産登録になりました」。
26日午前0時57分、審査が行われていた
パリの国連教育科学文化機関(ユネスコ)本部にいる
菅原正義町長からの電話を、
町長室で受けた滝山秀樹副町長が高らかに告げた。

待ちわびた担当職員らは、一斉に拍手し、「よし」、「やった」と
喜びを分かち合った。
当初審査に入るとされた24日から待たされた格好だっただけに、
喜びもひとしおだった。

滝山副町長は、「ようやく決まりほっとした。
長かったが、大きな意味がある3年間だった。
町内外からの協力に心から感謝する」とかみしめた。

平泉文化を誇りに暮らしてきた町民にとって、
地元の財産が、「世界の宝」になった喜びは大きい。
観自在王院跡で、8月の送り盆に「浄土のあかり」を開いている
平泉夢灯りの会の升沢博子代表(60)は、
震災復興を後押しする力になる。
東北人、平泉人としての誇りを胸に、よりよい古里を築く出発点にする」
と誓いを新たにする。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20110626_4

子どもの寝不足、脳に影響 自閉症緩和への応用も

(2011年6月22日 共同通信社)

愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所(春日井市)は、
乳幼児期の不規則な睡眠が原因で、
脳内の脳由来神経栄養因子(BDNF)というタンパク質の
分泌リズムが崩れ、脳の発達に支障が出ることを、
ラットの実験で証明。

仙波りつ子共同研究員は、「ヒトでも、乳幼児期に早寝早起きの
規則正しい生活をしないと、脳に障害を起こす危険性がある」

実験では、ヒトの乳幼児期にあたる生後6日のラットを9日間、
眠っている時に、かごを揺らすなどして睡眠不足にした場合、
大脳皮質内のBDNFの分泌リズムが乱れることが判明。

BDNFは、脳の神経細胞同士をつなげ、脳の発達を促進する
タンパク質シナプトフィジンを形成。
睡眠環境の悪いラットでは、シナプトフィジンの量が減少、
BDNFの量が一定しないと形成が阻害されることが分かった。

自閉症の人にみられる遺伝子の異常を、人工的に再現した
マウスでも、同様の現象を確認。
自閉症は、脳の発達障害の一種のため、自閉症の子どもの
睡眠バランスを薬物で改善することなどで、
症状を緩和できる可能性もある。

※5月28日付の米専門誌「ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/6/22/138263/

暑さ、湿気に悩み 避難所の対策決め手欠く

(2011年6月21日 共同通信社)

夏や梅雨が近づき、東日本大震災被災地の避難所では、
暑さや湿気に悩む人が増えてきた。
食中毒や害虫も発生し、自治体なども対策に乗り出しているが、
決め手に欠ける。
担当者から、「エアコンが付いている仮設住宅への入居を急ぐしかない」
との声も上がっている。

南三陸町は20日、最高気温が27度を超えた。
志津川中学校体育館には、今も43世帯72人が暮らす。
5台の大型扇風機が配備、館内はプライバシーに配慮し、
希望世帯には約180cmの高さのついたてで区切っており、
風通しを悪くしている。

無職田畑きよつさん(82)は、「ついたてがなくても、涼しい方がいい」と
扇風機の風が届く場所を確保。
「扇風機だけでは不十分。半袖シャツの支援物資も少なくて困る」、
着ていた長袖をめくり上げ、うちわで暑さをしのいでいた。

大槌町では、6月になって魚介類の腐敗が進み、ハエが大量に発生。
約85人が避難している赤浜小学校体育館の入り口には、
津波で使えなくなった漁業用の網が掛かる。
避難している佐藤寿さん(64)は、
「町に頼んでも網戸が来ない。苦肉の策だ」

石巻市では、冬物の布団や毛布にダニやかびが発生、
ボランティアが布団乾燥器で乾燥させて対応。
田村市の避難所では4日、炊き出しが原因とみられる
集団食中毒が起きた。
今後夏に向けてさらに気温が上がれば、
ますます食中毒発生のリスクが高まる。

避難所ではない場所に身を寄せる人も、悩みは同じ。
「中は蒸し暑くて」。
石巻市の再開のめどが立たないスーパー2階で、
避難生活を送る女性(73)が6月中旬、屋上で夕涼み。
建物は、電気も水道も止まったまま。
市から配給される弁当を、仲間が職場で凍らせたペットボトルと
発泡スチロールで作る「冷蔵庫」で、保管する生活。

ある自治体の担当者は、「どのように環境を整備しても、
避難所で快適に夏を過ごすには限界がある。
夏を乗り切るには、早く全員が仮設住宅に入るのが一番。
仮設住宅の完成を急ぎたい」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/6/21/138207/

2011年6月29日水曜日

アメリカ…学費高騰でローン急増

(読売 5月6日)

アメリカで、大学や大学院の学費のための学資ローンの
貸付残高が急増し、今年初めて1兆ドル(82兆円)を超える見通し。
全米のクレジットカードの貸付残高をも上回る巨額の債務が、
未来にのしかかる。

ワシントンの4年制美術大学に通うアリス・スラティーサンドバルさん(22)は、
5月に、「たぶん数万ドル」の教育ローンを抱えて卒業。
映像作家になる夢があり、ボストンの美術大学院に進学予定、
年間約2万5000ドル(約205万円)の学費は、
奨学金と追加のローンやバイトでまかなうつもり。

「卒業しても、不況で仕事がない」
進学すればさらにローンが膨らむが、
学生でいる間は返済を先延ばしできる。
アリスさんは、「大学院の2年間は、安全期間」との考えで進学を決めたが、
将来には不安がある。

学資ローンの増加は、学費高騰によるところが大きい。
4年制私立大の平均学費は、日本を大きく上回る
年約2万7000ドル(約220万円)、2000年から7000ドル以上増加。
不況も追い打ちをかけ、学資情報専門サイト「FinAid.org」によると、
2000年に約2000億ドルだった貸付残高は、
今年1兆ドルを突破する見通し。

学資ローンは、アメリカの大卒者の6割以上が利用、
平均負債額は約2万4000ドル(約196万円)。
オバマ大統領夫妻にも一時期、それぞれ6万ドル以上の学資負債が。

就職難が続き、「教育の利益が負債に見合わない例が増えている」、
民主党系研究機関「アメリカ進歩センター」のジュリー・モーガン研究員。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/jijou/sekai/20110506-OYT8T00183.htm

肝再生の仕組み一部解明 転写因子の分解が鍵握る

(2011年6月21日 共同通信社)

肝臓の高度な再生メカニズムの一部を、
九州大生体防御医学研究所の鈴木淳史准教授らのグループが解明し、
20日付の米科学アカデミー紀要電子版に発表。

遺伝子の情報を読み取る「転写」の調節をしている
特定のタンパク質(転写因子)を分解し減少させることで、
肝細胞の増殖が活性化する。

鈴木准教授は、「この転写因子を制御する方法を解明することで、
肝硬変や肝がんの原因究明や、治療法の開発への貢献が期待」

肝臓は、マウスを使った実験で70%を切り取っても、
1週間から10日で元に戻るという高い再生能力を持つ。

鈴木准教授らは、肝細胞に存在する転写因子の一つで、
細胞の増殖などに重要な役割を果たす「スネイル」に注目。

マウスの肝臓の一部を切除すると、12時間後に
肝細胞内のスネイルの劇的な減少が始まった後、
肝臓の細胞が増殖し始めた。

肝臓を切除しない場合でも、スネイルの働きを妨げる物質を
肝臓に注入しただけで、細胞の増殖が起きた。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/6/21/138221/

沿岸を国際拠点に 防災や海洋エネルギー研究など

(岩手日報 6月17日)

東日本大震災の被災地を、防災や海洋エネルギー分野などの
国際的調査研究拠点にしようと、県は今月から、学会などが行う
現地調査の積極受け入れに乗りだす。

第1弾として、19日に国内外の防災研究者60人を迎える。
専門家とのネットワークづくりを進め、未曽有の大災害に見舞われた
本県沿岸部を、世界的な学術拠点とする構想。

防災や潮力、洋上風力といった新エネルギー分野などの研究機関の
現地調査を受け入れ、県は現場の案内や被害状況説明などに協力。
調査、滞在費用は来訪者側が負担。
国内外の専門家とのネットワークを構築し、本県沿岸を調査拠点として
継続的に活用する環境を整える。

県は、復興基本計画案で、防災研究ネットワークの構築や
産学官連携による海洋研究拠点の形成を打ち出している。
同計画の実施期間である8年以内に、防災分野などの研究施設誘致を探る。

19日に受け入れるのは、大学の研究者や企業の技術者らで
構成する、地域安全学会。
国内に加え米国、韓国、台湾の研究者が21日まで調査。

県や地元自治体の担当者が、宮古市田老の防潮堤や大槌町の大槌漁港、
陸前高田市の市街地など現地を案内。
後日、被災地復興に向けた提言をもらう予定で、
県復興計画の実施計画などに反映。

今月下旬から7月下旬にかけて、防災に関する人材育成機関や
海洋エネルギー分野の研究者らも受け入れる予定。

県科学・ものづくり振興課の佐々木淳総括課長は、
「三陸沿岸は、国内外に注目される調査拠点となり得る。
日本学術会議などを通じ、多くの研究機関の参加を促したい」

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20110617_10

2011年6月28日火曜日

インド…貧しい子どもに無料塾

(読売 4月21日)

インドの首都ニューデリーにある高級商店街カーン・マーケット。
周辺の裕福な家庭で、住み込みの家政婦や運転手などとして
働く労働者は貧しい。
この労働者の子どもたちを対象に、無料で勉強を教える塾が注目。

「面接に臨んでいるつもりで、自分の職歴を英語で説明してみて」と、
米ニュージャージー州から来たボランティア講師の
サマンサ・フセインさん(21)が、本場の英語で指示を出す。
12人の生徒が、「レストランでウエートレスをしました」、
「軍で勤務しました」などと快活に答える。

生徒のビマル・クマルさん(18)は、
「英語がうまくなって、将来は良い仕事につきたい」

裕福な家庭に育ったラビ・グラティさん(42)が、
商店街2階にある自宅の居間や寝室を開放し、塾を始めたのは1998年。
貧しい少年に数学を教えたところ、飛躍的に力が伸びたのを
実感したのがきっかけ。

「学校教育は、一人一人の生徒に十分な注意を払っていない。
少しの機会を与えるだけで、子どもの力は大きく伸びる」
こう確信したグラティさんは、本格的に塾の運営に取り組む。

今では生徒は120人。
弁護士や公務員ら有志が、ボランティアで講師を務める。
運営は寄付金頼りだが、最近はフセインさんのように、
アメリカなど海外からボランティアで訪れる若者も増えてきた。

英語、数学、コンピューターなどのほか、劇や映画制作など、
日本の総合学習で取り組むような科目も多い。
グラティさんは、「補習や就職に役立つ科目だけでなく、
全人的な教育に取り組みたい

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/jijou/sekai/20110421-OYT8T00285.htm

小学生向けサマージャンプ台 八幡平市に完成

(岩手日報 6月19日)

八幡平市矢神の田山スキー場に、県営スキージャンプ場スモールヒル
(HS=28m、K点25m)が完成し、完成祝いと安全祈願祭が行われた。

小学生や初心者向けのサマージャンプ台。
同スキー場の冬場の台を合わせ、幼少期から通年で練習に臨むことができ、
競技力向上と底辺拡大が期待。

競技関係者やスポーツ少年団の選手約30人が出席。
神事を行い、安全を祈った。

スプリンクラーでランディングバーンなどに散水し、
小学生の選手たちが早速飛躍して、台の感触を確かめた。

今季初めて飛んだ安代小の5年生は、
「冬の台よりも飛びやすい感じがした。
この台で、今季は20m以上を飛びたい」と、笑顔で目標を掲げた。

スモールヒルは、ミディアムヒル(HS=58m、K点50m)の右隣に完成。
選手をスタート地点まで運ぶモノレールを新設し、
管理棟やナイター設備も整備。

事業費は、約2億3千万円。
昨年8月に着工、今年2月に完成。
両ジャンプ台の管理運営は、八幡平市に委託。

これまでは、小学生ら競技を始めたばかりの選手のための
夏場のスモールヒルがなく、小学生は秋田県鹿角市の
花輪スキー場などへ練習に出向いていた。

県教委スポーツ健康課の平藤淳総括課長は、
小さい子どもも夏から飛ぶことができ、競技力向上が期待。
夏も田山で飛べることで、競技人口拡大にもつながる」と力を込める。

ジャンプ台は、指導者がいる個人、団体に貸し出す。
使用申し込み、問い合わせは、
八幡平市教委生涯学習課体育振興係(0195・74・2111)。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20110619_10

がれき撤去率、本格化2カ月で47% 満杯状態の仮置場も

(東海新報 6月17日)

大船渡市内のがれき撤去進ちょく率が、
作業本格化から2カ月で47%に達した。
進行に伴い、被災地では再利用可能な更地が増えるが、
撤去がれきを保管する仮置場や処分対策が急務。

22日から始まる太平洋セメント大船渡工場での焼成処分に加え、
破砕や選別作業を行う永浜・山口地区岸壁での保管車両移動を進め、
スムーズな撤去を図る。

がれき撤去は、3月中から先行実施していた三陸地区に続き、
4月11日以降旧大船渡市内でも着手、市内全域で本格化。
各地区とも、基本的には浸水地域の最も北側もしくは山側部分から始まった。

各地区に地元建設業者が分かれ、大型重機を使うだけでなく、
被災者雇用事業を通じてマンパワーを確保。
全壊家屋の柱や家財道具などをトラックに運び入れ、仮置場に移動。

市内の被災面積は、765・1㌶。
今月10日時点の進ちょく状況によると、撤去面積は356㌶、
進ちょく率は47%。
1カ月前にあたる5月10日時点の撤去面積は183・4㌶、進ちょく率は24%。

被災建物が多い沿岸域に近づいても、1カ月ごとの進ちょくペースは変わらなかった。
吉浜地区(被災面積52・7㌶)は47・0㌶で終了、進ちょく率は89%。
越喜来地区(同95・7㌶)は88%、綾里地区(同64・1㌶)は81%。

大船渡地区(同191・6㌶)では開始1カ月で9%、今月10日には42%まで進行。
最も被災面積が大きい赤崎地区(同195・3㌶)の撤去率は28%、
末崎地区(同100・2㌶)は22%、盛地区(同65・5㌶)は27%。

市が掲げた概略スケジュールでは、本年度中に被災地域から撤去したい考え。
進ちょく率では順調ぶりがうかがえるが、市建設課では
「今後は、鉄筋コンクリート施設の解体も多く控え、
終了の見通しを示すことはまだ難しい」

撤去が進む中、対策が求められるのは仮置場の確保。
赤崎中学校では満杯状態となり、一部種類を除いて受け入れを停止。
がれき撤去を終えた大船渡町などでは、集積場として民有地の提供もあるが、
市では現在も場所確保に動いている。

仮置場のがれき処分も迫られる中、太平洋セメント大船渡工場で
焼却作業がスタート。
計画量は、陸前高田市からの搬入分も含めて1日約300㌧。

鉄類を除き、土砂や木材など比較的多種類を工場内のキルンで
焼成処分できるが、5㌢以下に破砕する必要。
当面は、セメント施設内にある設備で破砕を行う。

7月以降、保管場所として予定している永浜・山口地区岸壁に
破砕設備を市が用意し、安定的な焼却処分体制を整える。
同岸壁には3000台近い被災車両が保管、がれき撤去を終えた盛町、
大船渡町の被災地に移動させる作業が始まっている。

仮置場では、平成24年度中に撤去がれきを全て搬出したい。
仮置場などから撤去がれきが集まる永浜・山口地区での搬出終了時期は、
25年度末を目標。

http://www.tohkaishimpo.com/

2011年6月27日月曜日

米・フロリダ…ネット授業で州予算軽減

(読売 4月7日)

「宿題は、どうやって提出すればいいの」
「専用の書式があるのよ」
質問を電子メールで送ると、すぐに教師から返信が届く。

米フロリダ州オーランド。
自宅でパソコンに向かう公立校9年生(中3)の
ルース・アン・スピアーズさん(15)が受けているのは、
インターネット上にある「バーチャル・スクール(仮想学校)」の授業。

同州の公立校では2009年から、バーチャル・スクールの授業を

卒業単位として認めている。
「海洋科学」、「統計学」、「心理学」、「中国語」など様々な科目があり、
州内の生徒なら誰でも無料で受けられる。
同様の仕組みは全米にあるが、同州は昨年、全米最多の約12万人が受講。

「電子メールや電話で質問ができ、月に1度は先生から親に
電話が入るので安心」、母親のキャロルさん(43)。
ネット上の遠隔授業は教師も在宅勤務で、午前8時から午後8時まで、
個人授業に近い形式で対応。

1997年、一部学区でスタートした当時、受講生はわずか77人、
州の財政難などを背景に、飛躍的に普及。
同州公認フロリダ・バーチャル・スクール社は、
米国内49州・特別区で授業を提供。
個人・団体の利用者は、世界46か国に広がっており、日本にも利用者が。

同社の総支配人、アンディー・ロス氏(57)は、
「校舎や維持費が不要なため、金がかからない。
生徒も好きな時に勉強ができる」
昨年は3280万ドル(約27億5000万円)の予算削減を実現した計算。

「宿題で、麻薬撲滅を訴えるテレビ広告の原稿を書いたの。
1学期が終わると、先生から『良くできました』というメッセージが入る」
ルース・アンさんの目が輝いた。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/jijou/sekai/20110407-OYT8T00230.htm

被災地で先端医療構想 東北大、遺伝情報収集

(2011年6月17日 共同通信社)

東北大は、東日本大震災で被災した東北地方沿岸部の医療機関と連携し、
患者ごとの遺伝情報に沿った病気の予防・治療を目指す
先端医療拠点構想を固めた。
政府の「医療イノベーション会議」に提示。

東北大にデータセンターを設置し、被災した沿岸部の公立病院や
診療所などに医師らを派遣、外来診療を行いながらデータを収集する方針。
以前から医師不足に悩み、震災で多くの医療施設が被災した地域の
「医療復興」にもつなげる考え。

東北大によると、東北地方沿岸部は他の地方に引っ越しする人が
比較的少なく、3、4世代が同居する家庭が多い。
遺伝子の特徴を見つけやすい。
親族ごとにゲノム(全遺伝情報)や診療記録を集め、
データベース化を進める構想。

病気に関連する遺伝子や遺伝病の基礎研究に役立てる一方、
ゲノム情報を基に、患者ごとに最適な投薬や医療を選択する
「テーラーメード医療」にも応用する。

東北大大学院の山本雅之医学系研究科長は、
「最先端の医療拠点を作ることで、東北を再生したい」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/6/17/138077/

モザンビークの医療制度構築を支援する日系ブラジル人3世の伊藤小百合ルーシーさん

(2011年6月16日 共同通信社)

地元の医師が約800人しかいない、アフリカ南部モザンビークの保健省で、
医師養成や医療制度構築のため、人材育成局長のアドバイザーを務める。

同じポルトガル語圏だが、ブラジルの大学で使う教材では、
モザンビークの人たちには難解すぎる。
教材やカリキュラムを一から作り直して、政府の信頼を勝ち取った。
医学部は、2年前の一つから三つになり、少しずつだが医師は増え始めている。

人口の約15%がエイズウイルス(HIV)感染者で、マラリアやコレラ患者も多い。
「医師の質を高めるのが、これからの課題」
熱帯病を克服してきたブラジルの研究成果を伝え、
現地研究者の育成も手助け。

ブラジル最高学府のサンパウロ州立大で、助教を務める小児科医。
国際協力機構(JICA)による派遣で、南米パラグアイ、ペルーと
国外での医療支援経験は豊富。

島根県や広島県出身の祖父母を持つ日系人。
祖父が農業を営んでいた南部パラナ州で生まれ、
父が自動車整備や販売業を始めるのに合わせ、2歳でサンパウロに転居。
3年間の看護師経験の後、医学部に入り直した。
弟は弁護士。
ブラジルで成功した日系人一家の典型。

祖母と母から教わった日本料理が得意で、
パーティーでは手製の巻きずしが好評。
一時帰国すると、「刺し身とすしをまず最初に食べる」ほどの日本食好き。
モザンビークでも、自分で漬けたぬか漬けとみそ汁は欠かせない。
47歳。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/6/16/138032/

2011年6月26日日曜日

香港…走る「薬物防止教室」

(読売 3月31日)

香港島中心部の「軒尼詩道官立小学校」。
校門前に止まるトラックのコンテナで、青少年の薬物防止教育に
取り組む、民間団体「生活教育活動計画」の授業。

この日の対象は、同小6年生。
若い女性講師が、「友人に薬物使用を勧められたら、どう断りますか?」
と聞くと、子どもたちは「話題をそらす」、「すぐに友人と別れる」と
元気よく答えていた。

トラックは、同団体の専用車両。
コンテナ内には、テレビや人体模型のほか、人形劇のための設備も。
同小の呉嘉儀校長は、「子どもたちの記憶に残る授業をしてくれるので、
大変助かる」と評価。

同団体は、1994年設立。
薬物防止教室を依頼する小中学校は徐々に増加し、
現在は香港の全小中学校の2割弱の約200校が利用。

背景には、急速に広がる小中学生の違法薬物使用がある。
香港政府が、2010年に発表した統計によると、
違法薬物を使用した経験のある中学生は4・3%、
4年前の前回調査より3割増加。

日本で深刻化する「ケタミン」と呼ばれる合成麻薬の使用問題が、
香港では小学生の間でも起きている。

国際都市で、中国本土や国外から薬物が比較的入りやすいことが
主な原因と言われ、同団体の程慧玲代表は、
共働きの家庭が多く、親の監視が届かない香港独特の
社会環境も大きい」と指摘。

香港政府は、中毒者の更生施設を増やしたほか、
学校による生徒への尿検査実施も検討。
尿検査は行き過ぎ、との批判も多く、対策強化の行方は定かでない。

程代表は、「家庭、学校、社会が一体となって、
はじめて薬物使用が根絶できる」と強調。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/jijou/sekai/20110331-OYT8T00328.htm

心のケアに津波資料館 記憶と向き合う場必要

(2011年6月14日 共同通信社)

東日本大震災の被災地、名取市に住む
心療内科医の桑山紀彦さん(48)が、「津波祈念資料館」の設立を目指し、
津波の映像や証言を集めている。

被災者が、心的外傷後ストレス障害(PTSD)などから立ち直るには、
津波の記憶を忘れるのではなく、記憶と向き合う必要があるといい、
被災者の「心のケア」に役立てる目的。

桑山さんは、岐阜県出身。
山形大学を卒業後、20年にわたって国内外の被災地や紛争地などで
心のケアに携わってきた。

2009年から名取市で開業、5月に新たに訪れた患者は40人で、
通常の5倍に達した。

桑山さんは、津波の被災者について、「自分の身に何が起きたのか
語りたくても語れず、自分の中にため込んでしまう人が増えている」

PTSDになると、不眠や精神的不安のほか、心の傷となっている
衝撃的なシーンを繰り返し思い描いてしまう。
津波被災者がその状態を改善するには、地震発生から避難、
その後の生活までを、その時々の感情も含めて
連続して語れるようになるのが必要。

資料館では、写真や動画などを見て当時の記憶を思い出し、
自分の身に起きたことを語ってもらい、その証言をビデオで撮影。
桑山さんは、「形として残すことで、記憶に折り合いをつけて
前に進めるようになる。
残した証言は、他の被災者にとっても、
自分もこう話して良いのだという見本になる」

がれき処理なども徐々に進むが、桑山さんは、
「津波の名残はなくなっても、記憶は消えない」
街は復興していくのに、自分だけ前に進めないまま取り残されていく感覚が
被災者に残ってしまうこともあり、「単に町を直すだけでなく、
そこで暮らす人の心も復興させないとならない」と、
心のケアの重要性を訴えている。

桑山さんが代表理事を務めるNPO法人「地球のステージ」で、
資料や証言を受け付けている。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/6/14/137937/

岩手・大船渡派遣のこころのケアチーム 悩む被災者と向き合う

(2011年6月14日 毎日新聞社)

越谷市の医療法人秀峰会「北辰病院」は、
東日本大震災で甚大な被害を受けた岩手県大船渡市へ、
「こころのケアチーム」を派遣。

1カ月余りの間、被災者と向き合った職員は延べ222人。
現地で指揮した精神科医の中村吉伸・秀峰会理事長(63)は、
「先が見えないで、喪失感に悩む被災者の心に、
生きるあかりをともせたのならうれしい」

◇ボランティア継続機運も

大船渡市の避難所9カ所(避難者計約2600人)と
1カ所の仮設住宅(同約260人)に、4月29日から5月31日まで派遣。
医師や看護師、カウンセラー、事務員らで10人前後のチーム7班を編成。
各班が、約5日間の交代で支援に。

中村理事長によると、多くの被災者が過酷な体験から自責の念に悩んでいた。
「津波に一緒に流されながら、『ごめん』と言って友だちの手を放してしまった。
友だちは、それっきり行方が分からない」(40代の男性)

「先に逃げた高台から、屋根に乗って津波に流される息子の姿を目撃。
『がんばれ』と叫んだだけで、何もできなかった」(50代の夫婦)

段ボールで仕切った狭いスペースの避難生活が、家族関係を壊す例も。
震災前、辛うじて保たれていた嫁としゅうとめの関係が険悪化したり、
震災で死亡した父親の遺産を巡り、長男と次男が口論したり。

「被災者が、心の内を打ち明けづらいのでは」と思った中村理事長は、
大船渡市側に持ち掛けて、避難所内にケアルームを設けた。

スタッフがマッサージをしたり、トンカツを提供するなど交流を図った結果、
次第にケアルームを訪ねる人が増えた。
半月後、被災者のほか消防関係者や市職員、警察官らも、
「眠れない」などと訴え足を運ぶようになった。

「いま一番したいことは何ですか?」
ケアチームの一人、村上秀俊・事務次長(42)が、40代の女性に尋ねた。
女性は、津波で自宅が半壊、夫と避難所で暮らす。
女性の返答は、「コーヒーを自分でたて飲みたい」
村上さんは早速、越谷市内の病院にいる青木勇人事務長(39)に連絡。
青木事務長は、ケアチームの交代を兼ねた翌日、
コーヒー豆とコーヒーメーカーを持って、車で大船渡市へ。

震災後、初めて自分でたてて飲むコーヒーの香り。
震災前の日常を思い出し、感情がこみ上げたのか、
女性は村上さんの前で号泣。
以来、「人を信用できるようになった」と表情も明るくなり、
避難所で他の人とよく会話するようになった。

「こころのケアチーム」の最終班は、戸田公明・大船渡市長を訪ね、
北辰病院の患者が折った千羽鶴を贈った。
中村理事長は、「医療スタッフは被災地のケア体験を通し、多くを学んだ

震災から3カ月が過ぎ、北辰病院の職場では、
いま「週末に被災地へ出かけ、がれきの撤去に汗を流そう」と、
ボランティア継続の機運が盛り上がっている。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/6/14/137926/

20年夏季五輪:JOCが都に立候補要請 被災地で実施も

(毎日 6月24日)

日本オリンピック委員会(JOC)が、石原慎太郎知事に、
20年夏季五輪招致への立候補を要請。

竹田恒和会長は、「国が一つになって五輪招致に向かうことは、
国益にかない、東日本大震災からの復興に向けても、
必ずスポーツが力になると信じている

五輪開催計画の中で、被災地でサッカー競技の一部を実施する考え。
25日に宮城県庁を訪れ、五輪招致に関しての理解を求める。

都市が立候補を表明する前に、JOCが要請するのは異例。
前回、リオデジャネイロに敗れた16年五輪の招致の時、
東京都と福岡市が名乗りを上げ、国内選考となった。

今回は、広島市が09年10月に立候補の検討を始めることを表明、
今年4月の市長選で当選した新市長が誘致活動を断念。
JOC幹部は、「世論の支持が低かった前回の反省を踏まえ、
スポーツ界から仕掛けるような環境ができたから」

要請には、JOCの加盟団体や、女子柔道でアテネ、北京両五輪で
金メダルを獲得した谷本歩実さんらアスリート24人も同行。
アテネ五輪体操団体金メダリストの水鳥寿思は、
「オリンピックは、本当にすばらしいものと自分で実感。
東京で開催されることになれば、国民や子供たちに生で感じてもらえる
と思い、ぜひ東京で開催できたらいい」

竹田会長は、「前回の16年の開催計画は、IOCからも支持を得ている。
指摘された課題をブラッシュアップすれば、
過去最高の五輪を開くことができる」と自信。

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今回の震災で、スポーツがどれだけ多くの人に、特に子供たちに
夢や希望を与えてきたか、はっきり示されたと思う。
他の分野でももちろん貢献はあっただろうが、
スポーツほどニュースになり、体を動かすことで健康を保ち、
心をリフレッシュさせてくれるものはない。
多くのアスリートが震災地を訪ねたことで、
アスリートも自分たちがスポーツをやる意義を実感するいい機会に。

あとは、9年後に震災から復興した姿を全世界の人たちに見せて、
各国から支援を受けた恩を返す機会にしてほしい。
オリンピックほど、世界中にアピールする絶好の機会はないので。

http://mainichi.jp/enta/sports/general/general/news/20110624k0000m050046000c.html