2009年5月2日土曜日

盛岡開催は「難しい」と意向 県国体推進課

(岩手日報 4月28日)

2016年開催予定の岩手国体の会場地を検討する
国体県準備委員会総務企画専門委員会
(委員長・佐々木正春県体育協会理事長、委員19人)が開催。

焦点となっている開閉会式会場について、事務局の県国体推進課は、
県営運動公園陸上競技場を第一種公認に改修した場合でも
「開催は難しい」との意向を示した。

事務局は選手、観客ら約3万3000人の参加を予想し、
県営運動公園と北上総合運動公園の両施設で行った場合の
二つのパターンを説明。

県営に一種公認競技場を新設し、隣接してサブトラックを整備した場合、
▽正面ゲート前のスペースが減少し、総合案内や
手荷物検査ゲートの設置が困難
▽通路が少なく、約6500人の選手団と4000人の式典演技者や
観客が一カ所に集中する
▽民家や商業施設が集中する周辺の道路が移動や横断で渋滞する
―などの難点を挙げた。

北上は、
▽スペースに余裕があり、選手団と他の参加者が交わらずに移動可能
▽周辺は工業団地で、交通への影響が少ない
―などの利点を説明し、
「(盛岡の)県営での実施には相当な工夫が必要」

委員から、「北上開催が圧倒的に条件がいい。
覆すほどのメリットがあるのか、盛岡側に聞きたい」
(川口真委員=県広聴広報課総括課長)、

「競技団体の意見を聞く時間を取るべき」
(岩野光進委員=県市長会事務局長)などの意見が出、
次回会議で開閉会式会場の最終方針を固め、
国体準備委員会常任委員会に答申。

県国体推進課の八重樫典彦総括課長は、
「盛岡で開閉会式を行った1970年大会時は、
周辺に更地が多く、交通量も少なかった。
今、実施するのは苦労するだろう」

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20090428_6

スポーツ21世紀:新しい波/300 市民マラソン熱/8

(毎日 4月25日)

ランニング用品専門店「アシックスストア原宿店」がオープン。
スポーツ用品メーカーのアシックスの直営店としては、
国内では銀座に続く2店舗目。
テクニカルスタッフの高橋洋平さんは、
「皇居周辺だけでなく、明治神宮外苑や代々木公園など、
ここも東京のランニングスポット」

ランニングブームは、スポーツ用品メーカーのビジネスに波及効果。
民間の調査会社「矢野経済研究所」によると、
08年ランニングシューズの国内の出荷見込みは1595万足。
スポーツシューズ全体の21・3%を占め、
ウオーキング用を含めると2100万足にも上る。

伸び率でも、ゴルフやバスケット用シューズの苦戦に対し、
ランニング、ウオーキングは前年比7%台の増加見込み。

メーカーが注目するのが、女性を中心にしたウエア市場。
ランニングショップには、色鮮やかなウエアが並ぶ。
従来のウエアは、タンクトップに短パンが主流だったが、
ランニング用のタイツが普及、07年スカートやドレスも登場。
メーカーのデザイン競争が激化した。

アシックスは、高橋尚子さんが「ラストラン」と位置付けた
名古屋国際女子マラソンで着たものと同じシャツを限定版として販売、
ヒット商品になった。

アシックスは、昨年10~12月の3カ月の売り上げが前年比20%増、
ミズノもウエアは20%台の増加を見込んでいる。

ブームを当て込んだビジネスは、シューズやウエアにとどまらず、
パソコンを使ったソフト部門にも広がる。

ナイキは、シューズに取り付けたセンサーで、走行距離などを計測、
パソコンで管理するホームページを開設。
アディダスも、イベント紹介と交流場所としてのサイト
「ランニング共和国」を開き、愛好家の取り込みを図る。

KDDIも、GPS(全地球測位システム)機能付きの携帯電話に
コースや速度、カロリーなどを計算、管理できるプログラムを搭載。

http://mainichi.jp/enta/sports/21century/

科学技術外交採択テーマ生物資源関連増加

(サイエンスポータル 2009年4月27日)

科学技術外交重視の狙いで、途上国との共同研究課題として
新年度は、14カ国の研究機関を協力相手とする21件が採択。

政府開発援助(ODA)と連携した国際共同研究プロジェクトは、
「環境・エネルギー」、「防災」、「感染症」の3分野から、
日本、相手国双方にメリットのある地球規模の研究課題を選び、
3-5年間、科学委技術振興機構と国際協力機構(JICA)が
研究経費を支給。

今年度は、「環境・エネルギー」分野の中に新しく設けた
「生物資源の持続可能な利用に資する研究」に対する関心が高く、
アジア、アフリカ諸国を中心に全体の3分の1に当たる49件の応募。

「乾燥地生物資源の機能解析と有効利用」(共同研究、チュニジア)、
「持続可能な地域農業・バイオマス産業の融合」(ベトナム)、
「地球環境悪化に対応したダイズの分子育種技術の開発」(ブラジル)、
「根寄生雑草ストライガ防除法」(スーダン)、
「熱帯多島海域における沿岸生態系の多重環境変動適応策」(フィリピン)、
「非食糧系バイオマスの輸送用燃料化基盤技術」(タイ)、
5つの共同研究が採択。

感染症分野では、ブラジルとの「エイズ患者における真菌症対策」、
インドネシア「フラビウイルスなどに対する抗ウイルス薬とワクチンの開発」、
ガーナ「薬用植物抽出物による感染症制御」、
フィリピン「レプトスピラ感染症の予防とコントロール」の4共同研究。

感染症分野の共同研究では、昨年から「デング出血熱などに対する
ヒト型抗体による治療法の開発と新規薬剤候補物質の探索」、
「結核およびトリパノソーマ症の新規診断法・治療法の開発」が、
タイ、ザンビアの研究機関を相手にスタート。

日本側は、各課題に大学や独立行政法人から代表研究者が決まり、
複数の研究機関が共同研究に参加。

http://scienceportal.jp/news/daily/0904/0904271.html

国際化(3)「産学連携」海外企業を開拓

(読売 4月27日)

「環境に力を入れる米国のグリーン・ニューディール政策は、大きな追い風。
むこうで関心を持つ企業もある。年内には提携にこぎ着けたい」

東京理科大が、東京・神楽坂のキャンパスで開いた技術説明会。
熱を電気に変換する新しい熱電素子を開発した飯田努・准教授は、
海外での実用化に夢を膨らませていた。

熱電素子を使えば、ボイラーやエンジンの排熱で発電でき、
エネルギーを無駄にしない。
米国は、技術を大きく普及させる格好の舞台。
大型トラックから大規模工場まで、潜在的な市場は日本の数十倍に。

従来の熱電素子には、毒性のある鉛や高価なビスマスが
使われていたが、飯田准教授の開発した素子は、
安価で安全なケイ素とマグネシウムが原料。
共同研究する米ワシントン大を通じ、米国企業への売り込みにも力が入る。

海外の企業と連携を目指す大学の試みは、まだ始まったばかり。
2007年度の大学と企業の共同研究約1万6000件のうち、
海外の企業との研究は、0・7%に過ぎない。

研究者間の個人的な関係に頼っていては伸びが期待できないため、
海外での提携先の開拓や国際特許の取得に、
大学が主体的に取り組めるようにと、文部科学省が支援を始めた。

理科大はこの制度を活用。
「大化けする可能性が高い」と、第1弾の目玉商品に熱電素子を選び、
飯田准教授を、欧州の技術展示会に派遣。
今年も二つの国際学会に送り込む。

理科大の国際連携コーディネーター・仁木保さんは、手応えを感じている。
「国内では実績がないと敬遠されがちだが、
海外の企業は未知の可能性に注目する。どんどん売り込みたい」

京都大学も、今年2月にロンドンに産官学連携欧州事務所を開設し、
常駐の職員を置いた。
「提携する英国の大学を足がかりにして、企業を探したい」、
同大産官学連携センターの池内哲之特任教授は意気込む。

何の技術を積極的に売り込めば良いのか、まだつかめていない。
企業のニーズを探りながら、見極めていく方針。
理科大を飛び込み営業もする機敏なセールスマンに例えれば、
京大は客とじっくり話し合う老舗のイメージとも言えるが、
「おっとり感」は否めない。

「大学を知ってもらうことが第一だが、相手の要求に
スピーディーに応じるビジネス感覚も欠かせない」
会社社長から東北大に転じ、同じように手探りで海外での産学連携に
取り組む高橋富男教授は、そう指摘。

http://www.yomiuri.co.jp/science/tomorrow/tr20090427.htm

2009年5月1日金曜日

国有林:多様な広葉樹を植林 環境保全へ「宮脇方式」--林野庁導入

(毎日 4月24日)

林野庁は09年度から、多様な広葉樹を密集して植える
「宮脇方式」と呼ばれる植林方式を、国有林の一部で初めて採用。

商品価値が高い杉やヒノキなど針葉樹をもっぱら植えてきたが、
林業の衰退や国有林野事業の累積赤字問題を背景に、
約10年前から国土や環境の保全など森林の多面的な機能を
重視する方向に転換。

生態系回復を目指す宮脇方式の導入もその一環で、
林野行政の変化を象徴。

この方式は、植生生態学者の宮脇昭・横浜国立大名誉教授が提唱。
土地本来の植生を中心に、多くの樹種を密植する。
植物間の生存競争を促して強い森を育てるのが狙いで、
一つの樹種だけを整然と植える従来の植林方式とは正反対。

林野庁は地滑りや火山噴火、台風などの被災地で
宮脇方式による森林再生を検討。
北海道ではミズナラ、東北ではブナなどの落葉広葉樹、
東北南部以西の標高800メートル付近まではシイ、タブ、カシ類の
常緑広葉樹が中心となる見通し。

広島県呉市「野路山国有林(標高約750メートル)」で、
モデル植林を実施する予定。

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2009/04/24/20090424ddm008020028000c.html

国立大学の女性、外国人教員比率伸びわずか

(サイエンスポータル 2009年4月23日)

8割を超える国立大学が、女性教員の活躍促進の取り組みを
している一方、女性教員の全体に占める割合はまだ11.9%に。
科学技術政策研究所の調査。

女性とともに、日本の研究水準向上にとって重要視されている
外国人教員の割合も、国立大学が公立、私立大学に比べて低く、2.6%。
若手研究者に対する具体的な支援の取り組みをしていると答えた
国立大学は8割、学長裁量経費、部局長裁量経費、間接経費などによる
研究費支援をしている国立大学も6割超。

若手研究者に活躍の場を与える意味も大きい
テニュアトラック制については、約4割の国立大学が
具体的な取り組みをしていると回答。

博士号を取得しても、十分な活躍の場が保証されていないという
ポスドク問題をはじめ、緊急な対応を求められている
若手研究者の処遇に関しては、大学サイドではそれなりの取り組みが
進んでいることを示した調査結果。

「大学等における科学技術・学術活動実態調査」は、
2006年から毎年実施、今回が3年目。
女性教員の割合(06年11.1%)、外国人教員の割合(同2.5%)とも、
伸びはわずか、国立大学が公立大学、私立大学よりさらに低い実態。

http://scienceportal.jp/news/daily/0904/0904231.html

5月病から新入社員守れ 上司の心得教えます

(日経 4月22日)

新入社員が職場環境に適応できず、仕事へのやる気を失う
「5月病」のシーズンが近づいている。
新入社員を部下に持つビジネスパーソンは、
どのような対策を用意すべきなのか?

人事コンサルティングのJTBモチベーションズで講師を務める
野本明日香さんと菊入みゆきさんの話。

◆ケース(1)
上司Aさんが、新入社員B君に会議用資料をコピーするように命じた。
Aさんは、「これやっておいて」と、何の説明も加えずに丸投げし、
B君は「なぜ自分がこの作業をしなければならないのか」と不満を抱いた。
こうしたことが積み重なり、B君はやる気を失った。

新入社員を指導するうえで念頭に置いておきたいのが、
彼らの適職願望の強さだ。
学生優位の新卒採用市場を経て入社してきた彼らは、
自分に合った職を求める傾向が強い。
周囲の大人に大事に育てられたこともあり、
放っておかれることへの免疫も弱い。

なぜこの作業を任せるのか、どのような役割を果たすのか、
を説明してあげないと、新入社員のやる気は高まらない。
Aさんが会議用資料の重要性を伝え、資料を扱わせることの
意義を説いてあげれば、B君の受け止め方は違ったはず。
資料を目にすれば、会社がどのような課題に取り組んでいるのかが
見えてくることを教えておけば、B君のやる気は高まったかも。

◆ケース(2)
Aさんの指導もあり、仕事に懸命に取り組むB君。
AさんはB君に、「頑張っているな」と肩をポンとたたいた。
B君は、なぜそのようなことを言われたのかが理解できず、
Aさんの心遣いは伝わらなかった。

ほめ方も重要なポイント。
社会問題となった内定取り消し騒動で、彼らは企業の本音と建前の
使い分けに敏感になっている。
「頑張っているな」と漠然とほめても、心には響かない。

では、どうすべきなのか?
キーワードは「承認」だ。
彼らがこなした仕事の価値を認めてあげるのだ。
「営業部のCさんが、君の用意した資料がわかりやすかったと喜んでいたよ」と
第三者の視点を交えて具体的にほめれば、効果は大きくなる。

JTBモチベーションズによると、入社1-2年目までは、
仕事の達成感よりも、職場の人間関係がやる気に影響を与える。
自己愛が強く、家族や友人が大好きな彼ら。
上司や先輩を身近に感じれば、5月病を防げる可能性も高まる。
新人時代の失敗談などを話す姿勢が、上司には求められる。

◆ケース(3)
徐々に仕事を覚えてきたB君だが、時には失敗することも。
同期入社の友人と居酒屋で、会社や上司への愚痴を互いに
話していくうち、今の職場に嫌気がさしてきた。

社会人経験の乏しい新入社員は、総じて視野が狭い。
目の前のことにしか関心が持てない人同士が集まっても、
愚痴の言い合いになり、気持ちがさらに落ち込んでしまう。

こうした時に役立つのが、「メンター(助言者)」と呼ばれる存在。
若手社員を新入社員のメンターに指名し、困っていることや悩み事の
相談に応じるように指示する。
上司には相談しにくくても、年齢が近い先輩であれば話しやすい。

仕事の与え方にも気を配りたい。
競争の少ない環境で育っただけに、失敗を極度に恐れる傾向。
1週間や1カ月で達成できる小さな目標を設定することが重要。
成功体験の積み重ねが、次の仕事への糧になる。

体調管理にも注意したい。
血行や血糖値は、モチベーションを左右する。
朝食を取り、休日は体を動かすように指導することも、5月病対策。

◆人材育成コンサルティング会社、ラーニング&カルチャー・イノベーション
内田正志社長の話

5月病は、「自分はやっていけるのだろうか」という漠然とした不安から生じる。
新入社員の不安は、「自分のスキルが低いのではないか」と悩む場合と
「この会社は自分に合っていないかもしれない」と考える適応障害の2つに大別。

新入社員のストレスは、一般に入社5週目にピーク。
上司や先輩は、彼らを注意深く見守り、疲れた表情やため息など、
5月病の予兆を感じ取ってほしい。

最近は、インターネットの掲示板に会社への不満を書き込む例が目立つ。
こうした方法は、結果的にストレスを増幅させるだけでなく、
同僚にも迷惑であることを知らせる必要。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/bizskill/biz090422.html

国際化(2)留学しない日本の学生

(読売 4月19日)

米エール大や英オックスフォード大、東京大など世界の10大学が、
夏休みに学生を派遣し合い、交流を深める
「グローバルサマープログラム」。

2年目の今年、派遣募集に応じた東大の学生は18人。
昨年5人に比べ増えたが、海外から31人も受け入れ、
東大の担当グループは、「もっと積極的にPRするべきか」と頭を悩ませる。

海外から日本に来る留学生が、最近10年間で2・4倍の12万3829人に
増える一方、留学する日本人は2004年度の8万2945人を
ピークに減り続ける。
米国への留学者は、02年度4万5960人が、07年度3万3974人と減った。

文部科学省留学生交流室は、「少子化の影響に加え、学生の気質が
全体に内向きになっている」と分析。

中国の清華大と東京工業大が始めた大学院の合同プログラムでも、
中国からの受け入れは5年間で55人、中国へ行く東工大生は20人。

名古屋工業大は、春休みの1週間、仏エリート養成校の一つ
情報系工科大で希望する学生に、体験授業を受けさせる。
担当の佐藤淳教授によると、「県外にも出たがらない」学生たちの目を、
海外に向けさせるのはひと苦労。

だが、優秀な人材は海外へ飛び出していく。
医薬品の合成に使う新しい触媒を研究する吉戒直彦・東大助教(31)は
今年7月から、シンガポールで研究室を構える。
世界から優秀な若手を招き、3年間で1億5000万円の研究費を支給する
同政府のプログラムに採用。

今年1月の最終面接には、186人から選ばれた19人が参加。
自信満々に研究のアイデアを説明する同世代の研究者たちに、
「負けられない」と刺激を受けた。
中国やスイス、トルコ出身の研究者らとともに、最後の10人に残った。

吉戒さんは、「若手が大きな資金で独立して研究できるのは、
日本にはないチャンス。可能性を試してみたい」

2年前、東大を休学し、米カリフォルニア大バークレー校に編入学した
高瑞軒さん(22)。今年、ハーバード大やスタンフォード大、シカゴ大など
著名な大学院に軒並み合格。

高さんが驚いたのは、学生の個性と能力に応じ、
様々なメニューを提供する米国の大学の柔軟さ。
じっくりいろいろな体験を積みたいと思うようになった。

米国で留学生の就職支援を手がける村磯鼎さん(49)は、
「優秀な人ほど、若いうちに海外へ出て、そのまま戻らずに
活躍する傾向が強い。
一般の学生は、帰国後に安定した職を得るのが難しいから、
リスクを避けて内向きに。科学立国に最も重要なのは人材。
異なる環境で刺激を受けて才能を伸ばす機会が失われるのは、
国の損失だ」と憂えている。

http://www.yomiuri.co.jp/science/tomorrow/tr20090419.htm

2009年4月30日木曜日

「北上」主会場を要望 2016年開催岩手国体

(岩手日報 4月25日)

北上市など県南広域9市町の首長らは、
2016年開催予定の岩手国体の主会場地を、
北上市の北上総合運動公園陸上競技場とするよう県に要望。

北上市の伊藤彬市長、花巻市の大石満雄市長、高橋繁西和賀町長、
高橋一男平泉町長らが県庁を訪れ、宮舘寿喜副知事に要望書を提出。

伊藤市長は、「県南では、1999年の岩手インターハイや
05年の全国スポーツ・レクリエーション祭を立派に開催。
施設も整備されており、国体にも十分対応できる」と、
第一種公認の「北上陸上競技場」を、開閉会式や陸上競技を実施する
主会場とするよう求めた。

要望した9市町は北上市、花巻市、遠野市、一関市、奥州市、西和賀町、
金ケ崎町、平泉町、藤沢町。

宮舘副知事は、「5月下旬ごろまでに、主会場地を決定したい。
できるだけ既存施設を活用すること、簡素化・効率化を基本方針と検討」、
要望については「知事に伝える」と答えるにとどめた。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20090425_5

街なか観光拠点整備へ 盛岡に「街かど博物館」

(岩手日報 4月27日)

盛岡市の民間業者らは、同市肴町に建設するマンションの一階に、
盛岡商人の歴史を伝える「街かど博物館」を、2011年春をめどに整備。
市の中心市街地活性化基本計画に基づく事業で、
民間組織で初めて国の補助事業を受けた。
市内の名所を案内する観光ガイドを配置し、歴史ある盛岡のまちを紹介。

「まちの駅」として位置付け、街なか観光の魅力創出につなげる。
「街かど博物館」では、江戸時代からの盛岡商人の歴史を
パネルや映像で紹介。
隣接して新設する立体駐車場と接続させる。

物品販売や観光案内所も設置、歴史や名所を紹介する「観光案内人」も置く。
商店街情報も発信し、買い物カート、ベビーカー、車いすも貸し出す。
「街かど博物館」の事業費は約4億円で、約2億円が国の補助。

事業を進めるのは、地権者らで組織する
盛岡肴町にぎわい推進協議会(北田泰会長)。
14階建てマンション(10年12月完成)と五層の立体駐車場(9月開業)を建設。

対象区域は、岩手酒類卸(鈴木宏延社長)と宮城開発(宮城政章社長)が
所有する、もりおか啄木・賢治青春館の斜め向かいの駐車場。
博物館は、敷地北側に建設するマンション一階に入る。

同推進協議会は、岩手酒類卸、肴町商店街振興組合(豊岡卓司理事長)、
住宅分譲業の宮城開発、ビル管理などを行う寿広(北田泰社長)で組織。
同協議会事務局の千田誠治さんは、
「ハードとソフトを融合した事業で、地域活性化を目指す」

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20090427_8

崩れるITの水平分業

(日経 2009-04-23)

IT業界が長年親しんできたすみ分けの構図が、音を立てて崩れ始めた。
ネットワーク機器のガリバー、米シスコシステムズが
自前のブレード型サーバーの販売開始を発表。
企業向け業務ソフト最大手のオラクルがサーバー大手、
サン・マイクロシステムズの買収を発表、サーバー市場に参入。

パソコンの普及とともに広がった水平分業構造が崩れ、
ハードとシステム開発サービスを軸に据えてきた日本のITメーカーを
取り巻く競争環境が厳しさを増しそう。

オラクルは、元々リレーショナル・データベース・ソフト(RDB)
専業ソフトハウス。
RDBを活用する企業向け業務ソフトである統合基幹業務システム(ERP)や、
ウェブサイト運営用などに使うアプリケーション・サーバーなどの
各種業務ソフトを加え、企業向け総合ソフトハウスに成長。
ERP大手だった米ピープルソフトや顧客情報管理(CRM)ソフト最大手だった
シーベルを買収、巨大ソフト企業に育った。

サンは、元々ネットワークで結んで使うことを前提にした
小型コンピューターであるワークステーションのメーカー。
ハードの根幹であるMPU(超小型演算処理装置)の「スパーク」、
UNIXベースの基本ソフト(OS)である「ソラリス」を独自開発。
先端チップの開発を進める一方、現在のクラウドコンピューティングの
基礎となったプログラミング言語であるJAVAを開発。

MPUとOSを、別々の企業が担うパソコン型水平分業構造が
IT産業に広がる前の垂直統合型モデルをパソコン革命、
ネット革命の波を経ても維持した、数少ないIT企業の一つ。

OSより上のレイヤーの総合ソフト企業であるオラクルが、のみ込む。
オラクルは、1番下のハードレーヤーからそのすぐ上のOS、
ミドルウエア、業務ソフトまで、一気通貫で供給できる総合ITメーカーに。

シスコも元々は、ネットワーク上の郵便局に当たるルーターと呼ばれる
制御機器の専業。
電話交換機に似たスイッチと呼ばれる、より高速のネットワーク通信制御機器を
加え、インターネットの世界的な成長とともに高成長を続けてきた。
ネットワーク機器は一見ハードだが、性能や機能を決定的に左右するのは
OSや各種機能を制御するソフト群。

シスコは、自社で工場を持たないファブレス・メーカーで、
ハードとソフトを一体で売る垂直統合モデルで高収益を上げてきた。
利益の源泉の主軸は、ルーター・スイッチ市場で圧倒的なシェアを握るOS、
「IOS」だった。
オラクル同様、シスコもソフトウエアがコア・コンペタンスという点で共通。

同社が発表した「ユニファイド・コンピューティング・システム」(UCS)は、
シスコが純粋ハードであるサーバーを自社開発し販売することを意味。
シスコは、サーバーを単体で売ろうとはしていない。
ブランド名が示す通り、サーバーとネットワーク機器、
ストレージ(外部記憶装置)など、データセンターの各構成要素を
セットで売ろうというのがUCSの肝。
ストレージ、仮想化、RDBや業務ソフトなど、各種ソフトを提携企業から
供給を受け、データセンター構築を受注。

オラクル、シスコともハードとソフトを組みあわせたシステム全体を
セットで供給できる体制が整う。
単体のコンピューターの垂直統合ではなく、
システム全体の垂直統合と言い換えてもよい。

サンのスコット・マクネリー会長はこれまで再三、
「車が欲しい人は完成車を買う。
エンジンやドアを別々に買う人はいない。
コンピューターもその方が合理的」と繰り返してきた。
それが身売りの形で実現。
部品市場をほぼ独占したマイクロソフトとインテルが支配する
IT産業の水平分業構造は、明らかに終焉を迎えつつある。

危機にさらされるのが、日本のITメーカー。
富士通もNECも、シスコのネットワーク機器、オラクルのソフトと
自社サーバーを組みあわせたシステム構築サービスを大きな収益源。
両社ともサーバーが自社供給となれば、
自社サーバーを売る余地が狭まる。

オラクル、シスコとも従来の提携関係を見直すとはひと言も言っていない。
シスコの日本向けUCS説明会で登壇した提携企業に、
富士通もNECも含まれていなかった。

そもそも一体何を売り物にしていくのか?
テーラーメードのソフトウエアに注力するのか?
システム構築作業の請負業に徹するのか?
国内のIT大手企業は、ますます基本的な中軸技術と
ビジネスモデルの再設定を迫られそう。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/ittrend/itt090422.html

国際化(1)英語徹底「日本語力」が課題

(読売 4月12日)

政府は、国内で学ぶ留学生を30万人に増やす目標を新たに掲げた。
大学や研究機関は、海外の優秀な頭脳を確保しようと躍起。
科学技術創造立国の課題を追う連載の第2部では、
日本が目指す、真の国際化のあり方を問いたい。

データの解釈を巡り、英語の白熱した議論が続く。
つくば市の物質・材料研究機構。
中心に、インド人のヴィヌ・アジャヤン主任研究員(32)がいる。
微細な穴を持つ化合物を合成し、燃料電池の電極などに応用する
研究チームで、インドやイラン、アフガニスタン出身の8人の研究者を率いる。
今春、優れた若手研究者に贈られる日本化学会の進歩賞を受賞。

日本の材料科学研究をリードする物材機構には、
化合物の合成、計測、分析を行う1215人の研究者が在籍。
うち19%が、ヴィヌさんのような外国人。

「文化、教育、言語が違う研究者が集まることで、新しい発想が生まれる」
(岸輝雄理事長)との理念に基づき、英語を公用語にするなど
国際化を積極的に推進。
日本人研究者の採用面接も、5年前から英語で行う徹底ぶりで、
8年前の5%から一気に増えた。
終身雇用の定年制研究者を、昨年度は25人採用、うち15人が外国人。

ヴィヌさんは、物材機構が世界から優秀な若手を集めた
研究交流プログラム「若手国際研究拠点」の第1期生。
2003年から5年間、63か国945人の応募、27か国81人が選出。

2~3年の任期終了後、実績を認められて物材機構に採用された
ヴィヌさんらのほかに、海外の大学や研究機関に20人が巣立った。
国内の大学、企業に就職できた外国人は、2人だけ。

壁になったのは、日本語力。
採用に当たって、8割の企業が日本語力を重視し、
多くが業務に支障のないレベルまで求めている。
大学教員も、日本語授業のできることが必須。
外国人の留学生や研究者には、ハードルが高い。

「企業や大学にも興味があるが、日本語は難しい」とヴィヌさん。
ヴィヌさんの共同研究の相手も、インドや米国の大学が多い。
国内の大学などで学ぶ留学生は12万人超、最近10年で2・4倍増。
国は、20年までに30万人に増やす目標を掲げる。

優秀な外国人研究者や留学生を呼び込もうと、文部科学省は、
大学や研究機関の英語化を推進。
英語の授業だけで卒業できる大学・大学院は、5大学6学部、
57大学院101研究科に増えた(06年度)。
物材機構など世界トップレベル研究拠点に選ばれた5大学・機関は、
すべての日常業務を英語で行う。

少子化や理科離れが進む中、外国からの留学生らは、
科学技術を支える戦力としても期待。
経団連は今年2月、「企業の国際競争力強化に、留学生の積極的な
採用・活用が重要」との報告書をまとめた。

学生の7割が、日本企業に就職を希望する一方、
実際に就職するのは3割以下に過ぎない。

英語化が、留学生らの社会進出を阻み、
大学・研究機関を「出島」化させている一面も。
東京大で留学生の定着促進を研究する洪政国教授は、
「国内で就職して活躍するには、日本語が上手でないと難しいのが現実」

海外の大学事情に詳しい東大の菅裕明教授は、
「外国人が社会で活躍することが、真の国際化。
英語化よりも日本語をしっかり教え、『日本でチャンスが開ける』と訴える方が、
優秀な人材も集まる可能性が高い」

日本語教育を充実させて、産業界で活躍できる留学生を育てる試みも。
「もの作りの現場は、工夫がいっぱいですごい」
名古屋工業大大学院修士2年のグエン・クィ・クィンさん(25)。

同大が、中小企業の中堅社員向けに開く「工場長養成塾」に参加。
40~50歳代の社会人と一緒に、豊田自動織機嘱託の川口勉さん(64)の
指導で、地元企業の製造現場を巡りながら、整理、整頓を徹底して
問題点を浮き彫りにするトヨタ式の「カイゼン」を学ぶ。

クィンさんはハノイ工科大卒業後、来日して2年だが、
日本語で積極的に質問し、リポートもこなす。
「日本の自動車産業で働きたい」と、夢を膨らませる。
川口さんは、「非常に熱心で吸収も早い。
もの作りを支える品質管理の神髄を伝えたい」

クィンさんは、経済産業省と文部科学省が始めた研修プログラム
「アジア人財資金」の第2期生。
特に日本語に力を入れ、自己紹介や報告書の書き方など
実践的な日本語を修士課程の2年間、徹底して鍛える。
受け入れ先の全国21大学・9地域は、それぞれの特徴を生かして
専門教育を行い、就職を支援する。

名工大は、トヨタ自動車やデンソーなど自動車産業と連携。
夏休みに企業実習を体験させ、一線の技術者に現場のノウハウを講義。
名工大の1期生4人は今春、自動車関連企業に全員就職。
経済危機の影響もあり、1220人の1期生全体では、就職率は約7割。

経産省産業人材政策室の新川達也室長は、
「留学生が国内で就職して活躍できる仕組みを作り、
優秀な人材が集まる好循環を生み出したい」

http://www.yomiuri.co.jp/science/tomorrow/tr20090412.htm

2009年4月29日水曜日

社会人ドクターの研究を製品化 岩大の大学院修了生

(岩手日報 4月23日)

今春、岩手大大学院工学研究科博士後期課程を、
社会人選抜枠で修了した高木和久さん(49)による研究が
製品化に結びついた。
接着剤を使わない「分子接着技術」の研究を、
シリコーンゴム製の半導体封止製品に応用、
自身の勤める企業で製造、販売する予定。

「社会人ドクター」として、工学博士の学位を取得するとともに、
研究成果が製品化されるのはまれで、高木さんは、
「今後も大学と連携し研究開発を進めたい」

高木さんの研究テーマは、
「分子接着剤を用いるシリコーンゴムの直接加硫接着に関する研究」
分子接着は、硫黄化合物のトリアジンチオールなどの反応を利用し、
接着剤を使わずに樹脂、ゴムなどを接合させる技術。
岩手大工学部の大石好行教授らが研究に取り組む。

有機、無機、金属材料の接着が可能で、携帯電話やパソコンの
配線基盤のほか、自動車やバイオ分野への応用も期待でき、
産業界が注目する新技術。

今回の半導体封止製品は、電子部品を二枚のシリコーンゴムで
封止する構造。
これまでは、液状の接着剤などで接合してきたが、接着は十分ではなく、
はみ出した接着剤を削る作業などが必要。
化学反応で接合する分子接着では、接着の信頼性が飛躍的に向上、
時間も短縮し低コスト化が可能に。

高木さんは宮城県出身。
工業用ゴム製品の製造・販売を手掛ける朝日ラバー(本社・さいたま市)の
研究所(福島県泉崎村)に勤務、土日に大学院に通う生活を三年間続けた。

「研究が仕事と直結し、大変だったが楽しかった。
今後も、大学と連携し研究開発に取り組みたい」と意欲を見せ、
指導した大石教授も、「社会人ドクターは、企業で取り組んできたことを
学問的に解明する研究が多く、在学中に製品化まで進展した例はなかった」
産学連携の成果を喜ぶ。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20090423_12

スカイプのニーリー副社長「日本でも積極的にパートナー増やす」

(日経 4月17日)

◆ダン・ニーリー氏(Dan Neary)

米ミシガン州のデポール大学で、マーケティングの学士と
経営学修士号を取得。米ケロッグ社で、中国事業の統括などを担う。
電子商取引用ソフトのベンチャー企業などを立ち上げ、
2002年に米イーベイに入社。
東南アジアやインドの市場開拓を指揮し、09年1月から現職。43歳。

インターネット電話大手のスカイプ・テクノロジーズ(ルクセンブルク)
世界で加入者数を伸ばしている。
音声をIP(インターネットプロトコル)化して、ネット経由で送る仕組みで、
携帯電話での利用も広がってきた。
加入者間通話が無料となるなど安さが魅力で、普及すれば
一般の携帯料金の値下げ圧力となる。
消費者にはメリットがある一方、通信会社の収益を脅かす可能性も。
今後の戦略や展望について、
ダン・ニーリー・アジア太平洋地域担当副社長に聞いた。

——スカイプの直近の利用状況は?

「2008年末の登録者が4億500万人。1年で50%増。
現在は、1日35万人のペースで新規登録者。
1カ月で1000万人の計算。
昨年10-12月期でみると、加入者間の通話が200億分。
外部の固定や携帯にかける有料の『スカイプ・アウト』が26億分で、
いずれも前年同期比6割以上増加」

世界の国際電話の8%をスカイプで占めているという調査も。
景気後退局面に入り、節約意識が強まったことも追い風。
法人向けも開拓の余地が拡大している。
サービス開始から約5年でここまできたのは、順調な成長といえる」

—2月に携帯電話機最大手のノキア(フィンランド)と提携。
携帯分野をどう位置づけているのか?

「どこでもスカイプが使えるというのが、我々の目指すところで、
携帯の重要性は増している。
これまで多くの人にとって、最初のネット体験はパソコン経由だったが、
今後はスマートフォン(多機能型携帯電話)がスタートという人が増える。
ノキアだけでなく、米アップルのiPhone向けを開発し、
通信会社とも提携」

——携帯でスカイプを使う利点は?

「一部の事業者とは、スカイプ同士での通話が無料になるモデルを用意。
チャットなどの機能がある上、スカイプアウトも低料金。
パソコンでも携帯でも、同じようにコミュニケーションを取れる
ソフトだという点が重要」

——既存の携帯電話会社にとって、通話料収入の減少につながるのでは?

「通話料だけで取り上げると、減少する可能性があるが、
携帯会社にとってもメリットはある。
実際に導入した事業者の場合、新規契約者が増加。
スカイプのユーザーは、ネットを多く使う傾向があり、
データ通信のARPU(利用者1人あたり月間収入)は高くなる。
スカイプのおかげで、解約率が下がる利点も。
通信会社にとっても、我々が有望な提携先になる」

——日本ではどのような事業展開を考えているのか?

スカイプの中心的なサービスであるスカイプ同士の無料通話は、
ソフトを通じて実現。
当社はあくまでも電話会社ではなく、コミュニケーションソフトの会社。
スカイプアウトの場合、電話会社の通信網を利用することになるので、
電話会社や端末メーカーとの協力関係が不可欠。
パソコン分野では既にソニーと提携し、スカイプを搭載した製品がある。
日本の電話会社であれ、携帯電話機メーカーであれ、
パートナーを増やしていきたい」

2月に発表したスカイプの最新版「4.0」は、音質や使い勝手を
画期的に改善した自信作。日本での利用者拡大にもつなげられるはず」

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/interview/int090415.html

プレゼンで好印象与えたい 発声は腹式呼吸、強弱も使い分け

(日経 4月21日)

人とのコミュニケーションや大勢の人を前にしたプレゼンテーションでは、
話す内容だけでなく、声そのものも伝達手段として重要。
聞きやすい声で良い印象を残すためのコツと練習法は何か?
ビジネスパーソンに、発声法を指導している2人の専門家に聞いた。

小さく、くぐもった声でなく、大きく聞き取りやすい声に——。
人に伝わりやすい「いい声」の条件。
大きな声を出す基礎でよく知られるのは、
おなかから声を出すための腹式呼吸

我々の多くは、ふだんは胸式呼吸をしているため、
胸から上で話す状態になって声量が限られる。

パワフルヴォイス社長の白石謙二さんは、訓練の仕方として、
おなかを膨らませたりへこませたりする際、胸と肩を上下させないように
心がけることを挙げる。
ため息をつくように吐いてはいけない。

コツは先に息を吐くこと。
吐いた反動で息を入れるようにすると、腹式呼吸しやすくなる。
「シー」などと言いながら行うと、息を吐きながら声を出す癖がつく。

明りょうな発声をするための基礎は、唇と舌を活発に動かすこと。
口の回りの筋肉を、自在に動かして唇の動きを訓練。
具体的には、「ア・イ・ウ・エ・オ」や「イ・ウ」などア行を口を大きく動かして発声。
舌の訓練では、「ラ・ナラ・ナ」、「ラ・ヌ・ラ・ヌ」などと繰り返し、
もつれないように舌を規則正しく動かす。
口を大きく開きながら発すると、唇の訓練にもなる。

ビジネスで使える実践編として、白石さんが考案したのが
3段階の声の使い分け。
自分が出しやすい声が「ミドルボイス」で、
基礎の訓練で発した声をそのまま出す。

自分のそばにいる人に、説得力を持って伝えるために使うのが
「チェストボイス」。低く響くような声だ。
胸の前に口があるかのように、あごを引いて声を出す。
グループでの打ち合わせや少人数での会議に向いている。

遠くにいる人に呼びかけるときに使うのが、
抜けるような高音の「ヘッドボイス」。
頭の上から声を出すようなイメージ。
大人数を前にしたプレゼンなどで有効。

ヘッドボイスとチェストボイスを使い分ければ、
より相手に親しみを覚えてもらうことができるだろう。

上野直樹ヴォイスメイクアカデミー代表の上野直樹さんは、
あいさつから始められる発声法を挙げる。

あいさつ言葉の2音目を大きく強く発声すると、
相手に明るい印象を与えられる。
具体的には、「オハヨウ」のハ、「アリガトウ」のリ、を強調。
2音目を強くすると、あいさつ言葉全体も大きい声で言える。

そのための訓練では、「アーア、アーア」と口を開いたまま繰り返し、
「アーア」の2つ目のアを大きく発する。
声帯の筋肉を上下左右に伸ばす訓練にもなり、声が太く響くようになる。

上野さんは、相手に好印象を与えるコツに、舌の使い方と表情を挙げる。
同じ母音でも、様々な発音がある英語などと違い、
日本語は「アイウエオ」と、単音が主体。
アゴを上下させる一方、舌はあまり使わない。

単音を歯切れ良く発すると、テキパキとした印象が出る半面、
柔らかさや滑らかさに欠き、冷たい感じが出てしまう。
「最近の女性はこうした話し方が多い」(上野さん)。
舌を使って話すための訓練としては、「ターター」、「ナーナー」、「カーカー」と
舌を前で動かす感じで発声。
舌が口の奥で動くと、舌がノドから出てくる声の邪魔をしてしまう。

表情も好印象を与えるには重要な要素。
「オア」、「オエ」、「ウイ」と唇を大きく動かして発声すると、
笑顔で話しているような表情に。

上野さんは、割りばしを両奥歯で挟んで発声する独自の訓練方法を考案。
常に口を開けた状態にすることで、聞き取りやすい声を出せるようになる。

上野さんは、「淡々とした一本調子な発声では説得力がなく、
プレゼンの内容が相手に残らない」と説く。
基礎ができたら、声のリズムや大きさに変化をつけるようにすすめている。

ビジネスで使う声への意識が高まっている。
パワフルヴォイスが運営する「青山ヴォイス・メイクアップアカデミー」では、
約1400人の生徒のうち、約8割がビジネスパーソン。
経営幹部クラスの姿も目立つ。

同社社長の白石さんは、「声は話の中身と違ってごまかしが利かず、
相手の印象に直結する『音速の効果』がある。
ビジネスパーソンが、声の大切さに気づき始めたようだ」

「上野直樹ヴォイスメイクアカデミー」には、
歌唱法を習いに来るビジネスパーソンも多い。
カラオケで上手に歌うことで、ビジネスでのコミュニケーション力向上に
つなげたいようだ。
代表の上野さんは、「ノドも筋肉を鍛えることで強くなる。
スポーツの筋トレのつもりで、常に訓練してほしい」

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/bizskill/biz090421.html

要注意!体重5キロ以上減 増加より高死亡率 9万人調査

(2009年4月23日 毎日新聞社)

成人になってから体重が5キロ以上減った人は、
増えた人や変化の少ない人より死亡率が高くなることが、
厚生労働省研究班が実施した国内9万人を対象とした調査で分かった。
日本人の体重変化と、死亡率の関係が明らかになったのは初めて。

研究班は、90年と93年、がんや循環器疾患になっていない
40・69歳の男女計9万人を05年まで追跡調査。
20歳以降に体重が5キロ以上減った群、5キロ以上増えた群、
変化が5キロ未満の群の3グループに分け、死亡率を比べた。

その結果、男性は、体重減少群の死亡率が変化の少ない群の1・44倍、
女性は1・33倍と高かった。
男性の体重増加群の死亡率は、変化の少ない群の0・89倍、
女性は0・98倍と逆に低かった。

調査開始時40・49歳だった男性は、体重減少群の死亡率が
変化の少ない群の1・61倍。
がんや循環器疾患による死亡率でも、
男女とも体重減少群が変化の少ない群を上回った。

調査開始時の肥満度のほか、喫煙や高血圧・糖尿病など
生活習慣病の有無とも関係なく、体重減少群の死亡率が高かった。
ダイエットによる影響は調べなかった。

研究班の斉藤功・愛媛大准教授(公衆衛生学)は、
「死亡率を上げている原因は不明だが、成人以降の自然な体重減少は、
健康障害が起きているシグナルの可能性がある」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/4/23/95829/

2009年4月28日火曜日

酔仙酒造・清酒「華の宵」 健康重視しカロリー半分国内初の醸造技術

(東海新報 4月22日)

陸前高田市の酔仙酒造(株)(金野靖彦社長)は、
カロリーを従来品の半分に抑えた国内初の清酒
「華の宵」を新しく発売。
アルコール度数も半分で、健康志向の人や女性でも
楽しめるよう配慮。
気仙の小売店などの店頭に並べられている。
国内産米の原料から見直し、低温製麹を使用することで、
清酒本来のおいしさを残したままカロリーを50%カットに成功。
同社「上撰・酔仙」のカロリー」106キロカロリー(百ミリリットル当たり)に対し、
「華の宵」は50キロカロリー(同)。
他社にもカロリーを抑えた製品はあるが、半分までカットしたものはなく、
この特殊な醸造技術は特許申請中。
アルコール度数も7度以上8度未満と、従来品の15~16度に比べて半分。
スッキリとした軽い飲み口で、ワインのようなフルーティーな味。
今回の商品開発にあたって、新たな消費者を開拓しようと一年前から
社内にプロジェクトチームを立ち上げ、インターネット調査などを行って模索。
健康志向の高まりに着目。
カロリーに敏感な女性やメタボリックシンドロームなどが気になる人、
お酒に強くない人でも楽しめる商品の開発をスタート、
試行錯誤を繰り返しながら今回の新商品に漕ぎ着けた。
パックやビンのラベルには、ピンクの「華」をあしらい、
女性層の消費を狙ったデザイン。
村上芳郎常務は、「酔い覚めもスッキリしたお酒で、
チーズやサンドイッチなどを食べながら飲むのにもぴったり。
これまでの日本酒のイメージとは違ったものに仕上がった。
どのような料理にも合い、家庭で食事の際に飲んでも悪酔いしない。
将来的には東北、全国へ販売展開していきたい」
1・8リットル入りパック1260円、900ミリリットル入りパック680円、
720ミリリットル入りビン630円、300ミリリットル入りビン315円で発売。
県内の各小売店やスーパー、コンビニなどの店頭で販売。
問い合わせは同社(電話55・3141)へ。

砂糖入り飲料と身体活動はインスリン抵抗性に独立して関連

(2009年4月22日 Medscape)

砂糖入り飲料摂取および身体活動のレベルは、青少年における
インスリン抵抗性とそれぞれ独立して関連していることが、
米国立健康統計センター(National Center for Health Statistics)が収集した
National Health and Nutrition Examination Survey (NHANES) データの
横断的解析結果から示された。
『Archives of Pediatrics & Adolescent Medicine』4月号。

「肥満、インスリン抵抗性、メタボリック・シンドロームに関連する
2つの生活習慣行動とは、
(1)高レベルの砂糖入り飲料摂取、(2)低レベルの身体活動、である」
カリフォルニア大学デービス校医学部(サクラメント)のAndrew A. Bremerら。

「食事の改善と一貫した運動は、これらの障害のリスクがあるか、
現在これらの障害の診断を受けている小児・青少年に、
小児科医が通常、推奨する事柄。
研究から、砂糖入り飲料は満腹中枢反応の抑制等、
エネルギーの固体カロリー摂取に比較した液体カロリーによる
正のエネルギーバランスの促進、エネルギー恒常性の調節異常を通じ、
エネルギー摂取量を増加させ、体重増加を誘発する可能性がある」

目的は、1999-2004年NHANESに参加した米国人青少年6967例を対象、
インスリン抵抗性に関連する代謝パラメータ、身体測定値と
砂糖入り飲料摂取、身体活動のレベルとの関連性を検討。
被験者は、12-19歳。

砂糖入り飲料とは、高カロリーのソフトドリンク、コーラ、
砂糖入り果実飲料などの砂糖入りの飲料と定義。
曝露は、砂糖入り飲料摂取と身体活動のレベルであり、
主要エンドポイントはブドウ糖、インスリンの濃度、
インスリン抵抗性のホメオスタシスモデル評価(HOMA-IR)、
全リポ蛋白質コレステロール濃度・高密度リポ蛋白質コレステロール濃度・
低密度リポ蛋白質コレステロール濃度、トリグリセリド濃度、
収縮期圧および拡張期圧、胴囲、年齢と性別に対する肥満指数(BMI)。

多変量線形回帰分析により、砂糖入り飲料摂取の増加はHOMA-IR、
収縮期圧、胴囲、年齢と性別に対する肥満指数の百分位数の上昇、
高密度リポ蛋白質コレステロール濃度の低下と独立して関連。
身体活動レベルの上昇はHOMA-IR、低密度リポ蛋白質コレステロール濃度、
トリグリセリド濃度の低下、高密度リポ蛋白質コレステロール濃度の上昇と
独立して関連。

「低レベルの砂糖入り飲料摂取、高レベルの身体活動は、
HOMA-IR、トリグリセリド濃度の低下、高密度リポ蛋白質コレステロール
濃度の上昇という、互いの効果を改善し合う」

「青少年において、砂糖入り飲料摂取、身体活動のレベルはそれぞれ独立し、
インスリン抵抗性に関連する代謝パラメータ、身体測定値と関連」

研究の限界として、因果関係の判断を除外した横断的デザインであること、
被験者の性的成熟度について補正できていないこと、
本来的に限界のある質問票データを用いたこと。

「小児科集団において、食事の改善、一貫した運動が肥満、
インスリン抵抗性、メタボリック・シンドロームの発生に及ぼす効果を
直接検討するには、前向き研究が必要で、小児科医は全般的健康を
改善する取り組みにおいて、生活習慣改善の奨励を継続すべき」

Arch Pediatr Adolesc Med. 2009;163:328–335.

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/4/22/95771/

浜野製作所、不況下の深慮

(日経 2009-04-21)

「不況の今こそ勉強しよう」——。
精密板金やプレス加工の浜野製作所(浜野慶一社長)の全社員は、
技能検定資格の取得を目指す。

「暇を生かして」ということかな、と思いつつ話を聞きに行ったら、
それだけではなかった。
「勉強」は、「強み」をもう1つ作る作戦だった。

同社の社員4人が国家検定制度である技能検定2級をパス。
職種は、3人が「数値制御タレットパンチプレス板金作業」、
残り1人が「機械板金作業」。
シートメタル工業会のセミナーに通った上での合格。
製造スタッフの20人と、営業の5人の全員が1級の検定合格を目標。

浜野製作所も、昨年末から売り上げが落ち始めた。
浜野社長は、直ちに技能検定資格の全社員の取得を宣言。
仕事量が減り、時間的な余裕ができた時だからこそ勉強もしやすい——。
ある意味では経営の常道。

浜野社長にとって、不況はきっかけにすぎなかった。
実は、少し前から「これまでの『強み』だけでいいものか」と考え始めていた。
同社は、「超特急で納入、1個でも受注」がキャッチフレーズ。
メディアに紹介される時は必ずこの切り口で描かれるし、
実際、それで生き残ってきた。

浜野社長が注目したのは、墨田区が工業振興マスタープランを
作成するため実施したアンケート調査。
結果を見ると、同社同様に「短納期」や「1個でも作る」を売り物にした会社は
概して売上高が落ちていた。

浜野社長はぎょっとし、そして考えた。
「短納期をセールスポイントにする会社が増え、
それだけでは『強み』にならない時代になった。
今後、不況が深まれば工場はより遊ぶだろうから、
短納期対応を掲げる会社はさらに増えるに違いない」

売上高を伸ばしているのは、「取引先への提案力」を
自らの強みにあげている会社が多かった。
「提案力」というと、抽象的で意味が分かりにくいが、浜野社長はこう考えた。
「わが社で言えば、渡された図面通りに作るのではなく、
設計段階から納入先に絡む、ということ」

取引先の大企業の人から、「うちの設計部隊は、
機械や電機は分かるが金属を知らない人が多い」、
「最近の設計者は現場経験に乏しく、ヤスリがけをしたこともない人ばかり」
といった困りごとを打ち明けられるようになっていた。

大メーカーの「現場力」は落ちている。
一昔前なら、大企業の開発チームは「お抱えの試作屋さん」を持っていた。
設計者がよく分からない領域では、試作屋さんの「現場の知恵」で
切り抜けることができた。
「長い不況の間、開発部門の『無駄な人員』が減らされる過程で、
お抱えの試作屋さんを使いこなすノウハウまでも失われたのだろう」(浜野社長)。

浜野の社員は、金属加工のプロばかり。
取引先に対し、「設計図面ほどに溶接を施さなくても、強度は十分に出る。
一部だけにして重量を減らしたほうがいい」、
「この部分は設計とは異なり、こんな金属素材を使った方が長持ちする」
といった提案ならどんどんできる。
「これを新たな売りにしよう」(同)——。

加工方法や素材に関する経験知を、理屈でもって話せないと、
相手の開発部隊に対し説得力が出ないはず。
浜野社長は、「全社員が技能検定で1級をとる」大方針を打ち出した。

「短納期+提案力」作戦は、始めたばかり。
目立った成果は出ていない。
浜野社長は考える。「不況の今だからこそ、『ここには未来があるぞ』と
従業員が信じられる会社にしたい。
経営者は、生き残りの道筋を明確に示す必要があると思う」

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/mono/mon090414.html

インタビュー・環境戦略を語る:NEC・矢野薫社長

(毎日 4月20日)

「環境経営ビジョン2010」を推進するNECは、
パソコンや携帯電話端末など省電力製品の開発に加え、
オフィス全体の省エネ化を企業に提案し、
「技術革新による人と社会にやさしい情報社会づくり」を目指す。

成長期待が高い半面、競争も激しい環境市場で、
NECはいかに独自性を発揮し、業界をリードしていこうとしているのか?
矢野薫社長に聞いた。

--03年から始めた環境ビジョン2010の進ちょく状況は?

◆ビジョンには2本の柱があり、一つは「IT(情報技術)のエコ」
携帯電話向けシステムLSI(大規模集積回路)の低電力化や、
コンピューターサーバーの省電力・軽量化など、
環境に配慮した製品開発。
「10年までに製品ごとのCO2排出量の半減(05年度比)」を目標。

もう一つの柱は、「ITによるエコ」
企業向けに、オフィスの空調や照明から、データセンターなどの
制御技術を向上させることで、CO2排出量の削減を提案。
ITを効率的に活用すれば、消費を抑制できる。
資料のペーパーレス化は、森林保護など環境に役立つだけでなく、
業務効率の向上や費用削減効果も大きい。

--普及への手応えは?

◆5年前、NECが提案する最先端の職場像を体現した実証オフィス
「品川ブロードバンドオフィス」を開設。
資料の電子化や無線LAN(企業内情報通信網)で、ノートパソコンを
社内外のどこでも業務に使えるシステム、ウェブ会議などITを駆使し、
CO2排出量が従来型のオフィスに比べ、40%以上削減でき、
社員も働きやすくなることを目で見て実感してもらえる。

--環境対応だけでなく、働きやすいオフィスも提案している。

◆目指すのは、単にCO2排出量の削減だけでなく、
「人と地球にやさしい情報社会」
ITをうまく使えば、在宅勤務ももっとしやすくなり、
女性が働きやすい職場づくりも進む。
NECでは、自宅や外出先などどこにいても、オフィスと同じように
業務が行えるテレワークを全社展開し、2万人が参加。
働く人のニーズに合わせたワークスタイルの革新も、積極的に提案。

NECには、公害問題が深刻だった70年代から
環境対策に取り組んできた実績があるうえ、
半導体やエコカー向けリチウムイオン電池からIT機器、システムまで
総合的に事業展開している強み。
日本を、人と地球に優しい情報社会にしていくリーダー企業になりたい。
==============
◇やの・かおる

東京大工卒、66年NEC入社。
「NEC USA」、「NECネットワークス・カンパニー」社長などを経て、
06年4月から現職。神奈川県出身。65歳。

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2009/04/20/20090420ddm008020003000c.html

2009年4月27日月曜日

iPS細胞:「遺伝子なし」遅れ始めた日本 根幹技術、生かせず/人材・資源で米優位

(毎日 4月25日)

米独の研究チームが、遺伝子やウイルスを使わない
人工多能性幹細胞(iPS細胞)の作成方法を発表。
06年マウスiPS細胞の発表以来、
「遺伝子、ウイルスなし」は世界中の研究者が挑んだハードル。
今回初めて成功したが、作られたiPS細胞の性質など不明な点は残り、
激しい研究競争は今後も続く。

日本発のiPS細胞研究。
世界での競争に臨むには、人材、資金の確保はもちろん、
既存の技術をうまく組み合わせる「コーディネート能力」など
科学技術に関する国家の総合力が問われる。

◆遺伝子なしの理由

山中伸弥・京都大教授は、がん遺伝子を含む4つの遺伝子を、
レトロウイルスを「運び役」として使って体細胞に入れ、iPS細胞を作った。
レトロウイルスは、細胞の核に入り、導入遺伝子を染色体に
ランダムに組み込む。
染色体の重要な部位が破壊されたり、組み込み後に機能が
止まっているはずのがん遺伝子が回復すると、
iPS細胞ががんになる可能性がある。

その恐れを排除するため、レトロウイルスなし、遺伝子なしの
作成方法が求められてきた。
山中教授も、がん遺伝子を抜いた3遺伝子での作成方法などを発表。
一部の遺伝子の代わりに、低分子化合物を使う方法などが報告。

◆米独に日本の技術

新手法を発表した米スクリプス研究所のシェン・ディン准教授は、
化合物での作成で第一人者。
共同研究者の独マックスプランク分子医薬研究所、ハンス・シェラー教授は、
1遺伝子での作成に成功。
米独のトップクラスの研究者のタッグで、成果を挙げた。

たんぱく質をマウスの細胞に入れる際に使った方法は、
熊本大の富澤一仁教授のオリジナル。
日本発の技術が新手法の根幹。

今回、iPS細胞が従来手法のものと同レベルの分化能力を持つか、
安全性は高まったのかなどが、はっきり示されていない。
ヒトの細胞でも、同じように成功するか不明。
富澤教授は、「iPS細胞が抱える危険性克服につながる一歩だが、
実用化にはさらに研究が必要」

◆オバマ政権積極支援

自民党の会合で、山中教授は「資金、人材両面で危機的状況」と訴えた。
国は、昨年度から5年間で100億円の研究資金を用意。
山中教授が客員教授を務める米の研究所は、
1カ所で年間60億円の予算。
実験を補佐する研究支援者に博士号を持つ優秀な人材も多く、
バイオに特化した知的財産、法務、広報などの専門家の層も厚い。

iPS細胞関連論文のうち、日本発は約1割に過ぎない。
今回の論文に関しても、富澤教授の技術を、
日本でより早く生かせなかったのかという指摘。
山中教授は、「幹細胞研究の支援に積極的なオバマ政権によって、
米は独走状態に入りかねない」と、多面的な支援を求めた。

日本でも工学、農学など異分野の人材がiPS細胞研究へ参入し始めている。
研究の加速と共に、研究資源を効率よく生かす戦略づくりが求められる。
==============
◆iPS細胞作成に関する研究の進展(時期は発表時)

2006年8月
 山中・京都大教授らがマウスの体細胞に、4遺伝子をレトロウイルスで導入、
 世界初のiPS細胞を作成
07年11月
 山中教授らと米ウィスコンシン大が、レトロウイルスと4遺伝子で
 ヒトiPS細胞を作成

 山中教授らがヒト体細胞で、がん遺伝子を除く3遺伝子とレトロウイルスで成功
08年5月
 米スクリプス研究所など、マウス体細胞で2遺伝子と低分子化合物で成功
9月
 米ハーバード大、マウス体細胞でアデノウイルスと4遺伝子で成功
10月
 山中教授らが、胎児マウス体細胞で、環状DNA「プラスミド」で
 4遺伝子を導入し成功
09年2月
 独マックスプランク研が、マウス神経幹細胞で、
 レトロウイルスで1遺伝子を導入し成功
3月
 英とカナダのチームが、ヒト胎児体細胞で遺伝子「トランスポゾン」で
 4遺伝子を導入し成功
4月
 米スクリプス研など、胎児マウス細胞で遺伝子ゼロ、ウイルス未使用で成功

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2009/04/25/20090425ddm002040070000c.html

大船渡市在住作家による小説『虹色ほたる』、劇場公開用アニメ作品に

(東海新報 4月26日)

大船渡市在住の作家によるファンタジー小説
『虹色ほたる~永遠の夏休み~』が、劇場公開用アニメ作品になる?

業界最大級のアニメイベントで製作開始が明かされ、
現在少しずつプロジェクトが進行。
公開時期や上映館数などは未定で、「映画化決定」と謳えるまでには
まだかかるものの、著者の執筆当時からの夢であった
映像化実現がすぐそこに迫っている。

『虹色ほたる』のアニメ映画化については、
「東京国際アニメフェア(通称TAF)2009」で製作発表。
同作は、同市大船渡町にある宝飾と時計の店「時光堂」で店長を務める
川口雅幸さん(37)の初出版物。
交通事故で父親をなくした小学六年生の少年が、
夏休みに30年以上前のとある村へタイムトリップするというストーリー。

誰の心にもあるノスタルジーを揺さぶる作品として話題を呼び、
発行部数は発売から2年弱で6万部、第9刷を突破。
新人作家としては驚異的な売り上げとロングセラーを記録、
紡ぎ出される情景の美しさから、ファンの間でも映像化が期待。

アニメ製作は、東映アニメーション㈱が担当。
『ドラゴンボール』、『SLAMDUNK』、『プリキュア』シリーズ、
『ゲゲゲの鬼太郎』など、人気作品のアニメ化を数多く手がけてきた。

TAFの同社ブースには、『虹色ほたる』コーナーが設置、
期間中は終日、数分ほどのプロモーション映像も上映。
累計入場者数が13万人にのぼった日本最大のアニメ見本市の会場で、
同作は多くの人々から注目。

「小説というよりは、映画の脚本のような気持ちで書いた」と、
映画化は川口さんが執筆段階から、口にしてきた最終目標。
プロモーション映像は自宅で見、「物語が自分の手を離れ、
実際に動いているのを見るとさすがに感慨深かった。
絵柄にも素朴な魅力があり、原作の雰囲気とよく合っていると思う」

発行元である㈱アルファポリスの梶本雄介代表は、
「当初は児童書として売り出したが、子どもはもちろん、
大人の方からの反響が非常に大きい」、
目の肥えた書店員からも、絶大な支持を集める同作。

書店員の一人が立ち上げ、〝虹ほた〟映像化を応援する人たちが
支えている「虹色ほたるサポーターズクラブ」というファンサイト(http://nijiirohotaru.blog118.fc2.com/)も存在。

クラブには誰でも参加でき、川口さん自身も情報発信やコメントを残す。
サイトは、「絶対映画で見たい」などの声でいっぱい。
今回の吉報にも、続々と反応が寄せられている。

川口さんは、「すでに自分だけの作品じゃないという気持ち。
映像化の夢は必ず叶うと思いながら言い続けてきたので、
『信じられない』というよりは『とうとうここまで来たな』と、
自分もファンの方々も感じている。
映画化が本決まりになることを願うばかりです」

http://www.tohkaishimpo.com/

大学受験は「理高文低」 景気映し高まる地元志向 食料問題で農学部は志願増

(2009年4月22日 共同通信社)

人生の分岐点となる大学受験。
若者には自由に未来図を思い描いてもらいたいが、
世相と無縁ではない実情も。

2009年の入試は、景気悪化を映し親元から通える地元大学を目指す
傾向が鮮明、食への関心の高まりから農学部志願者が増加。
日本人のノーベル賞受賞者が出たこともあり、
理系人気が復活し、「緩やかな理高文低」に。

「確実に受かる大学を選ぶ傾向が強まった」
大手予備校・河合塾の近藤治教育情報部長は、今年の特徴をこう説明。

背景にあるのは、景気悪化と学生の安全志向。
関東の最難関私大では、駄目でもともとの"記念受験"が減って、
志願者は減少。
関西の難関私大では、1割近く受験者数が減った大学も。
中堅大学が人気になった。
駿台予備学校は、「最難関校を目指す層と、堅実に動く層との二極化が進んだ

受験料は、1校当たり平均3万5000円。
それを気にして受ける大学数(1人平均6校)を
絞り込むことはなかったようだ。
自宅の3倍もお金が掛かる「下宿生」となる地域への受験は、ためらう傾向。

志願者が増えたのは、地方大学。

福岡の私立・西南学院大や公立はこだて未来大、岩手県立大、島根大、
大分大などの伸びが目立った。

河合塾の近藤部長は、「わざわざ東京や大阪に行っても、
4年後に就職があるとは限らない。
景気悪化は、地方にとっては優秀な人材を引き留めるきっかけになった」

専攻別では、農学部と理学部が人気。
世界的な食料危機を受けて、学生も食への関心を高めたようで、
低迷していた農学部が注目。
東京農業大は、志願者が1割も増加。

理学部人気は、日本人のノーベル賞受賞者が出たため。
「政府が、理科や数学教育に力を入れる高校へ手厚い支援を
してきた成果が出始めている」

食料や健康、環境問題に関連するバイオサイエンスは、女子に人気が高い。
卒業後、多くが食品や化学メーカー、製薬会社などに就職。
勉強の成果が将来、生かせるのも選んだ理由。

志願者が減ったのは、歯学部。
駿台予備学校調べでは私立で40%、国公立で15%も減少。
歯科医師が多すぎるため。
医学部は、定員が増えたのに志願者はほぼ横ばい。
長時間労働などの医師の"激務"が明らかになり、敬遠された面も。

景気と連動して、志願者が増減する経済学部や商学部は微減。
「もっと減ってもおかしくないが、景気悪化が急激すぎて、
受験生が対応しきれなかった」(大手予備校)。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/4/22/95727/

遺伝子使わずiPS作製 がん化懸念少ない手法 米独チーム

(2009年4月24日 共同通信社)

さまざまな組織に成長できる新型万能細胞「iPS細胞」を、
遺伝子を使わずに作製することにマウスの実験で成功したと、
米スクリプス研究所など米独チームが、米科学誌セル・ステム・セルに発表。
がん化などの懸念が少ない安全な手法として注目。

京都大の山中伸弥教授らが開発したiPS細胞は、
皮膚などの細胞に4つの遺伝子を組み込んで作る。
米独チームの方法では、遺伝子は入れず、遺伝子が作るタンパク質を
あらかじめ別に作ってから細胞に入れる。

タンパク質をマウスの胎児の皮膚細胞に入れて約1カ月培養すると、
iPS細胞になった。
肝臓や心筋、神経の細胞などに分化することも確認。

4つの遺伝子のうち、がん遺伝子を除いた3種類で作ったタンパク質を
入れても、iPS細胞ができた。
細胞膜を透過させてタンパク質を細胞の中へ入れるのは、
タンパク質が大きいため通常は難しい。

富沢一仁熊本大教授(生理学)が、末端にアルギニンという
アミノ酸11個を付けて効率的に入れる方法を開発。
米独チームはこの方法を利用、アルギニンを作る遺伝子と
iPS細胞作製に必要な遺伝子を組み合わせ、
細胞の中に入りやすいタンパク質を大腸菌に作らせた。

iPS細胞は、ウイルスを使って遺伝子を皮膚細胞などに組み込んで作り、
がん遺伝子を省略しても作製できるが、効率は落ちる。
導入に使うウイルスも細胞をがん化させる恐れがあるほか、
細胞に外から遺伝子を入れると染色体に何らかの影響を与える恐れがあり、
安全な手法開発への取り組みが進んでいる。

◆富沢一仁熊本大教授(生理学)の話

細胞に遺伝子を入れる手法では、染色体への影響を
完全に排除することはできない。
タンパク質を直接入れるなら、心配はなくなる。
iPS細胞の安全面での競争は、これで決着がついたのでは。
細胞に遺伝子を導入してできるタンパク質は、
大腸菌に作らせた場合と性質が違う場合もあるが、
iPS細胞ができたという点でほぼ同等と考えて良い。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/4/24/95898/

2009年4月26日日曜日

重慶陶然居の厳董事長「ファストフード進出」

(日経 4月16日)

◆琦氏(イェン・チー)
1984年に重慶市内の高校を卒業。中国人民銀行、中国人民保険の
重慶市巴県の支店の会計担当を経て、95年に重慶陶然居集団を起業。
重慶工商大学MBAを取得。41歳。

◆重慶陶然居集団
中国飲食店チェーン大手。1995年、厳琦氏が重慶市で起業。
四川料理が中心。現在は中国26省・市に展開し、79店舗を運営。
昨年の売上高は18億6000万元(約265億円)。
従業員数は約1万7000人。

金融危機の影響で、中国では沿岸部の輸出産業が痛手。
内陸部の農村から沿岸部に出稼ぎに来た「農民工」が職を失うなど、
就業対策は喫緊の課題となり、政府は雇用の受け皿として
サービス産業育成の方針を掲げる。
重慶市で四川レストランを起業し、チェーン展開する
重慶陶然居集団の厳琦董事長に今後の戦略などを聞いた。

――金融危機の影響は出ているか?

「重慶の経済は、外需に頼る部分が少ないためか、
当社には金融危機の影響は出ていない。
従来の『陶然居』ブランドのレストランに加え、
2005年からは高級感を出した『重慶会館』、『陶然古鎮』など
新たなブランド店の展開に打って出た成果も現れ始めている。
今年も、新規出店を続ける方針で、新たに1000人を雇用する計画」

――既に26省・市で事業展開しているが、今後の出店戦略は?

「まだ上海には出店していないので、今後の検討課題。
海外進出も考えており、日本はその候補の1つ。
海外進出する場合は、現地のパートナーと提携したい。
中国国内の株式市場への上場も検討」

――新業態レストランの開発や出店計画は?

「今年6月から、四川料理のファストフード店を重慶市内に開業する予定。
将来的には1万店を開業したいと考え、実現すれば20万人の雇用に。
中国の雇用問題の解決には、サービス産業の発展が欠かせない

――「農民工」の失業が大きな社会問題に。

「我が社は毎年、食材となる農産品の購入に
2億元(約27億円)強を使っている。
直接の従業員は約1万7000人、農村などへの波及効果を考えれば、
5万人規模の雇用に貢献。
人材育成の一環として、調理師学校や農民工の訓練学校も運営

――レストランを起業して成功。理由と成功のカギは?

鄧小平総書記(当時)の『南巡講話』に鼓舞され、保険会社を休職して
起業しようと思い立った。
開業時は、テーブルが5卓の小さな店。
料理にも特徴が無く、お客も少なかった」

「起業した当時、中国では教育を受けた人がレストラン経営するケースは
少なく、(教育を受けたものとしての)“面子”にかかわる話。
私は、必ず成功させるとの自信と信念があった。
起業で成功するカギは、こうした心の持ち方にある

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/interview/int090416.html

“高密度出張”成功術 移動中機内を仕事場に

(日経 4月15日)

会社の経費管理が厳しくなる中、出張にはこれまで以上に
効率と成果が求められている。
海外では、不測の事態への備えも欠かせない。
備えあれば憂いなし。
国内外を飛び回るビジネスパーソンの着眼点などを参考に、
「失敗しない出張術」を探ってみた。

コクヨの人材開発部の赤木由紀さん(38)は、飛行機での移動が多い。
社員1人ひとりが個々の事情に即した働き方をする
「ダイバーシティー」の伝道役として、グループの全国の職場を訪ね歩いている。

東京勤務の赤木さん。
スケジュール帳の4月のある日、大阪本社で午前9時から午後6時まで、
6件の打ち合わせをこなす予定が書き込まれている。
昨年は1日4件程度だったが、経費節減で出張の密度がより濃くなった。

赤木さんは、「高密度出張」を成功させるための作業を
移動中の機内でこなす。
スケジュールに余裕があれば、合間の時間に次の予定の準備ができるが、
1日6件ではそうはいかない。

「すき間時間の活用が大事になる」
鉛筆を取り出し、会議の説明資料に想定問答やページごとの
時間配分などを書き入れ始める。
内容のチェックにとどまらず、議事進行をシミュレーションする。
一種のイメージトレーニングだ。
かける時間は、1件の会議につき10分程度。

シナリオを組み立てておけば、現地に着いてからの打ち合わせも
スムーズになる。
「行き当たりばったりでは、必要な話ができなかったり、
予定時間をオーバーしたりで、1日3件程度しかこなせない」

タイムマネジメントこそが、経費節減時代の高密度出張をこなす秘訣。
出張報告に、必要な議事録を前倒しで作成してしまうのもポイント。
「翌日から新たな仕事に取りかかれるし、
会社も会議の結果に迅速に対応できる」

会議の席に、パソコンを持ち込んで8割がたを当の会議中に仕上げる。
やりとりの流れを事前に読む作業がここでも効いてくる。

「機内は、会社や取引先から連絡が入らないので仕事に集中できる」
神戸製鋼所の米国ガス圧縮機子会社、
コベルコEDTIコンプレッサーズの古賀隆郎さん(45)。
ヒューストンを足場に、カナダなどを含む北米にほぼ毎週、
南米には2カ月ごと、日本にも3カ月ごとに出張する営業マン。

機内では、顧客への事業提案などについての思案や資料づくりで過ごす。
事前に検討テーマを決めておき、必要なデータ集などを持って
飛行機に乗り込む。
成田までの14時間中、食事の2時間を除いて仕事をしていたことも。

バッテリー切れを心配せずに、パソコンで長時間作業するために
気に掛けているのが、「インフラ確保」。
コンセントがあるかどうかは、機種や座席のクラス、
位置によって異なるからだ。
古賀さんは、「航空会社に電源が使える席がどこかを尋ねてから予約する」
同じことは、日本の航空機や新幹線などでもあてはまる。

富士ゼロックス秘書室長の中島康光さん(47)は、相談役最高顧問を
3月末に退任した小林陽太郎氏の秘書を長年務めたベテラン。
多い年には、海外出張だけで80-90日。
海外では現地の事情もわからず、テロ対策などで予定変更を
余儀なくされる場合も多い。
国内よりも、リスク管理術が求められる。

出張先で、宿泊客の様々な要望に応えてくれるホテルの
コンシェルジュ(案内係)を、遠慮せずに使いこなすのが中島さん流。
現地に知恵袋を持つことが、「転ばぬ先のつえ」になる。

取引先を、急に接待しなければならなかったとする。
ガイドに載っているレストランでも、実際に利用したことはないだけに、
雰囲気がカジュアルすぎて接待には適さなかったりする懸念。
コンシェルジュがいれば、「店の雰囲気を細かく聞き出せる」

悪天候で飛行機が飛ばなくなり、鉄道で移動しなければならなくなった
場合でも、コンシェルジュは予定変更やチケット手配などで力に。

中島さんが実体験から学んだ知恵の1つが、
「飛行機に搭乗する際、着替え用のワイシャツや下着をひと組、
手回り品として持ち込む」こと。

2001年9月11日、米国出張中の中島さんはダラス経由で帰国予定。
同時テロで、米国内の飛行機がストップ、ダラスで3日間足止めされた。
着替えをすべてかばんに詰めて、貨物室に預けていたため、困ってしまった。

航空会社の手違いなどで、預けたかばんが行方不明になることも。
着替えや常備薬を分散しておけば、不測の事態に対応できる。

今年1月、米国が搭乗前の電子渡航認証の取得を義務化するなど、
入国手続きの方法が変わることも珍しくない。
旅行会社で事前に情報収集をして、トラブルの芽を摘んでおくと安心。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/bizskill/biz090415.html

中尊寺への「玄関」が不評 平泉バイパス森下交差点

(岩手日報 4月22日)

春の行楽シーズンを控え、奥州市や平泉町を訪れる観光客や
地元住民の間で、両市町境に位置する国道4号平泉バイパス森下交差点
について、「不便だ」、「分かりづらく危険だ」などの声。

同市衣川区中心部へと進むには、同交差点から右左折を繰り返す必要、
地元は早急な改善を求めている。

平泉バイパスは、国道4号の渋滞緩和と、大雨などによる道路冠水を
解消するため昨年8月、開通。
森下交差点は、同バイパス北口に位置、奥州市水沢区方面(北側)から
交差点に進入した場合、直進すれば一関方面へ、
左折なら同市前沢区の白鳥舘遺跡方面に向かう。

問題視されるのは、奥州市衣川区民や中尊寺参拝客らが進む右折ルート。
衣川区中心部に向かう主要地方道花巻-衣川線へと進むには、
交差点右折レーンを右折後、右折、左折、左折、右折を
経ないとたどり着けない。
信号機もなく、渋滞することも。
同路線は、衣川区を横断、国史跡・長者ケ原廃寺跡や
レジャー・宿泊施設などにもつながる。

煩雑な経路は、バイパス開通時から不評。
奥州市衣川総合支所によると、市や観光施設などに地域住民や観光客、
トラック運転手らから、「分かりづらく危険だ」と苦情が。
道に迷い、急停車したことによる追突事故も。

史跡を見に訪れた仙台市の若槻正さん(71)は、
「前に来た時と様子が違い、カーナビにも出ず混乱した。
案内表示はあったのだろうが、運転に必死で見落とす」

事態打開のため、両市町の住民は昨年11月、
「平泉バイパス森下地区交差点整備促進期成同盟会」
(佐藤祐宏会長)を設立。今年3月には、右左折を解消する道路整備
(約300メートル区間)を達増知事らに要望。
独自のアンケート調査も行い、八割を超す「改善すべき」の声を集めた。

県は、利用実態調査などを基に対応する構え。
勝部修県南広域振興局長は、「大型連休を含む利用状況や
住民の声を踏まえ、国や地元自治体と対応を協議したい」

佐藤会長(68)は、「改善を促すため、署名運動も検討中。
衣川の玄関口が複雑では、住民も観光客もやりきれない思いを訴えたい」

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20090422_5

体格指数「BMIが22.5-25」死亡率最低

(2009年4月17日 読売新聞)

英国心臓財団などの研究グループは、肥満の程度を表す体格指数
「BMI」が、22・5-25の人だと死亡率が最も低いとする研究成果を、
英医学誌「ランセット」に発表。
BMIは、体重(キロ・グラム)を身長(メートル)の2乗で割った数。

英国の研究グループは、BMIと死亡率との関係を調べている
欧米を中心とした世界57の研究について、約90万人分のデータを分析。

その結果、BMIが22・5-25の範囲より高くても低くても、死亡率が増加。
この範囲を超えた場合、心臓病や糖尿病、腎臓病などが原因で
死亡する人が多く、BMIが30-35だと2-4年、40-45だと8-10年、
寿命が短かった。

BMIが22・5未満の場合には、
呼吸器系の病気や肺がんなどで死亡する割合が高くなった。

日本肥満学会は、日本人のBMIの標準値を22とし、
18・5未満は「やせ」、25以上を肥満。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/4/17/95512/