2011年1月1日土曜日

旅行しながら人間ドック 「医療観光」を販売

(岩手日報 12月20日)

第三セクターIGRいわて銀河鉄道の
旅行事業部門・銀河鉄道観光(盛岡市)と県予防医学協会(同)は、
「医療」と「旅行」を組み合わせた県内初のギフト型旅行商品を
共同開発し、販売を始めた。

一日人間ドックを受診した後、盛岡市内の温泉旅館やホテルで
くつろぎながら1泊してもらう。
医療と観光を結び付けた「医療観光」の取り組みは、
国内外で広がっており、親など家族へのプレゼント需要を見込む。
来月4日から利用が始まる。

旅行商品名は、「贈る 人間ドック」。
ドックを受診する人と、付き添いをする夫か妻の夫婦2人を想定し、
盛岡市の四季亭、ホテルメトロポリタン盛岡ニューウイング、
ホテル紫苑の3施設から宿を選ぶことができる。

3コースとも、
▽盛岡市永井の同協会で一日人間ドック(1人分)
▽宿泊(1泊2食で2人分)
▽移動のタクシー
▽往復のIGR運賃(2人分)―が共通。

四季亭は、宿泊翌日に同ニューウイングでのランチが付いて
10万円(参考価格は通常約12万円)、
同ニューウイングはデラックスツイン利用で8万8千円(同約11万円)、
ホテル紫苑は宿泊翌日に同市内丸の桜山神社で厄払いの祈祷が
付いて8万8千円(同)。
IGRの沿線住民以外の人も利用できる。
タクシーは、岩手中央タクシーのみの利用となる。

利用期間は11年1月4日~3月25日。土、日、祝日は休み。
問い合わせは同観光(019・654・1489)へ。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20101220_3

スーパー温室ガス監視へ 大船渡と小笠原諸島で

(岩手日報 12月20日)

少量だが、温室効果がCO2の約2万倍の六フッ化硫黄や、
約300倍の一酸化二窒素など地球温暖化の原因となる
“スーパー温室効果ガス”の監視体制強化を、
気象庁が大船渡市と小笠原諸島・南鳥島で計画。

いずれも京都議定書で排出削減の対象だが、
六フッ化硫黄はアジアで定点観測している地点がほとんどなく、
監視体制の整備が課題。

六フッ化硫黄は、電子機器の絶縁体などに使う化学物質。
大気中濃度の世界平均はCO2の約380ppm、
6~7ppt(1ppmは100万ppt)程度だが、
1990年代から約2倍に増え、ほぼ全量が人為的排出。

国立環境研究所が年4回、沖縄・波照間島で大気を採取し
分析してきたが、気象庁は大船渡市の大気環境観測所と
日本最東端の南鳥島気象観測所の2カ所で、
来年度から週1回観測する方針。

一酸化二窒素は、農業活動や化学工業から排出。
同庁が90年から大船渡市で観測してきたが、
南鳥島を観測点に追加する計画。

南鳥島は、東京から約1860kmと都市化の影響が少なく、
長期環境監視に適している。
採取した大気を容器に詰めて自衛隊機で運び、気象庁本庁で分析。

来年度予算で、温暖化監視強化費約3億3千万円を要求。
同庁の須田一人全球大気監視調整官は、
「有効な温暖化防止策には、少量でも温室効果が桁違いに高い
ガスの監視は重要」

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20101220_7

2010年12月31日金曜日

「減クルマ」でCO2削減40トン 盛岡市など3市

(岩手日報 12月19日)

県公共交通利用推進協議会(会長・達増知事)は、
公共交通の利用推進とCO2排出抑制の取り組み
「減クルマチャレンジウイーク」(10月4~11日)の結果をまとめた。

盛岡、一関、釜石の3市で、1万4592人が参加、
約40トンのCO2を削減。
県は、全域に運動を拡大する方針。

チャレンジウイークは、今年で3年目。
3市で269事業所が参加し、通勤を自家用車から公共交通に切り替えたり、
私生活でのエコ運転や車利用を控えるなどに取り組んだ。

取り組み結果は、車の利用距離で、地球約4・2周分に当たる
16万7124kmを抑制。
1日当たりのCO2削減量は5トン。
参加者は、1年目の5381人から1万4592人まで拡大。
参加者からは、「マイカー生活を見直すことができた」、
「健康にも良く続けたい」などの声があり、意識の高まりを感じさせた。

公共交通が充実していない地域では、運動をどう浸透させるかが課題。
今回、エコ通勤の手段で鉄道・バスを選択した人は、
盛岡が38%だったが一関11%、釜石19%と低かった。
一関市協働推進課の佐藤武生課長補佐は、
「通勤で、公共交通を使うことが難しい地域もある」と現状を語る。

CO2削減の取り組みとともに、公共交通を守る意識の浸透も
求められそうだ。
県地域振興室の野中広治交通課長は、
「チャレンジ参加をきっかけに、公共交通への理解が深まっている。
地道に運動を広めたい」

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20101219_13

小学校受験(7)都市と地方に温度差

(読売 12月25日)

「さあ1分で解くんだよ。スピードを大事に、集中して」。
講師の合図で、子どもたちが一斉に国立の福岡教育大学付属の
入試の模擬試験に取りかかった。
「学習受験社ガゼット」本社のある中央教室(福岡市)の年長コース。
試験を受ける12人の表情は、真剣そのもの。

福岡市と久留米市に3教室を展開する「学習受験社」は、
県内で幼児教室と中学受験塾を開校して約40年。
小学校受験では、県内の国立、私立への合格実績でトップを誇る。
子ども4人に講師1人のきめ細かな指導が特徴で、
講師手作りのプリント教材は年間約3000枚に上る。

県内の小学校受験事情について、同社の上迫純一社長(61)は、
「志望校は、福岡教育大付属の3小学校が人気の上位。
いずれも中学までで、付属中を経て、トップクラスの県立高校、
九州大学へと進学するのが『エリートコース』とされている」

受験準備は、かつて家庭でする場合が多かったが、
「10年余り前から付属小のペーパー試験が難しくなり、
教室通いが目立つようになった。
近年、抽選よりも、先に行われる試験で落とす割合が高くなったことも
拍車をかけている」と、上迫社長。

「付属小」、「私立」、「併願」で1年と2年のコースがあり、
最も多いのは「付属小」の1年コース(週1日2時間~2時間半で、
月額約2万3000~2万6000円)。
県内ではこの数年、私立の西南学院小学校や東明館小学校などが開校、
併願が増えているが、あくまでも第1志望は付属小。

首都圏と関西、北九州以外ではどうか?
全国の小学校受験情報をネットで提供する
「小学校受験総合研究所」の高橋秀幸代表(38)によると、
愛知県や広島県など受験熱が高まってきている地域もあるが、
首都圏のような盛り上がりは見られない。

地方は私立小が少なく、国公立志向が強いため、
小学校受験の中心は国立。
複雑な問題は出されず、倍率も低いため、友だちと外で遊び、
自分で服をたためて、お母さんのお手伝いができれば、
対応できる学校が多い」、高橋代表は解説。

幼児教室で季節感や生活習慣を学び、私立小を目指す。
お受験熱は、都市部特有の現象かもしれない。

◆メモ

学習受験社によると、福岡教育大学付属の3小学校の
2010年度入学の受験倍率は、福岡小(福岡市)が
男子4・7倍、女子4・2倍、小倉小(北九州市)が男子2・8倍、女子1・8倍、
久留米小(久留米市)が男子2・0倍、女子2・2倍。
出願倍率が約9~80倍にもなる都内の国立大付属小と比べ、
大きな開きがある。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101225-OYT8T00173.htm

2010年12月30日木曜日

小学校受験(6)幼児教室 関西も熱く

(読売 12月24日)

「お箸を使って、赤いおはじきを自分のお皿に入れてください」。
講師の指示に従い、子どもたちが、
「生活習慣」の課題に取り組んでいた。

おはじきを上手につまめなかったり、途中で落としてしまったりしながらも、
時間内にひとつ残らず移し終えた。

幼児教室「伸芽会」の四条河原町教室(京都市)で、
行われた4、5歳児の授業。
3年保育の「年中」だが、来年の私立小学校受験まであと1年となり、
教室では「新年長」として授業がスタートしたばかり。
「これから1年で、様々な実践形式の授業を体験し、
大きく力を伸ばしていく」、教務企画局長の飯田道郎さん(50)。

小学校・幼稚園受験で知られる伸芽会は、1956年設立。
本部は東京都豊島区、首都圏1都3県に26教室、
関西2府1県に3教室、計29教室を運営。
教育理念は、その名の通り幼児の興味の芽を伸ばすこと。
例えば、図形や数量の問題では、折り紙やおはじきで関心を引き、
遊びながら学べるよう工夫する。

年長児コースでは、週2日、「総合」、「志望校別」の2コマ、
計4時間が平均的で、費用は月10万円程度。

そんな東京の幼児教室の老舗が、四条河原町教室の開校で
関西進出を果たしたのは2008年。
今年、大阪市と兵庫県西宮市にも教室を設けた。
以前も大阪市内の教室と業務提携し、指導方法を提供していた
時期があったが、今回は本格的な展開。

背景には、ここ数年、名門私立大の関関同立
(関西大、関西学院大、同志社大、立命館大)の付属小学校が
相次いで開校し、小学受験熱に一気に火が付いたことがある。

中学受験の「浜学園」(本部・西宮市)は05年、未就学児童向けの
「はまキッズ」を開設。
中学・高校・大学受験の「京進」(本部・京都市)も06年、
「京進ぷれわん」を開校し、小学受験指導を始めた。
08年、「教室通いへのニーズが高まり、ノウハウを十分に生かせる」
(飯田さん)と判断した伸芽会が進出。

「関関同立」付属小の開校以前も、一定の小学受験層は存在。
首都圏に比べ、私立小の数が少なく、私立の中高一貫校人気や
公立高校への信頼が高いことなどから、
お受験熱はそれほど高くはなかった。

相次ぐ私立小の開校が、幼児教育への特需をもたらしている。

◆メモ

関西では、2006年の同志社小学校(京都市)と立命館小学校を
手始めに、08年に関西学院初等部(宝塚市)、
今年、関西大学初等部(高槻市)と、名門大学の付属小学校の開校が続いた。
来春、同志社国際学院初等部(木津川市)が開校予定。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101224-OYT8T00221.htm

三重大など日本人研究、遺伝子2種発見

(2010年12月22日 読売新聞)

三重大は21日、日本人の心筋梗塞発症に関連する
2種類の遺伝子を発見したと発表。

発症の危険性を予測し、個人の遺伝情報に基づいた
個別化予防が期待。

遺伝子を発見したのは、同大生命科学研究支援センターの
山田芳司教授(54)と、理化学研究所などの研究チーム。

日本、韓国両国の計1万7447人分のヒトゲノムの一部を解析し、
「BTN2A1」と「ILF3」の2遺伝子が、日本人の心筋梗塞と
強い関連があることを突き止めた。
心筋梗塞を発症させる遺伝子は人種によって異なり、
20~30の遺伝子が関係。
今回の研究では、韓国人の発症と両遺伝子の関連は見られなかった。

欧米では白人での研究が進み、日本人に関連するとみられる
遺伝子は3種類見つかっている。
山田教授らは、新たに2種類の遺伝子を確認。
山田教授は、「日本人での研究をさらに進め、
治療薬の開発につなげたい」

研究成果は今後、欧州動脈硬化学会誌「アテロスクレローシス」に掲載。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/22/130212/

2010年12月29日水曜日

小学校受験(5)工作 自由にさせ、ほめる

(読売 12月23日)

JR国立駅近くにある「チャイルド右脳教育研究会」(国立市)
教室をのぞくと、子どもたちの元気な声が聞こえてきた。
「あっ、崩れちゃうよ」、「きれいに飾ろうね」――。

年長クラス最後の工作の授業で、テーマは「お城」作り。
色画用紙を切ったり、牛乳パックをセロハンテープで
張り付けたりして仕上げていく。
ある男子(6)は、「高い高いの作ったよ。
『よくできました』って、先生やママに言われた」とうれしそう。

チャイルドは、1991年の設立
地元国立市を中心に、年中と年長を合わせて約60人と小規模ながら、
桐朋学園小学校(国立市)や国立学園小学校(同)など、
多摩地区の有名小学校への合格実績で知られる。
授業は工作のほか、運動や行動観察、ペーパー対策の指導を
週に1回(2時間)行っている。
費用は月額約3万円。

指導の特徴は、工作に最も多くの時間を割いていること。
しかも、入試に必要な知識やテクニックを教え込むことはせず、
自由にやらせている。
なぜなのか?

数や言葉などをイメージでとらえる力、つまり右脳を鍛えることが、
受験に必要な創造力や思考力、観察力を育むことにつながる。
その手法として、最も重要なのが工作なのです」、
かつて中学・高校受験塾で数学を教えていた山本寿春代表(62)。

山本代表によると、自発性を尊重して自由にやらせ、
良い点を見つけてほめるのだ。
幼児期に自発的に身につけた力は、小学生になってから
読解力やひらめきといった基礎能力になる。

立川市に住む桐朋学園小2年の女子は、年少の冬から
約1年半通ったお受験教室が合わず、年長の春からチャイルドに移った。
母親(34)は、「前の教室は、成績を上げるために厳しく指導され、
娘を追い込んでしまった。
チャイルドでは、良い点をほめてもらい、
自分で考えて楽しく取り組めるようになった」

白梅学園大学の汐見稔幸学長(63)(育児学、教育人間学)は、
「幼児期に押しつけられて勉強させられると、後に問題を発見、解決する
姿勢が失われるばかりか、自尊感情が損なわれる可能性がある」

詰め込みが過ぎると、学ぶ意欲が低下し、燃え尽きることもある。
受験が過熱するなか、長所をじっくり伸ばす指導が支持を集めている。

◆メモ

首都圏の幼児教室情報をネットで提供する「幼児教育情報センター」
によると、東京など1都3県の小学校受験向けの幼児教室数は、
現在400程度で、大半は中小や個人経営。
1980年代後半から増え始め、90年代半ば以降横ばい。
お受験教室を2、3校かけ持ちするケースが、
数年前から目立ち始めた。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101223-OYT8T00185.htm

赤ワイン、認知力向上 マウスの脳神経細胞倍増 名古屋市大

(2010年12月19日 毎日新聞社)

赤ワインが、記憶に関わる脳の神経細胞の数を倍増させ、
認知能力を高めることが、岡嶋研二・名古屋市立大大学院教授
(展開医科学)のチームの動物実験で分かった。
白ワインでは効果がなかった。
近く米国の栄養生化学雑誌に発表。

これまで、赤ワインを1日400ml(グラス3杯程度)を飲む人は、
飲まない人に比べ、認知症の症状が表れにくいことが、
フランス・ボルドー大などの疫学調査で分かっていた。

チームは、赤ワインに含まれ、心疾患減少に効果のある
「レスベラトロール」という成分に注目。
マウスに、レスベラトロール含有量の多い赤ワイン0・2mlを毎日、
3週間にわたり飲ませた。

その結果、脳の中で記憶をつかさどる「海馬」と呼ばれる部分の
神経細胞が、飲まないマウスに比べ2倍に増えていた。
迷路でゴールにたどりつく時間も、訓練開始から5日目に、
飲まないマウスに比べ、ほぼ半分になった。
白ワインを飲んだマウスは、飲まないマウスと同じ結果。
効果がどこまで継続するかはこれからの課題だが、
持続して摂取する必要がある。

レスベラトロール濃度が高いのは、
フルボディーや色の濃いタイプの赤ワイン。

岡嶋教授は、「赤ワインの健康効果は、欧州の人々の間で言われてきたが、
やはり科学的な裏付けがあった。
アルコールの過剰な摂取は、肝臓への悪影響もあり、
飲み過ぎないでほしい」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/20/130034/

2010年12月28日火曜日

小学校受験(4)国立付属「タフさ」必要

(読売 12月22日)

年長クラスの子どもたちが、テープレコーダーから流れる
「動物村の運動会」の話を2分程度聞いた後、
「お話の記憶」の問題に取り組んでいた。
「動物村の村長さんに○をつけましょう」、
「運動会で一番目に行った競技に○をつけましょう」。
試験官役の講師が質問すると、子どもたちがすばやく答えを書いていく。

「にっけん(日本教育研究所)」(本部・国立市)の仙川教室で、
「国立大付属小学校合格判定テスト」が実施。
ペーパー試験、行動観察、運動、面接など、
計1時間の国立大付属小の入試を想定したテスト。

1972年に設立された「にっけん」は、都内と神奈川県に計7教室を運営、
国立大学付属小の受験対策で定評がある。
ペーパーから絵画・工作や行動観察、運動まで、
バランスよい指導を重視。
年長クラスは週2日、計3時間(2コマ)の授業と月1回のテストを
受けるのが一般的で、費用は月9万円。

国立大付属小は全国に74あるが、多様な子どもを集めることなどから、
多くが入試に抽選を含めている。
このため、都内の東京学芸大付属の4小学校、お茶の水女子大付属小、
筑波大付属小は、軒並み高倍率となっている。
私立小の多い首都圏では、国立が第1志望でも、
私立と併願するケースが多い。

「国立は、大勢を落とさなければならない分、
私立に比べて試験時間が短く、問題が複雑な傾向に。
積極的にきびきびと、自ら考えて行動する力をアピールできるように
指導している」、にっけんの福田菊子・副理事長(67)。

付属小から大半が付属中学校に進むが、
付属高校があっても進学できないことも多く、
大学への優先入学制度もない場合がほとんど。
系列校進学など、進路がある程度決まっている私立と違い、
国立は、各段階で進路選択や受験に向き合わなくてはならない。

抽選に外れて受験すらできなかったり、試験に合格したものの
抽選で外れたり。
親子で落ち込む国立ならではのケースが少なくないため、
にっけんでは親向け相談も充実。
福田副理事長は、「不合格でも、お受験準備は必ず小学校での学びに
生かせると、前向きに考えるようアドバイスしている

「親子ともにタフさが求められる」(福田副理事長)という国立受験。
それでも、教育の質を求め、挑戦者は後を絶たない。

◆メモ

東京都内の国立大学付属小学校は、抽選を試験の前後2回行う場合と、
試験後1回の場合がある。
にっけんの調べでは、2011年度入学の出願倍率は、
東京学芸大付属竹早小が男子76.4倍、女子66.5倍、
お茶の水女子大付属小が男子46.5倍、女子72.0倍、
筑波大付属小が男子30.0倍、女子24.6倍など、かなりの高倍率。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101222-OYT8T00158.htm

高強度運動、BMI・胴囲・体重の増加抑制、20年調査

(2010年12月17日 JAMA)

文献:Hankinson AL et al. Maintaining a High Physical Activity Level Over 20 Years and Weight Gain. JAMA. 2010;304(23):2603-2610

18~30歳の男女3554人を対象に、
運動強度とBMI・胴囲・体重の変化の関係を、
20年にわたる前向き縦断的研究で調査。

高強度運動群は、低強度運動群に比べ、
BMI・胴囲・体重とも増加量が少なく、
1年あたりの増加量の群間差は、男性で体重2.6kg、胴囲3.1cm、
女性で体重6.1kg、胴囲3.8cmと、女性で顕著な抑制が見られた。

http://www.m3.com/news/THESIS/2010/12/17/10938/

2010年12月27日月曜日

iPS利用、豚で人の膵臓 東大と明治大が計画

(2010年12月20日 共同通信社)

豚の胎児に、人間の人工多能性幹細胞(iPS細胞)を移植し、
この胎児に人間の膵臓を作らせる計画を、
東京大医科学研究所の中内啓光教授と明治大の長嶋比呂志教授らが、
文部科学省の専門委員会で明らかに。

iPS細胞は、さまざまな細胞になる能力があり、
再生医療への応用が期待。
中内教授は、「慎重に研究を進め、将来は人間に移植可能な臓器を作りたい」

計画では、遺伝子操作で生まれつき膵臓ができない豚を利用。
この豚が、母豚の子宮内にいる胎児の段階で、
人間のiPS細胞かiPS細胞から分化させた膵臓の前駆細胞を移植。
もともとは豚の膵臓ができる場所に、人間のiPS細胞由来の膵臓が
できる可能性がある。

細胞は、受精の約40日後に相当する妊娠初期の段階で移植。
この段階は、膵臓ができ始める時期。

中内教授は、膵臓ができないマウスの実験で、
受精卵が分割を繰り返し、胚盤胞という状態になった段階で、
異種の動物であるラットのiPS細胞を注入、
生まれたマウスの体内にラットの膵臓を作ることに成功。

現在の国の指針では、人間の細胞を含む胚を動物の胎内に
移植することは禁止され、人間のiPS細胞を胚盤胞に移植する方法で
膵臓を作ることはできない。
動物の胎児への移植は、指針上は可能。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/20/130069/

睡眠不足、健康でも見た目の印象悪い

(2010年12月17日 BMJ)

文献:Axelsson J et al. Beauty sleep: experimental study on the perceived health and attractiveness of sleep deprived people. BMJ. 2010; 341:c6614

18~31歳の健康成人23人の写真を、
一般人65人がVAS(100mm)で評価し、
睡眠不足が見た目の印象に及ぼす影響を調査。

睡眠不足の写真は、十分な睡眠後の写真に比べ、
健康、魅力に関するVASが低く(平均63mm対68mm、同38mm対40mm)、
疲労に関するVASが高い(同53mm対44mm)と評価。

http://www.m3.com/news/THESIS/2010/12/17/10933/

2010年12月26日日曜日

睡眠不足、ダイエット効果を阻害

(2010年12月15日 Ann Intern Med)

文献:Nedeltcheva AV et al. Insufficient Sleep Undermines Dietary Efforts to Reduce Adiposity. Ann Intern Med. 2010;153(7):435-441

喫煙習慣のない肥満成人10人(平均年齢41歳)を対象に、
低カロリーダイエットの効果に対する睡眠不足の影響を、
無作為化クロスオーバー試験で検討。

睡眠不足により、脂肪体重の減少が55%低下し、
除脂肪体重の減少が60%上昇。
ダイエットの効果が損なわれる可能性を指摘。

http://www.m3.com/news/THESIS/2010/12/15/10923/

男女の治療、一律にせず コレステロールを考える/下

(2010年12月17日 毎日新聞社)

佐賀県武雄市の「ニコークリニック」を受診した女性(60)は、
悪玉のLDLコレステロールが212mg/dlと高かった。
日本動脈硬化学会の診断基準では、LDLが140以上の人は
「脂質代謝異常」とされ、医療現場でもコレステロールを下げる薬が
処方される例が少なくない。

同クリニックの田中裕幸院長は、
「閉経後の女性は、一般にLDL値が上がる。
140を超えたからといって、すぐに薬を出すことはしない」。
この女性は他に異常はなく、魚をよく食べ、運動もしていたため、
特に治療はしなかった。

田中院長は、薬を処方しない理由として、
「一般的に女性はLDLが200程度まで上がっても、
心筋梗塞の発症率が増えないという臨床研究報告が多い」

同学会がまとめた、「動脈硬化性疾患予防ガイドライン」(07年)、
女性における冠動脈疾患の発生率は低く、
女性の高LDLコレステロール血症は、男性以上に他の危険因子の
存在を考慮して管理することが必要」

「他の危険因子」とは、高血圧や糖尿病、喫煙などで、
併せ持つ人ほどリスクは高まる。

田中院長は、コレステロール降下薬を処方するかを判断する際、
頸動脈の「肥厚」(IMT=内膜中膜複合体厚)を調べる。
肥厚は、超音波エコー検査で確認できる。
頸動脈は、動脈硬化を検査しやすい血管で、
体全体の状況も反映する。
厚みが大きく、血管が狭くなっていれば、動脈硬化が進行している表れ。

田中院長は今年4月までに、患者の男女114人(45~69歳)を対象、
LDLの数値と頸動脈の肥厚を調べた。
男性では、LDLが高いと肥厚も厚かったが、
女性では相関が見られなかった。
肥厚と関係していたのは、脂肪酸の一種のアラキドン酸。
「性差を考慮した治療が重要」と、田中院長。

個々の数値ではなく、LDLとHDLの比率が重要だとする見方も。
三井記念病院総合健診センター(千代田区)の山門實所長は、
内外の人間ドック健診データの分析に基づき、
「HDLに対するLDLの割合(LH比)が2・5倍以上だと、
頸動脈の肥厚が厚くなる傾向がある」

悪玉のLDLが正常値でも、善玉のHDLが極端に低ければ、
動脈硬化症のリスクが高まることになる。

「血清コレステロールの管理基準を巡って」と題された公開討論会が、
東京大で開かれた。
日本脂質栄養学会が、「コレステロールが高い方が長生きする」とする
独自のガイドラインを発表したのを受け、
NPO法人「臨床研究適正評価教育機構」が主催。

医療関係者3人が講演した後に討議、会場から意見も募ったが、
脂質栄養学会のガイドラインへの批判の声が多かった。
北野病院(大阪市)の越山裕行・糖尿病内分泌センター長は、
「コレステロールを下げることは有害、という考えは明らかに間違い」
などと語気を強めた。

同NPOの桑島巌理事長(東京都健康長寿医療センター副院長)は、
「高コレステロール血症が、動脈硬化を促す危険因子なのは
多くの疫学調査で明らかで、コレステロールの高い方が長生きと
結論づけるのは危険」としながら、
脂質代謝異常の基準を、男女一律にLDL140以上とすると、
不要な治療を促す要因になりかねない。
女性の更年期以前と以降の基準値も示す必要」

日本脂質栄養学会は近く、反論の声明を出した日本動脈硬化学会に、
質問書を出す予定。
批判が多い今回のガイドラインだが、コレステロール論議に
一石を投じたのも事実。
生活習慣病の治療・予防にかかわり、多くの人が関心を寄せる
コレステロールだけに、今後も徹底した前向きな論議が期待。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/17/129956/?portalId=mailmag&mm=MD101217_XXX