2011年2月19日土曜日

県北観光の担い手を育成 「食」中心、先進例学ぶ

(岩手日報 2月15日)

県北地域の市町村や観光団体などで組織する、
穀彩王国推進実行委(会長・小松務二戸市観光協会顧問)は、
県北の観光振興に向け、地域の人材育成に力を入れている。

全国で先駆的な取り組みを展開する経営者らを招いて
講演会を開き、食を中心とした地域づくりのノウハウを吸収。

穀彩王国は、雑穀を取り入れた食文化がテーマの観光イメージ。
県が、観光・誘客推進を目的に呼び掛け、
1997年に発足、県北7市町村で運営。

当初は、首都圏や仙台、青森などの観光客を対象に、
県北を巡るモニターツアーを企画。
2006年から、海外からの観光客誘致を目指し、
台湾の旅行代理店をツアーに招いた。

08年から、人材育成を目的に、地域づくりで成功した経営者らを招いて、
「元気の出る講演会」を開催。
ユズやそば、豆腐など食を中心テーマに実践内容を聞き、
観光促進につながる方策を学んでいる。

昨年9月までに8回開かれ、毎回100~200人が参加。
同年6月には受講者が、講師が経営する郡山市の農場を
視察するなど、交流の輪も広がっている。

小松会長は、「繁盛しているところに人が集まり、
一人一人が光る経営をすれば、観光につながる。
やる気を起こす機会にして、県にも支援してもらい継続していきたい」

15日は、二戸市福岡の二戸パークホテルで講演会を開催。
伝統野菜「三岳黒瀬かぶ」を特産品として売り出した、
みたけグルメ工房(長野県木曽町)の西尾礼子組合長が講師。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20110215_4

がん不死化抑える遺伝子 鳥取大、治療や再生医療に

(2011年2月14日 共同通信社)

がん細胞が不死化し、増殖し続けるのに必要なテロメラーゼという
酵素の働きを抑制する遺伝子「PITX1」を発見、
鳥取大の久郷裕之准教授らのチームが10日、
米科学誌モレキュラー・アンド・セルラー・バイオロジー電子版に掲載。

がんの新しい治療法や診断法の開発のほか、
再生医療で注目される人工多能性幹細胞(iPS細胞)を利用する際に
懸念されるがん化を防ぐのにも役立つと期待。

遺伝子の集合体である染色体の末端には、
テロメアという部分がある。
正常な細胞では、分裂のたびに短くなり、細胞は老化、死滅する。
がん細胞では、テロメラーゼがテロメアの短縮を防ぐため、
がん細胞は増殖し続ける。

チームは、マウスのがん細胞にヒトの染色体を1本ずつ導入し、培養。
5番染色体を導入した細胞では、テロメラーゼの働きが抑えられた。

准教授らは、5番染色体からテロメラーゼを抑制する遺伝子PITX1を特定、
PITX1だけをマウスのがん細胞に導入したところ、
テロメラーゼの抑制が確認。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/2/14/132335/

ハワイで日米共同スマートグリッド実証事業

(サイエンスポータル 2011年2月10日)

ハワイ・マウイ島で、日米共同のスマートグリッド実証事業が
7月から4年間、行われる。
新エネルギー・産業技術総合開発機構は、
事前調査・実証事業実施者の公募を始めた。

実証事業は、電気自動車を活用した離島型クリーンエネルギー
社会モデルをつくりあげることを目指す。

具体的には、太陽光発電など再生可能エネルギーの出力変動による
電力系統に与える影響を緩和するため、
電気自動車の充電や蓄電池を制御する電気自動車管理システムの
有効性などを実証。

米側はハワイ州、ハワイ電力、ハワイ大学、国立研究所が参加。

再生可能エネルギー導入は、離島において特に必要とされ、
ハワイ・マウイ島では、既に再生可能エネルギー導入による
スマートグリッドプロジェクトが、米エネルギー省の予算によって進んでいる。

昨年6月、経済産業省、米エネルギー省、沖縄県、ハワイ州の間で、
「沖縄・ハワイクリーンエネルギー協力覚書」が取り交わされた。

新エネルギー・産業技術総合開発機構も昨年10月、
ハワイ州とスマートグリッド共同研究・共同実証を推進する同意書を締結。

http://www.scienceportal.jp/news/daily/1102/1102101.html

2011年2月18日金曜日

最先端・次世代研究開発支援プログラム課題決定 25%女性研究者に

(サイエンスポータル 2011年2月15日)

総合科学技術会議は、最先端・次世代研究開発支援プログラムの
採択課題329件を決定。
配分総額は、約486億円。

年度内に、各研究者に資金が配分。
グリーン・イノベーション関連が141件、ライフ・イノベーション関連が188件。

女性は82人で、全体の25%になる。
年齢構成を見ると、40~44歳が最も多く153人、35~39歳が93人、
研究者として、脂が乗った年齢層といわれる若手が3分の2。

最先端・次世代研究開発支援プログラムは、
将来、世界をリードすることが期待される潜在的可能性を持った
研究者に対する支援を目的。

既にスタートしている世界最先端研究支援プログラムに、
当初充てられるはずだった先端研究助成基金の一部500億円を、
次の時代を担う若手研究者に回し、配分する狙いから創設された経緯。

選定対象として、新成長戦略が重点とするグリーン・イノベーションと
ライフ・イノベーションを重視し、新たな科学・技術を創造する
基礎研究から、出口を見据えた研究開発まで、
挑戦的な研究課題を挙げていた。
人文・社会科学的側面からの取り組みも含めているのも特徴。

採択件数に占める女性研究者の割合を目標30%、
各都道府県で最低1件を採択し、地域の特色を生かした提案を
優先するなど、ユニークな選定基準を掲げていたが、
女性研究者の採択率が25%と目標の30%には届かなかったものの、
すべての都道府県から採択という目標は実現。

http://www.scienceportal.jp/news/daily/1102/1102151.html

葛巻、港区と「木材協定」 森林再生へ連携

(岩手日報 2月5日)

葛巻町は、東京都港区が建築物に協定先の木材を優先的に活用する
「みなとモデル二酸化炭素固定認証制度」に参加。

同制度は、港区が健全な森林管理を行う全国23自治体の木材を
積極的に利用することで、CO2を吸収する森林の整備を促し、
地球温暖化防止につなげるのが目的。

安価な輸入材に押されて、木材価格の低迷が続く中、
都市と山村が連携して、森林再生を目指す先進的な取り組み。

豊富な森林資源を有する北海道下川町や宮崎県諸塚村、葛巻町など
「みなと森と水ネットワーク会議」(2009年発足)に参加する
23自治体が、港区と協定を締結。

地場産材を「協定木材」として提供する体制を整え、
10月から運用を開始。

港区は、延べ床面積5千平方メートル以上の建物を新築、改築する際の
内装材に、協定木材を使うよう建築主に働き掛ける。

木材の利用量に見合ったCO2吸収量を認証し、
建築主の環境貢献度を目に見える形で公表することで、
木材利用を後押し。

港区は、商業ビルが大半を占める上、地域のシンボルとなる
大型公共公益施設の建設計画を進め、
床や壁、柱、はりの材料として葛巻町のカラマツやアカマツの
利用拡大が期待。

同区では、延べ床面積5千平方メートル以上の建物が
毎年40件ほど建ち、同制度で20年までに
3752立方メートルの木材が使用され、
CO2の2160トンを吸収できると試算。

協定木材は、再造林や間伐などの施業計画がある山林が対象。
荒廃が進む人工林の整備を後押しすることで、
水源かん養や土砂災害防止など、山林の持つ多面的な機能を維持し、
林業の振興や温暖化防止につなげる。

政府は、20%台の木材自給率を、10年間で50%に引き上げる
目標を掲げる。

同制度は、都市と山村が連携して自給率向上を目指す
モデルケースとなりそう。

葛巻町の鈴木重男町長は、「大都市が、山村に目を向けた意義は大きい。
都市と山村が互いの機能を理解し、健全な山林が増えれば、
地球規模の問題解決に貢献できる」と取り組みの広がりに期待。

港区環境課地球温暖化担当の中林淳一主任主事は、
「国産材の需要を喚起し、森林整備を進めることで
温暖化防止につなげたい」

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20110205_9

特集 がん抑制遺伝子「REIC」 岡山大病院、世界初の臨床研究

(2011年2月11日 毎日新聞社)

岡山大病院で1月から、世界で初めて、がん細胞だけを選択し、
死滅される遺伝子「REIC」を使った臨床研究が始まった。

REICは、岡山大が00年に発見したがん抑制遺伝子。
治療の効果を実証できれば、新しいがん治療法として
確立されることが期待。
医療関係者が注目する「夢の治療法」の現状を探った。

◇マウスで効果確認、医療関係者が注目

岡山大病院で、REICを用いた前立腺がん治療の臨床研究が始まった。
岡山県在住の70歳代の男性患者の患部に、
REICと遺伝子を運搬する役目を担う
アデノウイルスを組み合わせた薬を直接、注入。
人体への投与は、世界で初めて。
患者には、実験の目的を丁寧に説明。

岡山大の那須保友・新医療研究開発センター教授、
公文裕巳・遺伝子細胞治療センター長らがプロジェクトを進め、
研究では、手術のみでは再発の可能性が高いと判断された
患者など24~36人を対象、REICを使った薬を投与し、その反応を見る。

REICは、岡山大が00年に発見、特許を取得した遺伝子。
画期的だった点は何か?

がんを死滅させる遺伝子と体内の免疫機能を活性化させる遺伝子、
両方の特徴を併せ持っていたこと。

関係者は、「夢の治療法」と口をそろえて、REICへの期待を熱く語っていた。
実際、期待を膨らませる実験結果も。

腫瘍を持ったマウスを使った実験では、効果が確認。
今回の臨床研究同様に腫瘍に直接、REICを注入。
その結果、腫瘍の消滅、縮小などが見られた。
抗がん免疫を活性化して、がんの転移を防ぐ効果が確認。

岡山大では、米国の大学と共同して人への臨床研究を進めてきたが、
結果的に世界初の臨床実験は岡山大病院に。

マウスであらわれた治療効果が、人でどこまであらわれるのか?
那須教授は、「がんの縮小効果を期待。
研究でいくつか成果が明らかになるだろう。
再発リスクの軽減にも、一定の効果が見込めるのではないか」

今後、REICは前立腺がんだけでなく、
他のがん治療やアスベスト(石綿)が原因で発症する
悪性胸膜中皮腫の治療にも、応用する方針。

中皮腫治療について、臨床研究の申請段階まで進んでいる。
岡山大発、がんの遺伝子治療は確立できるだろうか?
実験の行方が注目。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/2/14/132310/

2011年2月17日木曜日

インタビュー・環境戦略を語る:イオントップバリュ、堀井健治取締役・商品本部長

(毎日 2月7日)

途上国の生産者が、環境保全と生産を持続できる価格を保証する
「フェアトレード」への注目が高まっている。

イオンのプライベートブランド、トップバリュは、
フェアトレードのカカオ豆を使った「フェアトレード・チョコレート
(12粒入り、税込み118円)を開発。
堀井健治取締役兼トップバリュ商品本部長に聞いた。

--フェアトレード商品の扱いを始めたきっかけは何か?

◆02年、お客様から「買い物を通じた国際貢献の場を提供してほしい」と。
これを受け、04年からコーヒーを中心にフェアトレード商品を販売。
同商品の拡大を模索する中、09年に中央大の学生が
老若男女が手に取る機会の多いチョコレートに
訴求効果があるのではないか、と提案。

フェアトレードのチョコレートはこれまでもあったが、
欧州で加工・製造されるケースが多く、価格は高くなることも。
味についても、お客さまから「甘さを控えたものが欲しい」との声。

--それでカカオ豆を輸入し、国内でチョコを生産・販売することに。

◆はい。原料のカカオは、中南米のドミニカ共和国産で、
国際的なフェアトレードの基準を満たしている。
ジャスコやミニストップなど、全国3500カ所のグループの
スーパーとコンビニで販売中。

お客さまの要望に応え、マイルドなミルクタイプと甘さ控えめの
ビタータイプの2種類を用意。

--企業として、フェアトレード商品を扱うメリットは?

◆社会貢献はもちろん、現地の持続的な生産も支えられる。
世界各地のカカオの木の中には、寿命が尽きそうなものも多い。
フェアトレードで、生産者を支援し、樹木の生産を強化する必要。

今年のバレンタインデーには、フェアトレードのチョコを通じて、
職場や家庭で環境について考えてもらえたら幸い。

--海のエコラベルである「MSC」の認証を取得したアラスカ産
紅ザケやイクラも販売。

◆はい。海洋資源には限りがある。
適切に管理された持続可能な漁業を認証するMSC認証を取得した
水産物を販売し、水産資源の保護にも貢献したい。

--生産から販売、廃棄までに排出されるCO2量を表示する
「カーボンフットプリント」が付いた宮崎県産ピーマンの販売も手がけている。

◆野菜として国内初の試みとして、ジャスコ品川シーサイド店で販売。
今年早々からイオングループのスーパーのうち、
全国500店舗で販売を始める予定。
消費者に環境への関心を高めていただこうと思い、積極的に取り組んでいる。
==============
◇ほりい・けんじ

78年、ジャスコ(現イオン)入社。
同社食品商品本部デイリー商品部長、イオン北日本カンパニー山形福島
事業部長などを経て、07年9月から現職。
大阪府出身。55歳。

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2011/02/07/20110207ddm008020015000c.html

子育て支援と図書館「合体」 花巻市が複合施設構想

(岩手日報 2月3日)

花巻市の大石満雄市長は、子育て支援の拠点施設「こどもの城」と
市立図書館との複合施設を、同市城内の新興製作所跡地に
整備したい意向を表明。

同社との交渉に基づき、2011年度内に場所を決め、
早期開設を目指す方針。

跡地への施設整備は、中心商店街活性化の面からも期待が高く、
今後の動向が注目。
今回の複合施設構想が表面化したのは初めて。

商店街組合、行政区、障害者保護者会など、
市内16団体の代表者が、新興製作所の旧本社社屋(2階建て)を
活用した複合施設整備の陳情書を提出。
大石市長は、「私も同じ考え。11年度内に(場所を)確定したい」

こどもの城構想は、大石市長が昨年の市長選マニフェストに
掲げた目玉施策。

障害の有無にかかわらず、子どもに関する悩みや質問に対応する
相談窓口を軸とした総合拠点施設に位置付け。
既存の花巻図書館は、狭く老朽化し、建て替えを望む声が強い。

新興製作所は、07年に移転後、跡地は事実上、空き状態。
同社と市の間では数年前から、高台にある旧本社社屋の売却交渉が
進められてきた経緯がある。

陳情で、住民団体側は衰退する中心商店街の再生可能性などを訴え、
跡地への施設整備を要望。

大石市長は、「恒久的に利用する施設があれば、人の流れは続く。
(新興側には)相当の理解をいただいている」と実現に前向きな見解。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20110203_8

腸内細菌、脳の発達にも影響…マウス実験で

(2011年2月10日 読売新聞)

腸内細菌が、マウスの行動に影響を与えることを、
スウェーデンのカロリンスカ研究所などの研究チームが発見、
米科学アカデミー紀要で発表。

腸内細菌が、肥満や免疫に関わっていることは知られていたが、
脳の発達や行動にまで影響をおよぼすことが示されたのは初めて。

研究チームは、通常の腸内細菌を持つマウスと、
無菌で育てたマウスの行動を比較。

箱の中で陰の区画に隠れ、警戒している時間が多い普通のマウスに比べ、
無菌マウスは、明るく広い場所をうろつくなど、行動が大胆だった。

脳の変化を調べたところ、無菌マウスでは、
不安や感情に関わる脳内物質の量が少なかった。
研究チームは、「進化の過程で、腸内細菌の作用が、
新生児の脳の発達過程に組み込まれたのではないか」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/2/10/132261/

2011年2月16日水曜日

県内社長は平均61歳9カ月 全国より2歳高齢

(岩手日報 2月3日)

県内社長1万1525人の平均年齢は、61歳9カ月。
全国平均より2歳2カ月高齢で、交代率も低い―。

帝国データバンク盛岡支店が行った本県社長分析調査。
背景には、後継者難が浮かび上がる。
出身大学は、日本大がトップ。

県内社長の平均年齢は、資本金が大きくなるにつれて上昇。
資本金1千万円未満は60歳9カ月、
5億円以上10億円未満は67歳9カ月。

2010年の社長交代率は2・15%、全国より0・32ポイント低い。
企業の大半を占める中小零細企業が後継者難に直面し、
社長在任期間が長期化。

大卒社長2160人のうち、出身校は日本大の278人が他を引き離した。
本県は、歯科などの開業医が多く、岩手医大が153人で2位。

出身地は、本県の9921人がトップで、2位以下は宮城県156人、
東京都133人、青森県119人の順。
女性社長は739人で全体の6・41%、全国より0・53ポイント高。

県内社長の平均年齢の高さ、交代率の低さについて、
「景気低迷が続き、他には経営を任せられないという
意識もあるのではないか」

調査は、帝国データバンクの企業ファイルから10年12月時点で、
県内に本社を置く企業の社長を対象。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20110203_14

2011年2月15日火曜日

発症解明に手掛かり アルツハイマー病で名大

(2011年2月9日 共同通信社)

アルツハイマー病の発症に関わる遺伝子の移動メカニズムを、
線虫の実験で明らかにしたと、
名古屋大大学院の松本邦弘教授らが、
9日付の米科学誌ジャーナル・オブ・ニューロサイエンスに発表。

この遺伝子が移動する際に起きる異常で、発症するとみられ、
詳しい発症の仕組みや予防・治療薬開発につながる可能性がある。

原因遺伝子は「APP」と呼ばれ、神経細胞内にある。
細胞中心部と末端の間を行き来し、異常が起きて末端に蓄積されると
脳に染みができ、アルツハイマー病を起こす。

松本教授らは、緑色蛍光タンパク質を使い、
線虫の神経細胞内のAPPの移動を観察。
末端部分で、ダイニンというタンパク質がAPPを載せ、
中心部に運び出していることを突き止めた。

中心部から末端への移動の際は、キネシン1というタンパク質が
「モーター」の役割を果たすことは、既に分かっていた。

線虫と人では、APPやダイニンがほぼ同じ構造をし、
人にも同じメカニズムがあるとみられる。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/2/9/132194/

総コレステロール値、欧米で低下、東・東南アジアで上昇傾向

(2011年02月08日 Lancet)

文献:Farzadfar F et al.
National, regional, and global trends in serum total cholesterol since 1980: systematic analysis of health examination surveys and epidemiological studies with 321 country-years and 3•0 million participants.
The Lancet, Early Online Publication, 4 February 2011.

血清総コレステロール値の世界的傾向を、
1980~2008年の健診調査および疫学研究のデータ
(321カ国年、300万人)を用いて、系統的に解析。

世界的な平均値の変化は、小さかった
(10年あたり0.1mmol/L未満の低下)。

東・東南アジア、太平洋地域で値が上昇した一方、
欧米などの高所得地域では低下
したが、2008年の値は最高値。

http://www.m3.com/news/THESIS/2011/02/08/11044/?pageFrom=prevButton

荒れない学校(7)規範・優しさ 共存させて

(読売 2月4日)

連載「荒れない学校」に、寄せられた読者の感想から、
荒れの解決案が一つではないことなどが浮かび上がる。

「教員7割入れ替え再生」について、
元小学校教師で東京都内の塾講師木場隆志さん(67)は、
「もし、管理強化、厳罰主義の徹底であるならば、間違いではないか。
教育の原点は、『愛・和・敬の心』と肝に銘じたい

「『非暴力』は小学校から」には、埼玉県の元中学校教師
山田清一郎さん(75)から、「『その場を離れる』だけでは、
根本的な解決にはならない」というメール。

戦争孤児でいじめられた経験がある山田さんは、
悪意を持って、暴言や暴力をやられた場合はきちんとやり返さないと、
甘く見られて、さらにひどい仕打ちをされる危険もある

「親が参加 子ども変わる」に、
「学校、PTA、地域の三位一体がうまくまとまった、うらやましい例」との
声を寄せたのは、東京都のエッセイスト真島久美子さん(54)。

2人の娘を育ててきた真島さんは、
「公立中学を支えるのは地元」といい、
各地で導入が広がる学校選択制への疑問を投げかける。

「たくさんの小学校から生徒が集まるため、
保護者の関係ができていない。
いったん荒れ始めた時、学校を支えられないのでは」

学級崩壊に関する著書がある河村茂雄・早稲田大学教授(51)は、
「学級集団の性格によって、荒れ防止の指導が異なる」

河村さんは、2005年度に実施した全国小中学生約6000人対象の
調査をもとに、ルールが守られているか、
人間関係が親密かで学級集団を五つに分類。

学級が荒れる前段階の集団には、
規律正しいが子どもが教師の評価を気にして活気がない「管理型」と、
のびのびしているが授業中に私語も見られる「なれあい型」の2タイプ。

「管理型」には、子どもへの指導が押しつけにならない工夫、
「なれあい型」には、「親しき仲にも礼儀あり」でルール作りを進めるなど、
指導の重点を変える必要がある。

河村さんは、「管理型が批判され、最近増えたなれあい型の方が
いったん荒れ出すと改善が難しく、いじめも起きやすい。
ルーズな行動を見逃すことと、子どもの気持ちを受け入れることは違う」

あまりに学校の荒れが進めば、教員入れ替え、規律強化など、
“荒療治”が必要な時期もある。

大切なのは、いずれ社会に出る子どもたちの元気な成長。
優しさと規範が、バランスよく共存する学校づくりが求められている。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20110204-OYT8T00184.htm

2011年2月14日月曜日

園芸療法の園芸員・加藤勉さん スマイル写真館

(2011年2月8日 毎日新聞社)

◇緑の勢い感じ、体が喜ぶ--加藤勉さん(39)

種まきから収穫まで、園芸作業を通じた高齢者や障害者の
リハビリを、園芸療法という。

介護が必要なお年寄りの通所施設で、
園芸療法の園芸員として、週3日働く。
農薬を極力使わず、トマトやサツマイモを育てるため、
主な仕事は草むしりだ。
夜明け前に起き、日没間もなく就寝する。

専門学校で建築を学び、建築設計会社に入社。
コンピューターで、図面を描いていた。
2級建築士の資格を取った入社2年目から、急に仕事が増えた。
図面を描くだけで精いっぱいなのに、チェックを任された
他の図面が机に積み上がる。
ミスを連発し、夜になると、「寝ないで働け」という
上司の声の幻聴に襲われた。

その後、設計システムの更新を担当したが、
やり終えた途端に疲れ果て、精神科に入院、1年休職。
「周囲に手伝ってと言えず、パンクした」

復職して数年は、会社と1人暮らしの自宅を往復し、
職場ではコンピューターを操作するだけの日々。
幻聴も消えず、再び休職。

自分の世界を広げようと、農業体験の合宿に参加。
ゴム長靴でぬかるみを踏みしめ、カマで稲の束を刈り取る。
「体が喜んでいる感じで、とても楽しかった」。
農業を学びたくなった。

休職中にリストラ、農業大学校に入学。
卒業後に就職できず、投げやりに。
「いくら頑張っても、つぶれてばかり。
でも、自分から逃げていたら、いつまでたっても同じ事の繰り返しだ」
まずは、病気と向き合わねばと再入院。
そこで初めて、統合失調症と告げられた。

NPO法人が実施している園芸療法に通い始めたのは、
退院して2カ月後。
畑に種をまき、水をやり、緑の勢いを感じる。
小さなスイカが一つできたとき、無性にうれしかった。
わずかなずれも許されない図面作りと違い、形がいびつでも構わない。

同じ病気の小百合さんとは、畑で出会った。
もうすぐ結婚3年。
お互い「ありがとう」、「ごめんね」と言葉にするよう心掛け、
いたわり合い、ゆっくりと歩いている。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/2/8/132161/

免疫反応抑えるタンパク質 徳島大発見、治療法開発も

(2011年2月8日 共同通信社)

免疫細胞が、体の組織を異物と認識し、攻撃する
自己免疫疾患を抑えるタンパク質を、徳島大と京都大、金沢大の
グループがマウスで突き止め、7日付の米科学誌、
ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・メディシン電子版に発表。

こうした疾患には、1型糖尿病や関節リウマチなどさまざまなものがあり、
徳島大の岡崎拓教授(免疫学)は、
「このタンパク質の機能を強化する薬剤を開発すれば、
治療法開発につながる可能性がある」

タンパク質は「LAG3」。
血中のリンパ球の表面にあり、免疫反応を起こす物質から受ける
刺激を弱める働きを持つ。

グループはこれまでに、リンパ球上のタンパク質「PD1」が、
LAG3と同様の働きをすることを発見。

PD1の遺伝子を欠損したマウスを作製、
心臓の筋肉に炎症が起きる自己免疫性の心筋炎で死んだマウスと
死ななかったものがあった。
死んだマウスは、LAG3を作る遺伝子が変異し、
LAG3タンパク質が不完全で、機能しないことが分かった。

LAG3の遺伝子だけを欠損させても、症状は出ないため、
PD1などほかの物質とともに免疫反応を抑制する。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/2/8/132145/

荒れない学校(6)「崩壊」予兆 見極め大切

(読売 2月3日)

桐生市の小学6年、上村明子さん(12)が自殺した事件。

学校側は、「ひとりぼっちの給食」という、仲間はずれによる
いじめなどがあったと認めた。
自殺との因果関係は、第三者による委員会で調査中だが、
背景に深刻な学級崩壊があったとされる。

市教委に提出された報告によると、
明子さんの学級は、1学期後半から荒れていった。

4月 落ち着きがなく、姿勢の悪い児童が目立つ。

7月 学級全体の落ち着きがなくなり、一部児童が担任に
   暴言を吐くなどの状況が職員会議で報告。
   学校が、指導体制を検討し始めた。

8月 反抗的な態度、担任発言の揚げ足取りなど、
   学級全体のまとまりが欠け始めた。

9月 教室が非常に汚く、乱れていることが多くなった。
   学校生活改善のため、異学年交流などを増やすことに。
   席替え実施。
   明子さんが、ひとりぼっちで給食を食べる姿が見られ始める。

10月 交換授業を決定。
    給食時のグループ編成が乱れていたため、席替えを実施。

同23日、明子さんが自殺。

「先生に何を言っても無駄、と娘から聞いていた。
担任の手に負えなければ、なぜもっと早くほかの先生や校長に
助けを求められなかったのか」

明子さんの父親の竜二さん(51)は、市と県を相手取って起こした
損害賠償請求訴訟の記者会見の後、悔しげな表情で語った。

「学級崩壊には、必ず予兆がある」、
25年間の小学校教師経験を持つ小谷川元一・東京福祉大学准教授(51)。

小谷川さんが、仲間の小学校教師らから集めた実例から作成した
「学級崩壊深刻度表」(表参照)では、
さほど深刻ではない「C」段階から、担任一人では対応が難しい「B」、
担任交代など学校全体の対応が必要な「A」まで、段階的に進む。

千葉県内の男性高校教師は3年前、この表を同学年の担任らに配り、
日々のチェックを勧めた。
実際には、CからAまで数週間で進んでしまったが、
「『忘れ物が目立つ』、『Cで止めよう』と指導の基準がわかりやすく、
学年全体の状態も共有できた」

小谷川さんは、「『ダメ教師』と思われるのが怖く、
問題を抱え込む教師も多いが、崩壊の予兆を見極めたら、
周囲に協力を求め、早期に対応してほしい

◆学級崩壊深刻度表(抜粋)

A10 暴力やいじめが頻発し、子どもや教師が身の危険を感じる
A9  日常的に教師に反抗
A8  机など備品を粗末に扱う
B7  私語や逸脱行動で授業にならない
B6  授業時間外に口げんかなどが多発
B5  無視や物隠しが頻発
C4  常にざわついている
C3  教室が乱雑になる
C2  忘れ物が目立つ
C1  言葉遣いが悪くなる

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20110203-OYT8T00183.htm

2011年2月13日日曜日

スリムなアラフォー女性、20年前より増加

(2011年2月7日 読売新聞)

肥満の指標であるBMIで、「やせ」に区分される
30~40代の女性の割合が、20年前に比べて増加したことが、
厚生労働省研究班の調査。

ダイエットブームによるやせすぎが指摘される若い層よりも、
増加率が大きかった。

研究班の代表を務める国立長寿医療研究センターの
下方浩史・予防開発部長らが、1989~2009年、
愛知県内で健康診断を受けた20~80代女性のべ約20万人について、
20年間の変化を年代ごとに調べた。

BMIが18・5未満で、「やせ」に区分される人の割合は、
30代は約15%から約22%、40代は約7%から約17%に増加。
50~70代でも増えていた。
20代では、年によって20~30%台前半と増減があるものの、
20年を通してみると、ほぼ横ばい。

BMIは、体重(kg)を身長(m)の2乗で割った数値。
日本肥満学会の判定基準では、18・5~25・0未満を「ふつう」、
25・0以上を「肥満」と区分。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/2/8/132126/

「肥満大国」改善へ…米外食で健康メニュー続々

(2011年2月6日 読売新聞)

米国の小売り大手や外食チェーンが、
相次いで「健康」に配慮した食品の販売強化を打ち出している。

「肥満大国」米国では、生活習慣病に伴う医療費の負担が、
家計や財政圧迫の一因で、米政府も生活習慣病の予防に向けた
食生活の改善に、力を入れ始めている。

ファストフード最大手の米マクドナルドは1月から、
欧米では朝食の定番メニューの一つ「オートミール」を、
全米約1万4000店のメニューに加えた。

つぶしたオーツ麦(カラスムギ)を煮て、かゆ状にしたオートミールは
食物繊維が豊富。
1・99ドル(約160円)の小型カップ(砂糖なし)で、
ハンバーガー1個分とほぼ同じ260kcal、
ハンバーガーより高い満腹感を得られる。

オートミールは、コーヒーチェーンのスターバックスが、
2008年に米国内で売り出し、ヒットした。
マクドナルドは、健康志向が高く、ハンバーガーを敬遠してきた層の
取り込みを目指す。

ミシェル・オバマ米大統領夫人が、子供の肥満率の低下に
積極的なこともあり、肥満対策がクローズアップ。
「健康」への取り組みは、外食産業以外にも広がっている。

こうした取り組みの背景には、米政府の危機感の高まりがある。
米国では、子供の3分の1以上、成人では3分の2以上が
「体重過多」、もしくは「肥満」。
肥満が原因の経済的損失は、生産性の低下などを含めると、
03年約750億ドルから、18年3430億ドルと、5倍近く増。

米農務省のビルサック長官は、
「現状は、無視できない危機的な状況だ」と、
生活習慣病による医療費などの負担増に強い懸念。

同省が5年おきに公表している「ダイエットの手引」も、
今年は大幅に変更。
「成人の塩分摂取量は1日2300mg以下」としてきた従来の記載に、
「51歳以上の人やアフリカ系米国人は1500mg以下」などと、
細分化した内容を加えた。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/2/7/132108/

荒れない学校(5)地域との縁 自信育む

(読売 2月2日)

「国旗マグネット80円 安い! どうですか」、
「うちわ30円やで、買ってや買ってや」

京都市左京区の一乗寺商店街。
近くの同市立修学院中学校の3年生約200人が、
35店舗の軒先や駐車場を借り、フィリピンの貧困層を支援する
毎年恒例のバザーを開いていた。

売っていたのは、アロマキャンドル、粘土細工、シールなどで、
地域住民に手伝ってもらって作った。
吹奏楽の演奏も披露され、1000人近くの来場者でにぎわった。

生徒も、手伝う保護者も楽しそうだ。
地元の社会福祉協議会の会長で、50年近く地域に住む
河島安生さん(74)は、「昔は、地域住民は学校に近寄らなかったし、
入れなかった。せっかくできた縁が切れないようにしたい」

衝撃的な事件が起きたのは、1998年5月。
同中に通う3年生男子(当時14歳)が、近くの公園で、
同年代の少年らから集団暴行を受け、死亡。

生徒や地域は動揺した。
改善の取り組みが行われたが、2002年春、
現京都市教委学校指導課参与の長者善高さん(61)が
校長として赴任時、生徒の服装は乱れ、教師に反抗して、
あいさつもしない者も少なくない状況で、
地域での学校の評判も依然としてよくなかった。

長者さんは、「世界で一番通いたい学校に」との目標を掲げ、
国際援助活動を、生徒会活動としてスタート。
2年目、生徒が地域の役に立つようにと、
「アントレプレナー(起業家)教育」を総合学習の時間で始めた。
3年目、地元の社会福祉協議会による
小学生の登下校見守り運動への参加を開始した。

4年目秋のある日、長者さんのもとに、住民から
「修学院中は地域の誇りです」という手紙が届いた。
生徒の礼儀正しい態度に感心した。
「感激して、早速生徒たちに披露しました」と、長者さん。

その後、1年生全員が認知症サポーター養成講座を受講。
すると、道ばたでうずくまっているお年寄りに、
生徒が声をかけていたという手紙が届いた。

「みんなが生徒会に協力的で、明るい学校」と、
前生徒会長の3年、小田采さん(15)。
99年度から同中に勤務する秦和之現校長(55)は、
「頑張ってるね、と地域の人たちが声をかけてくれるのが励みになり、
子どもたちの自信につながっている」

◆認知症サポーター


認知症を正しく理解し、地域で暮らす認知症の人や家族を
応援するボランティア。
養成講座を受ければ誰でもなれ、昨年末現在で全国に約200万人。
自治体や企業のほか、小中学校などでも講座が開かれている。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20110202-OYT8T00158.htm