2008年12月6日土曜日

応援グッズに復興の願い 一関学院高が販売

(岩手日報 12月6日)

一関学院高陸上競技部(小岩光宏総監督)と父母会、OB会、OB父母会は
京都市で21日開催される全国高校駅伝競走大会の応援用品を作り、販売。
益金の一部は、震災復興の義援金にする。
応援用品は、チームカラーのマフラータオルと旗。
一関学院の名前のほか、「がんばろう岩手!」、
「復興に祈りを込めて檄走」などと書かれている。
500セット作り、1セット3000円で販売。

同校陸上競技部は毎年、6月の岩手・宮城内陸地震で被災した
須川高原温泉で夏合宿をしていた。
同部の菅原和幸監督は、
「元気な岩手をアピールするとともに、被災者支援の思いも込めて
都大路を力走したい」と選手の気持ちを代弁。
手ぬぐいと4色ボールペンをセットにした記念品(1000円)も販売。
申し込み、問い合わせは、同校(0191・23・4240)。

縄文人も骨折に添え木 太もも固定し治癒 文化財企画「先人たちのカルテ」「癒やしの足跡」

(共同通信社 2008年11月25日)

古代から人々は、数々の病気やけがに苦しめられた。
本格的な西洋医学が導入されるようになったのは、幕末以降とされるが、
それ以前もひたすら痛みに耐えるだけでなく、
少しでも症状を改善させようと治療を試みた。

1964年、岡山県倉敷市の縄文時代後期の涼松貝塚(約4000年前)で、
太ももを骨折した後、添え木を当てるなどして患部を固定し、
治療したと考えられる人骨が見つかった。

"患者"は、身長約160センチの成人男性。
右大腿骨の上部付近に斜めに亀裂が入り、完全に折れていた。
発掘した大阪市立大の島田武男元講師(人類学)は、
「大腿骨の中でもかなり丈夫な部分。
狩りなどの際によほどのアクシデントに見舞われたのだろう」

折れた骨の上側は、太ももを持ち上げるための筋肉とつながっており、
放置すると、下側の骨より前方に引っ張られ、うまく接合しない。
出土した骨を調べてみると、上側と下側の骨折面がくっついたあとがあった。

島田さんは、「添え木や包帯のような物で患部を固定したためだろう。
狩猟などで山野を駆け巡った縄文人は、骨折も多かったはず。
経験上、彼らなりの治療法があり、『縄文の整骨医』がいたのかもしれない

上下の骨がやや重なったため、大腿骨は約4センチ短くなり、
さらに下部の骨がよじれて外側に開いていた。
現代の医療でも、これほどの重傷だと、完治するのに半年はかかるとされる。
出土した時は、接合していた部分が埋葬後の土圧で外れており、
当時は完治が難しかったようだ。

骨の様子から、男性は治癒から数年後に死亡したらしい。
島田さんは、「治療後も脚は不自由で、思うように走ったりできなかったはず。
それでも数年間生きられたのは、当時も仲間を助け合う社会だったからだろう」

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=83507

ガラガラヘビ毒から「強力」鎮痛物質 富山大

(朝日 2008年11月30日)

南米産のガラガラヘビの毒から、モルヒネの数百倍の鎮痛作用がある
物質を抽出して合成することに、富山大和漢医薬学総合研究所の
紺野勝弘准教授らが成功。

ラットの実験では、効果が3日以上持続し、飲み薬の麻酔に使える可能性がある。
共同研究する製薬会社を探し、新薬の開発をめざす。

ブラジルに生息するガラガラヘビは、
運動神経をまひさせる猛毒で知られるが、
かまれても激しい痛みを感じない。
ブラジルでは30年代に、毒を薄めて痛み止め薬として市販。
紺野さんは、世界的な毒蛇の研究機関として知られる
ブラジルのブタンタン研究所や富山大で、ガラガラヘビの毒を分析。
チームで、アミノ酸が14個つながった化合物が鎮痛物質と突き止めた。

鎮痛効果を確かめるため、ラットの脚に重さをかけ、
どれぐらい我慢できるか調べた。
この物質を飲んだ群は飲まない群に比べ、ほぼ倍の重さの痛みに耐える。
その効果は、1回、飲ませただけで3~5日続いた。
モルヒネで同じ効果を出すには、その数百倍の量が必要。

モルヒネは、使う量を増やさないと効き目が悪くなることがある。
一方、このヘビの毒は量を増やさなくても同じ効果が続いた。
紺野さんは、「飲み薬として使えれば、普及する可能性がある。
痛みを抑える仕組みを解明して、薬作りにつなげたい」

老化:新知識得ないと物忘れが進行 理研チームがマウス実験で解明

(毎日 11月30日)

新しい知識や経験を得ない単調な生活を続けると、
老化による物忘れが進む可能性があることを、
理化学研究所のチームがマウスを使った実験で明らかにした。
好奇心旺盛な高齢者は、認知症になりにくいとされるが、裏付けられた形。

老化に伴って記憶が失われる物忘れは、
「タウたんぱく質」と呼ばれる物質が脳の神経細胞に蓄積することが原因。
理研脳科学総合研究センターの木村哲也・専門職研究員らは、
タウたんぱく質の蓄積を促す酵素に着目。

これを持たないマウスを迷路などに挑戦させ、行動を観察。
このマウスは、酵素を持たなくても道順を覚えたが、
何度も試すうちに忘れてしまった。

この酵素は、新しいことを覚えるプロセスでは働かないものの、
いったん固定した記憶を繰り返し使いながら再固定するのに欠かせない。

この酵素が働きすぎると、タウたんぱく質の蓄積が進んでしまうが、
新しい記憶を獲得することで酵素の働きを適度に抑えれば、
記憶を保ったまま脳の老化を防ぐことができる。

木村さんは、「老化がきっかけになるアルツハイマー病の発症も
遅らせられるのでは」
米オンライン科学誌「プロス・ワン」に発表。

http://mainichi.jp/select/science/news/20081130ddm016040012000c.html

2008年12月5日金曜日

岩手「県民で支える地域医療」設立 「住民も医療の担い手」

(毎日新聞社 2008年11月29日)

医師を確保し、地域医療体制づくりを進めようと、
「県民みんなで支える岩手の地域医療推進会議」の設立全体会が開かれた。

会長の達増拓也知事は、「全国に先駆けた取り組み。
住民も、医療の担い手という意識を持つことが重要だ」と設立の趣旨。

全体会では、全国自治体病院協議会県支部長の
菅野千治・県立宮古病院長が医師の勤務状況を報告。
03年度46人だった同病院の医師数は、今年度34人まで減少。
夜間救急が軽症患者の対応に追われるなど、
医師1人の負担が大きいことが背景だとして、
「地域で医師を守る機運が必要だ」と訴えた。

同会議は、県が主体となって県内83団体・企業が参加。
今後約2年半、リーフレット作成など啓発活動を行い、
症状や医療機関の役割分担に応じた受診などを
県民に求めていく方針が確認。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=83880

正倉院にアジアの輸入薬 庶民にも使用か 文化財企画「先人たちのカルテ」「癒やしの足跡」

(共同通信社 2008年11月26日)

756年、仏教による鎮護国家を目指し大仏を造った聖武天皇が崩御、
光明皇太后は異国情緒あふれる遺品を正倉院に納めた。
その中に、アジア各地で採取された多くの薬も含まれている。

「種々薬帳」と呼ばれる薬の献納品のリストには60種が掲載され、
1994年からの調査で、現在も38種が残っていることが分かった。

調査した大阪大医学史料室の米田該典さんは、
「すべて唐からの輸入薬で、なくなった分は使い果たしたり、紛失したのだろう」

特徴的なのは、現在でもよく用いられる大黄、甘草、臈密、桂心、人参、芫花が
大量に納められていたこと。
米田さんは、「よく使ったため、多めに確保していたのだろう」と推測。

きらびやかな琵琶や鏡などと同様に、薬も国際色豊かだ。
鎮痛、鎮静作用のあるユリ科の鬼臼は、中国の長江以南、
潰瘍の消炎剤の甘草は、内モンゴル自治区東部から吉林省にかけての地域が
原産地と判明。東南アジア、インド産の薬草も。

奈良県明日香村の飛鳥京苑池跡では、中風治療の漢方薬の処方せん
「西州続命湯」と書かれた7世紀後半の木簡が出土。
唐の医学書の引用とみられ、飛鳥時代から大陸の最新医学が導入。

日本薬史学会評議員の鳥越泰義さんは、
「処方せんのような薬を作るには、正倉院の分だけでは種類が足りない。
日本各地から薬草を納めさせ、調合したのだろう」

種々薬帳には、皇太后の願文が記されている。
「もし病気に苦しむ者があれば、国の僧侶の許可を得て使ってもよい」

続日本紀には、皇太后が施薬院、悲田院の救済施設を設け、
飢えや病気に苦しむ庶民を治療、養ったとある。
米田さんは、「正倉院の薬は、一部の皇族や役人だけでなく、
病気の庶民にも用いられたはず。
日本の福祉医療の原点を見る思いだ

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=83604

宇宙政策「開発から利用へ転換を」 宇宙戦略本部

(朝日 2008年11月27日)

政府の宇宙開発戦略本部(本部長・麻生首相)の専門調査会は、
技術開発中心だった宇宙政策を「利用」重視に転換し、
国家戦略として総合的に取り組むべきだとする
宇宙基本計画の骨子を了承。

副本部長の河村官房長官は、「5年間で宇宙予算を倍増したい」
骨子の具体的な柱には、防衛利用の拡大、宇宙技術協力などを活用した
外交の推進、宇宙産業の競争力強化などをあげた。

官民共同開発が難航している中型のGXロケットは、
開発を継続することを了承。
防衛目的衛星の打ち上げを主に担う「安全保障ロケット」との位置づけや
技術的課題などを検討。

来年5月、策定予定の基本計画に先立つ来年度の重点施策として、
(1)次期気象衛星の着実な整備、
(2)計画中の災害監視衛星の利用目的拡大、
(3)宇宙利用を促進する新たなしくみ作り、なども決めた。

http://www.asahi.com/science/update/1127/TKY200811270227.html

2008年12月4日木曜日

関節軟骨の自然修復に成功 北大、再生促す物質を開発

(共同通信社 2008年11月28日)

一度損傷すると、自然には再生しないと考えられてきた関節の軟骨について、
新開発の物質をウサギの関節損傷部に埋め込んで、
自然修復させることに成功したと、
北海道大大学院医学研究科の安田和則教授らのグループが発表。

今後は、ヒトへの応用可能性や安全性を検証し、
スポーツなどによる軟骨の損傷に対する新しい治療法に結び付けたい。

安田教授らは、「ダブルネットワークゲル」と呼ばれる
軟骨と似た新しい化学物質を開発

これを、損傷させたウサギのひざ関節に埋め込むと、軟骨の再生が確認できた。
ゲルが何らかの刺激を与え再生を促すと考えられるが、
仕組みの解明は今後の課題に。

これまで、軟骨損傷の治療で使われてきた人工軟骨は、
摩耗すると手術で取り換える必要が生じる難点があった。
取り出した細胞を培養して、生体に戻す方法も研究されているが、
成功率が低いなどクリアすべき課題はまだ多い。

安田教授らは、生体内で再生させる今回の方法は、
「治療に革新を起こすだろう」と期待。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=83794

江戸時代の木製入れ歯 女性用、お歯黒の跡も 文化財企画「先人たちのカルテ」「癒やしの足跡」

(共同通信社 2008年11月26日)

四日市市にある江戸時代の代官所跡で1999年、
18世紀末ごろのほぼ全形をとどめた精巧な木製入れ歯が出土。
当時の人々も、現在と同じような方法で老いを乗り越えようとしたようだ。

入れ歯は、焼き物やげたなど生活用品に交じって堀から見つかった。
上あご用で、奥行き5.5センチ、幅6.2センチ、高さ2センチ。
8本の歯が本物そっくりに削り出されている。
上あごに密着する部分は非常に薄く、わずか0.5ミリの所も。

材質は、ツゲ。
彫刻しやすいが割れにくくて肌触りも良く、入れ歯の材料に用いられた。
既婚の女性が塗ったお歯黒のように歯の部分が黒く、女性用とみられる。
一部がすり減っており、実用品だったよう。
科学分析の結果、お歯黒の成分は検出されなかった。

出来栄えは、これまで見つかった入れ歯の中でも「最高水準」。
江戸時代には既に専門の「入れ歯師」がおり、
木製入れ歯の製作技術は世界の最先端だったとされる。

発掘した三重県文化振興室の伊藤裕之主幹は、
「木を焼いて炭化させ、お歯黒の代わりにしたらしい。
木の性質を熟知した仏師がアルバイトで作ったのだろう」

国学者の本居宣長も入れ歯を作った。
その時の喜びを、短歌にして手紙に書き家族に送ったといい、
なかなか庶民の手が届くものではなかったらしい。

四日市市教委の葛山拓也学芸員は、
「持ち主はおしゃれな女性で、人前に出る時だけ使ったのではないか」と推測。
高価な品物なのに、なぜ堀に捨てられたのかは謎。

鑑定した名古屋市の「歯の博物館」前館長で、
歯科医師の山口晴久さんは、「高級武士か、裕福な商人でないと
作ることはできなかった。
捨てたのではなく、堀端でせき込むか、
くしゃみをして落としてしまったのかもしれない」と想像。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=83605

初の「藤原氏時代」遺構 奥州・前沢の白鳥舘遺跡

(岩手日報 11月29日)

「平泉の文化遺産」を構成する奥州市前沢区の国史跡白鳥舘遺跡から、
奥州市世界遺産登録推進室の発掘調査で
12世紀後半とみられる建物跡などの遺構が見つかった。

同遺跡から、奥州藤原氏と同時期の遺構が見つかったのは初めて。
世界遺産登録候補地に指定される白鳥舘遺跡の藤原氏との
深いかかわりがあらためて証明。

見つかったのは、2棟の建物跡と溝跡など。
建物跡は、ほぼ同規模(南北約4メートル、東西8・5メートル以上)で、
重なるように位置。

片方の建物南側にはひさし(約1・6メートル)があり、
建物跡を東西に横切るように約5・5メートルの溝跡(幅約40センチ)があった。

同推進室は、かわらけなどの出土品から時代を特定。
平泉町で見つかった遺構と同規模で、ひさしがあることなどの特徴が
合致していることから、「当時の平泉と関係していたことは間違いない」

同推進室の及川真紀主任学芸員は、
「藤原氏以前や以後の遺物は多く見つかっていたが、
この時代の遺構はなかなか確認できなかった。
今後、東側に範囲を広げて調査したい」

第7次発掘調査(9-12月)は、同遺跡の丘陵部分から
約300メートル南西の水田約1・8アールで実施。
建物の柱の穴の跡は、計約50個見つかった。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20081129_6

運動不足や他の不健康な行動によってうつ病とCVDとの関連を説明できる

(Medscape 11月25日)

Mary Whooley博士(VAメディカルセンター)らは、
うつ病と心臓血管疾患(CVD)との関連性に着手し、
複雑な生物学的過程ではなく保健行動が、
うつ病患者における心臓事象リスク上昇の主な原因[1]。
特に身体的不活動が、おそらく大部分のリスクの原因。

Heart and Soul Studyでは、1000例を超える安定した
冠動脈性心疾患の患者を約5年間追跡調査し、
ベースライン時の抑うつ症状と、その後の心不全、MI、脳卒中、
一過性脳虚血発作、死亡との関連を評価。

うつ病が、心疾患リスクを上昇させることは以前から知られていたが、
可能性のあるメカニズムはこれまで明らかになっていなかった。
Whooley博士は、「ノルエピネフリンの増加、コルチゾルの増加、
心拍変動の低下、血小板活性化など、うつ病の生理学的影響には
関心が多いが、行動面のメディエーターについては注目されなかった。
生理学的メディエーターでは関連を説明できず、
すべて保健行動に関するもののように思われた」。

うつ病患者は、処方された通りに薬剤を服用する可能性が低く、
運動する可能性が低く、喫煙する可能性が高い。
「保健行動について調整すると、うつ病とCVDとの関連は消失した。
うつ病と心疾患との関連は、主として保健行動によって説明されると結論

他の研究と同様、Whooley博士らの解析でも、
うつ病と心臓血管事象との間には明らかな関連が認められた。
4876例・年の追跡調査期間中に発生した341件の事象のうち、
年齢を調整した事象発生率は、抑うつ症状のある199例の被験者では10%、
抑うつ症状のない818例の被験者では6.7%。

共存症および疾患重症度について調整後、
うつ病の被験者においては心臓血管事象のリスクが31%上昇。

抗うつ薬の使用、心拍数の変動性、セロトニン、ω-3sレベル、
ノルエピネフリン、コルチゾルの24時間排泄のような
生物学的メディエーターを解析に含めた場合、
CV事象に対する抑うつ症状の効果量は実質的に変化しない。

服薬アドヒアランス、喫煙状態、身体活動度のような行動面の因子を
解析に含めると、抑うつ症状と心臓血管事象との関連は有意でなかった。

「これらの因子は修正可能であり、人々に運動や服薬を奨励することに
費用がかからないという点で、これは良いニュースである。
厄介なニュースは、行動を変えることが非常に難しいということ。
ノルエピネフリン、コルチソルを低下させる薬剤を患者に処方するだけでなく、
行動療法を開始する必要があり、それらは周知の通り困難である」

最初に患者が運動不足のためにうつ病になったのか、
それともうつ病になった時に運動を止めたのかは問題ではない。
「おそらくそれは悪循環であり、関連は双方向性である可能性が非常に高い。
運動量を増やせば、心疾患リスクを低下させるという最終結果は同じで、
鶏が先か卵が先かは重要ではない。
うつ病患者について忘れてはならないのは、
物事を行う意欲が非常に低下し、患者に運動量を増やし、服薬させ、
禁煙させるには、特別な努力が必要だ」

Heart and Soul試験の結果は、うつ病の被験者における抗うつ薬の使用によって、
心臓血管アウトカムを改善することが可能かどうかの多数の試験が
成功しなかった理由を説明するのに役立つ。

Understanding Prognostic Benefits of Exercise and
Antidepressant Therapy (UPBEAT)試験では、
心臓血管リスクファクターの改善について、抗うつ薬と運動療法を比較。
「事象を予防できるかどうかを調べるのではなく、
炎症の変化などを調べるもの。
それは正しい方向への次の一歩である」

1.Whooley MA, de Jonge P, Vittinghoff E, et al.
Depressive symptoms, health behaviors, and risk of cardiovascular events in patients with coronary heart disease.
JAMA 2008; 300:2379-2388.

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=SPECIALTY&categoryId=580&articleLang=ja&articleId=83829

2008年12月3日水曜日

「バイアグラ」がドーピング薬物に? WADAが調査中

(CNN 11月27日)

男性の勃起不全治療薬として広く使われている「バイアグラ」が、
スポーツ選手のドーピング薬物になる可能性があるかどうか、
世界反ドーピング機関(WADA)が現在試験中だと、
米紙ニューヨーク・タイムズが伝えた。

バイアグラの成分「クエン酸シルデナフィル」は、
血流量を調節する酵素活性を抑えて血管を拡張させ、
血流量を増やす作用を持つ。
勃起不全のほか、肺高血圧症などの治療にも使われている。

運動選手にとって血流量が増えれば、運動時に必要な酸素を
より多く取り入れることができ、耐久力が高まる結果。
バイアグラが、運動選手の耐久力にどの程度影響を与えるのかを、
確認している。

http://www.cnn.co.jp/sports/CNN200811270009.html

「体育」を見直す(10)「到達目標」指導も充実

(読売 11月29日)

小学校教師の研究会が、種目や学年ごとの到達目標を作り始めた。

周囲の山々の緑が闇に沈むころ、熊本県菊池市立隈府小学校の体育館に、
ジャージー姿の教師が続々と集まってきた。
周辺4市町の教師で作る菊池郡市小学校体育研究会の研修会。
この日は、両脚を開いて跳び箱を跳ぶ「開脚跳び」の補助の仕方を学ぶ。
教師を目指す熊本大生も含めた20人が参加。

講師役は、同市立迫水小学校の冨永泰寛教諭(40)。
冷え込んだ体育館で太鼓を鳴らし、体を温める準備運動から
適正な人数でのグループ分けまで順序立てて説明。

「必要なのは体重移動だけ」と冨永教諭。
跳び箱の脇に立ち、跳び箱にまたがった教諭の上腕を軽く握って、
前方に軽く放り出す。
「これで、ほぼ100%跳べない子を跳ばせる事が出来ます」。
見事な着地に拍手が起こった。

合志市立西合志中央小学校の石田晴香教諭(28)は、
悲鳴まじりで跳び箱に挑戦した。
小学生の時から恐怖心がぬぐいきれず、体が動かなかった。
苦手な児童の気持ちは、痛いほど分かる。
大学の授業では、自分が跳ぶのに精いっぱい。
理論は習ったが、感覚は分からないまま教師になった。
これまでは、上手な子の実技をお手本にするように呼びかけるだけ。

しかし、研修会で補助の仕方がすとんと胸に落ちた。
「まさに『百聞は一見にしかず』。参加して良かった」

研究会の研究部長、菊池北小学校の佐藤政臣教諭(43)は、
「苦手な教師が得意な教師から学ぶだけでなく、
得意な教師は苦手な教師を通して、苦手な児童の気持ちが分かるようになる」

1994年に始まった研究会は、新たな取り組みに挑戦中。
種目ごとに、各学年の標準的目標となる「スタンダード」と、
目標達成のための最低基準の運動技能「ミニマム」作りだ。
2005年から作業を始め、昨年度にまず水泳を定義した。
今年は器械体操を策定しており、来年初めにも郡市内の小学校に配布。

「段階的な指導目標が分かるようになった」。
山鹿市立岩野小学校の上野元嗣教諭(35)は、
「ミニマム」、「スタンダード」作りを歓迎する。
教師になって4年目。
仕事をしながら、大学の通信教育で教員免許を取得したため、
実技指導を受けた経験がない。
「学習指導要領で、あいまいな部分が明確に書いてある。
成績評価にも役立った」

国は、指導要領で到達目標を示してはいないが、
子供たちに目標を示すことは、教師の教え方の充実にもつながる。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081129-OYT8T00254.htm

スポーツ21世紀:新しい波/285 武道の必修化/3

(毎日 11月29日)

興味深いアンケート結果がある。
「剣道をやってみたい(続けたい)」と思う人の割合は、
部活動での経験者や全くの未経験者に比べ、
授業で剣道を経験した人が一番低い。
剣道の難しさや厳しさを知ったことで、
剣道に対するマイナスイメージを持ったのが理由。

剣道人口の減少に危機感を抱いた全国教育系大学剣道連盟研究部会は
93年、高校生と大学生を対象にした意識調査を行い、
計1万1846人から回答を得た。

剣道部の顧問を務める研究部会のメンバーにとって、
競技への入り口となるはずの授業が、
子どもたちを競技から遠ざけているのは予想外。

大阪教育大の太田順康准教授は、
「武道特有の礼儀や作法を教えるのは大事だが、
『黙って言うことを聞け』という態度では逆効果。
他のスポーツと同じように、体を動かすことの楽しさや喜びも
子どもたちに伝えなければ、道徳の授業と変わらない」

大教大4年の剣道部員、久保充世さん(21)は今秋、
中学校保健体育の教員試験に合格。
必修化を歓迎しながらも、「新しい学習指導要領には、
剣道の専門用語が使われている。
限られた授業時間の中で、自分たちも子どもたちに
しっかり教えることができるだろうか」。

同様の不安は、大阪府内の高校で保健体育を指導している
教員からも寄せられている。

文部科学省によると、武道の指導経験のある教員は
柔道82%、剣道54%、相撲17%。
12年度からの必修化に向け、指導者の養成は、武道場などの施設や、
用具の整備充実とともに急務。

野球やサッカーなどは経験がなくても、
テレビなどを通じて目に触れる機会が多く、イメージがつかみやすい。
それに対し、勝敗を争うだけではない武道は、
魅力が分かるまでに時間がかかる。

競技人口の拡大につながるのか、
武道嫌いの子どもたちを作り出すことになるのか。
必修化は、もろ刃の剣でもある。

http://mainichi.jp/enta/sports/21century/

カテキンの抗がん作用増強 京大、酵素で安定化

(共同通信社 2008年11月27日)

緑茶に含まれるカテキン成分を酵素の力で安定化し、
がん細胞の増殖を抑える作用を強めることに成功したと、
京都大の松村和明特任助教らのチームが発表。

カテキン成分に、抗がんや抗ウイルス作用があるのは知られているが、
化学的に不安定なため体内で分解されやすく、
医薬品としての応用に課題があった。
正常な細胞に対する毒性がほとんどないのも確認。

松村特任助教は、「将来はカテキンを使って、
副作用が少ない抗がん剤ができるかもしれない」

チームは、カテキンの主成分に酵素を使って脂肪酸をくっつけると、
分解されにくく細胞内に取り込まれやすい構造になることを発見。
がん細胞を移植したマウスに、カテキン成分を投与して1カ月間観察すると、
投与しない場合に比べ、がん組織の大きさが
10分の1程度に抑えられるのを確かめた。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=83692

2008年12月2日火曜日

精神健康度に影響 長時間勤務や少ない休暇

(岩手日報 11月27日)

仕事以外の自由な時間が短い人ほど、精神健康度は低い―。
独立行政法人労働者健康福祉機構、岩手産業保健推進センター(石川育成所長)
が行った約4000人への調査結果で明らかに。

営業職や現場管理職は、他の業種に比べて精神健康度が低い結果も。
過重労働によるストレスが引き起こす自殺などの問題解決には、
職種による特徴を踏まえた、きめ細かい対策が必要。

「仕事にやる気が出ない。もう辞めたい」。
同センターの鈴木満・産業保健相談員(岩手医大神経精神科学講座准教授)は、
県内の30代の専門職男性から相談を受けた。
男性の1カ月の超過勤務時間は、約160時間。土日も休まず働いていた。

食欲がなく眠れない、悲観的に考えるなど、うつ状態がみられたため、
診断書を書いて職場の環境調整を図った。
残業を減らして休日を増やしたところ、男性は徐々に回復し、
約2カ月で元気を取り戻した。
働きすぎて燃え尽きる、この男性のような相談は、後を絶たない。

同センターは、自殺が過重労働と密接な関連があることなどから
実態調査を実施。
異なった事業所でも長時間労働や交代制、仮眠所での睡眠のような
過重労働因子は職種によって共通点があり、
職種によって精神健康度に差が出た。

1カ月の平均超過勤務時間は、45時間未満が73・1%、
40―80時間は17・9%、80時間以上は5・7%。
1カ月の休暇が3日未満は6・1%、3、4日11・1%、5、6日24・6%、
7、8日44・4%、9日以上が12・7%、無回答は1・1%。

超過勤務時間の長い人は精神健康度が低く、休暇の少なさも
精神健康度に悪影響を与える結果となった。
同センターは、「超過勤務時間が増えることで、睡眠時間が短くなることも一因

メンタルヘルス上の問題について、
相談機関利用者が9・0%にすぎないことも判明。
鈴木相談員は、「心の病を原因とする休職は長期間にわたる傾向があり、
企業に与える影響も大きい。
職域による特徴を踏まえ、負担に対してきめ細かい対応をしていくことが必要だ」
と相談体制づくりの重要性を訴える。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20081127_4

気仙連携へ新組織要求 大船渡市議有志

(岩手日報 11月28日)

大船渡市議会(佐藤丈夫議長、26人)の議員有志は、12月定例会に
「新たな気仙の広域連携を考える組織『気仙再生協議会(仮称)』の
立ち上げを求める決議」を、議員発議案で提案。
陸前高田市、住田町の両議会にも、同じ決議の提案を呼び掛けている。

陸前高田市議会の合併協議会設置議案の否決で、
一度は「白紙」に戻った気仙合併だが、
3市町による新組織の設立で、機運を再度盛り上げたいとの思惑も。

決議文では、直接的な合併への言及はなく、
「一つのテーブルで、行政課題や今後の地域づくりの議論を行うことが急務」、
「気仙のグランドデザインを議論する場を早急に設置すべき」などと訴えている。

今回の決議提案は、陸前高田市議会で合併協設置議案を否決した
10月末以降、大船渡市議会の旧三陸町議員で構成する会派、
創造会(4人)が中心となって呼び掛け、他会派も賛同。
提出者と賛成者には、20人以上の議員が名前を連ねる予定。

中心となった平田武副議長は、「このまま議論を終わらせるべきでない。
合併する、しないにかかわらず、3首長を含めた気仙の将来を話し合う場が必要だ」

陸前高田市民有志の直接請求で始まった合併議論は、
住田町を除いたことや、一足飛びで法定協議会を設立することへの反発も。
決議は、3市町の行政や議会、民間団体の代表者らによる緩やかな組織を想定。
話し合い次第で、任意の合併協議会などに移行することも視野に入れる。

大船渡市議会は、12月定例会初日の来月5日に提案する予定。
可決されても法的拘束力はないが、3議会で可決し、行政側に強く求める考え。

同市議会内には、「新法期限内(2010年3月末)の合併をあきらめるべきではない」
との声もあり、遅くとも年度内の早い時期の設立を目指す。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20081128_4

赤穂化成、寒い季節の健康づくりをサポートする清涼飲料水「冬の健康対策水」を新発売

(日経ヘルス 11月19日)

無機ミネラルの総合メーカー赤穂化成は、
健康ドリンク「冬の健康対策水」の発売を開始。

冬の冷えや風邪、感染症予防に効果がある。
同商品は、今夏に同社が販売し、好評を博した
「熱中症対策水」に続くシリーズ第2弾。

成分には、深層水ミネラルの主成分であるマグネシウムを配合し、
冷えや風邪予防に良いとされるかりん果汁、ゆず果汁、しょうがエキス、
深層水ミネラル、ビタミンCをプラス。

同社の研究よると、マグネシウム入り飲料の飲用は
唾液中の免疫抗体「S-IgA」を増加させ、感染症予防に効果があり、
「冬の健康対策水」の飲用により、特に冬場における
インフルエンザなどの感染症予防が期待できる。

「冬の健康対策水」はペットボトル型で、価格は350ml、158円。
全国のスーパー、薬局での取り扱いとなる。

http://nh.nikkeibp.co.jp/article/nhpro/20081118/102886/

黄河の水質汚染が深刻化、3分の1は利用不可

(CNN 11月25日)

中国北部を流れる黄河の水の3分の1は、水質汚染が深刻で、
飲料用にも産業用にも適さないとする調査報告を、黄河水利委員会がまとめた。

黄河は、過去数年で工業廃棄物による汚染が深刻化し、
都市開発に伴って水位の低下も進んでいる。
2007年の調査では、西部の青海省から渤海に至る約1万3500キロで、
黄海の水を採取して調査。

その結果、33.8%が国連環境計画の水質基準で「レベル5」以下に該当し、
飲料用にも工業・農業用水にも適さないことが分かった。

家庭用水として利用可能な「レベル1」、「レベル2」の水質と
認定されたのは16.1%のみ。
前年の調査では、レベル5以下は31%、
汚染が深刻化している状況がうかがえる。

黄河の汚染原因は、工業・製造業の廃棄物などが70%を占め、
家庭からの排水や廃棄物は23%。その他が6.4%。

http://www.cnn.co.jp/science/CNN200811250018.html

清原さんが闘病の子ら激励 ファンの男児、直前に死亡

(共同通信社 2008年11月26日)

今季限りで現役引退した元プロ野球オリックス選手の清原和博さん(41)が、
神戸大病院の子どもセンターを訪れ、入院中の子どもら約30人を激励。

昨年夏、同病院で左ひざの手術を受けた清原さんが
「恩返しをしたい」と申し出て訪問が実現。
しかし、来訪を待ちわびながら願いがかなわず、
2日前に亡くなった男児(11)もいた。

引退試合で着たユニホーム姿の清原さんに声を掛けられた子どもたちは、
満面の笑みを浮かべサイン入りボールを大事そうに握り締めた。

治療で髪を短くしている榎本日向君(6)は、
清原さんから「僕と(髪形が)一緒やね」と頭をなでられた。
母親の圭代さん(35)は、「治療の励みになると思う」と目を細めた。

清原さんは、「僕のユニホームを触ったり着たりして、元気になってくれれば」
ユニホームと帽子を病院に寄贈。

病院によると、清原さんの大ファンだった小学6年の男児は、
白血病の治療で入院中だった。
来訪が決まった3週間ほど前から集中治療室(ICU)で、
「いつ来るの?来たらサインをしてもらう」と心待ちにしていたが、23日に死亡。
兵庫県内の男児の自宅には、病院関係者がサイン入り色紙とボールを届ける。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=83591

「体育」を見直す(9)発達障害への対応模索

(読売 11月28日)

発達障害や不登校経験のある子供たちの授業や生活改善に模索が続く。

体育館に集まった生徒は13人。3人が欠席。
対する教師は3人。手厚い体制に驚く。
横浜市の私立星槎中学・高校で、高校3年生の体育の準備体操が始まった。

「○○君を起点に広がって」と、教師の1人が手を挙げて指示を出す。
ただ「広がって」でないのは、その方が指示行動を理解しやすいからだ。
この日の授業はバドミントン。
教師が模造紙に書いた図を見せて、打ち方の種類を説明する。
耳で聞くだけでは、認知しにくい生徒への配慮。

同校や、通信制高校と連携した教育施設という位置づけの星槎学園など、
星槎グループは長年、発達障害があったり、不登校を経験したりという
生徒も多数受け入れてきた。
神奈川県大磯町で、星槎大学を含む新キャンパス構想を進めている。

学校には、体育に苦手意識を持ったまま進学してきた生徒が多い。
不用意な言葉一つで、やる気がなえてしまう子も珍しくないだけに、
どうすれば、けがをさせずに体育の時間を楽しく過ごし、
達成感を持たせるかが、以前から重視されてきた。

バスケットボールなら、リングに当たっただけで得点という風に、
ルールに工夫を加え、意識的に、競技人口の少ない新スポーツも取り入れる。
過去に体験した、いやな記憶を思い起こさずに済むから。

2年前からは、旧筑波大学付属聾学校などでの教員歴を持つ
東海大学体育学部の内田匡輔講師(38)が、
星槎大学を含むグループ内の教員と共同研究も始めた。
星槎グループの創設者、宮沢保夫会長(59)が、
「体育を魅力的なものにできれば、子供たちはもっと変わるはず」と
依頼したのがきっかけ。

グループでは元々、体育に限らず、生徒の障害の程度や経歴を把握する
個別指導計画を持っているが、内田さんの提案で、
1回ごとに授業カードを作り、生徒自身が、天気や体調とともに、
授業の感想や授業に対する評価を記している。

教室や廊下を使う実技の授業も試みた。
新聞紙を使うストレッチや、ボックスホッケーと呼ばれるミニホッケーなど、
どれも手軽にできる。
生徒たちの評判は上々だったが、「逆に、教室での体育に満足するということは、
生徒たちには、リハビリの授業が必要だということの裏返し」と内田さん。

授業での様子やアンケートの結果を見るうちに、
内田さんが改めて気づいたのは「体調が悪い」、「疲れた」という答えの多さ。

グループの中の4校の高校生を対象に今年7月、生活実態を調査した結果、
朝食を食べているのは47・9%。
ガムやお菓子で「食べた」とする生徒も含んだ数字。
排便が2日や3日に1度、入浴はシャワーだけという子も目立った。

体育の授業の前に生活を見直す――
生涯をできるだけ健康に過ごすためには、家庭の協力が欠かせない。

◆朝食食べる高校生72%

文部科学省の委託を受けた東海大アクティブライフ委員会が、
全国の小中高校生1万4420人を対象に、
今年6~7月に実施した調査によると、
朝食を食べているのは小学生90%、中学生84%、高校生72%。
成長するに連れて欠食率が高くなる。
調査は、「早寝早起き朝ごはん」国民運動の一環。
同委員会では、生活習慣と体力の関係を分析中。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081128-OYT8T00179.htm

2008年12月1日月曜日

集客拡大へ連絡協 雫石の3スキー場

(岩手日報 11月27日)

雫石町の岩手高原スノーパークと雫石、網張温泉の3スキー場は、
「雫石スキーリゾートエリア連絡協議会(仮称)」を設立。

エリア全体の集客拡大を目的に、当面はシャトルバス運行や
共通記念グッズなどについて検討を進める。
同町のスキー場入り込み数は、右肩下がりと厳しい状況が続いており、
事業展開に注目が集まる。

3スキー場の各支配人が発起人となり、夏前から協議を重ねた。
設立総会では経過を報告し、役員を選出する。

事業は、合同安全祈願祭の開催や共通エリアマップの作製などを予定。
シャトルバスの運行や記念グッズ製作などについても検討する。
2年前から始まった「共通リフト券」も、事業を引き継ぐ方向で進める。

雫石スキー場は、約4・5キロのロングコースが魅力で、
岩手高原スノーパークは3場で唯一のナイター営業を実施。
十和田八幡平国立公園内にある網張温泉スキー場は、
原生林を抜ける名物コースを楽しめる。
それぞれの特徴を生かし、連携して集客拡大を目指す。

国有林レクリエーション事業として整備された雫石、岩手高原スノーパークの
両スキー場は、協議会組織の設置を義務付けられる。
連絡協議会の設立に合わせて、個々の協議会を解散し、
一元化した新体制で事業に取り組む。

町内スキー場の入り込み数は、1998―99シーズンの約57万人から、
2007―08シーズンには27万人台まで落ち込んだ。
岩手高原スノーパークが4年前から営業を再開したが、
全体的な客離れに歯止めがかからない。

設立発起人代表のプリンスホテルの芝田昭博東北総支配人は、
「町内の観光資源を十分に生かせるよう取り組み、
東北でもナンバーワンのエリアにしたい」と意気込み。

雫石町商工観光課の広瀬武課長は、
「共通の目標を持つというのが一番の目的。
訪れるスキー客への安心にもつながる」

各スキー場のオープンに先立ち、12月1日には3スキー場合同の
安全祈願祭を、雫石スキー場で初めて実施。
12月12日の同スキー場を皮切りに、岩手高原スノーパークで13日、
網張温泉スキー場では19日に今季の営業を始める予定。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20081127_12

オバマ氏が新サイト「チェンジ」開設、新政権の職員も募集

(CNN 11月15日)

米次期大統領に選出されたバラク・オバマ氏が、
政権移行に向けた最新情報を提供する新サイト「change.gov」を開設。

最新ニュースやイベント情報を掲載し、
ユーザーが新政府の職員に応募できる就職コーナーもある。

新サイトのコンテンツはまだやや薄いが、ユーザーが自分の体験や
思いを語るコーナーや、政権移行チームによるブログを設けるなど
ユーザー参加型のつくり。

1月20日の宣誓就任式に向けたカウントダウンも設置し、
就職コーナーではホワイトハウスや政府省庁などで働く職員を募っている。

オバマ氏は、選挙運動期間中もインターネットをフル活用。
米大手ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)のマイスペースで作った
「友達」の数は、対立候補ジョン・マケイン氏の約4倍。
もう1つの大手SNSであるフェイスブックでも、300万の支持者を獲得し、
合わせて1000万以上のメールアドレスを集めた。

選挙運動期間中を通じて、大統領候補のネット動静サイト
「TechPresident.com」を運営してきたアンドリュー・ラセイジ氏は、
「毎週土曜のラジオ演説と、時折開く記者会見だけで、
大統領が国民に語りかける時代は終わった。
オバマ氏が毎週(動画投稿サイトの)ユーチューブに登場し、
チャットで国民の質問に答えるようになっても驚かない」。

オバマ氏は、緊急を要しない法案に署名するに当たっては、
ネットで5日間にわたって一般からコメントを募り、
国民に参加してもらえるようにすると表明。
政権の最高技術責任者(CTO)を任命し、
米国全土にブロードバンドを普及させると公約。

http://www.cnn.co.jp/fringe/CNN200811110029.html

スーパー特区にiPS細胞医療応用プロジェクトなど

(サイエンスポータル 2008年11月20日)

「研究資金の統合的かつ効率的な運用」と
「開発段階からの薬事相談、承認審査の迅速化・質の向上」を
推進するための「先端医療開発特区」(スーパー特区)として、
政府は、24件の研究開発課題を採択、公表。

スーパーという名がついているのは、従来の「特区」のように
行政区域を特別扱いするのではなく、重視するのはテーマ、ということ。
先端医療開発という目的から言えば、当然の考え方だろう。

今回の特区選定の考え方や手順については、
「『先端医療開発特区』(スーパー特区)の創設について」の中で説明。
その中で、5つの重点分野が定められている。
「iPS細胞応用」、「再生医療」、「革新的な医療機器の開発」、
「革新的バイオ医薬品の開発」、「その他、国民保健に重要な治療・診断に用いる
医薬品・医療機器の国際的な共同研究開発(がん・循環器疾患・
精神神経疾患・難病等の重大疾病領域、希少疾病領域その他)」

今回スーパー特区として採択された中に、山中伸弥・京都大学教授を
代表者とする「iPS細胞医療応用加速化プロジェクト」が入った。
iPS細胞の特徴を生かした「新薬候補の開発」と、
細胞移植治療の臨床研究システム化を図り、
「臨床研究・治験を実施」という明確な最終目標。

「再生医療」分野で採択された岡野栄之・慶應義塾大学教授を代表者とする
「中枢神経の再生医療のための先端医療開発プロジェクト-脊髄損傷を中心に-」
に対しても、患者をはじめ期待は相当大きい。
交通事故などで脊髄に損傷を受け、下半身あるいは全身麻痺になった患者は多い。
しかし、長年ばく大な研究費を投入してきたといわれる米国なども、
これといった成果は得られていないのが現実。

その他いずれも、国民の健康に直結する研究開発プロジェクトが並んでいる。
なぜ、こうした分野の研究開発を進めるのに、
わざわざ「スーパー特区」といったものを設ける必要があったのか。

政府の文書を読むより、当サイトに掲載された
井村裕夫・先端医療振興財団理事長(元京都大学総長)のインタビューを
見てもらった方が分かりやすい。

臨床試験が、再生医療に限らず薬についても、日本は非常に遅れてしまった」、
「新しい薬についても、他の医療についてみても日本は後進国に」、
「世界でよく使われている薬100のうち、米国で未承認の薬は1つだけ。
欧州では3つくらい。日本は、なんと38の薬が使えない」、
「がん治療で、日本では使えない薬、承認はされているが適応がとれていない
『適応外』の薬が4割ぐらいある。
日本のがん治療は、米国に比べ半分の薬で行われている」、
「がん患者などは、ハワイまで薬を買いに行く、韓国に行くという状況」…。
(3月3日インタビュー【急を要する臨床研究体制の改革】)

「先端医療開発特区」(スーパー特区)は、
日本の医療再生に大きな役割を果たせるだろうか。

http://scienceportal.jp/news/review/0811/0811201.html

「体育」を見直す(8)苦手を減らす新球技

(読売 11月27日)

運動が不得手な児童も、積極的に参加できるチーム球技がある。

静岡市立横内小学校の教室前の廊下には、
数百個のドッジボールが並んでいる。
児童一人ひとりの「マイボール」だ。

そのドッジボールを使う球技「ヨコウチセスト」は、4年生の授業。
アルゼンチン発祥のバスケットボールのような球技「セストボール」を、
同小が約20年前に導入、改良を重ねてきた。

板のないバスケットのゴールが両陣内の中央に一つずつ置かれ、
パスを回してゴールを目指す。

ゴールは360度、どこからでも狙える。
ドリブルは禁止だ。
ゴールは高さ2メートル30、直径70センチで、バスケットより75センチ低く、
25センチ大きいため、シュートが入りやすい。

ドッジボールを使うのは、バスケットボールより軽く、子供が扱い慣れているから。
本来は1チーム5人だが、一人ひとりの役割を増やそうと、
3年前から3人に減らしたり、3対2にしたりと工夫を始めた。

11月初旬の授業は、1チーム3人の男女混合で行われた。
全員がボールを捕ったり、空いているスペースに走り込んだり。
ボールに触れない児童はいない。
勝ったチームは、手をたたいて喜んだ。
「チームワークが一番大切。みんなで作戦を練り、うまくいったら楽しい」と
宮坊昌宗君(10)。

「バスケットだと、上手な子供がドリブルしてゴールを決め、
それだけで勝ててしまう。しかし、セストはパスを回さないと勝てない。
みんながボールに触れる」と授業を指導した高島慎吾教諭(42)が説明。

高島教諭のクラスでは、持久走がいつも最下位で、運動の苦手意識が強い
女児がセストのシュート数がチームで最多になったことがある。
これも、運動能力が向上したというより、自然にボールが回って来た結果。
人数を減らしたゲームを繰り返したことで、5人の試合でも、
一人ひとりの動きが格段に良くなるという効果も出た。

同小では、ほかの集団競技でも、運動の不得意な児童もゲームに
参加できるようルールを変えている。
例えば、サッカーではゴールが四つ。
運動能力の高い児童がドリブルでゴールに前進しても、
もう一つのゴール前の空いたスペースにチームメートを見つけるとパスを選択。
誰にでもボールが行き渡る仕組みだ。

こうした数々の新スポーツを生み出すのが、40年前からの同小の伝統。
球技だけでも、学年ごとに3種目程度、開発したスポーツがあり、
その変形を合わせると100種類近い球技を実践。

現在、中心的に教材開発している金森寛教諭(41)が、
「既存のスポーツは、難しすぎて小学生に合わない場合も多い。
成長に沿った授業をするには、自分たちで新種目を作らないと」と訴える。

10月末の同小の公開授業には、全国から130人以上が訪れた。
先進校の取り組みが広がりを見せようとしている。

◆体育好きの小学生増

ベネッセ教育研究開発センターの調査では、小学5年生約2500人のうち
「体育が好き」と答えたのは、1990年79.4%、96年80.9%、
2001年81.6%、06年84.9%と、年々増加。
「指導の重点が、技能を身につけさせることから、
楽しさを感じさせることに移っているからではないか」

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081127-OYT8T00188.htm

もっと知りたいエコロジー:“緑の線路”を実現した、鹿児島市の路面電車

(毎日 11月28日)

緑の芝生の上を低床の路面電車が走る。
まるでヨーロッパのようなこの風景は、鹿児島市で撮ったもの。
国内では、初の本格的な緑化軌道。
軌道敷緑化整備事業を担当する鹿児島市公園緑化課に話をうかがった。
緑化軌道が誕生したきっかけは、
2004年に九州新幹線が一部開業したこと。
鹿児島中央駅との乗り継ぎを向上させるため、
市電を駅前広場に引き込むことに。
駅前広場の植栽との一体感が得られるよう、
約140メートルの区間を緑化。
面積にすると、わずか220平方メートルに過ぎなかったが、
施工後の市民意識調査できわめて高い評価を受けた。
緑化した軌道敷は、車道と比べて11.5度も路面温度が低かった。
景観的にも、ヒートアイランド現象の緩和にも効果があることが認められ、
鹿児島中央駅~鹿児島駅までの施工へと話が膨らんだ。

軌道敷の緑化は、そう簡単なものではなかった。
緊急車両などが軌道敷内に侵入する場合もあり、
車に踏まれて芝生が擦り切れたり、緑化面がへこんだりしない必要がある。
日当たりのいいところがほとんどなので、保水性のある地盤にする必要も。

問題の解決に貢献したのが、鹿児島県の工業技術センターと民間が
共同開発した「シラス緑化基盤」。
鹿児島県に多く堆積しているシラス(火山噴出物)とセメントを
混ぜ合わせて成形した厚さ8センチ×30センチ角のブロックで、
保水性と通気性を兼ね備えている。
緊急車両などに踏まれても、ビクともしない。
新素材が生まれ、軌道敷緑化整備事業は06年度から本格的にスタート。
現在は、「シラス緑化基盤」を敷き詰め、地域の土と特殊な土壌改良材を
ブレンドした「軌道敷緑化専用客土」を入れ、その上に芝生を張る。
芝生は高麗芝を品種改良し、温暖な気候も相まって、冬でも緑を保つ。

道路延長約3400メートル、面積約12500平方メートルの緑化が完了。
年間に7回ほどの芝刈りや、雨が少ない時期の水まき、肥料の散布、
除草などの作業が必要だが、軌道敷を緑化した効果は多大。

表面温度の低下が挙げられる。
施工前後にほぼ同一条件下で、起軌道敷内と中央分離帯の表面温度を
比較した結果、緑化後には軌道敷内で17~18度、
中央分離帯で24度も温度が低下した。
騒音の低減でも顕著な効果が認められている。
軌道緑化と同時に、レールを交換したり、枕木を木からコンクリートに
変更したりするなど、軌道改良を行った地点では、
電車が通過する際の最大騒音レベルが、施工前よりも9デシベル下がった。
軌道から約20メートル離れていた地点で聞こえていた音が、
3メートルまで近づかないと聞こえなくなったことに相当。

ヒートアイランド現象の緩和や、騒音の低減に加え、
緑化された軌道敷は目に優しく美しい。
緑化軌道を見慣れた後に未施工区間を見たら、
まるで違う時代、違う都市のように思えたほど。
鹿児島市では、2012年度までに道路と併用している残りの区間、
約5・5キロを整備する計画。
全線完成後には、約8・9キロの “緑の線路”が誕生。
線路敷を緑地に変えた鹿児島市の取り組みは、
各地でわき上がっている路面電車の復活案を、

2008年11月30日日曜日

10年連続参加たたえる 笹川財団のチャレンジデー

(東海新報 11月23日)

毎年5月末の「チャレンジデー」に取り組んでいる陸前高田市は、
国内での主催団体である笹川スポーツ財団(小野清子会長)から
10年連続参加の表彰を受けた。

表彰式は市役所で行われ、同財団の渡邉一利常務理事と
佐藤紫朗業務部長の二人が訪問。
伊藤壽教育長と菊池満夫教育次長が同席する中、
中里長門市長がトロフィーと記念のネクタイを受け取った。

渡邉常務が、「チャレンジデーの取り組みは、毎年継続することに
意義があると思っています。今後も回数を重ね、20年連続参加を目指してください」
中里市長は、「市民の健康づくりのためにも頑張りたい」

今年の多度津町(香川県)との対戦で、同市が75・3%の参加率で
通算4回目の勝利を収めたことも話題となり、
渡邉常務は「この参加率は全国でもトップクラス」とたたえた。

佐藤部長からは、「来年は『高田同士』ということで、
大分県の豊後高田市との対戦はいかがですか」と勧められた
中里市長と伊藤教育長は、「対戦相手を指定して申請できるなら、
ぜひ検討してみたい」と乗り気の様子。

チャレンジデーは、毎年5月の最終水曜日に世界各国で行われているイベント。
ルールは、参加自治体や地域が午前零時から午後9時まで、
15分以上続けて運動した住民の割合を競い合う。
運動することで健康に対する意識を高め、
生涯スポーツの普及振興を図ろうというもの。

16回目を迎えた今年は、世界20カ国で実施。
国内では、109カ所(23市28町6村52地域)で、
国内総人口の1%にあたる121万2450人が参加。
陸前高田市は、平成11年から毎年参加。

http://www.tohkaishimpo.com/

県栽培漁業協会 タイヤチップボイラー導入燃費削減に“救世主”

(東海新報 11月22日)

大船渡市末崎町の県栽培漁業協会(大井誠治会長)は、
飼育施設用ボイラーの重油使用量抑制を目的に、
漁業用としては全国でも珍しいチップ状のタイヤを使った
ボイラー二基を導入することを決めた。

同協会は、アワビ稚貝やヒラメ、サケなどの稚魚を育成し、各漁協などに出荷。
現在は、重油ボイラーが魚類に3基、アワビに4基備えられ、
冬場を中心に加温して水槽内の海水温を上昇。
アワビの場合、親貝の採卵のため12月ごろから加温し、
最高で20度程度まで水温を高める。

ボイラー用には、年間で800~1100キロリットルの重油使用を見込む。
海水温が高かった19年度の使用量は800リットルを切り、
重油購入費も前年以下の5300万円に抑えたが、
それでも5年前の2倍以上の費用。

今年はさらに重油価格が急騰、4年前のほぼ2倍。
海水温が例年より1~2度低く推移し、冬期の重油使用量増が見込み。

かさむ燃料費が経営を圧迫する事態に、
「高騰分を出荷価格に上乗せして、漁協に負担してもらうわけにもいかない。
なんとかしなければとの思い」(川畑浩平総務部長)と、
約6100万円を投じて、タイヤチップを使ったボイラーの導入を決めた。

同ボイラーと重油式ボイラーを現在の燃料価格で比較した場合、
タイヤチップの燃焼効率を重油の8割として試算しても、
1基当たりの燃料費は年間約1200万円安くなる。

今回は、アワビと魚類用に各1基ずつの導入で、
12月中旬ごろから本格稼働できる見通し。
重油ボイラーの稼働を抑える補完用としてだが、燃料費削減へ期待は大きい。

ボイラーを販売した(株)工藤(八戸市)の工藤博常務は、
「タイヤをあぶり、出したガスを二次燃焼するので燃焼効率がいい。
ガスに最適な空気を混ぜて燃やす技術を取り入れ、黒煙なども出ず、
環境に優しい燃焼を行える」

タイヤチップを利用したボイラーは、県内でも老人福祉施設の入浴設備や
野菜のハウス栽培などに用いられ、漁業育成用では初。
全国でも珍しい導入例として注目を集めそう。

http://www.tohkaishimpo.com/

「体育」を見直す(7)痛くないバレーボール

(読売 11月26日)

軟らかい運動器具を使った痛くないスポーツが人気だ。

円周は約80センチ、重さは約100グラム。
普通のバレーボールよりもひと回り大きく、重さは半分以下。
東京都江戸川区立南葛西第三小学校で、
3年生のソフトバレーボールの授業は、歓声の連続だった。

担任の浅野一也教諭(48)の呼びかけで、6~7人ずつ6チームに
分かれた児童は、3面のバドミントンコートを使って一斉に試合を始める。
両手ですくいあげるようにして投げられたボールは、
ふわりと相手コートに運ばれる。

「ワンバウンドまではセーフ、何回で返しても大丈夫」という独自ルールもあり、
相手チームの児童はワンバウンドを待ち、
手のひらを使ってボールを上にあげる。
アタックに挑戦する児童もいるが、ボールは空気抵抗を受けながら
ゆっくりと相手コートに届く。
ラリーが続いた末に点が入ると、児童は「イェーイ」と叫んで万歳をした。

元々、地域のスポーツ少年団でもバレーボールを指導している浅野教諭。
「バレーボールのすそ野を広げたい」と、
現行の学習指導要領では中学校から扱うことになるバレーボールの前段として、
3年生でも楽しめるソフトバレーボールを授業に取り入れている。

新学習指導要領では、小学校3、4年生で取り組む「ネット型ゲーム」の
例として、ソフトバレーボールが挙がっており、
浅野教諭の取り組みは新指導要領を先取りした形にもなる。

「中学でいきなりバレーボールをやっても、上手な生徒だけが活躍したり、
ラリーが続かずに終わったりして、
『つまらない、バレーボールなんてやりたくない』と思わせてしまう」と浅野教諭。
それならば、小学校から「バレーボールは楽しい」と思わせることが大切。

楽しませるには、「怖くなく痛くないことが大原則」。
その点、ソフトバレーボールは軟らかいため、突き指をする心配もないし、
ボールに当たっても痛くない。

子供たちの感想も、「普通のバレーボールは顔に当たると怖そうだけど、
ソフトバレーボールは軟らかいから怖くない。眼鏡をかけていても大丈夫」と好評。

バレーボールのほかにも、「痛くない」運動用具は人気。
同小では、低学年クラスに軟らかいドッジボールが置かれている。
「硬いボールだった時は、好きな子だけが休み時間、運動場で遊んでいたが、
今は男女とも競ってボールを持っていく」と浅野教諭。

鉄棒には、鉄棒カバーを巻き付けている。
体が鉄棒に当たっても、痛くないように作られたもの。

同小では最近、階段を2段飛び降りただけで骨折した子供もいた。
「良い悪いではなく、今の子供は、
けがをしやすいということを理解してやっていくしかない」

子供に嫌な思いをさせないだけでなく、現実的な安全の確保という面でも、
軟らかい用具は重要な要素になっている。

◆ボールゲームの分類

小学校の現行の学習指導要領では、ボールゲームを
「バスケットボール型」、「サッカー型」、「ベースボール型」に分類、
新指導要領は「ゴール型」、「ネット型」、「ベースボール型」とした。
固有の種目ではなくゲームの型を学ぶことで、
将来、様々な競技に応用できる力を身につけさせるのが狙い。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081126-OYT8T00273.htm

岩手県立病院・診療センター、6カ所で無床化 来年度、計画案

(毎日 2008年11月18日)

県は、県立病院や06-08年に診療所化した地域診療センター6カ所で、
入院施設を廃止する無床化を柱にした「新しい経営計画」案を明らかに。
年間病床利用率が70%を割り込むなど、経営が厳しい施設で機能を
縮小・集約化し経営改善を図る。
併せて、市町村立病院に無床化などの検討を求める
公立病院改革推進指針案も公表。

これまで、公立病院等改革検討委員会(委員長・斎藤俊明県立大教授)などで
検討してきたが、いずれも議論は非公開。

突然の縮小案に、地元の反発は必至だ。
県医療局、保健福祉部が、県議会に明らかにした。
パブリックコメントを行った後、来年1-2月に新経営計画や指針を策定。
来年度からの実施を予定。

計画案によると、沼宮内病院は10年に、
紫波、大迫、花泉、住田、九戸の各地域診療センターは09年に無床化。
空き病床が多い基幹病院などでも、病床を削減。
県内全体で396床を減らし、5155床にする。

県議からは、「診療所化に際し、医師3人体制を守ると約束したはず」
といった批判が相次いだ。
達増拓也知事は、「診療所の夜勤が勤務医の負担になっている。
集約化で負担を減らせる」と説明。
「岩手の医療は危機的状況だ」と理解を求めた。

県立病院を巡っては、患者数の減少や診療報酬引き下げの影響で
06、07年度に10億円前後の赤字を計上。
07年度は経常収支比率98・8%、病床利用率79・1%まで減少。
医療局は、新計画によって13年度には、経常収支比率は101・6%、
病床利用率は84・1%まで回復すると試算。

指針では、病床利用率が低いなどとして、
国保西根(八幡平市)、国保沢内(西和賀町)、国保種市(洋野町)の
3病院で病床削減を検討するよう求めたほか、
累積欠損金が増大している奥州市総合水沢病院についても
「過剰となっている機能の見直し」などが必要。
……………………………………………………………………………
◇病床を削減する県立病院・地域診療センター◇
        現在 削減数 削減後
沼宮内※    60  60   0
紫波※     19  19   0
中部(仮称) 452  18 434
遠野     221  29 192
大迫※     19  19   0
千厩     194  40 154
花泉※     19  19   0
大船渡    489  30 459
高田      70  13  57
住田※     19  19   0
宮古     387  53 334
久慈     342  42 300
二戸     300  16 284
九戸※     19  19   0
 ※は無床診療所化される施設

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=83119