2008年12月6日土曜日

ガラガラヘビ毒から「強力」鎮痛物質 富山大

(朝日 2008年11月30日)

南米産のガラガラヘビの毒から、モルヒネの数百倍の鎮痛作用がある
物質を抽出して合成することに、富山大和漢医薬学総合研究所の
紺野勝弘准教授らが成功。

ラットの実験では、効果が3日以上持続し、飲み薬の麻酔に使える可能性がある。
共同研究する製薬会社を探し、新薬の開発をめざす。

ブラジルに生息するガラガラヘビは、
運動神経をまひさせる猛毒で知られるが、
かまれても激しい痛みを感じない。
ブラジルでは30年代に、毒を薄めて痛み止め薬として市販。
紺野さんは、世界的な毒蛇の研究機関として知られる
ブラジルのブタンタン研究所や富山大で、ガラガラヘビの毒を分析。
チームで、アミノ酸が14個つながった化合物が鎮痛物質と突き止めた。

鎮痛効果を確かめるため、ラットの脚に重さをかけ、
どれぐらい我慢できるか調べた。
この物質を飲んだ群は飲まない群に比べ、ほぼ倍の重さの痛みに耐える。
その効果は、1回、飲ませただけで3~5日続いた。
モルヒネで同じ効果を出すには、その数百倍の量が必要。

モルヒネは、使う量を増やさないと効き目が悪くなることがある。
一方、このヘビの毒は量を増やさなくても同じ効果が続いた。
紺野さんは、「飲み薬として使えれば、普及する可能性がある。
痛みを抑える仕組みを解明して、薬作りにつなげたい」

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