(毎日 11月30日)
新しい知識や経験を得ない単調な生活を続けると、
老化による物忘れが進む可能性があることを、
理化学研究所のチームがマウスを使った実験で明らかにした。
好奇心旺盛な高齢者は、認知症になりにくいとされるが、裏付けられた形。
老化に伴って記憶が失われる物忘れは、
「タウたんぱく質」と呼ばれる物質が脳の神経細胞に蓄積することが原因。
理研脳科学総合研究センターの木村哲也・専門職研究員らは、
タウたんぱく質の蓄積を促す酵素に着目。
これを持たないマウスを迷路などに挑戦させ、行動を観察。
このマウスは、酵素を持たなくても道順を覚えたが、
何度も試すうちに忘れてしまった。
この酵素は、新しいことを覚えるプロセスでは働かないものの、
いったん固定した記憶を繰り返し使いながら再固定するのに欠かせない。
この酵素が働きすぎると、タウたんぱく質の蓄積が進んでしまうが、
新しい記憶を獲得することで酵素の働きを適度に抑えれば、
記憶を保ったまま脳の老化を防ぐことができる。
木村さんは、「老化がきっかけになるアルツハイマー病の発症も
遅らせられるのでは」
米オンライン科学誌「プロス・ワン」に発表。
http://mainichi.jp/select/science/news/20081130ddm016040012000c.html
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