2009年9月12日土曜日

女性の仕事の選択にテストステロンが関与?

(2009年9月2日 WebMD)

女性において、テストステロン濃度は仕事の選択に
影響を及ぼす可能性がある。

シカゴ大学のMBAコースの学生約500名を対象に、
テストステロン濃度を調べ、コンピューターゲームを用いて
学生らの金融リスクに対する回避度を測定。
『Proceedings of the National Academy of Sciences』に掲載。

学生らは、このゲームで、定額の現金を受け取るか、
運に任せて投資をするか、のいずれかを選択。
学生らは、何度もこの選択を繰り返した。
リスク回避度が最も低い学生たちは、
運試しを選択する回数が最も多かった。

女性被験者のみを見ると、テストステロン高濃度と
低いリスク回避度との間に、有意な相関関係が認められた。
男性被験者では、この相関関係は有意ではない。

2年後、これらの学生が実社会に入ったとき、
「テストステロン濃度が高く、リスク回避度が低かった学生は
金融業界でリスクの高い仕事を選択する傾向」

「これらの学生の多くは、金融業界の中心を担っていく人たちで、
テストステロンが実際に金融市場でリスクを負う行為に
いかに影響を及ぼし得るか、強く示唆」

シカゴ大学ブースビジネススクールの
Robert McCormick ProfessorであるLuigi Zingales氏。
「この研究から、仕事の選択における性差についても、
手がかりが得られる可能性がある。
今後の研究により、テストステロンが脳に作用する機序を
さらに探る必要がある」

gender-and-career-is-testosterone-a-factor

http://www.m3.com/news/SPECIALTY/2009/9/2/106875/

勤務医「うつ」12人に1人 休日「月4日以下」46% 医師会調査

(2009年9月5日 毎日新聞社)

日本医師会は、勤務医1万人を対象にした健康に関する
アンケートで、勤務医の12人に1人が精神面の支援を要する
「うつ状態」にあるとの分析結果。

休日や睡眠時間の少なさに加え、患者からのクレームなどの
矢面に立たされることへのストレスが大きいとして、
医療機関に医療事故や患者とのトラブルでは
組織的な対応を取るよう求めていく。

過酷な勤務実態を受けて、医師の健康面に特化した
大規模な調査は初めて。
今年2-3月、男性勤務医8000人、女性勤務医2000人に
調査票を送り、3879人から回答を得た。

最近1カ月の休日は、46%が4日以下で、9%は「なし」。
睡眠時間は、6時間未満が41%、20代では63%。
当直は、45%が一度もなかった一方、10%は1カ月で6回以上。

患者対応では、46%が「半年以内に患者ら家族から
不当なクレームを受けたことがある」と答えた。

勤務医のメンタルヘルスについて、
「死や自殺を考えた」、「自分を責めがち」など
約30項目の質問の答えを点数化し、
8・7%が「メンタルサポートの必要がある」と判定、
若い世代ほど割合が高かった。

調査結果を受け、日医は近く、業務の効率化や院内暴力防止策など
促す冊子を作成して病院団体などに配布する。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/9/7/107096/

活性化へ若手僧侶の力 花巻・大迫で12日にライブ

(岩手日報 9月11日)

花巻市大迫町内の寺の若手僧侶6人は、
地域活性化を目指す組織「心の活性化実行委員会」を立ち上げた。

活動第1弾として12日、全国の寺社などでライブ活動を行っている
歌手明川哲也さんとギタリストMITSU(ミツ)さんを、
市大迫交流活性化センターに招き、コンサートを開く。

暗い世相の中でこそ、住民のよりどころとなってきた寺本来の役割を
見直してもらい、誰もが心豊かになれるまちづくりを目指す。

同実行委は、大迫町内6寺院の住職や副住職をメンバーに、
8月下旬に発足。
妙琳寺副住職の衣更着潤さん(46)を委員長に、
ライブの打ち合わせを重ねている。

明川さんは90年代、「ドリアン助川」として、
ラジオのパーソナリティーを務め、多くの若者の人生相談を
受けたことで有名。
現在は、MITSUさんとのデュオ「アルルカン洋菓子店」として、
全国を巡り、ブルースやフォークを土台とした熱い歌と語りで、
老若男女から支持されている。

実行委員で宗通寺副住職の丸田善融さん(30)が、
2人の活動を知り、大迫公演を依頼。
地元の青年部有志らも運営に協力し、丸田さんは、
「こんなに活動の輪が広がって、ライブまで実現する」と感謝。

大迫町は、室町時代から約500年の歴史を持つ妙琳寺をはじめ、
寺町としての歴史は古い。
最近は、寺の存在感が希薄となり、悩み相談などで
若者らが気軽に寺を訪れることはほとんどなくなった。
雇用不安や医療福祉問題、過疎化など、住民の不安は増している。

同実行委は、今後も住民が広く集まれる催しを検討。
衣更着さんは、「住民の不安を親身に聞いてあげるのも寺の役割。
活動を通して、少しでも寺に身近なイメージを持ってほしい」

ライブは、午後2時開演。入場料は大人千円、高校生以下無料。
チケットは、花巻市大迫町の賑わいステーション大迫で販売中。
当日も、コンサート会場で前売りと同じ値段で販売。
問い合わせは、同ステーション(0198・48・3478)。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20090911_15

笑顔咲く活動の場 盛岡に高次脳機能障害者のカフェ

(岩手日報 9月1日)

NPO法人いわて脳外傷友の会イーハトーヴ
(堀間幸子代表、会員43人)が、
高次脳機能障害者のために設けた活動の場
「チャレンジド・カフェ」が好評。

当事者の日中の居場所づくりを望んでいた家族の声に応えた。
利用者は、明るい雰囲気の中で月-金曜日の週5回、
木工や菓子作り、園芸、障害の特性に合わせたトレーニングなど、
生き生きと取り組んでいる。

「つるつるになるように磨いてね。角は少し丸くなるように」
盛岡市羽場にある事務所で、同会副代表の高山瞳さん(48)が
木製フクロウのヤスリの掛け方を教えると、
利用者の堀間真さん(34)は、「これって雄?雌?」。
その場に笑いが広がった。

同会が実施した会員へのアンケートによると、
当事者の平均年齢は36歳。7割以上が家族と同居。
8割近くが、「当事者の日中活動の場がほしい」、
「生活訓練をさせ、社会のルールを勉強させたい」などと
望んでいたことから、6月にチャレンジド・カフェを始めた。

当事者の親である会員らが、それぞれの得意分野を指導。
新しいことを覚えられない、忘れっぽい、などの
障害特性に合わせた「認知トレーニング」も実施、
川村美智子指導員の専門的な指導で、
簡単な計算や漢字問題に取り組み、脳を活性化。

現在は9人が登録、通院や体調に合わせて自由に通う。
浅沼賢昭さん(31)は、「笑いが絶えない。楽しいからここに来る」
吉田卓也さん(43)は、「認知トレーニングをすると、
自分でも忘れていることが多いことに気付き、役立っている」
浅沼大介さん(32)は、「木工は得意ではない。
できたものを販売する方が向いているかもしれない」と、
商品づくりに励む。

堀間代表は、「毎日決まった時間に出掛ける場所があることは
当事者にとって大切。
現在は利用料をもらっているが、いずれは働いた分を
工賃として払えるようになればいい」

登録料は、会員が3千円、会員以外が5千円。
利用は1回500円で、10回以上の利用でも最大5千円。
問い合わせはイーハトーヴ(019・639・4177)へ。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20090901_10

2009年9月11日金曜日

脂肪組織の老化で糖尿病に マウス実験で確認

(朝日 2009年9月1日)

糖尿病の発病に、脂肪組織の老化が関係していることを、
千葉大などのグループがマウスの実験で確かめた。

脂肪組織の老化を抑えることが、
糖尿病の新たな治療法開発につながることを示した成果、
米医学誌ネイチャーメディシン電子版に掲載。

千葉大医学部循環器内科(小室一成教授)の南野徹助教らは、
遺伝子操作で老化しやすくしたマウスを研究している中で、
このマウスに糖尿病が目立つことに気づいた。

このマウスに高脂肪のエサを与えると、通常のマウスに比べ、
インスリンが効きにくくなって血糖値が上昇することが判明。
脂肪組織を調べると、細胞の老化を示す酵素が増え、
脂肪組織の老化が進んでいた。

老化した脂肪組織を摘出すると、このマウスは
インスリンが効きやすくなった。
正常なマウスにこの脂肪組織を移植すると、
インスリンが効きにくくなり、老化した脂肪組織が
糖尿病の引き金になっていることがわかった。

マウスの老化した脂肪組織では、炎症を引き起こす分子量が増え、
p53という遺伝子の活性が高まっていた。

活性化すると、細胞の老化につながることで知られている。
糖尿病になりやすく改変されたマウスでも、同様の変化が認められ、
遺伝子操作でこのマウスの脂肪組織のp53を働かなくさせて
老化を阻害したところ、インスリンの効きが改善。
p53を過剰に働かせると、インスリンの効きが悪くなった。

p53の活性化による脂肪組織の老化が、
糖尿病を引き起こしていることが明らか。

糖尿病の患者の内臓脂肪でも、老化を示す酵素の増加など
同様の現象が認められ、小室教授は、
「人の糖尿病でも、脂肪組織の老化との関係が考えられる。
糖尿病を、脂肪組織の老化を抑えるという観点で研究を進めれば、
新たな治療薬の開発につながるかもしれない」

http://www.asahi.com/science/update/0901/TKY200909010148.html

世界最高齢?のTwitterユーザーは104歳の英おばあちゃん

(CNN 9月8日)

数行のつぶやきを投稿できる人気の一言ブログサービス
「Twitter」で、世界最高齢ユーザーと見られるのが、
104歳の英国在住のアイビー・ビーンさん。
彼女のつぶやきを追い掛ける登録フォロワーは
すでに、世界で2万7000人を超えている。

英国ブラッドフォードの老人施設で暮らすビーンさんは、
毎日が忙しい。
Twitterを更新し、老人施設のフリスビー大会では
75歳以上の部門で優勝。
自室では、人気ゲーム機Wiiでボウリングを楽しむ。
世界各地から取材や問い合わせがあり、友人も多い。
ある時、一人娘のサンドラ・ローガンさん(61)が訪問した際、
イスラエルからの電話で話し中だった。

ビーンさんは、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の
フェイスブックも利用、約5000人の知り合いがいる。
フェイスブックよりも簡単だとして、今はTwitterの利用が中心。
「フェイスブックと違って、投稿するだけでいいから楽」

ビーンさんは兄弟4人、姉妹3人の大家族の中で育ったが、
全員が亡くなっている。
第二次世界大戦中、40歳を目前にして陸軍のコックだった
ハロルド・ギブソン・ビーンさんと結婚。
終戦後、ある貴族夫妻の家で、夫婦で住み込みの職を見つけた。
ビーンさんがメイド、ハロルド・ギブソンさんがコックと執事を担当。
1947年、サンドラさんを授かった。

ビーンさんが元気なのは、若い頃は体操選手だったためとも
考えられるが、暮らしている老人施設が入居者に対し、
様々な活動を奨励していることも大きい。

ある入居者は、写真を勉強したいということで週に1回、
地域大学の講座を受講。
息子がスペインにいるという入居者には、パスポートの取得を支援、
海外旅行の手続きを手伝う。
最近では、近くの大学と共同でクイズ大会を開催、
施設を訪問した大学生と対戦した。
テーマは歴史で、施設に入居する老人の勝利に終わった。
同施設のマネジャーは、編み物などとは違う、何か別のことに
熱中してもらいたいと話している。

ビーンさんに、ネットで人気のご自身について、
友人はどう思っているかとたずねると、
「焼き餅やいてるんじゃないかしら」と、冗談めかして笑った。

目指せ、ホウ・レン・ソウの達人

(日経 9月2日)

報告・連絡・相談は、「ホウレンソウ」とも呼ばれ、
ビジネスパーソンにとって基本動作の1つ。

具体的にどうすれば、うまくこなせるのか、
知らない人も意外に多いのでは。
ホウレンソウの達人になる秘訣を、
ヒューマン・クリエイト・コンサルティング所長の山口真一さんの話。

◆報告編)事前に整理、まず結論を

《ケース(1)》
若手社員Aさんは、自分のミスで取引先に損をさせてしまった。
なかなか言い出せずに、上司に報告したのは1週間後。
内容も要領を得ず、上司の怒りは増すばかり。

報告で一番大事なのはスピード。
指示された仕事が終了すれば、すぐに直接、上司に伝えるのが鉄則。
誰でもトラブルの報告をするときは気が重いが、
悪いニュースほど迅速に連絡し、指示を仰ぐことが不可欠。
緊急事態なので、時間や場所、手段を選んではいけない。
多忙な上司が報告内容をすぐに把握できるよう、
伝える内容を事前に頭の中で整理しておく作業も必要。

話すポイントをまとめるとき、「5W2H」を意識。
必ず結論から先に話し、理由や経過は尋ねられてから述べる。
自分がミスを犯したとしても、報告の仕方によっては
上司からの評価が高まる場合も。
事実関係にとどまらず、どう対処すべきかについて
自分の考えも盛り込むようにしておくとよい。
業務に関係する情報を入手した場合、全部報告する。

注意すべきなのが、事実と自分の推論を明確に区別。
自分で気づいたことや判断を区別した上で報告に加えることは、
情報の価値を向上させる。
常に発案する積極性は持っておきたい。

◆連絡編)関係者に漏れなく、相手に伝わる工夫を

《ケース(2)》
社内会議で決まった内容を、文書にした若手社員Bさん。
関係する部署の担当者に連絡するため、電子メールで送信。
伝わっているはずと思ったBさんだが、担当者と話してみると、
メールを読んでいないことに気がついた。
文書を一斉に送信できる電子メールは、連絡の手段としては
非常に便利だが、大きな落とし穴も。
相手が実際に読んだのかを確認できない。
伝えたつもりになっても、実は伝わっていないことが往々に。

こうした事態を防ぐには、面倒でもメールを送った後、
相手に電話を1本入れておくとよい。
こうしたフォローが連絡を確実にする。

連絡上手になるには、関係者に漏れなく、
素早く伝えることを心がけよう。
相手に応じて、連絡の仕方を工夫するのも重要。
同じ部署の同僚や上司であれば、関係者全員に伝わりやすいよう、
伝言板を使うのがよい。
外出時には数時間おきに電話をかけ、社内にいる人に
いつごろ戻るのかを記入してもらう。

顧客や取引先に電話連絡する際、相手の都合を考え、
「いまよろしいですか」と断ってから、平易な表現で分かりやすく
内容を伝えることが肝要。

後でトラブルにならないようにするため、
連絡した証拠はメモなどの形で確実に残しておく。
場合によっては、最初の連絡から約束の日時まで
日数が空くこともある。
その場合、必ず数日前に再度、フォローの連絡をして確認。

◆相談編)解決策準備、時機を見て

《ケース(3)》
取引先への営業で、何から説明したらよいのか分からなくなったCさん。
上司にヒントやアドバイスをもらおうと相談に行ったら、
「君はどうすべきだと思うの」と切り返された。
Cさんが返答に困っていると、上司に「まず、自分で考えろ」と一喝。

相談したいと思うのは、仕事に真剣に向き合っている証拠。
上司や先輩が持っているノウハウをどんどん吸収しようとする姿勢は
常に持っておきたい。
だからといって、困ったら何でもすぐに駆け込むのは考え物。
上司も忙しいので、Cさんのように追い返されてしまうのがオチ。

まず、自分で資料やデータをそろえて解決策を考える。
そのうえで相談に行けば、相手もアドバイスしやすくなるし、
自分の解決策のどこに問題があったのかも気づきやすくなる。
相談が、スキルアップのチャンスになりうる。

ここで注意するのが、相談を持ちかけるタイミング。
自分より忙しい可能性が高い上司や先輩に相談するのだから、
相手の都合や機嫌にも配慮して行動するのは当然。
いくら自分よりも人生経験が豊富な上司や先輩といっても、
プライベートな相談はタブー。
あくまでも、仕事上の相談とプライベートな相談は
明確に線引きすべき。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/bizskill/biz090902.html

豪からスキー誘客 県が本年度新事業

(岩手日報 9月1日)

県は本年度、オーストラリアからの観光客増加を目指し、
受け入れ態勢を整備。
オーストラリアの旅行会社を招いて県内視察を行うほか、
通訳が可能な人材を新たに雇用し、八幡平市・安比高原に
観光客や旅行会社からの問い合わせ窓口を設置。
外国人観光客増加による地域経済の活性化と雇用創出を狙う。

県観光課によると、厚生労働省のふるさと雇用再生特別基金
約2650万円を活用、「豪州観光客受け入れ態勢整備事業」を実施。
オーストラリアからのスキー客をターゲット。

八幡平市の安比高原(絹田辰雄社長)を事業委託先とし、
海外の旅行会社や観光客からの県内スキー情報や観光情報の
問い合わせ窓口を、安比高原施設内に新設。
県内の公共職業安定所などを通じて、通訳ができる人材を
10月から3人採用し、業務を行う。

冬季、オーストラリアの旅行会社の県内視察も予定。
約1~2週間、県内のスキー場や観光地を巡り見どころを紹介、
受け入れ態勢整備のための助言を受ける。

県観光課の藤田徹総括課長は、
「岩手の外国人観光客は、台湾をはじめとするアジアが大半。
スキーを契機とした新たな市場を開拓し、
環境を整えて観光客の増加を図りたい」と期待。

オーストラリアでは、スキーを目的とした日本への旅行が
近年注目を集め、北海道や長野県のスキー場などが人気。

安比高原の大畠孝志営業本部長は、
「オーストラリア人は長期滞在の傾向があり、波及効果も高い。
受け入れ態勢を整え、安心感のあるおもてなしで、
他県に負けない環境づくりに取り組みたい

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20090901_11

2009年9月10日木曜日

寝る子は育つ、成績も 睡眠中も脳は学習、米大が実証

(朝日 2009年8月27日)

成績を上げるためにはよく寝ること――。
そんな教訓が得られそうな実験結果を、
渡辺武郎・米ボストン大教授らのグループが発表。

学習中に活動する脳の領域が、睡眠中にも活動しており、
その活動が活発なほど学習効果が高い傾向があることを、
機能的磁気共鳴画像(fMRI)で、脳の活動の様子を調べて確認。
米専門誌に発表した。

学習後に寝るほうが学習効果が高まる、といわれているが、
その仕組みはよくわかっていない。
グループは、7人の被験者に、
複雑な画像を素早く識別する訓練をしてもらった。

訓練中は、脳の視覚情報を処理する特定の場所が活動する。
学習した後、fMRIの中で寝てもらったところ、
その場所が活発に活動することがわかった。

寝ないで同じ訓練をすると、識別の正答率は上がらなかったが、
寝た後は正答率が上がった。
睡眠中の活動が活発な人ほど、睡眠後の正答率が上がる
傾向があることも明らかに。

睡眠中に学習した脳活動を繰り返して、
脳の中に学習内容を「固定」していると推定。

「睡眠によって、疲れがとれるから学習効果が高まるように見える
という考えもあったが、脳が活動して、
学習を固定化していることがわかった」

http://www.asahi.com/science/update/0826/OSK200908260030.html

会議もっと活性化 司会はコーチ役

(日経 8月26日)

◆ひらの・けいこ
国際コーチ連盟マスター認定コーチ。
1997年からコーチ・トゥエンティワンに勤務、
数多くのコーチ育成に携わる。
総合情報サイト「オールアバウト」でコーチングに関する記事。
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いつも決まった人ばかりが発言する、
何も決まらないまま延々と続く——。
会議といえば、こうしたイメージを持つビジネスパーソンは
多いのではないだろうか。

コーチ・トゥエンティワンの平野圭子ディレクターに、
コーチングのスキルを使って、会議を活性化する方法について。

人件費の7~15%は、会議に費やされているとの調査結果。
社内メールなどのコミュニケーションツールが発達したとはいえ、
込み入った情報伝達や意思疎通に会議は欠かせない。
それが、コストに見合った成果を出しているかといえば、
そうとは限らない。

会議を有益な場に変えるには、どうすればよいのかは、
ビジネスパーソンにとって重要な課題。
「相手の自発性を促し、目標を達成させる」コーチングのスキルを、
会議の場で効果的に応用することで、会議を活性化し、
価値ある場に変える方法を紹介。

◆ダラダラしない 数値化したゴール明言

会議のファシリテーター(司会役や主催者)が最初に確認しておくこと
(1)時間通りに始める
(2)ファシリテーターの役割を参加者に説明する
(3)参加者に、会議にどのように臨んで欲しいのかを伝える
(4)参加者同士の自己紹介を促す
(5)会議の目的と目標を確認する
(6)会議終了後のアウトプットイメージを参加者で共有する
(7)会議の進め方を確認する

コーチングは、馬車を意味する「コーチ」を語源。
相手を目的地まで送り届けるという意味。

会議でよくありがちなのは、結論が出ずに、だらだらと続くこと。
会議の主催者や司会者(ファシリテーター)は、
最初に会議の目的地(ゴール)を明確に。

会議が終了したとき、達成したいことを明言しておくと効果的。
「新商品の発売日を決める」、「企画案を20個出す」、
「各部署の課題を5つ具体化する」など、できれば数値化。

ホワイトボードなどに書けば、途中で脇道にそれたとしても、
すぐに戻りやすくなる。

◆自由な発言促す 強み引き出す質問用意

時折、会議が特定の人の独演会になり、
残りの参加者は聞いているだけという状況に陥る場合も。
会議は、一方通行のコミュニケーションで終わってしまう。

参加者同士の双方向のコミュニケーションを引き起こすには、
司会者の質問スキルが決め手。
「今の話を、他の視点から見たらどうだろう」、
「このことについて君はどう思う」など、他の人の意見を引き出す
質問を、いくつか用意しておくとよい。

参加者が自由に発言したり、活発に意見を交わしたりするには、
「安心感」があることが大前提。

これを促すには、コーチングにおける「承認のスキル」が有効
発言者の内容を引用するとき、「○○さんが言ったように」と
名前を付け加えたり、会議の最後に一言ずつ感想を言いながら、
お互いにどのように影響し合ったかを話したりすると、
参加者の万能感が増す。
「自分は会議に貢献できた」という気持ちにさせる。

次回同じメンバーで会議するとき、前回以上に互いに
会議に貢献するようになり、積極的に発言するようになる。

人にはそれぞれ強みがある。
会議のファシリテーターは、参加している人の特性を事前に把握し、
その人が持っているリソースの有効活用を意識すると、
会議は豊かな場に。

ブレーンストーミングのコツ
(1)ブレーンストーミングとは「グループシンキング」である
(2)どんなアイデアでも絶対に否定しない
(3)ばかげたアイデアほど新しい可能性を広げる
(4)アイデアは良しあしを選別せず、すべて記録する
(5)質より量、1人で考えるより大量のアイデアを出すことを目標に

ユニークな発想を持っていたり、アイデアが豊富だったりする人には、
ブレーンストーミングの会議で口火を切ってもらう、
冷静で分析的な人には、意思決定の会議など判断材料を提供してもらう、
話をよく聞いて気持ちを理解する人には、問題解決の会議など
コーディネーター的な役割を担ってもらうなど、
それぞれの強みを会議で生かしてもらう。

ミーティングの目的を特定するのも効果的。
参加者同士の結束をはかるチームミーティング、
特定のナレッジを共有するフォーカスグループ、
プロジェクトの進ちょく状況を確認するミーティング、
1対1の対面ミーティング、
報告を目的としたリポートミーティングなど、
目的別に開催するとムダが少なくなる。

決定した事項が実行されるかどうかが、
会議の最終的な成功のカギ。
(1)途中経過を確認する電話会議などの回数を決める、
(2)メールで情報共有するフォーマットを決める、
(3)目標を達成するまでの会議の日程を決めておく——
といったフォロー体制を決めておくと、
会議で決めたことを実行しようとする気持ちを維持。
目標達成までの責任を共有できる仕組みを作ると、より効果的。

会議を運営するファシリテーターは、会議におけるコーチ役。
会議の目標を明確にする、参加者のリソースを引き出す、
具体化するために質問をする、安心感を作り出す場を提供するなど。
これは、まさにコーチング。

最初に決めた目標達成をミッションとしたコーチ役を担うことを
意識すれば、会議は方向性と戦略性を持った有益な場に。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/bizskill/biz090826.html

理科系政権が未来を開く?

(日経 2009-09-04)

民主党の鳩山由紀夫代表は、米スタンフォード大学で
工学博士号を取得、菅直人代表代行は東京工業大学卒。
政権中枢で、理科系出身者が活躍する日本では
珍しい時代を迎える。

科学技術分野で打ち出す民主党の政策内容は
まだはっきりしないが、この分野の強化・振興を怠れば、
日本の未来は危うい。
新政権には、研究開発の現場を元気にする施策を期待。

鳩山代表は、東京大学工学部を卒業後、
スタンフォード大で経営工学を専攻。
帰国し、東工大助手と専修大学助教授を務めた。

菅代表代行は、東工大理学部応用物理学科を卒業、弁理士。
科学技術について理解のある政治家といえ、
日本のこの分野の状況も把握。

2人の意向がどれだけ反映されるのかは不透明だし、
民主党を中心とする新政権が考える科学技術政策については、
流動的な要素が多い。
科学技術の振興を否定的にとらえることはなさそうだが、
その進め方が大きな焦点になることは間違いない。

中長期的には、関係府省が設置している審議会と
傘下の独立行政法人によって確立、
政策立案と実務推進の体制が大きく変わることが予想。

独法のあり方は、大きな議論を呼ぶ。
政官が一体になって認めた産業界の意向を反映した
大型プロジェクト予算や、各地域に新しい施設を建設する
箱物中心の事業などは、見直しを迫られる。

新政権の出方を警戒した動きも既に出ている。
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトと
連動して、九州大学内に設置した水素ステーションの開所式を、
開催する予定だったが、急きょ延期。
政権交代が決まった直後、にぎやかなイベントは自粛した方がよい
という判断が働いたもよう。

2011年度から始まる第4期科学技術基本計画の策定作業にも
影響が出るだろう。
現在まさに官僚が中心になり、第3期の中間評価と次期計画に
盛り込む内容の検討が本格化。
この作業に政党がどこまでかかわってくるのか、
今後の民主党の政策運営を見極めるよい事例に。

当面の注目課題では、緊急経済対策の一環として
補正予算に組み込まれた研究開発支援策が俎上に載る可能性。

特に、2700億円基金で世界トップ級の研究者を厚く助成する
「最先端研究開発プログラム」や、
695億円で各都道府県に産学官連携拠点を整備する事業は、
凍結あるいは仕切り直しといった事態を迎えるかも。

短時間で応募資料を作り、審査委員に説明した研究者には
気の毒だが、歴史的な衆院選のあおりと冷静に受け止め、
次の助成事業に生かしてもらいたい。

もう1つ注目したい項目に、民主党政権が日本の研究システムに
どこまで手を加えるか。

最近の科学技術政策は、行政が望ましい分野を掲げる
トップダウン型の傾向が強い。
意に背いた研究者には、研究費を出さなくした事例も、
たんぱく質の構造解析事業などで見られた。
研究者個人の発意を尊重した研究体制を敷けるかどうかは、
新しい科学技術を開拓していくうえでも重要。

それを推進するために、必要な資金の量と分配方法、
支援先の選抜とその成果の評価方法や手順、
薄いとされるトップ研究人材の育成など、
長く改善が必要とされてきた課題は多い。

世界が科学技術の強化を競う時代に突入し、
日本の勢いをそぐ施策を打ち出すようなことになれば、
取り返しのつかない傷を残しかねない。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/techno/tec090903.html

元Jリーガーら授業 遠野でJFAの教室始動

(岩手日報 9月2日)

サッカーのまち・遠野市で、日本サッカー協会(JFA)主催の
「JFAこころのプロジェクト夢の教室」が始まった。
同市を訪れたJFAの川淵三郎名誉会長が、市と協定を締結。
遠野北小(中浜艶子校長、児童388人)で、
元Jリーガーらが教壇に立ち、夢や目標を持つことの大切さを伝えた。

調印式は、同市新町のあえりあ遠野で行われ、
川淵名誉会長と本田敏秋市長が協定書に署名、握手を交わした。
川淵名誉会長は、「遠野のわらすっこの夢、希望を育てるという
期待に沿って事業を進めていきたい」とあいさつ。

元Jリーガーの安永聡太郎さん(33)、
元サッカー女子日本代表の川上直子さん(31)が、遠野北小を訪問。
体育館で「だるまさんがころんだ」などのミニゲームで
6年生と体を動かし、チームプレーの大切さなどを伝えた。
後半は、安永さんが「夢」をテーマに体験談を語った。

「やっちゃん」と名乗り、和やかな雰囲気で講演した安永さんは、
小学4年から一日も休まずに練習に打ち込み、
Jリーガーという夢をかなえる過程と、プロ入り後に味わう
挫折などを交えて話した。

授業を受けた菊池奨梧君は、
「プロのサッカー選手になって、やっちゃんよりうまくなりたい」、
沖舘芙実さんは、「医者になって、みんなの病気を治したい」と
それぞれの夢を広げた。

安永さんは、「できるまであきらめずに続ければ、何でもできる。
せっかく出会った仲間を大切に、つらいことも楽しいと思える
一歩を踏み出してほしい」と呼び掛けた。

2日は小友、達曽部の2校で実施。
今後は、市内全11小学校で行われる。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20090902_4

2009年9月9日水曜日

流されやすい人は、右脳の働きが弱いようだ

(読売 9月2日)

常識や雰囲気に流されやすい人は、論理的に考える際、
活発になる右脳の部位の働きが弱いことが、
慶応大の辻井岳雄准教授(認知神経科学)らの研究で分かった。
米誌に発表する。

研究チームは、大学生ら48人を対象、
「鯨は哺乳類。哺乳類は歩ける。よって鯨は歩ける」のように、
常識ではありえないが、三段論法では正解となる問題を50問出題。
同時に、右脳前部の「下前頭回」と呼ばれる論理的思考を
つかさどる部位の働きを調べた。

その結果、三段論法の問題の正答率が高いほど
下前頭回の働きが強い傾向があり、
100点だった人は、20点ほどの人に比べ、
下前頭回が4倍近く活発に働いていた。

研究チームは「下前頭回の活動の弱い人は、論理的な思考より、
常識や雰囲気に流されやすい傾向がある」と分析。

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20090901-OYT1T00708.htm

話し方で印象アップ 表情豊かにしっかり発声 相手の言い分否定は×

(日経 8月26日)

電子メール全盛の時代だが、取引先との商談や社内の会議など
「フェース・トゥー・フェース」のコミュニケーションは今も欠かせない。
内容は立派でも、話し方が下手なために、
相手に悪い印象を与えるようではもったいない。
どのような話し方をすれば、印象が良くなるのか?

「話し方は訓練で変えられる」
インターネットを通じて、話し方を指導する
ウェブスクールドットティービー社長の羽田徹さん。

週に何本もラジオのレギュラー番組を抱える
売れっ子ディスクジョッキーだが、ラジオ局の制作担当社員として
働いていた6年半前は、話すことに自信を持てなかった。

ナレーションの学校に通って自信をつけた羽田さんは、
ラジオ局からある企業に営業マンとして転職、
トップクラスの成績をあげた。
羽田さんは自らの体験をもとに、好印象を与えるためのポイントを
4つにまとめている。

まず、表情を豊かにすること。
羽田さんの生徒に、技術者として働くAさん(30代)がいる。
以前は声のトーンが低く、語尾もはっきりせず、
同僚とのコミュニケーションがうまく取れずに悩んでいた。
羽田さんが指導したのは、相手が親しみを持てる表情作り。

顔の筋肉をよく動かすように心がけ、ほおを上げるように意識。
指が縦に3本入るくらい、口を大きく開けて話すと、表情が豊かに。

間違いやすいのが、口角を引き上げて笑顔を作ってしまうこと。
目は冷静なままなので、笑顔が不自然に。
ほおを上げれば目尻が下がり、柔和な表情になり、
優しい印象を与えられる。
声も明るく、聞き取りやすくなる。

次のポイントが、低くしっかりとした発声。
「を」、「が」、「の」などの助詞と、文章の末尾の音を下げると、
相手の耳に心地よく響く。
逆に上げて話すと、だらしなく聞こえてしまう。

この話法を身につけるには、低い音を支える発声が必要で、
腹式呼吸によって可能に。
肩を上げずに行う腹式呼吸は、初心者には難しいかもしれないが、
通勤電車のなかでも練習できる。
息を吸い込み、歯の間から細い息を30秒間出すことができたら合格。

3つ目のポイントは、緩急。
中小企業を経営するBさんは、社員を前に話すことが多い。
社員をひきつけるスピーチをしようと意気込んでいたが、
話し方が上手でないと思っていたこともあり、緊張してしまい、
うまくいかなかった。

羽田さんがアドバイスしたのは、数字や重要なキーワードの部分だけ
ゆっくりと力強く話すやり方。

こうすると、伝えたいことが聞き手の記憶に残りやすくなる。
逆に、あまり重要でない部分は「聞こえない程度でも構わない」
大事なことを話す前に、間を置くのも効果的。
メリハリを付けることで、相手の注意を引きつけられる。

4つ目のポイントは、初対面の人に対するときの留意点。
静かに話したい人なのか、にぎやかに話したい人なのかを見極めよう。
ペースやトーンを相手に合わせる。
「相手も話しやすくなり、良い印象を持ってもらいやすくなる」

やってはいけないことも、押さえておきたい。
「それはちがいます」と相手の言い分を否定したり、
相手の話をさえぎったりすると、印象は一気に下がってしまう。

◆前置き短く、本題ゆっくり

「なくて七癖あって四十八癖」とあるように、
人の話し方には何らかの癖がある。
個性の象徴とも言えるが、ビジネスでは相手に悪い印象を
与えてしまう場合もある。

食品会社に勤めるCさんの悪い癖は、前置きが長くなること。
営業担当として、取引先に新商品の良さを伝えるのが
Cさんの仕事だが、あいさつや、これまで扱ってきた商品の説明に
長い時間を割いてしまい、相手を退屈させてしまう。

「前置きが長い人は親切な人が多い」
ビジネスパーソンに効果的な話し方を指導する
話し方研究所会長の福田健さんはこう分析。
丁寧に伝えようとする思いやりが、裏目に出ている。

Cさんが、前置きを手短に切り上げるにはどうすればよいか?
福田さんは、「事前にファクスやメールで訪問の趣旨を伝えたり、
資料を郵送したりしておくと、すぐに本題に入りやすくなる
こうしておけば、先方に分からない点や確認したい点があれば、
Cさんに質問するはず。

Cさんとは逆に、結論を急ぐために、つい早口になってしまう人も。
スピーチコンサルタントで、総合情報サイト「オールアバウト」で
話し方に関する記事を書いている立川亜美さんは、
「相手が自分の話したことを理解するペースは、それほど速くない。
自分がじれったくなるぐらい、ゆっくりと話すのがよい」とアドバイス。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/bizskill/biz090825.html

真央とヨナ:バンクーバー五輪に向けて/下 コーチへの信頼、ともに厚く

(毎日 9月3日)

3月の世界フィギュアスケート選手権で、2連覇を狙った
浅田真央(中京大)は、女子世界最高の計207・71点で
優勝した金妍児(キム・ヨナ、韓国)に、
20点近い大差の4位と敗れた。

翌月の世界国別対抗では、計201・87点をマーク。
不調の3回転ルッツを外し、トリプルアクセル(3回転半)に
ショートプログラム(SP)とフリーを合わせて3度挑戦。

日本スケート連盟の吉岡伸彦フィギュア強化部長は、
「まだ伸びしろがある。どの部分で点を稼げるか。
取りこぼしをしないことが大事」と、
ジャンプ以外の要素や表現力などの重要性を指摘。

浅田は、08~09年シーズン、キムに1勝2敗。
SPでは全敗だが、フリーは2勝1敗と優位。
「スピードがあって力強く滑るキムはSP向きで、
時間が長いフリーだと疲れる。
真央は、動きが柔らかく、フリー向き」
杉田秀男・国際スケート連盟判定役員評定委員。
SPでキムに負けても、小差なら逆転の確率は高い。

五輪で勝つには、コーチの戦略や手腕も重要。
キムを指導するカナダ人のブライアン・オーサーコーチは、
海外サイトの取材に、「215点を目指す」と宣言。
現役時代、ブライアン・ボイタノ(米国)と一時代を築いたが、
88年カルガリー五輪ではボイタノに敗れて2位。
キムは、「『ブライアン対決』の話は、私と浅田選手に似ている。
彼は、そういう選手の心理を理解できる」と信頼を寄せる。

浅田とロシア人のタチアナ・タラソワコーチも、
厚い信頼で結ばれている。
タラソワ氏は、浅田を「だれもできないことをやれる。
今年は完ぺきなスポーツ選手の体になり、
小さな娘から力強い大人の美女になった」と絶賛。
男子、ペア、アイスダンスで五輪王者を作ったタラソワ氏も、
女子はまだいない。
荒川静香とは、トリノ五輪直前に師弟関係を解消、
浅田で悲願達成を目指す。

浅田は、キムについて「ジュニアの時から競っていて、
自分もいい刺激をもらえる」
五輪シーズンが本格的に開幕するグランプリシリーズ
第1戦・フランス杯(10月15~18日)で、2人は早くも激突。

http://mainichi.jp/enta/sports/general/general/archive/news/2009/09/03/20090903ddm035050113000c.html

地方の要望どう伝える 政権交代で県内の首長、団体

(岩手日報 9月3日)

衆院選で、県内は民主党が4小選挙区を独占、
自民党の国会議員がゼロに。
これまでは与党だった自民党議員が、
地域の要望を受け付けるケースが多かった。

政権が交代したことで、県内の各自治体や団体は
対応を見極めたり、民主党とのパイプづくりに動きだしている。

民主党も、「一部業界の利益ではなく、県民のためになる
要望であればしっかり受けたい」としており、手腕が注目。

東京・永田町の衆院議員会館。
岩手2区で落選した自民党・鈴木俊一氏の事務所は、
退去のために秘書らが資料や書籍を運び出した。

故鈴木善幸元首相時代から、県内各界のさまざまな陳情を
受けてきた部屋。
先代から26年仕えた秘書は、
「ここを閉めるなんて思いもしなかった」と涙ぐんだ。

これまで、各自治体や団体は主に政権与党だった自民党を通じて
要望活動をしてきた。
田野畑村の上机莞治村長は、「政権交代し、これまでのような陳情が
必要になるのか。地方分権が進むのかなど状況をみたい」と様子見。

衆院選県内4小選挙区で自民党候補を推薦した
県漁連の大井誠治会長も、「政権与党は代わったが、
本県漁業者のための陳情はその時々でやらなければならない。
民主党の体制を見極めながら対応したい」

県農協グループはここ数年、党派を限定せず、
県選出の全国会議員に政策要望を続けてきた。
県農協中央会の朝倉栄常務は、「民主党とも接点を持ってきた。
農家のためになる政策を要望するのが役割。
今後も積極的に行う」とパイプづくりに動く。

県内の国会議員が民主党一色になったことで、一部団体関係者から、
「二つの政党に配慮しなくてもよくなる」との本音も漏れる。

支持者の要望を、国政に伝えながら求心力を保ってきた自民党県連。
千葉伝幹事長は、「今後、本県に必要なことについては、
党本部などを通じて伝えていく」と対応を模索。

政権与党になった民主党県連の佐々木順一幹事長は、
「県民の声を聞くという意味で、陳情はなくならないだろう。
県民のためになるかを判断し、明らかに特定団体の
利益になるものは受けない」との構え。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20090903_14

2009年9月8日火曜日

「生活習慣病予防マグロ」商品化目指し育成へ 双日

(朝日 2009年9月1日)

双日は、食べると生活習慣病予防に効果がある
クロマグロの開発にめどをつけた。

脂質の燃焼を進める成分をエサに混ぜて、魚の体内に蓄積。
長崎県にある子会社の養殖場で、
今秋から育成をはじめ、11年秋の商品化を目指す。

開発に協力する東京海洋大学などの研究チームが、
米ぬかに含まれる「オリザノール」という成分に、
体内の脂肪をエネルギーに変えやすくする効果があることを発見。

魚類は、哺乳類などに比べ、オリザノールを体内に
蓄積しやすいことも突き止めた。
同成分には成長促進作用もあるため、養殖期間を2割程度短縮。
こうした効果は、すでにブリやニジマスを使い確認。

双日は、昨秋からクロマグロの養殖をはじめた長崎県で、
この秋から約5千匹の稚魚を対象に、
オリザノールを0.02%混ぜたエサを与える。
11年秋、30キロほどに成長する。
「生活習慣病を防ぐ効果」をうたった商品として、市場に出す予定。

http://www.asahi.com/science/update/0829/TKY200908280459.html

NIE20年(8)教師が集い 活動広げる

(読売 8月29日)

新聞を教育に生かす教師たちが集い、研さんを積む。

山梨県の清里高原。
三角屋根で知られるキープ協会の清泉寮で、
日本NIE研究会の「清里フォーラム」が延べ約30人が参加。
幹事らは、早速、机といすを並べて研修会の準備に。

2泊3日の初日、ゲストの山梨大学付属小学校長の
岩永正史・同大教授が、「国際学習到達度調査(PISA)は、
これまでの国語科の足りない部分を突いた。
新聞は、それを補う手段の一つとして非常に重要

「新聞教育の原点を探る」と題して、柳澤伸司・立命館大学教授が、
「戦前は国威発揚、戦後は民主主義で使われた。
いかようにも使える両刃の剣でもあるのに、
先生自身が新聞を批判的に読めていない」などと問題提起。
これには、「新聞論としてNIEをやるのではない。
それを超えて、子どもの育成に役立つ部分はあり、
理解して活用してもらうのがいい」と異論が入るなど活発な議論。

2日目、3人の実践報告の後、「次世代読者をどう育てるか」を
新聞関係者を交えてパネル討論。
最終日、昼の解散前に3人が実践報告する濃密な日程。

実践者のレベルアップをめざし、研究会が設立された
2000年の第1回から数え、夏合宿は10回目。
当初からのメンバー、岸尾祐二・聖心女子学院初等科教諭は、
「毎年楽しみ。仲間の熱意と成果にふれ活力をもらう」

日本新聞協会の初代NIEコーディネーター時代、
結成を呼びかけたのが、研究会会長の妹尾彰さん。
「研さんと親睦の会だが、よく続いたなと思う。
ここから地域で先導的役割を果たす人材が育った」と感慨深げ。
「あまり実践したことのない教師から、なぜ新聞なのかという声が
まだ聞かれる。私たちの使命は終わりません」と気を引き締める。

いち早く、1987年に教育界と新聞社が協力、
「県新聞教育研究会」を結成、NIE先進地といわれる茨城県。
元小学校長で同会長を務めた儘田茂樹さんは、
「日の当たらないまま、個人で頑張っても限界がある。
会が研修会を開いたり、実践発表の場を設けたりして、
NIEが一気に県内に広まった」と振り返る。

県教委の理解も得るよう努めた結果、NIEに携わる教師は
子どもの指導、学級運営にも優れていると受け止められる。

東京では、都NIE推進協議会の小学校部会が毎月、
千代田区の日本プレスセンターで勉強会を開く。
授業案や実践事例を持ち寄り、活発に情報交換を行っている。
仲間作りを進めようと、近県にも合同開催を呼びかけ。

日本新聞教育文化財団の調べでは、
自主的な勉強会は全国に23ある。
人材発掘、後継者育成も推進。
実践経験豊かな教師たちが主導する仲間作りが、
NIEの広がりを支えている。

◆継続支える経験者

日本新聞教育文化財団が、2003年度のNIE実践指定校に
今年春、追跡調査し、4割弱が現在も活動。
継続できている理由は、「熱心な先生がいるから」が60.9%。
継続に必要な点として、半数を超える学校が
「経験した先生からの助言と新聞の使い方の研修」、
「実践者を増やし学校全体で取り組む」を挙げた。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20090829-OYT8T00247.htm

メタボリックシンドロームの原因タンパク特定

(サイエンスポータル 2009年9月2日)

メタボリックシンドロームを引き起こすタンパクを、
尾池雄一・熊本大学大学院医学薬学研究部教授が突き止めた。

このタンパクは、アンジオポエチン様タンパク質2(Angptl2)
呼ばれ、血管新生因子のアンジオポエチンに
構造が似た分泌型タンパクの一種。

尾池教授は、Angptl2が肥満の脂肪組織に多く見られることに着目、
マウスとヒトでどのような働きをしているかを調べた。
肥満になると、内臓脂肪組織で慢性炎症が起き、
動脈硬化症や糖尿病など生活習慣病を引き起こすことが
ここ数年の研究で明らかに。

尾池教授は、肥満や、インスリンの働きが低下して
糖尿病、動脈硬化症になっているマウス、ヒトいずれにおいても、
血液中のAngptl2濃度が高くなっていることを突き止めた。

Angptl2があまり見られない皮膚に、
Angptl2が過剰に現れるマウスをつくると、皮膚に炎症が生じた。
Angptl2を欠くマウスでは、肥満で見られる内臓脂肪組織の
炎症の程度が、正常な野生型マウスに比べ軽度で、
糖尿病を発症しにくい。

これらの結果、尾池教授は、肥満の内臓脂肪組織では
Angptl2が増加し、脂肪組織の慢性炎症を引き起こしていること、
その結果、全身でインスリンの働きが低下、糖尿病の発症に
つながっていることが分かった。

Angptl2の発現を抑えることで、メタボリックシンドロームや、
糖尿病、動脈硬化症の発症を抑える治療薬の開発に
つなげることが期待。

http://scienceportal.jp/news/daily/0909/0909021.html

中学校41%守られず 第2・4日曜の部活動休養日

(岩手日報 9月2日)

岩教組(豊巻浩也委員長)の部活動検討委員会は、
県内中学校の部活動実態を把握するためアンケートを行った。
その結果、「第2・4日曜日は休養日」という
県中学校校長会の取り決めについて、
「守っていない」と回答した中学校は41%に上った。

部活動休養日の徹底は、教職員の多忙化解消と過熱する
部活動対策の両面から求められている。
「1年中活動が行われている」と答えた学校も19%、
周知徹底が進んでいない実態が浮き彫りに。

アンケートは、昨年9~11月に岩教組の分会がある
191校を対象に実施。
155校から回答(回収率81%)を得た。

休養日の取り決めを「守っている」、「守られていることが多い」と
回答した中学は88校、57%。
「守られていない」、「守られていないことが多い」は64校、41%。

休養日が守られていない理由について、
「シーズン中や大会近くでは、部活動をしてもよいことにした」が10校、
「事実上、1年中活動が行われている」が29校。

アンケートでは、「部活動は学校活動から切り離し学習指導に専念したい」、
「生徒数に比べ部が多く顧問の負担が大変」、
「休日は部活動で休めない」などの意見。

地域別では、気仙支部は「守られていない」との回答がゼロ。
気仙地区中体連は、3、4年ほど前から休養日の取り組みを強化。

同地区中体連会長の今野洋二大船渡・第一中校長は、
「当校は、土日のどちらか週1回休むことに。
地区内では、休養日に部活動をしていた―と
連絡が入るくらい徹底している」

県教委の多忙化解消検討ワーキンググループは3月、
休養日の徹底などを提言。
県中体連は、5月の総会で取り決めの実行を求めたほか、
ポスター約650枚を作製し、各校に配布。

県中体連会長の工藤保・下小路中校長は、
「先生の働く環境だけでなく、子どもに適度の休養を与えることは重要。
気仙のように、成果を挙げている地区もある。
真剣に取り組みたい」

調査結果を踏まえ、岩教組の部活動検討委員会は、
▽休養日の徹底、
▽総合型・地域クラブ設置と移行、
▽スポーツ医科学を取り入れた指導―などを提言。

同検討委員会の砂金良昭岩教組副委員長は、
「ゆとり教育見直しの議論の中、部活動も余裕をなくし過熱。
当面は、子どもと教職員のため休養日の徹底を求め、
将来的には地域で担う部活動を提案していきたい」

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20090902_15

2009年9月7日月曜日

NIE20年(7)日本語勉強 新聞が教材

(読売 8月27日)

日本語学習に、新聞が活用されている。

トルコのチャナッカレ・オンセキズ・マルト大学で、
学生らの手により、色とりどりの日本語の「新聞」28枚が
教室の壁に張りだされた。

学生たちが考えた記事のテーマは、「トルコのごみ問題」、
「化粧品は必要か」、「トルコでスカーフをかぶる女性」、
「1日何時間寝ればいい?」、「2010年は『トルコにおける日本年』」など。

指導した教育学部日本語教育学科の工藤育子専任講師(36)
(現在、中国の蘇州淑徳語言学校勤務)は、
「一般の人にも読んでもらおうと、各自が見出しやレイアウトを工夫。
学生たちの日本語力がさらに増したはず」

トルコ西部のトロイ遺跡に近い国立大学。
日本との関係強化などを望む国の方針で、1993年に同学科が設立、
約140人の学生が日本語や日本の文化歴史などを学んでいる。
1年生は、予備課程で1年学習した上で入学し、日本語は初中級レベル。

同学科の学生のほぼ半数が研修、留学などで訪日する機会を持つ。
工藤さんは、「日本で、より深い交流をしてもらうため、
自分の考え方やその背景をしっかり説明できる文章が
書けるようになってほしい」

昨年一時帰国した際、NIE(新聞活用学習)の授業例に、
「自分新聞」というのがあるのを知り、自分を紹介しアピールする
文章を書かせる授業で、この手法を思いついた。
日本の新聞を読ませ、見出しのつけ方なども教えた上で、
各自がA3用紙1枚に4テーマのコラム記事にまとめた。

グルジア出身の留学生ラシャ・ボルクワゼさん(20)は、
「なぜトルコに来て日本語を勉強しているのか」を書いた。
「トルコ語と日本語を同時に勉強しています。
将来は駐日大使になりたい」と夢を語る。

エスラ・デミルタシュさん(20)は、「ダンスのおかげで変わった私」
という題で、消極的な自分が大学でラテンダンスに出会い、
明るく変わった様子を紹介。
「みんなにわかるように書くことができるか、心配だったが、
形にすることができてよかった」とエスラさん。

「教科書よりも新聞をやりましょうよ」
中国の瀋陽薬科大学で、NIEを活用して日本語を教えている
多田俊明さん(64)は、学生たちからよくそんな声をかけられる。
将来は、日本に留学したり日系企業に就職することを希望する
学生が多く、日本の出来事や事象に強い関心を示す。

元記者の多田さんは、定年退職とほぼ同時に日中交流事業で
中国に渡った。
ネットから新聞記事を取り出し、重要な単語や表現をまとめて
プリントを作成したり、読売新聞が学校向けに開発した
「読売ワークシート」も活用したりしている。

教員会議で日本のトピックスを聞かれた際、
とっさにワークシートで扱った、オタマジャクシが空から降ってきた
“事件”を話したら、とても興味をもたれた。
「『車の上にぽたぽた落ちて』というのも独特な表現。
ぼちゃぼちゃ、ぱたぱたなどとどう違うのか、
擬態語を覚えさせるいいきっかけに」

学生たちは7か月ほどで会話に不自由なく、
新聞も楽に読めるようになるそうだ。

外国で生きた日本語を学ぶのに、NIEが大きな力になっている。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20090827-OYT8T00276.htm

LED電球:各社続々と 寿命は白熱の40倍、消費電力8分の1 低価格化で人気上昇

(毎日 8月28日)

白熱電球より消費電力が少なく、
「次世代のエコ照明」と呼ばれる発光ダイオード(LED)電球が、
普及の兆しを見せ始めている。
価格の高さなどから普及が進まなかったが、
7月以降、東芝やシャープが割安な価格で一般家庭向け製品を
相次いで発売。市場の拡大が見込まれている。

LED電球は、寿命が白熱電球の約40倍の4万時間、
消費電力は約8分の1、1日10時間使っても10年間以上交換が不要
という省エネ性能が特長。
水銀が使われていないため、廃棄後の有害性が低く、
紫外線や赤外線の放射が少ないため、虫が集まりにくい利点。

LEDを使った照明器具は、05年ごろ登場、当初は明るさが足りず、
用途はホテルや店舗などのダウンライトなどに限られていた。
東芝(東芝ライテック)が技術開発を進め、今年3月、
40ワット相当の明るさで一般の白熱電球代わりに使える
家庭用のLED電球を1万500円で発売。

最大の課題は、白熱電球の100倍近くする高価格。
シャープが6月、最安タイプで4000円前後の
家庭用LED電球を発表すると、注文が殺到。
発売時期を、当初予定の7月から8月に延期するほど人気。
東芝は、価格を約5000円に引き下げた製品を7月に発売、
低価格化が進んだ。
NECも、4000円前後の商品を9月に発売、
三菱電機も近く参入する意向で、
拡大する市場での競争が始まりつつある。

家電量販店のビックカメラでは、7月半ばに低価格品が出てから
売り上げが伸び始め、「まだ試しに1個だけ買う人が多いが、
中には『家中の電球を換える』と複数買っていく人もいる」(広報室)。

民間調査会社の富士経済は、屋内施設向けLED照明の
国内市場規模は、09年度の36億円から17年度は143億円に
急拡大すると予想。
「環境意識や節約志向の高まりを背景に、
大手照明器具メーカーが10~12年にかけて、
白熱電球からLED照明器具に生産をシフトさせる」
量産効果で低価格化が加速すれば、
一般家庭への普及が一気に進みそう。

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2009/08/28/20090828ddm008020043000c.html

食料と競合しないバイオ燃料製造技術開発スタート

(サイエンスポータル 2009年8月31日)

食料となる穀物などを原料としないバイオ燃料を、
低コストで効率よく製造できる技術の実用化に、
新エネルギー・産業技術総合開発機構が乗り出す。

同機構は、北川鉄工所、三菱化学、住友林業、日東電工、
三菱重工業の5社を委託先に選び、今年度から3カ年に6億円
(うち機構が4億円を支援)を投じる。

バイオ燃料としては、既にサトウキビやトウモロコシからの
エタノール製造が各国で行われているが、
温室効果ガスの排出削減につながる一方、
トウモロコシの価格高騰を招くといった問題。

新しくスタートする研究開発は、稲わらや林地残材などを原料とし、
食料生産と競合しない低コストで、
効率的なセルロース系バイオエタノール製造技術を、
2015年ごろまでに実用化。

稲わらなど、草本系バイオマス資源の輸送・貯蔵コスト低減を
目指した乾燥技術・ペレット化装置や、
林地残材の利用拡大を目指した高機能架線集材装置(タワーヤーダ)の
開発のほか、膜技術を利用したバイオエタノールの
低コスト・低エネルギー蒸留・脱水装置の開発、
バイオ燃料合成のためのバイオマスガス化ガスの
低コスト精製技術の開発を5社が分担して進める。

http://scienceportal.jp/news/daily/0908/0908311.html

新しい波/315 剣道/2

(毎日 8月22日)

全日本剣道連盟は、外国に指導者を派遣するなど、
積極的に国際化を進めてきた。
目指すのは、日本に軸足を置いた「国際的な発展」と表現、
同連盟の井上茂明常任理事は、
「剣道の質を変えてまで普及を望んでいない。良い剣道を広めたい。
だから、剣道は五輪競技となることを目指さない」

井上常任理事は、「力、スピードを重視した剣道が見受けられるが、
力で勝つだけではスポーツとしての剣道になってしまう。
正しい技や間合いの取り方、心構えを学んでほしい」

日本が優勝を決めた03年の第12回大会では、
整列している日本の選手に向かって、対戦相手の韓国の関係者から
異議申し立て用の旗が投げつけられるなど、
マナーの点でも日本のトップレベルの試合では見られない場面。

剣道が五輪を目指さない理由の一つは、
外国の意見が大きくなれば、武道の枠を外れてしまう懸念が大きい。
全剣連の試合審判規則によると、
面、小手、胴、突きの打突の部位に当たっただけでは一本とならない。
充実した気勢と適正な姿勢で、竹刀の打突部位は刃筋が正しく、
残心(打った後まで気持ちを緩めない)を取る、
という条件がそろって有効打突。

間違った方向に国際化が進めば、剣道としてこれまで守ってきた
一本の要素が崩れてしまう。
例えば、打突が不十分でも、柔道の「有効」のようなポイント制を
求めるケースも想定。

97年の第10回大会から3度の世界選手権に出場、
第12回大会で主将を務め、現在は警視庁で
剣道指導室のコーチを務めている平尾泰さん(42)は、
「剣道はスポーツでありながら、武道の枠組みを持っている。
スポーツは、ルールの中でいかに勝てるかを考えて戦うが、
武道はルールの基本にできるだけ忠実に戦おうとする。
本質的な武道の特性を見失わないでほしい」

平尾さんが対戦した時から、韓国のレベルは高く、
何度も日本と決勝戦で接戦を演じたが、徐々に欧米も力をつけ、
日本との差が縮まってきた。
「レベルの差は縮まっていても、勝って当たり前と思われる。
これほど、苦しいものはない。
日本が勝たないと、主導権は取れない。
剣道の本質、模範を示して勝って、
世界の剣道界のリーダーとして維持していかないといけない

http://mainichi.jp/enta/sports/21century/news/20090822ddm035050096000c.html

2009年9月6日日曜日

NIE20年(6)免許講習で記者体験

(読売 8月26日)

教師が、教員免許更新講習でNIEを学ぶ。

新聞記者に“変身”した約60人の教師が、鋭い質問を投げかけた。
「オリンピックに出場できた理由は」、
「日の丸を背負う感じは」――。

愛知教育大で、NIEをテーマに開かれた教員免許更新講習。
ゲストの北京五輪シンクロナイズド・スイミング代表の
石黒由美子さん(25)を相手に、受講した教師らが記者役になり、
模擬記者会見に挑んだ。

「あきらめなかったから」、
「メダルを逃したら日本に帰れないと思っていた」――。

石黒さんは子どもの頃、交通事故で540針縫うけがをしながら、
五輪代表まで選ばれた気持ちを語った。
約30分のインタビュー後、教師らは悪戦苦闘しながら
400字の記事にまとめた。
記者にふんして質問した尾張旭市立東中学校の二村尚文さん(33)は、
「NIEは、やったことがなかったが、これを機に
短い時間からでも始めてみたい」と満足そう。

「新聞づくりの大変さ、難しさを実感してもらうことが狙い。
文字の裏にある、人のかかわりを分かってもらえたら」と
講師を務めた土屋武志教授(49)。

講習でNIEを取り上げたのは、コミュニケーションに有効との考え。
言葉や文字で考えを伝えるのに、簡潔にまとめる新聞記事は
参考になり、その作成はトレーニングになる。
伝える技術だけでなく、新聞から様々な話題を知ることで、
「子どもが友人や親と話す際、内容のあるコミュニケーションにもなる」

NIEと聞くと、尻込みしてしまう教師もいるが、
「子どもに、『なぜ』、『どうして』と疑問を持たせるような
授業を行ってほしい。新聞にはそんなネタがたくさん転がっている」

「環境問題をテーマに記事を切り取ってください」
北海道教育大函館校で、NIEを題材に開かれた講習で、
阿部二郎准教授(52)が受講生の教師約20人にそう呼びかけた。

エコポイント制度や異常気象のニュースなど、
教師らは目についた記事を切り抜く。
グループごとに各自が持ち寄った記事を分類し、
全体のタイトルを考えた。
あるグループは、記事を「自然」、「リサイクル」などに分類、
全体に「自然と活用」というタイトルを付けた。
情報をどう取捨選択し、活用するかを学ぶ講習。

その一方、ある新聞社の英文サイトに昨年、不適切な記事が
そのまま掲載された問題などを挙げ、
「記事をうのみにせず、自らチェックした上で扱うべき」と、
情報活用の注意点を付け加えることも忘れなかった。

阿部准教授は、「新聞に載っている記事の量を見れば、
今の社会で重要視されているテーマが何か分かる。
記事を拾い集めて今を知る。
新聞という窓から世の中を見て、
早く大人になるのはいいこと」と意義。

教師は講習でNIEを学び、その成果は学校に広がっていく。

◆教員免許更新講習

今年4月から始まった教員免許の有効期間を10年間とする制度、
大学などが開設した講習。
教員免許を更新するには、教師は必修と選択合わせて
30時間の講習と修了認定を受けることが必要。
今年度は必修で、約15万1000人分の講習が用意、
受講の申し込みがないなどで廃止された講習も。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20090826-OYT8T00232.htm

高齢者が日本経済を救う?

(日経 2009-08-22)

「何のしがらみもない老人こそ、日本の政治を変えられる。
老人がこの国の救世主となるのです

ドラマ「結党!老人党」にこんなセリフ。
主人公は、定年退職後に平穏な日々を過ごしていたが、
息子の「好きなことをやれば」という何気ない言葉がきっかけとなって、
衆院選に立候補。
あれよあれよという間に総理大臣になり、政治改革を成し遂げる。

政治と同様、日本経済も苦境にあえいでいる。
外需は、中国向け輸出が伸びて立ち直る兆しを見せているが、
内需の大半を占める個人消費は低迷したまま。
失業率が悪化の一途をたどり、賞与や残業代が削られてしまっている中、
消費にお金を振り向ける気持ちにはなりにくい。

明るい材料がないわけではない。株価の上昇だ。
3月、7000円台割れ寸前まで落ち込んだ日経平均株価は、
今では1万円台を回復。
株価上昇によって、金融資産の評価益が増えて、
消費を押し上げるという資産効果が期待。

特に注目されるのが、他の年代よりも多くの金融資産を
保有している高齢者。

大和総研の渡辺浩志エコノミストは、
「定年退職していれば、雇用不安を感じる場面は少ない。
収入も年金が中心のため、景気変動で大きくぶれる可能性は小さい。
今のような状況でも、高齢者には資産効果が出やすい」

現に総務省の家計調査をみると、
世帯主が70歳以上の世帯の支出は、今年2月を底に回復、
6月には9カ月ぶりに前年同月比プラス。

現時点では、高齢者の資産効果が如実に表れている、
というわけではない。
「ウオーキングシューズの売れ行きは高齢者を中心に順調」(アシックス)、
「ゴルフ場を利用するシニアの人数は底堅く推移している」
(アコーディア・ゴルフ)といった声を聞くことができたが、
両社とも最近の株価上昇の影響は感じられない。

三菱総合研究所の武田洋子シニアエコノミストは、
「高齢者の支出が増えたのは、子どもや孫への援助が
理由になっている可能性もある」

高齢者の人気スポットで、ドラマのロケーション撮影が行われた
巣鴨地蔵通り商店街でも、威勢のよい言葉は出てこなかった。
同商店街振興組合の木崎茂雄理事長は、
「世の中が暗いニュースばかりなので、お年寄りも不安になって、
節約してしまう」とため息。

木崎理事長によると、商店街全体の売り上げは、
昨年を下回ったまま。

ドラマで主人公の背中を押したのは、
「好きなことやれば」という息子のひと言。
高齢者が安心して消費できるようにするには、何が必要なのか?

日本総合研究所の小方尚子主任研究員は、
「新しい成長産業を生み出す必要がある」

折しも、衆院選は終盤戦を迎えている。
どの政党の政策が、高齢者の消費に火をつけられるのか。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/syohi/syo090821.html

ブロッコリーに放射線がん治療の効果高める成分

(サイエンスポータル 2009年9月1日)

ブロッコリーなどに含まれる辛み成分に、
放射線に対する増感作用があることを、
放射線医学総合研究所と茨城県立医療大学が突き止めた。
この成分は、スルフォラファンと呼ばれる化学物質。

放射線医学総合研究所粒子線生物研究グループの
岡安隆一グループリーダー、于冬・研究員と
窪田宣夫・茨城県立医療大学保健医療学部教授は、
がん細胞とマウスを使った動物実験で、
スルフォラファンを与えた後に放射線をあてると、
それぞれがん細胞や腫瘍にどのような影響が出るかを調べた。

この結果、いずれの場合もスルフォラファンが放射線の効果を高め、
がん細胞を効率的に死滅させたり、腫瘍の成長を抑えることが
確かめられた。

将来、放射線とスルフォラファンを併用する新しいがん治療法の
可能性が期待できる。

スルフォラファンは、ブロッコリーの特に新芽に多く、
菜の花、カリフラワー、キャベツなどにも含まれている。

1990年代初め、米国の研究者によりがん予防に効果があると発見。
解毒作用、抗酸化作用などがあり、最近では胃がんの原因である
ピロリ菌に対する除菌効果を持つことも報告。

http://www.scienceportal.jp/news/daily/0909/0909011.html

聖火の行方・16年招致:マドリード、リオが協定 「落選したら相互支持」

(毎日 9月3日)

2016年夏季五輪の招致を目指す立候補4都市の
評価報告書を、IOCが公表したことを受け、
東京以外の各都市も評価に対する感想を示した。
報告書で、「(開催計画は)非常に質が高い」と記述された
リオデジャネイロが高評価を受けた印象が強いが、
シカゴやマドリードもIOCから指摘された点には
大きな問題はないとの見解を表明。

2016年の夏季五輪開催地選定で、立候補している
リオデジャネイロとマドリードの両都市の間で、
先に落選した方が残った候補地を支持するとの相互協定
結んでいることが分かった。
ブラジルのルラ大統領が、フランス公共ラジオに明らかに。

東京、シカゴも立候補している同五輪の開催地は、
10月2日のIOC総会で、IOC委員の投票によって決まる。
過半数を獲得する都市が出るまで、最も票数の少なかった都市を
除外しながら投票を繰り返す。

ルラ大統領によると、既にスペイン国王フアン・カルロス1世と
電話協議し、合意に達している。
大統領は、「われわれは協定を結んだ。リオが先に落選すれば
マドリードを支持、マドリードが先に落選すればリオを支持する」

◇「信頼の証しだ」ルラ大統領言葉

IOCが発表した評価調査書で、リオデジャネイロが開催候補地として
高い評価を得たのを受け、ブラジルのシルバ・スポーツ相は、
ルラ大統領の言葉として、「(報告書は)世界がブラジルに寄せる
信頼の証し。ブラジルは、2016年五輪の開催地として確実だ」

会見には、パエス・リオ市長やカブラル・リオ州知事らも出席。
治安に課題が残るが、新たな取り組みで成果を上げているとの指摘に、
州知事は、「評価は非常に前向きだ。
われわれが築きつつある実績に、IOCは信頼を置いている」

パエス市長も、インフラや輸送面での問題も解決可能とし、
「報告書は大きな弾み」と楽観的な見方。

◇マドリード市長「問題解決済み」

マドリードの招致委員会は、IOCの評価報告書公表を受け、
ガジャルドン・マドリード市長は、「10月2日(のIOC総会)まで
解決できない指摘点は一つもない。
12年の五輪招致で負けたマドリードが、あきらめずに闘い続けている
姿を評価してくれたのだろう」と強気の姿勢に終始。

報告書で、「ドーピング対策の法制化に関し、不透明な面がある」と
指摘された点について、ガジャルドン市長は「既に解決済み」
スペイン政府の担当局長が、「スペイン国内の内規と国際基準が
異なる場合、国際基準が優先される」と説明。

◇「1番でタッチ」シカゴ招致委会長

IOCの評価報告書公表を受け、シカゴ招致委員会のライアン会長は、
「ビジョンや計画が評価されて満足。
われわれが勝利することには大きな価値がある」と、
20年ぶりとなる米国開催に向けての意気込み。

報告書で懸念された財政保証について、
「シカゴ市の強固な財政基盤によって支えられている。心配はない」と力説。
課題とされた通勤、通学時間帯の交通にも、
電車輸送の安定性を強調、バスの運行を増やすなどして万全を期す。

開催都市を決定する10月2日のコペンハーゲンでの総会に、
支援を表明しているオバマ米大統領が出席するかについては、
「計画はない」と言ったものの、同会長は
「最後の最後までアイデアを練る。
10月2日、(競泳の)マイケル・フェルプスのように
他都市よりも先に、1番でタッチする」

◇スペイン各紙が東京有力伝える

スペイン各紙は、IOCの評価報告書公表を受け、
東京とリオデジャネイロが有力と伝えた。

パイス紙電子版は、「東京とリオがリード」との見出しで報道。
東京は、1964年の五輪開催経験やコンパクトな計画、
財政保証などが評価され、リオは国民の高い支持率や財政基盤、
南米初開催を訴え優位とした。

ABC紙電子版は、東京が1位で以下リオ、シカゴ、マドリードと順位。
各紙ともマドリードは、スペインのドーピング規制を疑問視した
指摘などがマイナスとした。

http://mainichi.jp/enta/sports/general/general/archive/news/2009/09/03/20090903dde035050033000c.html