2009年9月9日水曜日

真央とヨナ:バンクーバー五輪に向けて/下 コーチへの信頼、ともに厚く

(毎日 9月3日)

3月の世界フィギュアスケート選手権で、2連覇を狙った
浅田真央(中京大)は、女子世界最高の計207・71点で
優勝した金妍児(キム・ヨナ、韓国)に、
20点近い大差の4位と敗れた。

翌月の世界国別対抗では、計201・87点をマーク。
不調の3回転ルッツを外し、トリプルアクセル(3回転半)に
ショートプログラム(SP)とフリーを合わせて3度挑戦。

日本スケート連盟の吉岡伸彦フィギュア強化部長は、
「まだ伸びしろがある。どの部分で点を稼げるか。
取りこぼしをしないことが大事」と、
ジャンプ以外の要素や表現力などの重要性を指摘。

浅田は、08~09年シーズン、キムに1勝2敗。
SPでは全敗だが、フリーは2勝1敗と優位。
「スピードがあって力強く滑るキムはSP向きで、
時間が長いフリーだと疲れる。
真央は、動きが柔らかく、フリー向き」
杉田秀男・国際スケート連盟判定役員評定委員。
SPでキムに負けても、小差なら逆転の確率は高い。

五輪で勝つには、コーチの戦略や手腕も重要。
キムを指導するカナダ人のブライアン・オーサーコーチは、
海外サイトの取材に、「215点を目指す」と宣言。
現役時代、ブライアン・ボイタノ(米国)と一時代を築いたが、
88年カルガリー五輪ではボイタノに敗れて2位。
キムは、「『ブライアン対決』の話は、私と浅田選手に似ている。
彼は、そういう選手の心理を理解できる」と信頼を寄せる。

浅田とロシア人のタチアナ・タラソワコーチも、
厚い信頼で結ばれている。
タラソワ氏は、浅田を「だれもできないことをやれる。
今年は完ぺきなスポーツ選手の体になり、
小さな娘から力強い大人の美女になった」と絶賛。
男子、ペア、アイスダンスで五輪王者を作ったタラソワ氏も、
女子はまだいない。
荒川静香とは、トリノ五輪直前に師弟関係を解消、
浅田で悲願達成を目指す。

浅田は、キムについて「ジュニアの時から競っていて、
自分もいい刺激をもらえる」
五輪シーズンが本格的に開幕するグランプリシリーズ
第1戦・フランス杯(10月15~18日)で、2人は早くも激突。

http://mainichi.jp/enta/sports/general/general/archive/news/2009/09/03/20090903ddm035050113000c.html

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