2007年11月10日土曜日

仕事のストレスによってうつになる可能性

(WebMD 9月27日)

仕事上のストレスと、支援の乏しい職場がうつ病を増加させる-。
この調査は、ロチェスター大学のEmma Robertson Blackmore
精神医学研究者らによるもの。

Blackmore博士らは、2002年にカナダの労働者24,300名と面接し、
労働者のうつ症状について質問。
この面接に基づいて、労働者の4.6%が大うつ病の診断を満たすと結論。
うつ状態の従業員では、仕事のストレスが顕著であった。
「男性では、仕事に伴う緊張の大きさ、職場における社会的支援の低さ、
雇用確保の低さ、心理的欲求の高さと、
大うつ病エピソードとの間に関連が認められた」。

女性では、このリスクが若干異なった。
ストレスの大きい仕事は要因ではなかったものの、
「女性では、社会的支援の低さと意思決定権がないことと、
大うつ病エピソードとの間に関連が認められた」。

この調査にはいくつかの制限がある。
例えば、労働者のうつ状態の原因が仕事にあるのか、
それとも他のことがその労働者のうつ病に関与しているのかを明らかではない。

Blackmore, E. American Journal of Public Health, November 2007; vol 97. News release, American Public Health Association.

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=SPECIALTY&categoryId=580&articleLang=ja&articleId=56730

異常タンパクの抗体を測る、新しいコンセプトの腫瘍マーカーを開発

(natrue asia-pacific)

千葉大学医学部先端応用外科 島田英昭講師

新しい腫瘍マーカー“MESACUP anti-p53テスト”が、
厚生労働省の製造承認を受け、7月から販売。
食道がん、乳がん、大腸がんの診断の補助として使われ、
年内にも保険収載される見通し。

島田英昭講師は、食道がんの専門医。
食道がんは、発見されたときには進行している例が多い、難治がんの一つ。
そのため、早期の段階で発見したいという強い思いがあった。

がん抑制遺伝子であるp53遺伝子が作り出すタンパクは、
正常であれば、傷ついた遺伝子の修復、細胞周期の制御、
アポトーシスの誘導といった働きを持つが、
異常になるとその働きがなくなり、がんになりやすくなる。
とくに固形がんは、p53タンパクが過剰発現する頻度が高い。

島田講師らのデータでは、食道がんでは62%、肺がんでは59%、
大腸がんでは55%に異常なp53タンパクが過剰に出現し、
これは、p53遺伝子の異常の頻度とほぼ対応。

この異常なp53タンパクは不要な異物であるため、
IgG(免疫グロブリンG)抗体を作り出して、排除しようとする。
IgG抗体を検出することで、異常なp53タンパクの出現を明らかにし、
発がんの有無や進行を推測する方法が検討されてきたが、
腫瘍マーカーとして臨床で使われるには至らなかった。

島田講師らは、治療前のがん患者や健康診断でがんが見つかった人には
IgG抗体の陽性率が高くなることを発見。
大規模な臨床試験を実施し、その結果を踏まえて、
2001年に厚労省に製造承認申請を出した。

現在使われている腫瘍マーカーは、
国際的に“がんからの分泌物を測定するもの”と規定、いわば抗原を測る。
これに対し、“MESACUP anti-p53テスト”は抗体を測定するという
新しいコンセプトの世界初の腫瘍マーカー。

その特徴は、早期発見に使えること。
がんには0期からⅣ期までのステージがあり、
数字が大きくなるほど、がんが進行。
従来の腫瘍マーカーは、がんの進行度と相関して陽性率が高まるため、
発見時には、Ⅲ期やⅣ期まで進行していたという例が多い。

IgG抗体は、がんが約1mm3(がん細胞が約100万個)ならば、血中に流出。
IgG抗体の血中濃度は、がんの進行度とは強い相関がなく、
“MESACUP anti-p53テスト”を従来の腫瘍マーカーと比較すると、
ステージ0期とⅠ期のがんで陽性率が有意に高くなる。
その理由を、「早期では、人体はがんと対抗するためにIgG抗体を産生するが、
進行すると免疫反応が減弱して、IgG抗体を多く出そうとしなくなるのでは」。

「“MESACUP anti-p53テスト”を、ほかの腫瘍マーカーと併用することが
がんの検出率を上げることができる。
例えば、食道がんでよく使われるSCCとCYFRAは
ステージ0期やⅠ期における陽性率は10%前後だが、
“MESACUP anti-p53テスト”単独では20%以上で、
組み合わせることで陽性率が上がり、がんがある部位も特定しやすくなる」。

また、治療後にIgG抗体値が高かった人は再発しやすく、
低かった人は再発しにくいという傾向が。
抗がん剤など今後の治療の進め方の判断に
“MESACUP anti-p53テスト”が使える可能性がある。

ヒト免疫グロブリンの中でも最も量が多いIgG抗体は、
がんとの関連が知られていたが、その詳しい役割は未知な部分が多い。
島田講師らの研究は、IgG抗体の機能の解明に寄与するかもしれない。

島田講師は、健康な4000人以上の血液データを蓄積しており、
すでにIgG抗体以外のがん関連抗体を発見。
今後は、IgG抗体を含む、いくつかの抗体腫瘍マーカーをチップ上に並べ、
一度に計測する方法を開発する予定。
日本発の新しい腫瘍マーカーの今後が注目される。

小島あゆみサイエンスライター


http://www.natureasia.com/japan/tokushu/detail.php?id=50

2007年11月9日金曜日

抗癌化学療法や放射線療法への免疫系のToll様受容体4依存的寄与

(nature medicine 9月号Vol.13 No9 / P.1050 - 1059)

癌に対する通常の治療は、放射線療法と化学療法による。
このような治療では、腫瘍細胞の直接的除去によって
その効果があらわれると考えられている。

本論文では、一部の抗癌療法プロトコールの成功が、
腫瘍に対する自然免疫応答および適応免疫応答にかかっていることを示す。

ヒトおよびマウスの両方で、腫瘍抗原特異的なT細胞免疫を活性化する、
これまでには知られていなかった経路が存在することがわかった。
これには、アポトーシスを起こした腫瘍細胞による
HMGB1(high-mobility-group box 1)alarminタンパク質の分泌、
および樹状細胞(DC)が発現するToll様受容体4(TLR4)に対する
HMGB1の作用が関与している。

化学療法あるいは放射線療法の間、アポトーシスを起こした腫瘍細胞に
由来する抗原を効率的にプロセシングしてクロスプレゼンテーションするために、
DCはTLR4やそのアダプターであるMyD88を介したシグナル伝達を必要。

TLR4の機能喪失性対立遺伝子をもつ乳癌患者は、
放射線療法や化学療法後の再発が、正常なTLR4対立遺伝子をもつ患者よりも速い。
これらの結果は、腫瘍細胞の死が引き起こす、
臨床治療に関係した免疫補助経路の存在を示している。

http://www.m3.com/tools/MedicalLibrary/nature/200709/nature_medicine/05.html?Mg=0ff22574b969f7b84e77f00fe4f00577&Eml=12b55b931cb52b4152963c77864c5aec&F=h&portalId=mailmag

医師が仲裁申し立てへ サッカーJ1川崎・我那覇の静脈注射問題

(毎日新聞社 2007年11月3日)

Jリーグ・川崎のFW我那覇和樹が、生理的食塩水とビタミンB1の点滴を
受けたことがJリーグのドーピング規定違反とされた問題で、
治療をした川崎の後藤秀隆チームドクターが、Jリーグの処分取り消しを
求める仲裁申し立てを日本スポーツ仲裁機構(JSAA)に行う。

JSAAは、7月10日にドーピング紛争に関する仲裁規則を定めており、
今回が初めてのケース。

後藤ドクターは4月23日、風邪で体調を崩した我那覇に静脈注射を施したが、
Jリーグのドーピングコントロール委員会(青木治人委員長)は
ドーピング違反と認定。
我那覇に出場停止6試合、川崎に制裁金1000万円の処分を科した。

後藤ドクターの代理人を務める弁護士は、
「Jリーグ側の処分は(世界反ドーピング機関の規定の)解釈に誤りがある」。
Jリーグの処分対象は我那覇と川崎で、
後藤ドクター自身は直接罰則を受けていないが、
「競技支援者としてのドクターも申し立てが可能」との解釈。

これまでに日本反ドーピング機構(JADA)が、
Jリーグとは異なる見解を表明。
Jリーグ31クラブのドクターで構成されるチームドクター連絡協議会は、
Jリーグに処分の撤回を求めたが、却下されていた。

Jリーグの鬼武健二チェアマンは、
「記者会見を開くと聞いただけで、何をするのか分からない。
仮定の話はできない」と断ったうえで、
Jリーグとしての「基本的な考えは一貫している」と述べ、
主張は変わらないとの見解を示した。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=60082

2007年11月8日木曜日

アルツハイマー予防効果も 岩手大などハーブで実験

(共同通信 2007年10月23日)

ハーブの一種、ローズマリーに多く含まれるカルノシン酸に、
脳細胞死を防ぐ効果があることを動物実験で確かめたと、
岩手大学などの日米合同研究チームが発表。
アルツハイマー病やパーキンソン病の予防、治療薬の開発につながる可能性がある。

岩手大の佐藤拓己・准教授(神経化学)は、
共同研究した化学品専門商社「長瀬産業」(大阪市)とカルノシン酸を使った
サプリメントの製品化も目指している。

実験では、マウスの右脳の動脈を人工的に約2時間閉塞させ、
脳神経細胞が死ぬ状況をつくり、実験前にカルノシン酸を投与したマウスと
投与しなかったマウスそれぞれ9匹の脳を24時間後に調べた。
その結果、投与しなかったマウスの右脳の細胞52%が壊死したのに対し、
投与したものは34%にとどまった。

佐藤准教授は、カルノシン酸が脳細胞死を抑制する遺伝子を
活性化させたことを確認したとし、
「カルノシン酸は毒性が低く、アルツハイマー病などの治療薬開発につなげたい」。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=58733

ストレッチングでは筋肉痛を予防できない

(MebMD 10月17日)

激しい運動の前後のストレッチングによって、
筋肉痛の苦しみから解放されることはないという。

シドニー大学の研究者らは、10件の研究を調査後、このような結論に達した。
Marcos de Noronhaは、「ストレッチングには、筋肉痛の予防効果はないという
非常にはっきりとした結果が明らかになった」。

ストレッチングの効果の有無に関する議論は、長年にわたって続いている。
支持する人々は、ストレッチングには筋肉痛を軽減するだけでなく、
パフォーマンスを高めたり、ケガのリスクが低下したりすると主張。

シドニー大の研究者らは、ストレッチングで筋肉痛が軽減するか、にのみ注目。
ストレッチを行う理由が筋肉痛の予防のためだけである場合、
「ストレッチは実際には効果がないため、この面倒な作業を行う必要はない。
しかし、ストレッチングで気分が良くなるのであれば、
ストレッチングが有害であるというエビデンスはないので、ストレッチングを行えばよい」。

de Noronha氏は、筋肉痛に対する大筋群のストレッチングの効果についての
長年にわたる議論が沈静化すると述べているが、
他の専門家はストレッチングが有効であり、議論はまだ終わっていない。

●試験の詳細

シドニー大の研究者らは、激しい運動後1日以内に発現し、
約48時間でピークに達する遅発性筋肉痛に注目。
9件の試験は、実験室で実施され、被験者が運動後、
筋肉痛の程度について申告するもの。

1件の試験は、フットボール選手が試合後の筋肉痛について申告するもの。
3件の試験は、運動前のストレッチングに注目し、
他の試験は運動後のストレッチングについて評価。
6件の試験では、ストレッチ群または非ストレッチ群に

無作為に割り付けられた被験者の比較。
被験者は、1回につき40~600秒間のストレッチングを行った。
De Noronha氏とRobert Herbert氏は、
100ポイントスケールを用いて運動後の筋硬直を評価。
運動前にストレッチングを行った場合、運動翌日の筋肉痛の緩和は、
平均すると100ポイントスケールで0.5未満。
運動後にストレッチングを行った場合、翌日の筋肉痛緩和は1ポイント。
「運動の半日~3日後の間に同様の効果が明らかになった」。

●セカンドオピニオン

カナダアルバータ州カルガリー在住の開業運動生理学者で、
米国スポーツ医学会の広報担当者であるMichael Brackoは、
「完全に筋が通っている」。

Bracko博士は長い間、ストレッチングでは筋肉痛を予防できないと考えてきた。
「非常に優れた調査であり、われわれが以前から知っていた情報と同じ」。
筋肉痛が出始めてからストレッチングを行うと、
筋肉痛が一時的に緩和する可能性がある。
「しかし、鎮痛効果の持続時間はほんの15~20分にすぎない」。

しかし、カリフォルニア州ロングビーチ在住のスポーツ足病医である
Pedram Aslmandは、この新しい調査でストレッチングとその筋肉痛に対する
効果に関する議論が終結するとは考えていない。

「筋肉痛に対するストレッチングの効果をコントロールすることは難しい」。
一部の被験者は、ストレッチングを行っても筋肉痛が生じる
構造的異常(腓筋の短縮等)を有していた可能性があり、
このことが結果を歪曲している。

●アドバイス・・・ストレッチをすべきか否か?

ストレッチングは、運動をする人が望むことを満たすものではないかもしれないが、
これには害はないだろう。

Aslmand博士は、ストレッチングはケガを防止したり、
パフォーマンスを向上させたりする可能性もある。
Bracko博士は、定期的にストレッチングをした場合に
ケガをある程度防止することができることを認めた。
多くのアスリートにとって、ストレッチングは儀式以外の何物でもなかったと
Bracko博士は述べる。

ストレッチングによって筋肉痛が緩和しないなら、どうしたら筋肉痛が緩和するのか?
「軽い運動をすればよい」と指摘。

Marcos de Noronha, PhD candidate, University of Sydney, Australia. Herbert R. The Cochrane Database of Systemic Reviews 2007, Issue 3: pp 1-28. Pedram Aslmand, DPM, Long Beach, Calif. Michael Bracko, EdD, consulting exercise physiologist, Calgary, Alberta; spokesman, American College of Sports Medicine

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=SPECIALTY&categoryId=580&articleLang=ja&articleId=58764

2007年11月7日水曜日

独の科学者、いびきを抑えるコンピューター枕を開発

(ロイター 2007年10月04日)

いびき解消に取り組むドイツの科学者が、いびきが止まるまでの間、
頭の位置を動かすコンピューター化された枕を開発した。

ロストック大学のDaryoush Bazargani教授(情報科学専門)が、
健康に関する会議で自身が開発した枕の試作品を展示。
「枕には本1冊ほどの大きさのコンピューターが付いており、
このコンピューターをベット脇のテーブルに置いていびきの音を分析する」。

利用者が睡眠中に体を動かす傍ら、コンピューターが枕に含まれる空気部分を
調節して頭の位置を動かし、鼻の空気の通りを良くすることで
いびきを最小限に抑える仕組みという。

この枕は、首のマッサージ機能も兼ね備えており、
すでに複数の米企業が商品化に興味を示している。

自身もいびきをかくため枕を発明したという同教授は、
「ありとあらゆる製品を試してみたが、効果があるものはなかった。
この枕を使う人々が、より安心して眠ることができればいいと思う」。

http://www.excite.co.jp/News/odd/00081191464705.html

筑波大学名誉教授・村上和雄 アルコール依存症の原因遺伝子

(毎日新聞 2007.9.25)

筑波大学名誉教授・村上和雄

近年、女性のアルコール依存症が急増している。
我が国の飲酒人口は、6000万人超。
「酒は百薬の長」といわれるように、適正な飲酒の効用は医学的にも証明。
ストレスの軽減、総死亡率や心血管系疾患の死亡率を低下させる効用も。

一方、その害は深刻である。
アルコールの害は、臓器に障害をもたらすにとどまらず、
飲酒運転の悲惨な事故や、家庭の崩壊などを引き起こす場合も。
アルコールによる行動傾向は、親から子へと伝播、「世代間連鎖」を引き起こす。
アルコール依存者を親に持つ子供は、心に傷を負いやすい。
親の飲酒や暴力を毛嫌いしながらも、大人になると同じ行動をとったり、
親と同じ行動傾向のある配偶者を選んだりする。

特に問題なのは、母親の飲酒。
妊娠中や授乳期に酒を飲むと、胎児や乳児へ直接影響がおよび、
胎児性アルコール症候群という知能の発達障害が起こる可能性も。
妊娠中は情緒が不安定になることもあって、
従来の飲酒習慣からアルコールを口にする母親は少なくない。
胎児は、たとえ微量でも、母親の胎盤からそのまま吸収され、
文字通りアルコール漬けの状態に。

≪たばこより4倍強い依存度≫

アルコールという物質はなぜ依存症を生みやすいのか?
サルを使った実験によると、酒はたばこより4倍以上も精神依存度が高い。
モルヒネは、アルコールとほぼ同様。
いかにアルコールへの依存状態から脱却しにくいかが分かる。

アルコールに依存しやすい人と依存しにくい人がいる。
酒を飲める人は依存しやすく、酒を飲めない人は依存しようがない。
いわゆる上戸と下戸。

依存しやすい体質と依存しにくい体質の違いは、遺伝子に原因が。
アルコール依存症の遺伝子が先ごろ見つかった。
発見したのは、米ワシントン大学医学部の精神医学教授ダニエル・ディック博士。
アルコール依存や乱用の度合いが高い人は、この遺伝子の数が多い。
アルコール依存症になる素質は、遺伝的要因によって決まる。

しかし、アルコール依存症の遺伝子を持つからといって、
その人が必ずしも依存症になるわけではない。
その人が酒を飲まなかったら、依存症にはならないからだ。
飲める・飲めないは遺伝子が決めても、飲む・飲まないは自分が決める。
アルコールを絶対口にしないという意志が、生得の遺伝的要因に勝る。
人は、遺伝子にのみ左右される存在ではないということだ。

このことは、私の研究分野である心の働きと遺伝子の相互関係にも通じる。

≪遺伝子のスイッチをオフに≫

アルコール依存症からの回復は、その精神依存度からして非常に困難。
従って、家族や周囲の者は、本人と共に断酒会に参加するなどして、
酒を断つ意志を生涯持ち続けるように働きかけていく努力が必要。

そんな自助グループの一つに、AAというグループがある。
スピリチュアルなアプローチを、依存症からの回復に役立てている。
AAの設立には、精神分析学のカール・G・ユングが関与。
ユングは、重いアルコール依存症でAAの設立者となった人物に言う。
「あなたは、医術や精神医療ではどうにもならない。
スピリチュアルな体験、真の転換を体験すれば、回復可能かもしれない」。

酒を断つような環境をつくり、依存者が助け合うような場を整え、
そして、いま生かされていることに感謝できるような心になれば、
依存症に関与するさまざまな遺伝子のスイッチをオフにすることが可能と考える。

http://sankei.jp.msn.com/life/body/070925/bdy0709250602000-n1.htm

2007年11月6日火曜日

6時間疾走の「スーパーマウス」=遺伝子組み換えで誕生

(時事通信 2007/11/02)

毎分20メートルの速度で5~6キロの距離を、
最大6時間にわたって連続疾走できる驚異的な体力のマウスが
遺伝子組み換えで誕生した。
米オハイオ州ケース・ウェスタン・リザーブ大学の研究チームが発表。

リチャード・ハンソン教授によると、
この「スーパーマウス」は、既に500匹近く生まれている。
エネルギー源に主に脂肪酸を使うが、
疲労物質とされる乳酸の発生が極めて少ない特性があり、
「人間に例えれば、自転車ロードレースの
元王者ランス・アームストロングに匹敵する」。

J Biol Chem. 2007 Nov 9;282(45):32844-55. Epub 2007 Aug 23.

Overexpression of the cytosolic form of phosphoenolpyruvate carboxykinase (GTP) in skeletal muscle repatterns energy metabolism in the mouse.

Hakimi P, Yang J, Casadesus G, Massillon D, Tolentino-Silva F, Nye CK, Cabrera ME, Hagen DR, Utter CB, Baghdy Y, Johnson DH, Wilson DL, Kirwan JP, Kalhan SC, Hanson RW.

Transgenic mice, containing a chimeric gene in which the cDNA for phosphoenolpyruvate carboxykinase (GTP) (PEPCK-C) (EC 4.1.1.32) was linked to the alpha-skeletal actin gene promoter, express PEPCK-C in skeletal muscle (1-3 units/g). Breeding two founder lines together produced mice with an activity of PEPCK-C of 9 units/g of muscle (PEPCK-C(mus) mice). These mice were seven times more active in their cages than controls. On a mouse treadmill, PEPCK-C(mus) mice ran up to 6 km at a speed of 20 m/min, whereas controls stopped at 0.2 km. PEPCK-C(mus) mice had an enhanced exercise capacity, with a VO(2max) of 156 +/- 8.0 ml/kg/min, a maximal respiratory exchange ratio of 0.91 +/- 0.03, and a blood lactate concentration of 3.7 +/- 1.0 mm after running for 32 min at a 25 degrees grade; the values for control animals were 112 +/- 21 ml/kg/min, 0.99 +/- 0.08, and 8.1 +/- 5.0 mm respectively. The PEPCK-C(mus) mice ate 60% more than controls but had half the body weight and 10% the body fat as determined by magnetic resonance imaging. In addition, the number of mitochondria and the content of triglyceride in the skeletal muscle of PEPCK-C(mus) mice were greatly increased as compared with controls. PEPCK-C(mus) mice had an extended life span relative to control animals; mice up to an age of 2.5 years ran twice as fast as 6-12-month-old control animals. We conclude that overexpression of PEPCK-C repatterns energy metabolism and leads to greater longevity.

http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2007110200523

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これは面白いですねえ。
どんな遺伝子を組み込んだのか、あるいは増幅させたのかは
詳細はまだ分かりませんが。
運動能力を高めるものとして、いろんな遺伝子が候補にあがっていますが、
実際に「スーパーマウス」と呼べるようなものはありませんでした。

ただし、スポーツ界にとっては危惧すべき面も。
遺伝子ドーピングという言葉があるように、
この技術は悪用される場合もあります。
ある遺伝子を動かすことで、
さまざまな悪影響を及ぼしてしまう危険性があります。
研究者としてのモラルと情報公開が重要になりますね。

勤勉さが発症を抑える? アルツハイマー病で米大学

(共同通信社 2007年10月2日)

勤勉、実直な性格や生活様式が、アルツハイマー病の発症を抑える
可能性を示す約1000人の追跡調査による研究結果を、
米ラッシュ大医療センターの研究チームが発表。

平均年齢75歳の健康な997人を12年間、追跡調査したところ、
176人がアルツハイマー病を発症。
調査参加時に性格テストを実施しており、性格と発症との関係を分析。

その結果、「目標達成に熱心に取り組む」、
「やることすべてに優秀さを追求する」、
「時間に間に合うよう、ペース配分をする」といった
「勤勉、実直」を示す項目で高得点を挙げたグループは、
得点が低いグループに比べ、89%も発症リスクが低かった。

勤勉な人では、死後に脳を調べると
アルツハイマー病の特徴を示す病巣があったのに、
生前に認知症が現れなかったケースも。

「勤勉な生活様式によって、脳神経が保護されるのかもしれない。
発症を遅らせる方法の開発につながる可能性がある」。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=56496

2007年11月5日月曜日

石の「水切り」51回、世界記録をギネス認定

(excite 2007年10月03日)

米ペンシルバニア州の男性が、
水面に石を投げて跳ねさせる遊び「水切り」で51回の世界新記録を出した。
これまでの世界記録は40回。

ラッセル“ロック・ボトム”ブライヤーズさんは7月19日、
ピッツバーグのおよそ70マイル北、アレゲニー川とフランクリンの
フレンチクリークの交わるところで記録を達成。
石は250フィート (75メートル) ほどの距離を跳ねていったという。

ギネス世界記録の専門家たちが、録画された映像をひと跳ねひと跳ねの
波紋までチェックし、ブライヤーズさんを世界記録保持者に認定。

ブライヤーズさんは、「その日、僕は40回ほど石を投げましたが、
記録を出したのは最初の一投でした」と、
ギネスの職員といっしょに現場で記録を確認した『ピッツバーグ・ポスト』紙に語った。

前の世界記録は、ペンシルバニア州エンポリウムの
カート・スタイナーさん (42) が2002年に出したもの。

http://www.excite.co.jp/News/odd/00081191347479.html

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これは凄い記録ですね。
どうすれば、水切りを51回もできるんでしょう???
私はせいぜい3回ぐらいですかね。
それに、40回も投げ続けたというのは驚きです。
私はせいぜい5回くらいですかね。ガラスの肩なもので。。。
水切りもギネスに認定されているとは、これまた驚きです。
水切りを録画していたのも、これまた驚きです。

“血液サラサラ”効果のタマネギ 「ゴクリ」が新しい



(毎日 2007.9.23)

“血液サラサラ”効果で知られる食物といえば、タマネギ。
オニオンスライスにしたり、すりおろしてドレッシングに使ったり…。
工夫しながら毎日せっせととっている人も多い一方、
手間なく栄養成分をとることができる“たまねぎ飲料”が注目。

飲む玉葱」は、200ミリリットル入りのペット飲料。
韓国で開発・製造されたものを日本人向けに改良し、発売したところ、
健康志向の中高年によく売れ、30%以上がリピーターというヒット商品。

輸入元であるコピス(福岡市)の立川皓第専務は、
「血圧が高い人は、医者に『タマネギを煎じて飲みなさい』といわれるが、
現実的には難しい。ジュースだと、手軽に続けられると好評」 。
まとめ買いする人が多いのも特徴。
タマネギ特有の辛みやにおいを想像し、恐る恐る飲んでみたら、
リンゴ果汁やはちみつを加えてあるので甘くて飲みやすい。
口にわずかに残る風味や香りがタマネギを感じさせる。
焼酎を割ってヘルシーチューハイにしたり、リンゴジュースで割って飲む人も。

タマネギが注目されている理由の一つは、「ケルセチン」という抗酸化成分。
食品総合研究所の津志田藤二郎さんは、
「ケルセチンは、植物が生産する黄色色素で、フラボノイドの仲間。
強い抗酸化性が、動脈硬化の原因となるLDL(悪玉コレステロール)の酸化抑制や、
老化の抑制、遺伝子の酸化傷害を抑えることによるがんの予防などにも
関与すると推定され、研究が進められています」。
では、効率的に摂取するには?
「ケルセチンの多くは、糖と結合した配糖体として野菜などに含まれます。
タマネギの組織からケルセチン配糖体がよく溶け出るのは、煮物。
固形の状態より、ジュースの方が溶け出る量が多い」

ケルセチンに着目したのが、キッコーマンが発売した
デルモンテ たまねぎ習慣」(内容量920グラム)。
ニンジンやトマトなどの緑黄色野菜をベースにしたタマネギ飲料で、
本州で主に栽培されている「ターザン種」と比べ、
約2倍のケルセチンを含む北海道産タマネギ「スーパー北もみじ」を使用。
タマネギをピューレ状にする際、瞬間的に加熱破砕する特許製法で、
タマネギ特有の辛みや苦み、くさみを減らし、甘みを引き出しているという。
特有のクセをカバーし、飲みやすくしてあるタマネギ飲料。
「タマネギは苦手」という人も、試してみる価値はありそう。

2007年11月4日日曜日

葬儀、お墓 自分流 海上での散骨20万~50万円 「墓地いらない」13%

(毎日新聞 2007.9.21)

葬儀やお墓にかかる費用は宗教も関係し、不明な部分が多い。
寺に戒名の費用を尋ねたら、「お気持ちで」と言われ、
慌てて近所の人に聞いて回ったという話も。

さらに墓を持てば、墓参りなど永続的なかかわりや費用も発生。
近年は、海などへの散骨も定着しつつあり、多様化。

日本消費者協会が平成15年に行った調査では、
葬儀一式費用(葬儀社に支払った額)の全国平均は、150万4000円。
最低額は11万円、最高は400万円と幅が大きい。
飲食接待費用は、平均38万6000円。
戒名、お経など寺院関係費用で、平均48万6000円。
「戒名は30万円程度からだが、
料金ではなく志なので明確なものはない」(葬祭業関係者)。

冠婚葬祭の互助会「くらしの友」の堀田恵則課長は、
「『普通』の形式はない。どんな疑問も尋ねて、自分で納得することが重要」。

墓地は、民営、公営、寺院墓地などに分かれる。
墓地関連費用でよく耳にするのが、永代使用料。

須藤石材池袋営業所長の萩原秀紀さんは、
「墓地の使用権で、土地と同じように価格差がある」。
大都市圏以外では、民営墓地は1平方メートル当たり10万円前後、
都心の一等地の寺院墓地では500万円といった例も。
駅に近い方が一般的に永代使用料が高く、利便性が反映。

墓も個人の好みがあり千差万別。
千葉県船橋市内の霊園で試算してみた。
1・5平方メートルの永代使用料は、36万円から。
墓石は材質で差があり、中国産御影石を使った場合、100万円前後。
高級な黒御影石で200万円前後。
このほか、手数料や寺院関係費用など諸費用を10万円程度。
総計は、146万円~246万円程度。年間管理料は3000円。

萩原さんは、「墓地選びはカタログではなく、案内を頼んで
実際に目で確かめることが重要」。

墓の場合、少子化進展で継承が続くかどうかが問題。
そのため、ほかの人と一緒となる合葬形式も増えている。
寺の永代供養墓の場合、一般的な仕組みは、
一定期間は骨つぼのまま安置し、その後ほかの遺骨とともに葬る。
最初から遺骨を一緒にする形式もある。
費用は10万~100万円程度。基本的に年間管理料は必要ない。

遺骨を自然にかえす散骨は、船や軽飛行機を使い海上で行う形式が多い。
チャーターした場合は、20万~50万円。
乗船せずに代行する場合は10万円以下の料金を掲げる業者も。
墓地を持っていない人のうち、墓地購入に前向きの人は約30%、
「自然葬などが希望で墓地はいらない」が約13%、
合葬墓、永代供養墓は計約6%と、考え方も多様化。

葬儀関連冊子編集に携わった関沢七重出版編集部長は、
「葬儀や墓などの形式はさまざまで、生前に自分の希望を伝え、
業者とも相談しておくことがベスト。
遺族になったら、どんなに突然でも葬儀までには数日の余裕があるので、
あわてずに複数の業者の見積もりを納得するまで検討すべき」。

http://sankei.jp.msn.com/life/lifestyle/070921/sty0709211040022-n1.htm

肥満のままでも糖尿病改善 特定酵素の欠損が鍵

(共同通信社 2007年10月1日)

肥満でも、ダイエットしないで糖尿病やメタボリック症候群を治療できる?

そんな夢のような方法を、島野仁・筑波大准教授(内分泌代謝・糖尿病内科)らの
研究グループがマウスの実験で突き止めた。

糖尿病は、膵臓が分泌するインスリンが不足したり効きが悪くなったりして、
細胞が血液中のブドウ糖を取り込まなくなる。
今回、ある特定の酵素を欠損させることでインスリンの効きが悪くなる状態の
「インスリン抵抗性」を改善することに成功。

研究グループは、体内で糖から脂肪を作る際、
脂肪酸を構成する炭素分子の鎖を長くする酵素「Elovl6」に着目。

遺伝子組み換えによりこの酵素を欠損させたマウスで実験したところ、
肝臓で短い脂肪酸が増え、脂肪の質が変わった。
酵素が欠損したマウスを肥満にさせたところ、
通常の肥満マウスに比べインスリン抵抗性をほとんど示さず、血糖値も正常。

島野准教授は、「太り放題でも病気にならない治療薬ができるかもしれない。
しかし、あくまで生活習慣病には食事や運動の改善が一番で、
それがどうしても続かない患者への手段だ」。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=56375