2009年4月4日土曜日

鎮守の森:消えゆく 照葉樹林、30年で3割減--首都圏172社寺、横浜国大調査

(毎日 3月31日)

首都圏に点在する鎮守の森の3分の1が、30年間で消失したことが、
横浜国立大の調査で分かった。
残された場所にも、外来種の侵入が目立った。

鎮守の森は、シイやカシに代表される照葉樹林が分布し、
日本独自の文化をはぐくんできた。
信仰で守られてきた都市近郊の自然が、
危機にさらされている現状が浮き彫り。

72~80年の記録や文献から、1都4県で鎮守の森だった172カ所のうち、
管理者の協力が得られた145カ所で02~06年の状態を調べた。

その結果、25カ所が更地や墓地、駐車場などになって消失
別の26カ所は、スギやヒノキなどに植え替えられたり公園に変化。

鎮守の森が残る94カ所のうち20カ所で、約30年前に見られなかった
街路樹などに使われる中国原産トウネズミモチが確認
九州以南に分布するヤシ科シュロは、46カ所から69カ所に増加

森が失われた寺社は、住民から「日当たりが悪い」などの苦情や、
参拝客の利便性アップのため駐車場や道路が設置されたところが多い。
残っていたのは、人が入りにくい急斜面や
自治体の条例で保全されている場所。

研究チームの窪山恵美・大学院生(27)は、
「鎮守の森は、照葉樹林の遺伝資源の宝庫で、
都会の数少ない生物のすみかだ。
寺社と住民が協力して守らなければならない」と警告。

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2009/03/31/20090331dde041040034000c.html

スポーツ関連の国際イベント「スポーツアコード」

(東京オリンピック招致委員会 3月27日)

「東京オリンピック・パラリンピック招致委員会」は、
米国コロラド州デンバー市で開催された「スポーツアコード」(Sportaccord)
において、世界のスポーツ関係者に東京の招致の動機や開催計画を
幅広くアピールするためのプレゼンテーションおよび記者会見を実施。

プレゼンテーションにはIOC委員をはじめ、
ASOIF(オリンピック夏季大会競技団体連合)、
AIOWF(オリンピック冬季大会競技団体連合)、各国NOC、
スポーツビジネス界から約500名の関係者が参加。

東京のほか、シカゴ、リオデジャネイロ、マドリードの各立候補都市も
同様のプレゼンテーションおよび記者会見も実施。

「スポーツアコード」の概要と、当委員会からの出席者
■名 称:スポーツアコード(Sportaccord Denver 09)
■場 所:アメリカ・コロラド州デンバー市
■日 程:2009年3月26日(スポーツアコード全体:3月23~27日)

【スポーツアコードでのプレゼンテーション概略・登壇順】

東京のプレゼンテーションは、河野一郎事務総長の挨拶に始まり、
外務副大臣・橋本聖子氏などの壇上のプレゼンターを順次紹介。

日本オリンピック委員会(JOC)理事、IOCの副会長、猪谷千春理事は、
選手として3回出場を含む過去18回のオリンピック大会の参加を通じ、
国際競技連盟の担う重要な役割について触れた。
「スポーツアコード」の優れた運営に賛辞。

橋本聖子外務副大臣は、1964年生まれの名前「聖子」が、
オリンピック聖火に因んでつけられたことを語り、
スピードスケート選手として4回、自転車競技選手として3回の合計7回の
オリンピック大会への参加について述べ、
子供たちの人格形成や世界平和の構築において、
スポーツの果たす役割が非常に大事であることを訴えた。

日本政府による財政保証に加え、衆参両議院による国会決議が得られ、
全面的な日本政府の協力を得られている。
貧困や紛争、経済危機、環境破壊といった世界的な脅威に関わらず、
日本政府はオリンピックを通じて、世界に夢と希望をもたらすことを約束。

河野総長は、東京大会のコンセプト”Setting the Stage for Heroes”
(世界最高の環境 ヒーローたちの檜舞台)を紹介、
「東京の強みは、Venues(会場計画)、People(日本国民・東京都民)、
City(東京という都市の魅力)」であることを新しい紹介ビデオ
「Venues(会場計画)編」と「City(東京という都市の魅力)編」の上映。

河野総長は、成長を続けるアジアは30億人という巨大市場であり、
オリンピック史上未だかつてない規模のテレビ放映権の
ポテンシャルがあることを示唆。

東京は、大会開催準備のための約30億ドル(40億ドル積み立てる予定)
の積立金を既に確保し、世界的な経済不況の最中にあっても
確実にオリンピックを開催できる、オリンピック関係者にとって
最も信頼できるパートナーであると自信を示した。

1976年モントリオール大会・女子バレーボール金メダリストの
荒木田裕子・当招致委員会アスリート専門委員会副委員長は、
各IF(国際競技連盟)の意見を十分に反映したプランであり、
競技会場の97%はオリンピックスタジアムを中心に
8キロ圏内に位置、34の競技会場のうち23カ所は既存で残り、
11カ所も土地は確保済みであることなど、
オリンピック・パラリンピックの選手すべてを迎え入れる用意がある。

当委員会の副会長、JOCの竹田恆和会長は、
過去15年に日本で行われたワールドカップや世界選手権の
豊富な開催実績に裏付けされる知見、オリンピック関係者のすべてを
迎え入れる日本国民の熱意とホスピタリティを強く訴えた。

記者会見では、国際プレスより「なぜ東京か」との質問が寄せられ、
ここでも財政面が保証され、最高の環境を提供できるから、との答え。

紹介ビデオ「Venue編」と「City編」
http://www.tokyo2016.or.jp/jp/plan/movie/index.html

http://www.tokyo2016.or.jp/jp/press/2009/03/post_68.html

糖尿病患者・予備群2000万人突破(その2止) なくそう・減らそう糖尿病

(2009年3月25日 毎日新聞社)

◇自ら学ぶ「教育入院」

朝日生命成人病研究所丸の内病院。
糖尿病患者が外来の8割。
85年の開院当初、糖尿病患者の教育入院を始めた草分け。
1-2週間の入院から、仕事を長期に休めない患者向けの
週末入院コース(3泊)もある。
28床で、年間約600人が入院。
健診で高血糖だと分かり入院を勧められたり、
診療所で血糖値の高い状態が続いて紹介されてきた患者が多い。

教育入院とは、患者が糖尿病という病気を理解し、生活上の注意点を
自分で考えて、病気と上手に付き合えるようにすることが目的。
吉田洋子・糖尿病代謝科部長は、
「糖尿病は薬だけで治療できない。教育入院を通じて、
患者さんが主体的に食事や運動療法を行えるように支援」

3月中旬、病院を訪ねた。
夕食メニューは、豚のもも肉をみそで味付けして焼いた「もろみ焼き」、
「ホタテと大根のサラダ」、「ジャガイモとタマネギの煮物」、「澄まし汁」にオレンジ。

午後6時すぎ、十数人の患者が食堂に。
それぞれの摂取カロリーに応じて、茶わんにご飯を計ってよそう。
自分の食事の量を体験して覚えていく。
「ホタテは10グラムしか入っていませんが、缶詰を使っているので味が出ます。
大根は千切りにして塩を振ってもんで、水気をしっかり切るのが大事。
シャキシャキ感が残ります」

栄養士の戸部江美さんが、献立の食材や調理方法を解説。
患者からは「大根は火を通さないのですか」、「シャキシャキしていておいしい」
などと、次々に質問や感想が上がる。

患者はスケジュールに沿って生活。
午前と午後に1時間ずつ開かれる糖尿病教室に参加し、
医師や看護師らの話を聞く。
ストレッチをこなしたり、病棟内にある1周120メートルのウオーキングコースを
食後に歩く患者の姿も。近くの皇居周辺を歩くことも。
インスリン注射は、食事前に処置室に集まって行い、
看護師が正しく注射できているかを1人ずつ確認。

横浜市の森谷捷三さん(66)は、5年前から毎年1回、教育入院。
働いていたときから服薬していたが、徐々に血糖値が悪化し、
退職を契機に教育入院を決意。

森谷さんは、「自宅では、どうしてもカロリーを取り過ぎてしまう。
入院すると、自分が食べ過ぎているのを再認識できる。
気持ちを新たにして、食事や運動療法に取り組める。
目の検査など、病気の進行度をチェックしてもらえるので、
年1回、定期検査も兼ねて来ている」

吉田さんは、「食事や運動の効果を実際に体験してもらい、
自分の生活に取り入れてほしい」

◇「治療している」55%どまり

厚労省の国民健康・栄養調査では、
「糖尿病が強く疑われる人(患者)」が約890万人、
「可能性を否定できない人(予備群)」が約1320万人と推計、
患者と予備群の合計が約2210万人に。

前回(02年)の調査では、患者約740万人、予備群約880万人の
計約1620万人、糖尿病の患者・予備群が急増。
20歳以上の患者のうち、「現在、治療を受けている人」は55・7%、
39・2%は「治療を受けたことがない」

患者・予備群が増加している背景には、
▽食生活の欧米化(脂肪摂取の増加)
▽運動量の減少――などが指摘。

最近は、「やせ」の若い女性の増加に伴う低出生体重児の増加。
低体重児は、血糖値を下げるホルモン「インスリン」の分泌機能の
発達が不十分なことが多い。
……………………………………………………………………………
◇5年間で患者減、可能だ--日本糖尿病学会理事長・門脇孝氏

糖尿病の患者が増えたのは、欧米型の生活習慣が普及したのが最大の要因。
脂肪を取り過ぎ、運動不足が重なり、内臓脂肪が蓄積。
内臓脂肪症候群(メタボリックシンドローム)対策を
正しく進めることは発症予防に役立つ。

自覚症状のない病気とあって、血糖値を測定して早期に診断することが重要。
診断精度を高めるため、血糖測定だけでなく、過去1-2カ月の血糖の状態を
示すヘモグロビンA1cの数値を用いる。

学会では、「対糖尿病戦略5カ年計画」の改定作業を進めている。
糖尿病の病態解明と治療・予防環境の向上の2本柱を掲げた。
病態解明では、日本人の糖尿病の特質を説明する関連遺伝子を
発見するなどの成果を上げてきた。
治療・予防環境も、日本人の臨床研究を進めて治療データを蓄積、
今後5年間にはそれらの結果が出る。
これらの成果を治療や予防に反映していきたい。

患者数と合併症が増えているが、今後5年間で患者数の増加を減少に
転じさせることを明確に掲げたい。
それが可能ではないか、という気持ちを持ち始めている。
解明が困難と言われていた、糖尿病の遺伝子が次々見つかったから。
啓発活動が功を奏して、男女とも脂肪摂取が横ばい、最近では減少傾向に。

今後は運動を増やしていけるように、運動療法士の養成を支援したり、
ウオーキングできる場所やスポーツ施設の充実を街づくりに反映するよう提言。
レストランのメニューなど、糖尿病患者向けのヘルシーメニューを
増やすよう働きかけていく。

社会として生活習慣病を減らす仕組みや、患者が負担なく食事や
運動療法に取り組める環境づくりが重要。
そうした取り組みを通じて、患者を減らしたい。

学会は、これまで糖尿病の原因や治療研究を重視し、成果も上げてきた。
学術研究だけでなく、社会的責任も増している。
医師会や糖尿病協会などとつくった糖尿病対策推進会議、
地方自治体や国との連携、国際的な連携を重視したい。
こうしたつながりを大切に、学会の考えを明確に伝える努力をしていきたい。
…………………………………………………………………………
◇糖尿病予備群

糖尿病と確定診断されなくても、血糖値が正常値より高めの人を指す。
日本糖尿病学会の診断基準は「境界型」と位置づけ、
空腹時血糖値が血液1デシリットルあたり110-126ミリグラム未満、
食後血糖値が140-200ミリグラム未満の人が該当。
同学会は、糖尿病に準じた対応が必要と定める。

厚労省の国民健康・栄養調査では、「糖尿病の可能性が否定できない人」
として、過去1-2カ月の平均的な血糖状態を示す
ヘモグロビンA1c(HbA1c)が5.6-6.1%未満の人を対象。
08年、正常値でも空腹時血糖値が100-110ミリグラム未満の場合、
「正常高値」と診断する新しい基準を公表。
正常高値は、「健康な人の中でも、将来糖尿病になりやすいグループ」
……………………………………………………………………………
◆教育入院の主な一日(丸の内病院の場合)
 6時    起床・検温
 6時半   血糖測定、体重測定
 7時45分 インスリンを自己注射してから朝食
10時-   主治医の回診、看護師の訪室
11時    糖尿病教室
12時    血糖測定、インスリン注射後に昼食
13時    ロビーでストレッチや体操
13時半   糖尿病教室
16時半   血糖測定
18時    インスリン注射後に夕食
19時    看護師の訪室
21時    血糖測定
22時    インスリン注射し就寝
 *インスリン注射は必要な患者の場合
…………………………………………………………………
◇かどわき・たかし

東京大医卒。米国立衛生研究所客員研究員、東京大講師、
助教授などを経て、03年から東京大糖尿病・代謝内科教授。
05年、東京大病院副院長兼務。
08年5月から日本糖尿病学会理事長。56歳。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/3/25/94244/

中年期に身体活動度を高めると最終的には死亡リスクが低下する

(2009年3月24日 Medscape)

中年期に身体活動度を高めた男性は、
一貫して身体活動度の高い男性と同じレベルまで、
死亡リスクが低下することを示す地域集団ベースのコホート研究が、
3月6日付け『BMJ』オンライン早版に報告。

「西欧における中年男性の約半数は、定期的な身体活動に参加していない」
とウプサラ大学(Uppsala University)(スウェーデン)のLiisa Byberg氏ら。
「若年期に身体活動をしないことは有害とみられているが、
その後の人生における運動レベルの上昇が
死亡率を低下させるかどうかはわかっていない。
死亡率に対する影響を、他の生活習慣における変化の効果と比較すれば、
身体活動の健康効果の可能性は伝えやすくなる」

目的は、中年期以降の身体活動度の変化が死亡率に影響を及ぼす
度合いを評価することと、その変化を禁煙の効果と比較すること。

スウェーデン、ウプサラにおいて、1970-1973年に50歳の男性2205例を
35年間にわたり追跡調査、60歳、70歳、77歳、82歳の時点で再評価。
主要エンドポイントは、(あらゆる原因による)総死亡率。

身体活動度が低度、中程度、高度の集団において、
絶対死亡率は27.1、23.6、18.4/1000人-年、
高い身体活動度による相対的死亡率低下は、低い身体活動度と比較し32%、
中程度の身体活動度と比較し22%。

追跡調査の最初の5年間には、50-60歳の間に身体活動度を高めた男性は
死亡率が上昇し続けた。
10年間の追跡調査後、これらの男性の身体活動度の上昇は、
一貫して身体活動度の高い男性のレベルまで死亡率を低下。
身体活動度の上昇に伴う死亡率の低下は、禁煙による低下に匹敵。

「中年期における身体活動度の上昇によって、
一貫して身体活動度の高い男性に認められるのと同程度まで死亡率が低下」
「この低下は、禁煙による低下に匹敵するもの」

この研究の限界として、標本が男性に限られること、
身体活動度の評価が質問票による大まかで、誤分類のリスクが
結果の過小評価につながった可能性、
LOCF(last observed value carried forward)法
(欠測値を最直前のデータで補完する方法)に関連したバイアスの可能性。

「中年以降の男性においても、身体活動を奨励する取り組みは重要。
中年期に身体活動度を高めると、最長10年にわたる無効果の誘導期間
(induction period)後、寿命に延長が認められる」

BMJ. Published online March 6, 2009.

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/3/24/94195/

2009年4月3日金曜日

シャープを抜いたターンキーの脅威

(日経 2009-03-24)

環境ビジネスの注目株、太陽電池市場で
欧州やアジアのベンチャー企業の台頭が著しい。
世界のトップを走ってきた日本勢だが、各国の新興企業に
あっという間に追いつかれ、追い越されてしまった。

「ターンキー方式」と呼ぶ一貫製造ラインの活用と、
「早いもの勝ち」でシェアを奪う短期集中投資型のスピード経営に
躍進の秘密。

「太陽光発電の技術を開発したのは米国だが、その生産においては
ドイツや日本に追い抜かれてしまった」
オバマ米大統領は、初の議会演説で国内のエネルギー関係者に喝。
ドイツと並び、日本を太陽電池先進国に挙げてくれたのは光栄だが、
日本の優位は既に揺らいでいる。

太陽光発電の累積導入量で、日本は2005年にドイツに抜かれ、
企業の太陽電池生産シェアでは07年、
独Qセルズがシャープから首位の座を奪った。

政府が06年、太陽光発電装置購入の際の補助金を打ち切った
(今年1月に復活)ことが、日本失速の要因と指摘。
ドイツは、太陽光発電を高値で買い取るよう電力会社に義務付け、
導入件数を飛躍的に増やした。
政府の財政支援だけで、Qセルズなどが躍進したわけではない。

新興企業に共通するのは、「時間を買う」という戦略。
株式公開で得た資金力を武器に、製造ノウハウなど完成した技術を
外部から導入、高い投資効率で短期間に市場参入を成し遂げた。
技術開発を自社に頼る自前主義が強く、経営の意思決定のスピードが遅い
日本企業にはまねのできない芸当。

こうした戦略を支えたのが、ターンキー方式と呼ぶ一貫製造ライン。
装置のカギを回せば、すぐに製品が出てくるという意味、
アルバックや米アプライド・マテリアルズといった日米の製造装置大手が、
この方式の一貫製造ラインの提供に力を入れ、装置の納入、
据え付けから量産開始までを請け負っている。

新興企業が得意とするのは、薄膜タイプの太陽電池。
発電効率は落ちるが、シリコンの使用量が少なく、生産工程もシンプル。
エネルギーの変換効率などの技術開発は、日本に「1日の長」があるのは
海外も認めるが、低コスト競争では薄膜で攻めた新興企業に軍配が上がる。

金融危機の影響で、欧州各国では太陽光発電への助成の削減が予想。
「生産コストを引き下げられる企業だけが生き残る」とのサバイバルレースは、
アジアの新興企業に有利。

半導体や液晶で、韓国などのアジア勢にシェアを奪われた
日本敗北のデジャビュ(既視感)が頭をよぎる。
「技術では勝っているが…」という言い分は、一敗地にまみれた
半導体メーカー首脳から何度も聞かされた恨み節だが、
この敗北の歴史を太陽電池で繰り返さないためには何をどうすべきか。

日本の太陽電池開発を、草創期からけん引した桑野幸徳・三洋電機元社長
「ライバルの一歩先を行く技術の開発を持続的に成し遂げ、
技術流出を防ぐブラックボックス戦略を徹底することに尽きる」

三洋が10年かけて開発した「HIT太陽電池」は、
結晶型と薄膜型を組み合わせ世界最高の変換効率22.3%を達成。
桑野氏は、「HITのような、ライバルがまねできない強い製品を作り、
これを武器に海外に打って出て、顧客開拓で先手を握ることが日本の生きる道」

4半世紀前、ターンキー戦略の効用にいち早く着目した起業家が日本にいた。
ミネベア創業者の故高橋高見氏。
1984年、半導体事業に参入して周囲を驚かせた高橋氏は、
「精密ベアリング(軸受け)の製造技術があれば、
素人でも半導体などわけなく作ってみせる」と、大手電機メーカーを挑発。
奔放な発言は物議を醸したが、装置産業と化した半導体事業は、
資金力さえあれば技術や特許、装置を海外などから購入、畑違いでも
挑戦できると見抜いていた。

氏の野望は、大手の壁に阻まれ9年間でついえたが、
この新規参入の手法を韓国、台湾が学び、日本勢を脅かすベンチャーを輩出。
半導体、液晶と同じく太陽電池でも日本のプレーヤーは依然、老舗企業ばかり。
ベンチャーが続々登場し、下克上が当たり前の競争を繰り広げる
アジアなどと異なる。

「挑戦者を排除したり、政府に頼る風土が続く限り、日本は変わらない」
高橋氏は草葉の陰から、「それ見たことか」と嘆いているだろう。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/mono/mon090317.html

新しいヨーグルトは胃潰瘍と戦う

(2009年3月30日 Medscape)

アジア諸国では、既に店頭に並んでいる新しいヨーグルトは、
胃潰瘍を予防および治療する新たな旨い方法を提供する可能性がある。
日本人研究者らが開発したこのヨーグルトは、
胃炎や胃潰瘍を引き起こす細菌と戦う。

生細菌を含む発酵乳製品であるヨーグルトは、カルシウム、蛋白質などの
栄養素が豊富に含まれる健康食品。
京都女子大学の化学者八田一氏は、
「この新しいヨーグルトによって、人々は今や胃潰瘍を引き起こす細菌を
予防または除去しながら、ヨーグルトの味覚を楽しむことができる」

多くの潰瘍は、ヘリコバクター・ピロリと呼ばれる細菌、
アスピリンなどの非ステロイド性抗炎症薬の過剰使用によって引き起こされる。
ヘリコバクター・ピロリによる潰瘍は、抗生物質や制酸薬によって
治療することができる。

ヘリコバクター・ピロリは、ウレアーゼという酵素を用いて、
胃の内側に付着し、感染を引き起こす。
最新のヨーグルトは、胃潰瘍と戦うようにデザインされ、
IgY-ウレアーゼという抗体を含んでいる。
このヨーグルトは、日本ではドクターPiro、韓国ではGutという名前で市販。

ウレアーゼに対する抗体の摂取が、ヘリコバクター・ピロリによる
感染の抑制に有効かどうかを検討。
ヘリコバクター・ピロリ陽性の42例を2群に分け、
一群は、4週間にわたり抗体を含む同ヨーグルトを1日3回摂取。
もう一群は、抗体を含まない通常のヨーグルトを同量摂取。
その結果、ヘリコバクター・ピロリの活性は、
抗体ヨーグルト摂取群において有意に低下。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/3/30/94536/

高校で理科への興味急低下 教員調査で裏付け

(サイエンスポータル 2009年3月31日)

高校普通科に学ぶ生徒の理科に対する関心は、
小中学生に比べて大幅に低い、という結果が
高校の理科教員に対する調査で明らかに。

調査は、科学技術振興機構と国立教育政策研究所が、
全国約900校の高校で理科を教える約3,300人の教員を対象に、
質問紙による方法で実施。

普通科の生徒全員が履修する理科総合A、同B、理科基礎の授業で、
「生徒の60%以上が好きだと感じている」と答えた
担当教員の割合は約1割。

過去に行われた小中学校教員に対する同様な調査で得られている
回答の割合、4-8割を大幅に下回っている。

日本の子どもたちは、小学生の時は理科が好きなのに
中学、高校と進むにつれて嫌いになる生徒が増える、と
これまで言われていたことをあらためて裏付ける結果。

普通科教員で、「生徒による観察や実験を週1回以上実施している」と
答えた割合も約1割、同じ問いに対する小中学校の教員の
回答割合6-8割に比べると大きな差。

「実験の手順を生徒自身によく考えさせているか」、
「生徒に自分の考えを発表する機会をよく与えているか」という問いに、
「そう思う」と答えた普通科理科教員は、1割未満。

普通科の理科授業がこうした状況にある理由として、
「授業時間の不足」、「大学入試への対応のための指導に時間を取られる」、
「設備備品の不足」を挙げる声が多かった。

普通科の理科の設備備品費は、1学校当たり全国平均で
年間約32万円(生徒一人当たり407円)、
消耗費も生徒一人当たり510円と、観察や実験を重視する
理科授業が難しい予算状況。

調査対象となった教員の経歴をみると、
大学で理学系を専攻した普通科理科教員の割合は約5割、
公立中学校理科教員の約3割に比べると多い。
大学院を修了している理科教員の割合も3-4割、
公立中学校理科教員の約2割を上回っている。

http://www.scienceportal.jp/news/daily/0903/0903311.html

調節T細胞の抑制プログラムはTH2応答を制御するために転写因子IRF4を選んでいる

(2009年3月19日 Nature)

調節T細胞の抑制プログラムは、TH2応答を制御するために
転写因子IRF4を選んでいる

感染あるいは自己免疫の過程では、特定の転写因子群が
TH1、TH2、TH17エフェクター細胞の分化を調整するが、
こうした応答は異なる細胞系列に属する抑制能をもつ
調節T細胞(Treg)により制限。

Treg細胞の分化と機能は、転写因子Foxp3に誘導され、
Foxp3の変異によってFoxp3が欠損すると、
急激なTH1およびTH2サイトカインの産生亢進に関連し、
強力で致死的な自己免疫疾患が引き起こされる。

Foxp3は、直接の標的となる転写調節因子群を介して、
Foxp3依存的な転写プログラムの大部分を間接的に調節していることが示唆。

本論文では、マウスのTreg細胞でみられる、TH2エフェクター細胞の分化に
不可欠な転写因子であるインターフェロン制御因子4(IRF4)の大量の発現は、
Foxp3に依存していることを示す。

IRF4の発現によって、Treg細胞がTH2応答を抑制できると考えた。
Treg細胞で、Irf4対立遺伝子を条件欠損させると、
TH2応答の選択的な調節異常、
IL4に依存した免疫グロブリンアイソタイプ産生、
形質細胞浸潤を特徴とする組織病変が引き起こされ、
Treg細胞を欠損するマウスに典型的にみられる主に単核球に支配される
病変とは大いに異なっている。

今回の結果は、Treg細胞が転写装置の構成要素を使って、
特定のタイプのCD4+ エフェクターT細胞の分化を促進することにより、
対応する免疫応答を効率的に抑制することを示す。

http://www.m3.com/news/SPECIALTY/2009/3/19/94372/?pageFrom=m3.com

2009年4月2日木曜日

新トップが説く「環境」の危うさ

(日経 2009-03-23)

トヨタ自動車、ホンダ、ソニー、日立製作所、東芝。
危機が促しているのか、大手企業のトップ人事が最近多い。
注目されるのは、新社長になる経営者のほとんどが、
「環境技術をコア事業に」と記者会見などで語っている点。
危機が去った後の世界を見据えての決意表明。

日清食品でこんな話を聞いた。
インドで今、即席めんが売れている。
日清は、インドに進出して20年になるが、
最初の10年くらいはあまり売れなかった。
洗剤やシャンプーを小分けした容器に入れ、1個10円とか20円で
売られているのを見て、同じような売り方をした。
通常の半分に分けた主力商品「トップラーメン」は、1個10円。
これが当たった。

所得水準が上がったこともあって、それより少し割高な
「カップヌードル」の小型版も好調。
インド駐在が長かった安田智和さん(国際管理部次長)は、
「インドは、世界中の企業がコールセンターをつくった。
勤務中は外に出ることが出来ず、夜勤も多いので、
それらで働く人たちがたくさん買っているようです」

米ジャーナリストのトーマス・フリードマンが書いた
「フラット化する世界」を思い出す。
フリードマンは、ニューヨークで話しているコールセンターの相手が
インドにいる労働者だと知って驚き、同書を書いた。
日清の話を聞いて筆者が想像したのは、ニューヨークの相手と話している
インドの労働者が夜、カップヌードルをすすっている姿。

興味深いのは、フラット化する世界の中で先進国から仕事を
吸い寄せているインドがラーメンから自動車まで、
消費の行動やライフスタイルが日本の高度経済成長時代をたどるように、
前に進んでいる点。

恐らくインドやほかの新興国は今後、相当な技術と経済規模を持ち始め、
日本にとって強力なライバルに。
その時、日本の企業に逃げ道はあるのか?

この危機で露呈したのは、例えば電機業界のもろさ。
アナログテレビからデジタルテレビへの移行で、
日本は「垂直統合」と呼ばれる経営戦略をとった。
部品から完成品までを自前でこなし、
付加価値を韓国や台湾企業などに与えないという戦略。

世界は予想以上にフラット化し、韓国や台湾、欧米企業がとった、
世界中の他人の工場設備を活用する「水平分業」モデルに
見事に敗れてしまった。
残ったのは、液晶やプラズマ、半導体の製造拠点に投じた時の
多額の負債と雇用。

そこで、冒頭のトップ交代である。
新しい社長たちが語る危機後の経営とは、これまでの失敗の教訓を
生かしたものだろう。
電機でいえば、日立も東芝も新社長はデジタル系ではなく、
電力など社会インフラ系の出身者。
新体制は、利益の源泉を価格競争にのみ込まれにくく、
日本にまだ技術的優位性がある環境ビジネスなどに求めていく。

原発、水、太陽エネルギー、LED、電池……。
次の10年の進む道はそれらだが、その際には十分、
これまでの反省を生かしてほしい。
この10年は、右にならえでデジタル製品に投資競争を展開し、
過当競争を引き起こして利益につながらなかった。
次の10年は、同じ「環境」分野でも他人の真似はすべきでない。
独自の技術と戦略を背景にした、オンリーワンの領域を何とか探してほしい。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/tanso/tan090319.html

かみかみセンサー:「口の万歩計」で食習慣改善 3000台販売

(2009年3月30日 毎日新聞社)

子どもによくかんで食べる習慣をつけさせようと、
長野県の教諭らが、かむ回数を計測する装置
「お口の万歩計・かみかみセンサー」を開発。
衛生機器メーカー「日陶科学」(名古屋市)が商品化し、
昨年7月から1万1550円で発売。
学校現場や歯科医院で人気を集め、約3000台が売れた。
よくかむことで、児童の肥満防止効果も表れた。

開発したのは、喬木村立喬木第二小学校養護教諭、安富和子さん(54)と
県立飯田工業高教諭、高田直人さん(45)。
装置は、耳の付け根からあごを取り囲むU字形で、
センサーがあごの動きをとらえる。
かんだ回数と食事時間が画面に表示される。

好ましいかむ回数とされる1口30回で電子音、1食1000回で
メロディーが鳴るよう工夫。

開発のきっかけは、安富さんが、前任の学校で給食時間に
リンゴをかじれない児童や、なかなかのみ込めない児童がいるのに
気付いたことだった。
「子どもたちにかむことを意識させたい」と考え、
ものづくりが得意な高田さんに相談。
1年がかりで装置の原型を完成。

安富さんによると、約350人の小学生で使用した結果、
肥満児はそうでない児童に比べ食事時間が約3分早かった。
早食いは、満腹と感じる前にご飯をかき込み、食べ過ぎてしまう。
家庭でも使った肥満児は、5カ月で約3キロやせ、体を動かすようになった。

高田さんは、「のみ込む力の落ちた高齢者がかむトレーニングをできるよう、
次は大人用センサーを開発したい」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/3/30/94452/

海フェスタ、記憶末永く 大船渡・記念碑除幕

(岩手日報 3月31日)

昨年7月、大船渡市などで開催された海フェスタの
記念碑除幕式(同市主催)は、サン・アンドレス公園で行われた。

約73万人を集客した海フェスタの記憶を後世に伝えるとともに、
海のまち大船渡の発展を祈る。
高さ2・25メートルの御影石製の記念碑を、関係者8人が除幕。
碑文には、「歴史に残る一大行事であり、これを永く後世に伝承する」と、
実行委会長を務めた甘竹勝郎市長の言葉が刻まれている。
甘竹市長は、「海を中心としたまちづくりを進める大船渡市にとって、
大きな節目になった海フェスタの成功に感謝する」

佐藤丈夫同市議会議長は、「市民が一層海に親しむまちづくりに
弾みがつくと期待している」と祝辞。

同日は、海フェスタに出席した秋篠宮さまを象徴する樹木とされる
栂(つが)の木の記念植樹も、記念碑脇で行った。

海フェスタは昨年7月19日から9日間、大船渡市を中心とした
3市2町で開催、秋篠宮さま、紀子さまご夫妻が記念式典に出席。
帆船「日本丸」の入港やコンサート、展覧会など
100を超えるイベントでにぎわった。

糖尿病患者・予備群2000万人突破(その1) なくそう・減らそう糖尿病

(2009年3月25日 毎日新聞社)

07年の国民健康・栄養調査で、日本の糖尿病患者・予備群が
計約2210万人と、初めて2000万人を突破。
20歳以上の男性の29.3%、女性の23.2%、
国民一人ひとりが糖尿病と真剣に向き合うことが求められている。

◇目標持ってまず一歩

「これ、何とかしませんか」
健康診断でベッドに横たわる男性のおなかをペンペンとたたくと、
多くの人が苦笑いする。
「生活習慣病の予備群の人は、自分の健康状態を気にしている。
聞く耳を持っているので、そこへ働きかければいい」

朝比奈クリニック(日野市)の朝比奈崇介院長。
糖尿病をはじめとする生活習慣病は自覚症状がなく、
血液検査で数値の悪化を指摘されても、生活習慣の改善を始めにくい。
糖尿病予備群が何もしないと、7-8割が糖尿病と診断、
自覚症状のなさは、糖尿病患者増加に歯止めがかからない一因。

朝比奈院長が大切にしているのは、「何のための治療か」という視点。
「やせたり、血糖値を下げることが目的ではない。
高血糖状態が続いて、失明や腎臓の機能障害などの合併症で
苦しまないようにすることが、糖尿病治療の最終的な目的。
そのことが理解できれば、生活習慣は変わる」

食事の改善ができない糖尿病患者に、
「今までと同じような食事をしていたら、お孫さんの顔が見られなくなりますよ」
と話しかけることで、減量に成功した例。

「お酒を飲まないと生きている意味がない」、
「お菓子なしの生活は考えられない」という患者には、
「お酒を飲むためや、お菓子を食べるために生きているんですか」と。

◇「自分にもできる」 目標設定が大事

目的が明確になれば、何をしなければならないかが見えてくる。
「3キロやせる」、「血糖値を下げる」という目標は具体性に欠け、
何から手をつけなければならないかが分かりにくい。

「毎日20分歩く」、「早食いをやめるため、20回以上かむ」など
具体的な目標であれば、やるべきことが明確で、後からの評価もしやすい。

「自分にできること」を目標に置くことがポイント。
高い目標を掲げても、続かなければ意味がない。
一つの行動が違和感なくできるようになったら、もう一つ足す。
血糖値の低下が不十分な場合は、薬の助けを借りる。

血糖値の低下に効果がある行動変容の一つが、ウオーキング。
摂取カロリーを減らすより、消費カロリーを増やす方が精神的な負担が低く、
本格的なスポーツを始めることが難しい働き盛りの人に勧められる。

その人の最大酸素摂取量の半分に達する運動を1日20分間することが、
血糖値を下げる効果が高い。
自分にあった運動量は脈拍数で分かる。
脈拍数は、隣の人と息切れをしないで会話できるくらいの運動量、
つまりウオーキング程度。

朝比奈院長は、「科学的には、2日に1度でも効果はある。
雨が降ったり、荷物があったり、疲れているなど、
人はどうしても言い訳をつくってさぼってしまう。
目標を毎日としておけば、ちょうど2日に1度くらいのペースに」

◇検査値の数字に一喜一憂しない

健診などで異常値が出たり、再検査を勧められたときのとらえ方にもコツがある。
朝比奈院長は、「検査値の数字に一喜一憂しないこと」

75グラムのブドウ糖負荷後血糖値が、血液1デシリットルあたり
200ミリグラム以上になると、糖尿病と診断。
「199」だと、「糖尿病ではなかった」と安心しがち。
1ミリグラムの違いは実質的にほとんどない。
1回の検査では、前日の食生活や運動量によって通常とは異なる数値が
出ている可能性もある。

継続して検査を受け、傾向をつかむことが重要。
患者や予備群の人が、医師や看護師、栄養士を上手に使うことも必要。
医療関係者から生活習慣改善の指示を出されると、
できそうになくても、つい「やります」と答えてしまいがち。
「できません」と正直に言えば、医療関係者は
「この人にとって、効果的な生活習慣改善の方法は何か」と、
お仕着せではない個人向けのプランを真剣に考えてくれる。

朝比奈院長は、「医療側は本来、個別にプランを考えることが仕事。
患者側が交渉力をつければ、個別プランを引き出すことができる」
……………………………………………………………………
◇国民の理解、深める運動--日本糖尿病協会理事長・清野裕氏

糖尿病の治療を中断したり、放置している人が依然として多い。
断続的にでなく、定期的にきちんと受診している患者は200万人ぐらい。
長く放置し、病院にきたときには、合併症が見つかる事態に。

発症予防に取り組むことはもちろん大切だが、
(患者数が減るという)成果が出るのは10年、20年先。
今、糖尿病を発症した患者の病気の進行と重症化を
食い止めることが喫緊の課題。

患者には糖尿病だと認めたくない、という気持ち。
食事に気を使い運動を心がけるなど、生活が制約されると思いがち。
食欲のコントロールは、容易でない。

一つでも、できることから取り組むこと。
3カ月に1回は医療機関に行って、過去1-2カ月の血糖の状態を示す
ヘモグロビンA1cの数値を測ることから始めては。

血糖値のコントロールがそれほどよくなくても、定期的に受診している人は、
重篤な合併症を起こすことが少ない。

治療の継続には、初期のころの患者教育が重要。
厳しいばかりでは患者が耐えられず、治療から脱落してしまう。
患者の身になって考え、信頼関係を築くことが大切。
糖尿病療養指導士らが知識だけでなく、患者教育の実技を身につける方策も必要。
(私が所属する)関西電力病院では、周辺の診療所との連携を始めた。
かかりつけ医の糖尿病への関心が高まり、医療の質が向上。

専門医の数が限られる中、地域連携が重要。
世界的に糖尿病の患者が増えている。
3月6日、台湾でアジア糖尿病学会が設立。
日本や中国、韓国、カンボジア、タイなど17カ国・地域が参加。

欧米と違い、アジア人ではやせていても糖尿病に。
食生活や文化、風土が違うため、各国の糖尿病の特徴や疫学調査などの
研究を踏まえ協力していきたい。

日本の患者数は、いずれ1000万人を超えるのではないかと危機感。
世界糖尿病デー(11月14日)などを通じて、
国民に糖尿病への理解を深めてもらう活動を続けていく。
…………………………………………………………………
◇せいの・ゆたか
京都大医卒。米ワシントン大客員研究員などを経て、
96年、京都大糖尿病・栄養内科学教授。
01年、京都大病院副院長、04年から関西電力病院長。
国際糖尿病連合理事、アジア糖尿病学会長。67歳。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/3/25/94236/

2009年4月1日水曜日

保健体育の担い手育成 富士大に教職課程

(岩手日報 3月26日)

花巻市の富士大(小山田了三学長)は、経済学部経営法学科に
保健体育の教職課程を開設。
経済学部で保健体育の中、高校教諭一種免許状の取得が
可能となるのは全国でも珍しく、東北では初。
2016年開催予定の岩手国体に向けた競技指導者の必要性も重視。
経営や法学の知識を持ち、多様化する現代社会で
活躍できる教員の育成を目指す。

教職課程は、同科スポーツ経営コース内に設置。
現在のカリキュラムに、ダンスやテニスなどの実技6種目と
スポーツ法学や運動生理学、保健体育科教育法など12科目を追加。
新たな科目指導には、岩手大や盛岡大の教授らが非常勤講師として協力。

本県で同免許状を取得できるのは、岩手大教育学部の
学校教育教員養成課程と生涯教育課程のみ。

富士大は、全国で活躍する運動部も多く、全学生の約7割が運動部に所属。
将来、スポーツにかかわり続けたいと希望する学生のニーズに応えるため、
教職課程を設けた。

同大では06年から、日本体協公認スポーツ指導者資格
「スポーツリーダー」の取得も可能となり、
卒業生がスポーツクラブに就職するなどの成果が出ている。

09年度入試では、経営法学科に76人が合格。
新入生ガイダンスで教職課程について説明し、
入学後の学科変更も認める方針。

同大体育主任の佐々木安広教授は、
「スポーツをしながら、教員免許状を取得し、
地域で活躍できる人材を育てたい」

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20090326_7

ノーベル賞の下村氏が記者会見「日本の若手、元気ない」

(日経 2009年3月23日)

2008年ノーベル化学賞を受賞した下村脩・米ボストン大学名誉教授(80)。
下村名誉教授は、日本の若手研究者について、
「少し難しくてもやろうという元気がない」と指摘、
自分が興味を持つ研究にリスクがあっても取り組むことの重要性を強調。

——(下村名誉教授の)子供時代と今の日本の違いは?

「戦後、米国のデモクラシー(民主主義)が入ってきたが、
正しいデモクラシーではなく、単に自由に何でもできるということを
デモクラシーと考えている人が多い。
当時と比べると裕福になった。
現在の状況下に自分が若かったら、米国に行く必要はなかった」

——来日はいつ以来?

「昨年の4月以来。大きな違いは、自分がノーベル賞をとったこと。
報道陣に囲まれるので大変」

——(来日で)楽しみにしていたことは?

「先祖の墓参りや94歳の叔母に会い、大変喜んでくれた。
たくさんの人に会えるのがうれしい」

——2000年以降、科学分野で日本のノーベル賞受賞が相次いでいる。

「それ相応の数だと思う」

——自分が成功した要因は?

「自分は成功したいと思って、研究しているわけではない。
自分が知りたいこと、解決したいことを研究しただけ。
今の日本の若い人は、努力が足りない。
日本の若い研究者には、面白い研究があっても難しいからやめておこう、
という人が多い。少し難しくてもやろうという元気がない。
安全のためにリスクをとりたがらない」

日本の国民性は、ユニホーム(単一)。
米国は範囲が広い。いろんな性質、才能を持った人がいる」

——原爆投下後の長崎で、なぜがんばれたか?

「当時の長崎は悲惨で、研究できる状態ではなかった。
実験の助手だったが、(実験に不可欠な)蒸留水も、
自分たちで石炭をたいて作った。
名古屋大でウミホタルの研究をしたときも、自分は学位を取りたいと
思っていた訳ではないし、失敗してもともとだと思って、一生懸命やった」

——リスクをとって、2度目の米国行きを決めたのはなぜ?

「名古屋にいたら、数年間で教授にしてくれるという。
水質科学の研究室にいた。
発光生物の研究と水質の研究を2つをやるのは無理だと思い、米国に渡った」

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/kaiken/kai090323.html

図鑑『岩手の海産貝類』 著者・戸羽氏が関係機関に寄贈

(東海新報 3月26日)

元陸前高田市海と貝のミュージアム館長で、日本貝類学会員の
戸羽親雄氏(77)=小友町=が、県内の海産貝類をまとめた
図鑑『岩手の海産貝類』を出版。

著書では、50年にわたる研究生活で培った経験と知識を生かし、
602種の貝類を紹介。
「市民の皆さんにも役立ててほしい」と、市内の小中学校をはじめとした
教育機関に25冊を寄贈。

戸羽氏は、昭和26年に広田水産高校を卒業、
岩手大学学芸学部甲1類で理科、植物分類学を専攻。
教員や校長を務め、平成6年に開館した海と貝のミュージアムの
初代館長に就任、施設の発展に努めてきた。

貝類研究は、宮古水産高に勤務していた50年前、
陸前高田出身の貝類学者・千葉蘭児氏の命により着手。
千葉氏の指導を受けながら、国内外で収集や調査を行い、
昭和43年チカオヤゲンバイ、44年キタノモロハバイという新種も発見。

教員やミュージアム運営の合間を縫って続けてきた、県内の海産貝類研究。
館長退職後は執筆作業に集中し、ようやく発刊にこぎ着けた。
『岩手の海産貝類』はA4判、135㌻。
県内で発見された貝類のうち、標本が現存する602種について
カラー写真付きで大きさや特徴、分布などを解説。

貝類の各部名称や三陸の貝類と採集、貝類標本の作製といった、
貝類研究の基本的な知識も掲載。
岩手の貝類学者コーナーでは、鳥羽源藏氏、千葉氏の功績にも触れている。

市役所での寄贈式には、戸羽氏をはじめ、中里長門市長、伊藤壽教育長、
菊池満夫教育次長が出席。
戸羽氏は、「蘭児先生に、岩手の貝をまとめろと言われて50年。
やっと出来上がったので、市内の皆さんで利用してください」
中里市長らに図鑑を手渡した。
中里市長は、「人生の集大成ともいえる図鑑。寄贈に心から感謝したい。
子どもたちも喜ぶと思います」

図鑑は、市内の18小中学校、図書館、博物館、ミュージアムに贈られる。
戸羽氏は、「生物関係の先生や研究者に読んでほしい。
超深海にすむものやミリ単位の小さな貝についての研究は、
後継者に託していきたい」

同書は1000部発行、135冊を関係者や研究機関などに寄贈。
残部は、ミュージアムや道の駅(高田松原・タピック45)、
市内の書店などで販売する予定。

http://www.tohkaishimpo.com/

DV経験、女性の3割超 05年から被害減らず

(2009年3月24日 共同通信社)

夫から暴行や精神的な攻撃など、ドメスティックバイオレンス(DV)の
被害を受けた経験がある女性は、33・2%に上ることが、
内閣府が昨年実施したアンケートで分かった。

2005年実施の前回調査と同じ比率で、DV被害が依然として
深刻な実態が浮き彫りに。
国や自治体は、対策の見直しを迫られそうだ。

夫からDVを受けたことがある女性のうち、
13・3%は命の危険を感じたと回答。
10~20代で、恋人から暴力を受ける「デートDV」を経験した
女性は13・6%、そのうち21・9%が命の危険を感じたと答えた。

過去5年以内に限定した夫からのDV被害は13・6%。
相談先については、「相談しなかった」が53・0%で最も多く、
「家族や親せき」「友人・知人」がいずれも27・6%。
「医療関係者」や「警察」は3%台、都道府県の相談支援センターや
弁護士会・民間シェルターなど官民の支援機関は1%台。

夫からのDVでけがをしたり、精神的に不調になったりしたと
答えた女性は34・8%、「デートDV」では48・4%。

アンケートは、昨年10-11月に全国の成人男女計5000人に実施し、
有効回収率は62・6%。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/3/24/94187/

燃油付加運賃など値下げ 雇用、医療制度見直しも 4月から暮らしこう変わる

(2009年3月31日 共同通信社)

4月から、暮らしをめぐる制度変更が相次ぐ。
国際線の燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)や輸入小麦価格の
引き下げといった、家計にとって朗報となりそうなものが多い。
雇用保険や医療制度が見直され、負担が減るケースも出てくる。
一方で、明治乳業と明治製菓の経営統合など、厳しい経営環境を反映して、
コスト削減を狙った企業再編も目立つ。

▽値下げ

日本航空、全日本空輸は4月発券分から燃油サーチャージを値下げ。
北米、欧州路線では、燃油付加運賃が片道2万2000円から3500円に。
大型連休の海外旅行には追い風。

政府は、製粉会社に売り渡す輸入小麦価格を、約3年ぶりに引き下げ。
小麦相場が、金融危機で下落に転じたため。
これを受け、パンやめん製品が値下がりする可能性がある。

電気料金は、燃料価格の変動が、これまでの3カ月ごとではなく、
毎月反映されることに。
4月、一部電力会社が値下げ。
5月、各社とも値下げになる見通しで、燃料価格の下落の恩恵が広がる。

▽失業給付の要件緩和

雇用保険法が改正され、雇い止めにあった非正規労働者が
失業給付を受け取るための要件が3月31日から緩和。
これまで、保険に1年以上加入している必要があったが、
6カ月以上で済むようになる。

医療では、保護者が国民健康保険料を滞納し、「無保険」状態になった
中学生以下の子どもが医療機関にかかれるよう、
市区町村が短期保険証を交付。
75歳以上が対象の後期高齢者医療制度では、
低所得者の保険料が9割軽減。

年金記録問題を受け、社会保険庁は4月3日から、
約7000万人の現役加入者全員に、加入履歴などを載せた
「ねんきん定期便」を送り始める。

▽教員免許更新制も

制度面では、教員免許の有効期間を10年間とする更新制が導入。
携帯電話会社などには、18歳未満の子どもが使う携帯電話やパソコンに、
有害サイト閲覧制限サービスを組み込むことが義務付け。

低公害車の購入を優遇する制度が拡充、
ハイブリッド車などは自動車取得税と自動車重量税が免税、減税。

▽企業統合

明治乳業と明治製菓が経営統合して、「明治ホールディングス」。
味の素に匹敵する国内最大規模の食品グループに。
TBSは、地方系列局を傘下に持てる仕組みの認定放送持ち株会社に移行。
オーエムシーカードやセントラルファイナンスなど3社が合併し、
新会社「セディナ」が誕生。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/3/31/94582/

2009年3月31日火曜日

県議会が発議案可決 国体の主会場選定

(岩手日報 3月26日)

2016年開催予定の岩手国体について、議員発議の
「国体の開閉会式及び陸上競技の開催地選定に関する決議」を
賛成多数で可決。

決議に法的拘束力はないが、盛岡市の県営運動公園陸上競技場を
国体の陸上競技が開催できない第二種公認として
整備する意向の県に対し、慎重な対応を求めた。

発議案は、開閉会式と陸上競技について
▽開催地決定まで(同公園に整備する)選手強化施設(ドーム)整備事業を
凍結する
▽開催地選定には、市町村と協力体制や財政的負担について
早急かつ十分に協議する
▽協議は可能な限り公開するなど、選定過程を県民に明らかにする

発議案の採決で、自民クラブ(13人)は全員賛成。
民主・県民会議(21人)は18人、政和・社民クラブ(9人)は3人が賛成。
斉藤信氏(共産)、小野寺好氏(公明)、及川あつし氏(無所属)も賛成。

発議案提出議員の佐々木博氏(民主・県民会議)は
「盛岡市周辺の市町村と十分に協議し、
それを踏まえて開催地を決めてほしい」と要望する。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20090326_6

広田湾のアワビ売り込め 地元研究会が試作品

(岩手日報 3月27日)

気仙地域水産物付加価値向上研究会(藤井登会長)は、
陸前高田市高田町の道の駅タピック45で総会を開いた。
商品化へ向けて、試作した地元産アワビの一夜干しを味わい、意見交換。

同研究会は、同市の広田湾漁協と大船渡市の水産加工会社タイコウ、
第三セクターの陸前高田地域振興、大船渡地方振興局の4機関が
今年1月に設置。
活アワビと干鮑以外の新商品を開発しようと、研究を続けてきた。

試作した商品は、半生状態のアワビ一夜干しと酒かす漬け、塩ウニ漬けの3点。
一夜干しを使った肝ソース煮や天ぷらなどを試食、
気仙スギで作ったパッケージの試作品を公開。

広田湾産のアワビは、わずかに傷があるため、
通常の販売ルートに乗らないものを使用し、原価を下げる。
参加者からは、「傷があるものの、味の良さは全く変わらない」などの意見。

藤井会長は、「試食した全国の業者からも高い評価を得た。
一夜干しを手始めにできるだけ早く販売したい」
価格などは今後検討する。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20090327_10

科学と芸術の協働目指し理研と東京藝大が協定

(サイエンスポータル 2009年3月24日)

科学と芸術が交差することで新しい表現をつくり出すことを目指し、
理化学研究所と東京藝術大学が、基本協定を結ぶ。
「文化に貢献する」(理研)、「世にときめきをもたらす」(藝大)という
それぞれが経営方針やアクションプランに掲げる目標実現のため、
幅広い分野で連携協力を行い、研究・人材育成・共同制作などを
進めていくことを目的。

具体的な共同研究・制作としては、不明な点が多い音楽と言語の構造認知を、
理研が得意な脳計測を含めた比較分析によって解明し、
新しい芸術理論の展開を図ることや、
蛍光タンパク質やナノ材料など新しい物質を芸術作品に活用することで、
これまでにない表現を目指すことなどを挙げている。

自己の表現と聴衆の反応との相互作用で成り立つ
演奏のプロセスを明らかにするとともに、
音楽の指導法への展開を探る共同研究も行う。

芸術家と科学者が協力して、身体感覚を明らかにしたり、
科学が生み出す新しい素材を芸術創造活動や芸術理論に発展させたり
することができるような人材を育てるため、
理研の研究者が藝大で講義をしたり、
理研で自然科学の指導を行うことも予定。

http://scienceportal.jp/news/daily/0903/0903241.html

神原陽一氏が2008年最も引用された論文研究者に

(サイエンスポータル 2009年3月25日)

昨年、最も多く引用された論文は、
神原陽一・東京工業大学応用セラミックス研究所特別研究員の
鉄系高温超電導体に関する論文であることを、
米国の情報提供会社トムソン・ロイターが明らかに。

鉄系高温超電導体は、神原氏が
細野秀雄・東京工業大学フロンティア研究センター教授とともに発見、
直後から世界的な関心を集めているが、
論文被引用数でもそのインパクトの大きさが証明された形。

すでに、米科学誌「サイエンス」は昨年、山中伸弥・京都大学教授による
人工多能性幹(iPS)細胞研究に基づく細胞の再プログラミング化とともに、
細野教授らによる「銅酸化物ではなく鉄化合物から成る
第2の高温超伝導体の発見」を、2008年の「科学進歩ベスト10」に選択。

神原氏は、科学技術振興機構の研究員も兼ねており、
昨年10月、氏の「鉄ニクタイド系層状超伝導体の電子状態相図の完成」研究が、
同機構の戦略的創造研究推進事業
「新規材料による高温超伝導基盤技術」の新規課題に選ばれた。

細野教授、神原研究員は、未踏科学技術協会の第13回超伝導科学技術賞の
受章者にも選ばれている(授賞式は4月15日)

http://scienceportal.jp/news/daily/0903/0903251.html

2009年3月30日月曜日

目標「歩きたいまち」 一ノ関駅の周辺整備

(岩手日報 3月27日)

一関商工会議所(宇部貞宏会頭)は、磐井川堤防改修に伴う
一ノ関駅周辺整備に関する提言。
「まちは公園」がテーマ。
駅前に、図書館を中心とした情報発信センターを整備、
子育てや雇用支援施設、勤労青少年や女性のための施設など
公共施設を分散配置し、50年、100年後の「歩きたいまち」を目指す。

同商工会議所は、研究会(会長・小野寺真利松栄堂社長)を設置。
市が進める公共施設を集中させる複合ビル構想について協議。

研究会は、「現駅舎の場所に複合施設を建設するためには、
費用負担など問題。公共施設を集中させると街中への波及効果が期待できない」
「歩きたいまち」が、買い物客でにぎわうまちづくりにもつながる。

駅前に図書館、観光物産館、観光案内所など情報発信センターを整備。
大町には子育て支援サポート、ジョブカフェ、シルバー人材センター、
地主町には勤労青少年ホーム、女性センターを配置。

大町通りの車両通行をやめ、緑の多い道を整備、安全・安心にも
気を配り、高齢者や子どもにも優しい街づくり、中心市街地活性化を目指す。

宇部会頭は、「駅周辺整備は一関の将来にかかわる一大事業。
市民の1人として、商工会議所の提言をまとめた。
市に示し、ともにまちづくりを考えたい」

市は、公共施設を集中する複合施設と周辺に、計1000台の駐車場を
整備する構想案を公表。
市民が参加するワークショップなどを開き、基本構想の策定を目指す。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20090327_11

蘭フィリップスのホームヘルスケアソリューション部門、ドナルド・スペンスCEO 「患者の遠隔管理事業を拡大」

(日経 3月16日)

日本をはじめ高齢化が進む先進国では、国民医療費が増大傾向。
各国政府は医療費抑制を進め、日本でも入院ベッド数を減らす政策が続く。
患者が退院し、一定の医療を在宅で受けながら生活できる
仕組みの構築が不可欠。

米在宅医療大手のレスピロニクスは、日本で酸素濃縮器を患者に提供、
米国で患者の容体を遠隔管理するシステムも手がける。
昨年3月、オランダのフィリップスに買収され、
両社の製品を共同で提供するサービスを米国で始めた。
蘭フィリップスのホームヘルスケアソリューション部門の
ドナルド・スペンス最高経営責任者(CEO)に今後の戦略を聞いた。

——世界的な不況が事業にどのような影響を及ぼしているか?

「経済情勢の悪化で、各国政府は医療費の抑制を検討し始めている。
在宅医療サービスの診療報酬を引き下げる政府も。
他の業界に比べ、ヘルスケア業界は堅調に推移。
世界的な高齢化の進展で、医療の需要が増えるのは間違いない。
政府も、我々が手がける在宅医療サービスを、
医療費抑制のための解決策と考え始めている。
今後も、市場は堅調に拡大する」

「当社の2008年10-12月期売上高は、前年同期比12%増。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)や慢性閉塞性肺疾患(COPD)といった
呼吸器疾患の患者に提供する酸素濃縮器などの売り上げが好調。
世界各国で、自らが疾患にかかっていることを気付かない潜在患者は多い。
今後は、こうした人々への啓蒙活動を進め、製品の販売機会拡大を目指す」

——日本市場でどのような事業に力を注ぐか?

「日本政府は、在宅酸素療法の診療報酬を引き下げ、
収益にはマイナスに影響。
政府は、病床数の削減も進めている。
慢性疾患の患者を、入院ではなく家庭で療養しようという需要が増えると期待。
日本では、子会社のフジ・レスピロニクスが事業を手がけてきた。
売上高は、2ケタ成長を続けている。
機器の販売だけではなく、病院にレンタルして保守サービスを手がける
プロバイダー事業も堅調。
成長の余地はまだあり、今後は新サービスの投入も含めて事業拡大を検討」

「その1つとして期待しているのは、現在米国で手がけている
遠隔モニタリングサービス。
患者の容体を自宅で随時把握し、データを集積するサービス。
日本を始め、世界各国に事業を拡大していきたい。
日本では、遠隔医療に対する規制があるが、
政府に対してサービス導入が医療費抑制に寄与するという価値を
立証しすることで、できるだけ早期にサービスを導入できるよう努めたい」

——フィリップスによる買収から1年が経過。
日本では、統合の相乗効果をどのように追求していくか?

「現在、両社は各国の現地法人ごとに統合作業を進めている。
日本では、フィリップスエレクトロニクスジャパンとフジ・レスピロニクスが
共同事業展開に向けて検討。
フィリップスの医療事業は、08年で76億ユーロ(約9300億円)と前期比で15%増。
医療機器の世界大手というブランド力も、効果的に利用していきたい」

「フィリップスの製品群には、生体情報モニターなどレスピロニクスの製品群を
補完するものがあり、両社共同で拡販にも努めたい。
コスト削減にもつながり、成長のスピードが高まる。
日本法人の統合時期など詳細は未定」

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/interview/int090316.html

スポーツ21世紀:新しい波/296 市民マラソン熱/4

(毎日 3月21日)

午後7時前。
東京・神田神保町のビル1階に入居するランナー用のシャワー、
ロッカー施設「ランナーズステーション」(通称ランステ)に、
会社帰りの20~40歳代の男女が次々と訪れる。
夜遅くまで、ランナーであふれる皇居外周から約500メートル。
更衣室にある男女各60扉のロッカーは、たちまち埋まる人気。

かつて皇居を走るランナーの多くは、銭湯を拠点。
月刊誌「ランナーズ」などが、07年に始まった東京マラソン後の
ランナーの増加を見込んで、ランステをオープンしたのは同年10月。
当初は月間2500人程度だった利用者は、その後増え続け、
現在は2倍近くに。女性は5割弱を占め、初心者も多い。

運営会社の浅川美幸専務は、
女性には、明るく安全で設備が整っている条件が先決。
銭湯に抵抗があって、ナイトランに二の足を踏んでいた層もあった」
利用料は700円。月4回利用できる会員が2000円。
閉店する午後10時半までにぎわう店内には、ランニング用品、
サプリメントなど新商品が置かれ、企業には絶好のプロモーションの場。

勤め帰りに走るナイトランは、東京から全国に広がりつつある。
アディダスジャパンは、「ナイトランナーズ」と題したイベントを
07年6月に東京で開始。
月2回、同社店舗を拠点に夜の街を走る趣向で、
現在では横浜、大阪、名古屋に拡大。
会員制の参加者の7割が女性で、大阪の募集では100人の定員に
約4倍の応募。
アシックスも東京、大阪で女性限定のナイトランイベントを実施し、好評。

歩道の広さや明るさなど、夜に走る環境が整っているケースは少ない。
初心者などを対象にコーチを務める大阪教育大非常勤講師の佐藤光子さんは
「多くのスポーツ競技には特定の施設があるが、
ランニングのための施設は市街地にはほとんどない」

佐藤さんは、「例えば都市型公園を少し明るくして、クラブハウスを置けば
ランナーの利用者は増える。走る人のニーズを満たすだけでなく、
歩行者にとっての安全も満たす方向性で議論を重ね、
豊かなスポーツ文化につながれば」と期待。

http://mainichi.jp/enta/sports/21century/

大船渡港、大型船舶の対応急ぐ 5万トン級で試験荷役計画

(東海新報 3月22日)

大船渡港の永浜・山口地区港湾整備が進む中、
大型船舶入港への環境を整え、課題を探ろうと、
海上保安部や行政、物流、漁業関係者らで構成する
同港安全対策協議会は、五万㌧級の貨物船を使った
試験荷役準備を進めている。

同規模の貨物船は、過去に入港したケースがないため、
安全に通航できるかなどを確認。
試験荷役は、21年度に複数回計画。

安全対策協議会長を務める釜石海上保安部の榎本猶一部長は、
「大型貨物船を試験的に入港させることで、安全対策を取りまとめたい。
十分な情報共有をお願いしたい」

赤崎町に位置する永浜・山口地区岸壁への大型貨物船試験入出港に
関する安全対策について協議。
準備を進めている試験荷役の計画概要が示された。

全長260㍍に及ぶ水深13㍍岸壁は、国土交通省東北地方整備局
釜石港湾事務所が整備を進め、今月には完成する見込み。
同地区整備によって、大型貨物船の受け入れ態勢が広がる。

コスト低減を図ろうと、大型船による運搬を求める声は、
地元内外の企業、事業所から高まっている。
同協議会では、各種検証項目などを抽出、分析することで
利用拡大につなげようと準備を進めている。

試験荷役は、21年度4回程度行う予定。
入出港する貨物船は約5万3000㌧、
大船渡港に入港する貨物船としては過去最大。

試験では、水深13㍍岸壁において、別の小型船に石油コークスを
積み替える「瀬取り」を行い、茶屋前ふ頭などに運搬。
13㍍岸壁で石油コークスを下ろし、ダンプカーで同町の
太平洋セメント大船渡工場に運ぶ試験も計画。

珊瑚島付近などの水路幅が2百数十㍍と狭く、大型船通航には
細心の配慮が必要であることが話題に。
水路沿いには養殖施設があるが、入港を誘導する関係者からは
漁業者や管理する県に対して、許可された設置位置順守を強く求める発言。

漁業関係者からは、「どの日の何時に大型船が通るかなど、
安全確保へ情報提供を徹底してほしい」といった要望。
入港予定日が決まり次第、海事関係団体や漁業者、一般市民らに
周知することにしている。

大船渡市側から、クルーズ客船の予定が示された。
5万㌧の『飛鳥Ⅱ』、『ふじ丸』、『ぱしふぃっくびいなす』、
『にっぽん丸』の4隻。
接岸岸壁はいずれも野々田ふ頭。
『ぱしふぃっくびいなす』は、9月に2回入港。
各客船は、これまで同港に複数回入港しているが、
1年に4隻揃って訪れるのは過去に例がない。

http://www.tohkaishimpo.com/

2009年3月29日日曜日

公務員に博士は不要か

(サイエンスポータル 2009年3月24日)

「社会のための科学」をうたったブダペスト宣言が採択された
世界科学会議から10年になるのを記念する講演会が、
科学技術政策研究所と社会技術研究開発センターの共催で開かれた。

講師の吉川弘之・産業技術総合研究所理事長は、
10年前の世界科学会議で基調講演を行っている。
講演の柱となる主張は、ブダペスト宣言の内容と同じだったが、
事前のすり合わせなどはなく期せずしてそうなったことが、
この日の講演で吉川氏から明らかに。

氏の講演は、科学に対する要請とそれに対する科学者側の対応が
どのように変化してきたかに始まり、
現在、社会と科学界が抱える課題まで網羅したもの。

ここであらためて浮き彫りになったのが、
社会の期待に科学者が十分対応できていないのではないか
質疑の中で、科学の役割は、社会に役立つことだけに
限定しなくてもよいのではないか、という意見も。
吉川氏の答えは、科学者のオートノミー(自律性)の重要さは当然で、
社会への貢献がこれまで以上に問われるようになっている。

科学者側、特に多くの若い研究者にそこまで考える余裕もチャンスもない、
という実態がある。
国の政策で、博士号取得者をたくさん作っておきながら、
ポスドクで研究成果を挙げても恒久的ポストが用意されていないことを
厳しく批判する一方で、大学の研究者育成が狭い領域の研究しかできない
ような構造的な欠陥を持つことも同時に指摘。

この対策として、産業技術総合研究所で昨年から始めた
具体的な取り組みを紹介する一方、
「役所が博士を採るべきだ」と指摘。
博士号取得者は、自分の納得したことしかやりたがらず、
公務員には不向きだと決めつけているのはおかしい、という批判が根底に。

公務員制度改革が大きな政治課題。
政治家が幹部公務員の人事権を握るのか、官僚に委ねるのかに
焦点が置かれている感がする。
国民の多くが期待する公務員像というのは何か、といった基本的な話は
日々の報道に向いていない。

一般の国民が求める公務員像というのは簡単。
自分の利益最優先ではなく、公のために奉仕する精神に富んだ
誠実で有能な人間。
特に、指導的な立場に立つ公務員は、リベラルアーツを身につけ、
深い専門的知識と洞察力に富んだ人物であってほしい。

これほど博士過程まで進む人が増えている時代。
学部卒、修士卒より、博士号を持つくらいの人が
指導的な立場に立つ公務員としてよりふさわしい、と言えないか。

http://scienceportal.jp/news/review/0903/0903241.html

北海道日本ハムファイターズの大社啓二オーナー「顧客満足の徹底で負けない経営」

(日経 3月20日)

野球のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が
盛り上がりをみせる一方、不況下で日産自動車野球部、
西武アイスホッケー部など名門チームが相次ぎ休止や廃部を決定。
企業とスポーツの関係のあり方が改めて問われている。

本拠地を首都圏から地方に移し、実力、人気ともに飛躍した
北海道日本ハムファイターズの大社啓二代表取締役オーナーに、
球団経営の姿勢や地方スポーツの活路について聞いた。

——なぜ移転したのか?

「球団を持つ意味が変わったため。
1974年の参入当初は、日本ハムの知名度を高め、
営業面の強力なエンジンとなった。
企業の成長に伴い、球団は戦績も事業価値も必要に。
本拠地が首都圏では、6球団がひしめく。
ファンやメディアを引き付けるのは難しく、都市人口や興行施設の点から
集客ナンバー1になれる地域を探した結果が札幌だった

——移転に際して何を優先したのか?

「一般企業と同じ、経営理念を共有する体制。
移転当時は、日本ハムに(牛肉偽装の)不祥事が起き、
細かい戦術もなく素手で北海道に行ったようなもの。
『ファンサービス・ファースト』という理念は、スタッフ全員で共有し、行動。
道民球団となるべく、札幌ではなく北海道を冠名にして、
移転前には道内市町村の9割以上にあいさつして回った」

「町役場に行けば、地元メディアや町内報で知らせてくれる。
メジャーリーグをならって、各地でファンクラブ設立を支援し、
株主も日本ハム100%から地元企業10社に入ってもらった。
東京ではできない、地元に密着したPR活動の効果は大きかった

——経営面で変えたことは?

「入場料収入で成り立つことを基本に考えた。
東京では、ドーム効果で高額のシーズンチケットが売れる一方、
入場料収入はじりじり減っていた。
球団価値とは入場料収入だ。
集客型ビジネスだから、入場者が増えてこそ
球場内の看板の広告価値や放映料が高まる」

「顧客満足も追求し続けた。
参入当初、新庄選手らの人気で女性客が増えていることに気づいた。
常設の物産展や子供向けイベントで、家族でも訪れやすい
雰囲気づくりを進め、女性トイレも増やした。
ファンクラブの4割、ドーム観戦客の半分以上が女性

チケットは直接販売し、映像管理も自社に切り替えた。
全国球団ではないので、映像は地域放送で流したり、
衛星波やネットに配信したりする必要がある。
米メジャーのような莫大な放映料収入がない日本では、
むしろ自ら編集・管理した映像を提供する方法が有効だと考え、
映像制作のトレーラーを購入」

——地方スポーツに必要な経営姿勢とは?

経営の自立と、身の丈にあった計画。
観客を増やして広告や映像、飲食売店の収益を高め、
拠点施設の価値も上げる。
必要な投資額を支えてくれるスポンサーを得るとともに、
収益計画と地域貢献のビジョンをステークホルダーに示せるかどうかだ。
野球なら、球場という公共財を活性化できれば、地域経済に貢献できる

「勝負は時の運。
勝ちにこだわりすぎると、経営面で負けることになりがち。
経営で負ければ、結局はその地域に存在し続けられない。
ファイターズは、北海道で6年目のシーズンに入ったが、
初の日本一など過去の戦績にとらわれず、
ファンサービスの徹底とスカウト育成による選手強化の2本柱を守っていく。
そこがしっかりできれば、選手年俸で数倍のチームを
経営でも戦績でも上回ることができる」

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/interview/int090319.html

動き出す宇宙太陽光発電

(日経 2009-03-20)

静止軌道上の人工衛星で太陽光を利用して発電、
地上に送る宇宙太陽光発電への取り組みが本格化。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)などが、2009年度から実証的な研究を
始める予定で、宇宙基本計画でもテーマに。
環境負荷の少ない新エネルギー源としてだけでなく、
日本の宇宙開発のレベルを押し上げる推進力としての役割も期待。

JAXA高度ミッション研究センターの福室康行研究計画マネージャは、
「個々の要素技術はほとんどできている。
実際にやってみようという段階に入った」

宇宙太陽光発電のアイデアそのものは以前からあり、
1960年代末に米国のピーター・グレーザー博士が提案したのが初め。
内外で何度か注目を集めたが、まだ概念先行。
今回、ようやく具体的に検討できるレベルまで基礎技術が育ってきた。

新年度からの5年は、地上でマイクロ波やレーザーを使った
送電の確認実験や精度を上げる研究などを実施。
続く5年で、小型衛星を使った宇宙での実験、
2030年、原子力発電所1基分に相当する出力100万キロワット時の
プラントを建設するのが目標。

地上と違って、宇宙なら雨など天候の影響を受けず、
夜もないに等しいので、ほぼ24時間365日発電が可能。
発電効率は地上の5-10倍、環境負荷の点では
CO2を排出しない理想的なエネルギー源。

プラントは、1キロワット時当たり8-10円の発電コストを目標、
現在の発電所とほぼ同等。

建設費は、宇宙への輸送コストなどを含めて2兆-3兆円。
新設費用が4000億-5000億円程度とされる原発の数基分になるが、
原発は使用済み燃料や廃炉の処理にかなりの費用がかかり、
トータルコストでみれば競争力はある。

宇宙太陽光発電の研究は、米国や欧州でも進められ、
カギを握るマイクロ波やレーザーを使った送電技術は
「日本が1番進んでいる」(福室マネージャ)。

大阪大学などが、太陽光を効率よくレーザー光に変換する技術を開発、
京都大学が、飛行船からマイクロ波で送電して携帯電話を充電する実験を
公開するなどの成果があがっている。

太陽電池の技術も、日本は世界のトップグループ。
送電と合わせた宇宙太陽光発電システム全体では、
世界をリードできる立場。
宇宙開発で、米国やロシアなどに後れを取っているが、
初めて日本がリーダーとなって進めるプロジェクトになる可能性。

総重量が5000トンから1万トンに達する発電衛星を軌道上に建設するには、
輸送システムや宇宙で巨大な構造物を建設する技術など、
様々な技術やノウハウを確立していかねばならない。

将来の目標として月面基地建設などが検討されているが、
宇宙太陽光発電は、目標遂行を支える技術やノウハウを育てる
ゆりかごになりうる。
宇宙開発ではまだ発展途上国の日本が、
米ロなどと肩を並べるための第一歩に、宇宙太陽光発電はなるかもしれない。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/techno/tec090318.html

地域に根差すチームへ アンソメット八幡平が会見

(岩手日報 3月22日)

八幡平市で結成されたサッカーの社会人クラブチーム
「アンソメット岩手八幡平」の高橋義利代表(いこいの村岩手社長)、
丸山富洋監督(元FCガンジュ岩手)らは、
「地域に根差し持続する運営をし、Jリーグを目指すチームづくりをしたい」

高橋代表、丸山監督、ヘッドコーチのカルロス・フェルナンド・サロモン
(前清水商高コーチ)、松村與右エ門事務局長(いこいの村岩手特別顧問)が出席。
現段階の登録選手はDFの丸山監督、GKのサロモンヘッドコーチを含む
15人が内定。Jリーグ経験者はいない。
県内外から選手を募り、25人程度のチーム編制を予定。

4月末までに、県サッカー協会にチーム登録。
26日と4月4、5日に実施する入団テストの参加者を募っている。
市民クラブチームとして運営し、スポ少や中学校などでサッカー指導も行う。
2009年度は天皇杯県予選、県民体育大会などの各種大会に出場。
丸山監督は、「市民に愛され、一体感の持てるチームにしたい」と抱負。

これまでFCガンジュ岩手を支援してきた、いこいの村岩手が
新チームを結成した理由として、高橋代表は
「(ガンジュは)地元に密着したチームづくりができなかった。
アンソメットは地域に愛され、徐々に力を付けて上を目指せればいい」

http://www.iwate-np.co.jp/sports/2009sports/m03/spo0903225.html