2007年8月24日金曜日

国際情報五輪:三重の高3・片岡さん、2年連続金メダル

(毎日新聞 2007年8月22日)

クロアチアで開かれた国際情報オリンピックで、
三重県の高田高3年、片岡俊基さんが2年連続で金メダルを受賞。
片岡さんは、今年7月に開かれた国際数学オリンピックでも金メダルを獲得。

このほか、灘高3年、吉田雄紀さんが銀メダル、
筑波大付属駒場高2年、松元叡一さんが銅メダルを獲得。
大会は今月15~22日に開かれ、77カ国から高校生など285人が参加。
コンピューターを使ったプログラム作成能力などを競った。

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/edu/news/20070823k0000m040089000c.html

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これは素晴らしい偉業ですね!!
スポーツではなく、学術レベルを競うオリンピック。
別に国別対抗というわけではないが、
やはり日本人が好成績を収めるとうれしいですね。
高校生が、このような競技会にもっと参加してほしいです。
受験勉強では、学問の面白さを十分に味わうことはできないから。
まあ、私の場合は競技会に参加する以前のレベルですがね?!

岩手、県を挙げて自殺防止 自殺率全国2位

(毎日 2007年8月12日)

06年の県内自殺率は、34・2人(対人口10万人)で
秋田に次いで全国2位。
9月は「自殺防止月間」でもあり、関係者の自殺対策の取り組みにも力が入る。

自殺率が高い久慈地域では今年度、久慈地方振興局が
「こころのヘルスアップサポーター」(仮称)を250人養成。
地域でうつの知識を身に着け、うつ症状に悩む人の存在に気付き、
適切な相談窓口などにつなぐのが目的。

養成の対象は、地域の事情に詳しい民生児童委員や保健推進員。
管内各市町村の保健師が講師となり、うつについての養成講座を開く。
うつの疑いに気付いたサポーターは、市町村の保健師に連絡し、
治療が必要な場合は専門医の診察などにつなげていくという。
また療養中の場合は見守り、地域で孤立しない環境をつくる。

県は昨年、官民の関係団体で構成する県自殺予防対策推進協議会を設置。
各分野で取り組む具体的な行動計画を、
自殺対策アクションプランにまとめた。
今年度は、全保健所に自殺対策専用の相談窓口を設置する方針。

また、自殺率の高い久慈や二戸のほか、北上、一関の4保健所管内で
住民検診などの際に、質問表でうつ状態をチェックする
「うつスクリーニング」を実施する予定。

自殺防止月間は、政府の自殺予防週間(9月10-16日)に合わせて
県が独自に設定したもの。
うつや自殺について考えるフォーラムを、
9月30日午前10時から盛岡市の岩手教育会館大ホールで開く。

奥州市の市民劇団、「演劇集団 空想工房」が
自殺を考える男性を描いた「星のしずく」を上演するほか、
自殺で家族を失った遺族らによるパネルディスカッション、
どこでも誰でもできる話の聞き方などの実践報告などを行う。

県障害保健福祉課の朽木正彦療育精神担当課長は、
「遺族は、『自殺で死んだ』と周囲に言えない。
周囲もどう声をかけていいか分からない。
どんな思いでいるのかをまずみんなが知る必要がある」。

社会福祉法人「盛岡いのちの電話」が、
相談の電話を受けるボランティアを募集。
盛岡いのちの電話は、91年1月に開局。
年中無休で、正午~午後9時(日曜日は午後6時まで)電話を受け付け。
件数は、開局後から毎年増加し、
97年は4853件だったが、06年は1万135件と倍増。
現在約70人のボランティアが3時間交代で、電話を受けているが、
一人当たりの負担がかなり大きくなっていることなどから募集。
 
応募者には、9月7日~11月24日までの全11回の
公開講座や体験学習などの研修を受けた後、ボランティアとして活動。
公開講座の受講料は全部で1万円。
場所は、主に盛岡市本町通の岩手カトリックセンター。
原則23-60歳くらいの男女40人を募集。
ボランティアを希望していなくても、1講座1000円で誰でも参加可。
問い合わせ 019・652・4162。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=52279

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自殺は、一人の人生が単に終わった、ということではない。
家族や親友、その人に関わったすべての人に衝撃を与え、喪失感を与える。
事故や病気で亡くなった場合には、
その人の人生について、いのちについてしみじみと考え、感じることができる。
でも自殺の場合は、その人の人生がつまらないものに。
すべてが虚しく感じてしまいます。
生きたいと思っても、生きつづけることができない人は世界中にたくさんいます。
自分勝手な思い込みで死に逃げるのではなく、
社会に貢献して自分の人生を豊かにすることを考えてほしいです。

2007年8月23日木曜日

体内時計の鍵となる新たな遺伝子を発見!

(nature asia-pacific、西村尚子サイエンスライター)

理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター システムバイオロジー研究チーム 
上田泰己チームリーダー(TL)

徹夜や時差のある国への旅行によって、
1日の生活リズムが大きく狂ってしまうのは、
私たちの体内に24時間周期でリズムを刻む時計があるから。

体内時計は、「時計遺伝子」と総称される複数の遺伝子によって
機能すると考えられているが、
上田TLらのグループは、ショウジョウバエを使って、
その鍵となりうる新たな遺伝子を発見。

体内時計は、バクテリアからショウジョウバエ、マウス、ヒトに至るまで
多くの生物種にあり、24時間周期の生体リズムを作り出している。
ヒトでは、睡眠や覚醒などに関与し、さまざまな生理機能に影響を与えている。
これまでに、ほ乳類では約20の時計遺伝子候補が同定され、
そのうち朝、昼、晩にそれぞれ発現する3つの遺伝子のある配列(制御配列)が
体内時計の中核を担っているとの説が有力。

上田TLらは、ショウジョウバエの頭部において
24時間周期のリズムで発現している遺伝子を200個突き止め、
そのうち137遺伝子についての変異体を作り出した。
次に、RNAi技術(in vivo RNAi)を用いて、
脳内の時計組織(24時間周期を制御する神経細胞群)における
それぞれの遺伝子の発現を抑制して解析したところ、
5つの遺伝子が時計遺伝子の候補に。
そのなかで、体内時計への影響が最も大きかったcwo遺伝子
「チップ・オン・チップ」を用いて解析した結果、
この遺伝子が自分自身や他の時計遺伝子を制御していることが明らかに。

cwo遺伝子の「cwo」は、「Clockwork Orange(時計じかけのオレンジ)」の略。
この遺伝子に、「オレンジドメイン」とよばれる配列が含まれていたことから、
アンソニー・バージェスによる原作をスタンリー・キュービックが監督した
『時計じかけのオレンジ』という映画にちなんで、
遺伝子にも同じ名前が付けられたという。

「cwo遺伝子は、ヒト体内時計に関与するDec1、Dec2、Hes5遺伝子と似た配列。
ほ乳類のDec1、Dec2遺伝子は、体内時計の中枢(視交差上核)で
約24時間ごとに発現し、時計遺伝子の転写を抑制する」と上田TL。

体内時計の研究の歴史は古く、始まりは植物の概日リズムの認識。
1960年代には、体内時計の特徴が生理学的な実験で定量的に測定。
1980年代に入ると、分子生物学的な手法によって
体内時計システムを構成するさまざまな分子を明らかに。

「現在は、これまでの成果から定量的な性質をボトムアップに理解し、
体内時計システムの設計原理を分子レベルで解明する段階」。
cwo遺伝子の発見は、その重要な鍵に。

ハエは、「活発に活動する時間帯」と「あまり活動しない時間帯」が
周期的に現れる行動リズムをもつが、
cwo遺伝子の変異体ショウジョウバエでは、
24時間周期が約26時間に伸びたり、周期性が完全になくなったりした。
ヒトでも、体内時計の乱れによると思われるリズム障害が報告。
「cwo遺伝子に相当するヒトの遺伝子が、
リズム障害の診断や治療標的の候補にもなりうる」。

23億年程前に誕生したとされるシアノバクテリアにも体内時計があり、
体内時計の起源はきわめて古い。
「生命は、約24時間周期の地球の自転サイクルに影響を受けて、
進化の過程で体内時計を獲得したのだろう。
動物、シアノバクテリア、植物のそれぞれの体内時計をつくるために
機能する遺伝子群はそれぞれ異なっている。
おそらく、進化の過程で何度も、新たな時計が発明されたのだろう」。

ヒトは夜になるとなぜ眠くなるのか?
誰もが抱く素朴な疑問に答えが見つかる日は遠くないようだ。

http://www.natureasia.com/japan/tokushu/detail.php?id=39

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体内時計の研究は、とても興味深いですね。
人間の生活リズムが徐々に夜型に変わりつつあります。
生物学的な生活リズムと、社会学的な生活リズムに
「ずれ」が生じています。
果たして、この「ずれ」はたいした問題ではないのか、
それとも深刻な問題となるのか?
そういう問題提起の意味でも、健康を考えるためにも、
このような研究で多くの知見を生み出してほしいです。
ちなみに、私は欧米に行った時に時差ぼけにはなりません。
生活リズムが合うようです。
日本での生活リズムが崩れているせいですが・・・

2007年8月19日日曜日

奥州市、医学生奨学金創設へ 応募者確保に不安も

(毎日新聞社 2007年8月17日)

深刻な医師不足に手を打とうと、奥州市は総合水沢病院など
市立医療機関で将来働いてくれる医学生に奨学金を支給する
独自の制度を設けることを決めた。


04年度に県が「市町村医師養成就学制度」を創設した後に、
市町村が独自に医学生の奨学金制度を作るのは初めて。

一方、県の奨学金制度も定員割れが起きており、
制度を設けても奨学生を集めるのは容易ではないとの指摘も。
 
総合水沢病院(水沢区)やまごころ病院(胆沢区)で、
将来医師として働く意思がある医学部生に月20万円の奨学金を支給。
奨学金を受け取った年数だけこれらの医療機関で働いてもらい、
別の病院で働く場合は奨学金は返してもらう。

私立大医学部の入学時には、一時金760万円を支給。
一時金は、就労義務3年分と計算する。
一時金も含め、医学部6年間全額支給を受けると、
支給額は1人2200万円。

奥州市の小野寺孝喜・健康福祉部長は、
「総合水沢病院に1人医師が増えると、
医業収入は最大で年間1億5000万円増が見込める。
医師養成にかける費用として十分見合う」。

同病院は、00年に医師が26人いたが、現在は15人。
「産科を目指す奨学生が現れれば、
将来は総合水沢病院に産科を復活することもありうる」。

しかし、奨学金を創設しても応募があるかは別だ。
県には、医学生向け奨学金制度が3種あり、
定員は計25人だが、今年の受給生は18人だけ。
特に市町村医師養成就学制度は、10人募集に対し、受給生は4人。


県医療国保課の金田学・医療担当課長は、
「病院の規模や臨床例の豊富さで、医学生は働く病院を選ぶ傾向にあり、
それに合った奨学制度を選ぶ。
県も、来年度から奨学生の枠を25人から45人に増やすので、
奨学制度のかち合いもあり、厳しいものもあるのではないか」。


http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=52615

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医師不足となったそもそもの原因は、
医学部の定員を減らしたことと、医師の権限丸抱えがある。
医療の細分化、専門化が進んだために、
相対的に医師の数が不足してしまった(特に、小児科、産婦人科)。
また、看護師や薬剤師など他のスタッフにも可能な
医療行為(カウンセリング含め)を、まだ医師だけで行っている。
医師の仕事量はますます増えています。
奨学金を給付することも大事ですが、
医療環境を整えることが根本的な解決になると思います。