2009年5月9日土曜日

パンデミックに挑む:押谷仁さん=東北大教授(ウイルス学)

(毎日 5月5日)

押谷仁さん=東北大教授(ウイルス学)

世界保健機関(WHO)の感染症地域アドバイザーとして、
マニラに赴任していた02年、新型肺炎(SARS)が発生。
事態収束の現場指揮にあたった。
帰国後、その経験から政府の新型インフルエンザ対策に
厳しい注文をつけ続け、行動計画の改定につながった。
新型インフルエンザの発生以降、連日メディアに登場。
状況分析と対策の要を説き続けている>

医学を志したのは、世界を舞台に活動したかったから。
インフルエンザを研究したが、研究室にいても面白くない。
卒業後間もなく、JICA(現在の国際協力機構)の仕事で3年間、
アフリカのザンビアで感染症対策に当たった。

その後、公衆衛生学を学ぶため、米国に留学。
その時、香港で鳥インフルエンザが発生。
それまでも専門家の間で話題になっていたが、
新型は本当に発生すると、強く意識するようになった。

SARSを経験して帰国した時、国内の新型インフルエンザ対策は当初、
水際対策と地域封じ込めだけで、
国内発生後の対策は何も考えていなかった。

今回新型インフルエンザが発生し、
世界的大流行(パンデミック、フェーズ6)目前の状況。

専門家ばかりで議論しても仕方がない。
国民にも、冷静に地域で議論する場を作ってほしいと願っている。
==============
◇おしたに・ひとし

東京都出身。東北大医学部卒。99~05年、WHO西太平洋地域事務局の
感染症地域アドバイザーとして、発生したSARS対策の指揮を執り、
新型インフルエンザ対策を練った。05年9月から現職。

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2009/05/05/20090505ddm013100143000c.html

そば街道、いざ発進 八幡平市の団体が地域をPR

(岩手日報 5月5日)

八幡平市「八幡平そば街道の会」(小笠原寿男代表)に参加する
店舗は、同市産そば粉を使った手打ちそばを提供する
「八幡平そば街道」をスタート。

そばやつゆの味など、一定の品質管理も実施。
市内全域でそばが食べられる「街道」をつくり、地域をPRするとともに、
ソバ生産者の支援や、器など安比塗漆器の利用拡大にもつなげる。

同市大更の道の駅にしねで、そば街道の会のメンバーがそば打ちを実演。
約二百食を観光客にふるまった。

仙台市の会社社長山崎邦男さん(62)は、
「そばの味が濃く、シコシコしておいしい。また来たい」と堪能。
孫の関根未羽(みう)さん(9)と汐亜(ゆあ)さん(7)は、
「楽しそう。家でもやってみたい」と興味深くそば打ちを見つめた。

道の駅にしねでは毎日、八幡平市高畑の不動の滝レストハウス内の
「※心(きしん)亭」は土、日曜日と祝日に提供。
同市田の沢の加幸屋のぼる内の「そば工房のぼる」は、
注文があれば打ったそばを販売する。
同市保戸坂のカフェレストラン「ぱぱなっしゅ」は、
ランチで手打ちそばを出す。いずれも数量は限定。

岩手山焼走り国際交流村、あずみの湯なども参加する予定。
参加店舗は「八幡平そば街道」ののぼりを掲げる。
そば粉は、主にわんだい農園と田山営農組合から良質を
条件に通常より高値で仕入れる。
参加店には安比塗漆器の利用も勧める。

そば街道の会の発起人の一人で、そば打ち指導も行う
石田秀悦さん(49)=豆腐店・ふうせつ花代表=は、
「生産者支援のため、そば粉のブランド化を図るとともに、
器をかたどる木地師の育成にもつなげたい」
※は、「森」の「木」が「七」

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20090505_12

糖尿病患者が笑って健康に

(2009年4月28日 WebMD)

笑いは、糖尿病患者の心臓に非常に良い効果をもたらす
可能性があることが、新しい試験で明らか。
この試験は、ロマリンダ大学のLee Berkと
オーク・クレスト・ヘルスリサーチインスティチュート
(カリフォルニア州ロマリンダ)のStanley Tanによるもの。

血圧(高血圧症)、コレステロール値(高脂血症)が高い
ハイリスク2型糖尿病患者20例を対象として試験を実施。
すべての患者に通常の治療が行われた。

患者の半数に笑えるビデオを選び、1日に30分以上見るよう指示。
「もっと見たいと思えば見てよいこととした」
患者はTV番組や映画など、自分が笑えると思うものを
好きなように選んだ。
「患者にとって、何が「おかしい」かを検討する必要はなく、
また可能ではなかった」

これらの群を笑い群とし、それ以外の患者を対照群とした。
1年間の試験中、2カ月毎に患者の血液検査が実施。

2カ月後、笑い群の患者では対照群の患者よりも
HDL(「善玉」)コレステロール値が改善。
4カ月後、笑い群ではいくつかの炎症物質の血中濃度が低下。
このパターンは、心血管系疾患リスクの低下を意味すると、
Berk博士とTan博士は指摘。

Experimental Biology 2009の一環、米国生理学会年次総会で発表。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/4/28/96232/

鳥類にも「音楽を聴いて踊る」能力ありと、米研究

(CNN 5月1日)

音楽を聴いてリズムを取り、踊る能力があるのは
人間だけではなく、鳥類にも見られるとする研究結果を、
米国の研究者2人が別々に専門誌に発表。
インターネットの動画投稿サイトに寄せられた、
ペットのオウムが音楽に合わせて踊るビデオを分析した結果。

ハーバード大学のアデナ・シャッハナーさんは、
動画投稿サイトのユーチューブに掲載された、動物が踊るビデオ
1000本以上を調査。
オウム14種とゾウが、拍子を取っていたことを確認。

ユーチューブに2007年に掲載、219万回以上も再生されている
オウム「スノーボール」が、バックストリート・ボーイズのヒット曲
「エヴリバディ」に合わせて踊るビデオについて、
コマ送りで動きと音楽の相関性を調査。

スノーボールは、音楽を聴きながら頭を振り、足を上げてリズムを
取っているが、その動きが偶然ではなく、音楽を聴いて反応している。

シャッハナーさんの研究グループは、
別のオウム「アレックス」についても調べた。
アレックスは、ドラムとベースの音に合わせて頭を振っていた。

サンディエゴの神経科学研究センターのアニルド・パテルも、
シャッハナーさんとは別に、スノーボールについて調べ、
スノーボールがリズムに合わせて踊り、
それを表現する能力があると結論。

音楽を聴くという能力は、聞いた音を真似ることが出来る能力と
関係があるのではないかと推測、
「発生学習」が出来るとされている別種の動物についても、
同様の能力がある可能性がある。

http://www.cnn.co.jp/science/CNN200905010029.html

2009年5月8日金曜日

理系白書’09:挑戦のとき/9 PDエアロスペース社長・緒川修治さん

(毎日 5月5日)

東海道の宿場町の風情が残る名古屋市の住宅街に、
緒川修治さんの「夢の工場」がある。
実家敷地内の10畳のプレハブがオフィス。
隣接する工房には、手作りの燃焼実験室も備える。

宇宙空間(高度100キロ)まで、低コストで往復できる有人宇宙機を、
民間で開発することが目標。
膨大なコストがかかるロケットに代わる輸送手段を実現する技術に、
「パルスデトネーションエンジン」(PDE)を選んだ。

金属筒に燃料と空気を入れて点火すると、爆発的に燃える。
爆発で低圧になった燃焼室に、外部から新たに燃料と空気を供給し爆発。
この繰り返しで推進力を生む仕組みが、PDE。
単純で故障のリスクが少ない。

緒川さんはこのPDEに、ジェットエンジンとロケットエンジンの
両方の機能を盛り込む計画。

子ども時代の目標はパイロット。
何度も受けた試験は不合格。
航空機を作る仕事に目標を切り替えた。
34歳の時、米国で民間による有人宇宙機コンテスト「Xプライズ」が開かれ、
わずか数十人の企業が宇宙機開発を成功。
「日本でもやってやれないことはない」と07年、起業。

ゴールは、「14年のクリスマスまでに、有人宇宙機を完成させる」
酸素がなくなる高度15キロ以上は、自前の酸化剤から酸素を供給。
製造コスト、運用コスト、信頼性のすべてで、既存エンジンを超える
この「切り替え法」を特許申請。

欠点は、燃焼が安定しないこと。
緒川さんは、PDEのベースとなる「パルスジェットエンジン」を自作。
1・6メートルのデモ機に搭載したテストは昨年、3度試みた。
1回目は離陸できず失敗。
2回目は離陸したが、エンジンが作動不良を起こした。
3回目は1分間飛んで無事着陸できた。
「ほっとした。ただこんなものはおもちゃ」と表情を引き締める。

夢をかなえるための資金を、90億円と見積もった。
政府の助成金を申請し、スポンサー探しに奔走。
不景気は逆境だが、「本当に好きなことならがんばれる。
『無理』と言う前に、やることがたくさんある」

筑波大、九州工大、名古屋大など7者による共同開発のめどもたった。
町工場の社長が、部品を無料で作ってくれた。
生涯のうちに、欧州旅行並みの39万8000円で宇宙旅行を実現したい。
現在、米企業が提供する宇宙旅行は2000万円。
「家族で行って、子どもに宇宙から地球を見せてほしいから」
==============
◇おがわ・しゅうじ

名古屋市生まれ。福井大工学部卒。
三菱重工業で次期支援戦闘機開発に4年間かかわった後、
01年、東北大大学院で修士号取得。

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2009/05/05/20090505ddm016040137000c.html

技術者、年間55人養成へ 北上のDEセンター

(岩手日報 5月2日)

県と北上市が、北上オフィスプラザ内に設置した
「いわてデジタルエンジニア育成センター」は7月から本格始動。

自動車や航空機などの大手企業が採用し、次世代ものづくりに
欠かせない高度三次元設計システム「CATIA」に特化した
国内最大級の「人財育成拠点」。
総事業費約6000万円、年間55人のCATIA技術者を養成。

同センターは、求職者や企業在職者、高校生や学生、教職員を
対象に、最大10カ月の講座(実技、学科)を全10種類、16回開講。

求職者向けは、
▽CATIAを中心に三次元設計、加工、解析、測定などの
総合的なデジタルものづくり技術
▽三次元CADで最大シェアを占めるソリッド・ワークス技術
▽金属NC加工技術
-などの5講座。

企業在職者向けは、CATIA実技基礎講座。
黒沢尻工高専攻科の生徒、教職員向けにソリッド・ワークスとCATIAの2講座、
県立産業技術短大産業技術専攻科向けにCATIAを中心にした講座、
県内実業高校の教職員向けのCAD講座も開講。

2007年度に本格始動した北上市三次元ものづくり革新プロジェクトの
講座を拡充。
経済産業省の地域企業立地促進等補助事業を活用し、
CATIA関連機器を従来の4台から22台に増強。
北上市の地域講師は、現在の4人から6人に増やす。

年間55人のCATIA技術者を含む三次元コンピューター
利用設計システム(CAD)技術者を、計141人養成する計画。
5月中にも、求職者向けのCATIA技術者養成講座(前期15人)と
ソリッド・ワークス技術者養成講座(同10人)の募集を始める。

同プロジェクト統括責任者で同センター責任者の三浦範和さん(42)は、
「不況で業界は苦境に立つが、二、三世代先を見据えた技術開発の手は
緩めていない。業界ニーズに応える人財育成をしなければならない」

http://www.iwate-np.co.jp/economy/e200905/e0905021.html

成人の半数以上、「宗旨替え」経験ありと 米国

(CNN 4月28日)

米国の成人の半数以上に、1度でも信仰する宗教を変えた経験が
あることが、調査機関ピュー・フォーラムが発表。
「無宗教」の割合も増えていた。

全米の成人2867人を対象、生まれ育った家庭の宗教と、
現在の信仰する宗教について電話で調査。
同じ宗教でも教派を変えたり、同じ教派でも教会を変えた経験などを質問。

子供のころと違う宗教を信仰しているとの回答は44%、
子供のころと同じだが過去に1度でも変えた事があるとの回答9%を含め、
過半数以上が宗旨替えしていた。

変更の理由は、「引っ越し」、「結婚相手の宗教に合わせた」、
「通っていた教会の牧師が嫌い」、「別の教会の牧師の方がよかった」など。

生まれ育ってから一度も宗旨替えしていない割合は47%、
過半数を割り込んだ。
「信仰している宗教がない」という無宗教層が急激に増加、16%。

宗教を信仰しなくなった理由として、
「宗教心に篤い人々は、偽善的で物事を一面だけで判断する」、
「宗教指導者がお金や権力にこだわっている」といった批判的なもの、
「科学により宗教がある種の迷信だとわかった」ことなど。

http://www.cnn.co.jp/fringe/CNN200904280015.html

「肥満は地球環境に優しくない」 英研究チームが試算

(CNN 4月21日)

スリムな体型を維持すれば、地球温暖化を食い止める一助にもなる、
という研究結果を、英ロンドン大学公衆衛生学・熱帯医学大学院
(LSHTM)の研究チームがまとめた。

研究では、肥満の指標となるBMI(体格指数)分布について、
英国の1970年代の統計と2010年の予想値を比較。
肥満の人が人口に占める割合は、1970年代の3.5%から、
2010年には40%に増えると予想。

肥満人口が40%を占める状況で、必要な食物エネルギーは、
3.5%が肥満の場合に比べて19%多くなる。
食物消費量が19%増えれば、
地球温暖化ガスの排出量は2億7000万トン増える計算。

世界で肥満の大人は約3億人、太りすぎの大人は10億人、
中国、欧州、米国などの各国でBMIの値は上昇。

体重が重い人が動くためには、それだけ多くのエネルギーが必要になり、
輸送のための燃料もかさみ、温室効果ガスの排出量が
それだけ増えると、研究チームは指摘。

LSHTMのフィル・エドワーズ講師は、
「自分のためにも地球のためにも、スリムな体型を維持した方がいい」

http://www.cnn.co.jp/fringe/CNN200904210021.html

2009年5月7日木曜日

県が医療機器産業を強化 自動車、半導体に続く柱に

(岩手日報 5月6日)

県は、コバルト合金関連の生体用機器実用化も含め、
約2200万円を予算化。
産学官で組織する会議を開き、年内にビジョンを策定。

県は昨年8月、産学官47団体で組織する
「いわて医療機器事業化研究会」を設置。
ビジョンは同研究会と連携して、県内の医療機器関連シーズ(素材)を集め、
地場企業の参入、産学官連携による研究開発、展示会出展など
による販売・市場化戦略を描く。

有識者を、医療機器事業化マネジャーとして配置、
大手メーカーの情報収集や地場企業とのマッチングも展開。
2010年度に、大手企業への部品サンプル供給、
12年度は部品供給、相手先ブランドによる生産(OEM)受託を視野に、
13年度にも製造販売を目指す考え。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20090506_2

ガムに成績向上や減量の効果? メーカー出資の米研究

(CNN 4月28日)

ガムをかむことで、生徒の学業成績が上がったり、食欲が抑えられ
ダイエットの助けになったりするとの研究結果が、
米国の実験生物学会で報告。
いずれの研究も、大手ガムメーカー系の「リグレー科学研究所」が
資金を出しているため、結果を疑問視する専門家もいる。

1つは、ベイラー医科大のチームが実施。
テキサス州ヒューストンの学校で、8年生(中2に相当)108人を
2つのグループに分け、一方には宿題をしたりテストを受けたりしながら
ガムをかむよう指示。
もう一方は、ガムをまったくかまないグループとした。

14週間にわたる追跡調査の結果、ガムをかんだグループは
かまなかったグループに比べ、数学の標準テストの点数が3%高くなる
など、全般的に成績が良くなることが分かった。

教師らの報告によれば、ガムをかんだ生徒たちには、
集中力が長続きする傾向がみられた。

ルイジアナ州立大のチームによるもう1つの研究では、
115人を対象に、ガムと食欲の関係を検証。
昼食後に毎時間3回ずつガムをかむと、高カロリーのおやつが減る。
ガムをかんでいると、甘いものを食べたいという欲求が抑えられる。

ニューヨーク大の栄養学者、マリオン・ネスル博士は、
「ガムは、カロリーがあってもごく少ないので、
ダイエットが促進されるなら有用といえる」

「それぞれの研究の目的はただひとつ、ガムの販売促進だ。
メーカーに都合の良い結果が出るのは当然だろう」と批判。

業界とは直接関係のない研究でも、ガムの効用はすでに指摘。
米歯科医師会(ADA)は、「食後20分間、砂糖不使用のガムをかむと、
虫歯予防に役立つ」との見解。
かむ行為によってだ液が分泌され、口中の酸や細菌を洗い流すため。
だ液は酸を中和するので、胃酸逆流の症状に効くとの報告。
ガムをかむことで、脳への血流が最大25%増加するとの説。

オハイオ州クリーブランド・クリニックのマイケル・ベニンガー博士は、
「ガムは喫煙と違い、ほとんど害がない。
顎関節症や慢性の緊張型頭痛があったり、
夜間に歯ぎしりをしたりする人を除けば、害より利点のほうが大きい」

http://www.cnn.co.jp/science/CNN200904280027.html

13カ国で宗教の自由侵害が深刻 北朝鮮、ミャンマーなど

(CNN 5月2日)

世界各国の宗教の自由の現状を調べていた、
超党派の米連邦委員会は、年次報告書を発表、
侵害の度合いが深刻な国として、ミャンマー(ビルマ)、北朝鮮、中国、
イランなど13カ国を列挙。
エリトリア、イラク、ナイジェリア、パキスタン、サウジアラビア、スーダン、
トルクメニスタン、ウズベキスタンにベトナムも含まれる。

同委は米政府に対し、これらの国を、宗教の自由で特段の懸念がある
国に指定するよう促した。
同委のメンバーは大統領、議員によって任命。

侵害について監視すべき国として、アフガニスタン、ベラルーシ、
キューバ、エジプト、インドネシア、ラオス、ロシア、ソマリア、
タジキスタン、トルコにベネズエラを挙げた。

特に、パキスタンの北西辺境州などに拠点を持つイスラム強硬派勢力
タリバーンに強い懸念を表明。
影響力を及ぼす地区などで人権、宗教を侵害し、
女性などに過酷な行動の規制を敷いていると批判。

http://www.cnn.co.jp/world/CNN200905020007.html

宇宙からおいしいお茶選び JAXAと佐賀大など研究

(朝日 2009年4月29日)

人工衛星の目でおいしい茶葉選び――。

上空約700キロから撮影された宇宙航空研究開発機構(JAXA)の
衛星画像を解析し、茶葉に含まれるうまみ成分を測る試みが、
佐賀県嬉野市で進められている。

佐賀大やJAさがなどが、JAXAとの共同研究事業
「宇宙オープンラボ」で手法を開発。
最もおいしいとされる茶葉は、「衛星の恵み」の銘柄で売り出されている。
開発の中心は、佐賀大理工学部知能情報システム学科の
新井康平教授(60)。
衛星のセンサーが発する波長0.75~1マイクロメートルの近赤外線を、
茶園の上空から撮影した画像上で赤く表示させたところ、
茶葉に窒素の含有量が多いところほど、赤が濃くなった。

窒素の含有量が多い方が、アミノ酸の一種テアニンの含有量も多い。
食物繊維が少なければ、うまみと甘みに富む「生き生きとした茶葉」に。
新井教授は、「画像を活用すれば、農家は自宅のパソコンで
茶園の状態を把握できる。製茶会社も、産地から品質のいい茶葉を
選んで取り寄せられる」と利点を説明。
「衛星の恵み」は、窒素6%以上、食物繊維18%以下。
嬉野市の約千カ所の茶園のうち、この基準を満たすのは約30カ所。
100グラム2袋セットで4600円から。
問い合わせはJAさが うれしの大型製茶工場(0954・20・2377)。
全農のサイト「JAタウン」でネット通販も。

2009年5月6日水曜日

碁石観光まつり開幕 県外からの観光客多く

(東海新報 5月5日)

大型連休中の目玉行事・大船渡碁石海岸観光まつりが開幕。
穏やかな陽気に恵まれる中、焼きカキや海鮮鍋販売では
長蛇の列ができ、訪れた観光客らは地元産のおいしさを
満喫しながら多彩なイベントを楽しんでいた。

開幕式では、第11代のつばき娘お披露目に続き、
主催者を代表してまつり実行委の齊藤俊明委員長が、
「本格的な観光シーズンを告げる催しで、誰もが楽しめるイベントを
用意しています」とあいさつ。

甘竹勝郎市長、佐藤丈夫市議会議長のあいさつに続き、
お祝いのもちまきが盛大に行われ、開幕を告げた。

会場には、今年初めて大船渡水産物流通研究グループ(新沼敬司会長)
による「カキ小屋」が設営。
食べ放題のテーブルでは、家族連れらが焼きたてを満喫、
一皿ずつの販売にも磯の香りに誘われるかのように長蛇の列。

毎年恒例の海鮮鍋や地元食材による弁当販売、
ワカメ詰め放題も好評。
昨年、貝毒検出を受けて見送られたホタテの炭火焼きも行われ、
地元産の新鮮な食材を生かしたもてなしで来場者を歓迎。

長安寺太鼓、盛岡さんさ踊りの披露に続き、大船渡高校吹奏楽部が
爽やかなハーモニーを響かせた。
特設ステージで行われたホタテ貝殻積み上げ王者決定戦では、
子どもたちの奮闘する姿に、見物客から盛大な歓声や拍手が送られていた。

駐車場は満杯状態が続き、臨時駐車場を設けた赤土倉漁港付近を結ぶ
無料シャトルバス利用者も多かった。
大阪や名古屋など、駐車場では県外ナンバーの車両も多数見られた。

碁石七福神の郷土芸能披露、大船渡東高校太鼓部演奏、
ホタテ釣り名人決定戦、雷岩大声大会などを予定。
焼きカキや海鮮鍋などの販売も行われ、「あんこ椿」を用意した
同校チャレンジショップも設けられる。

http://www.tohkaishimpo.com/

野菜工場、旬なんです 不況を逆手、遊休施設を転用

(朝日 2009年5月3日)

企業が、工場などの施設内で野菜を効率的に育てる「野菜工場」が、
3度目のブームを迎えている。
消費者の「食の安全」に対する関心が高まる一方、
不況で操業を停止した遊休設備を有効活用できる利点。
新規参入を支援するビジネスも、熱を帯びつつある。

埼玉県秩父市の県営工場団地。
半導体部品メーカーの倉庫の一室で、無農薬のレタス栽培が始まった。
長さ17メートルの3段の棚には、青々としたレタスが並ぶ。
太陽の代わりに蛍光灯、土の代役に栄養分をバランス良く含んだ
溶液を使って、年45トンを生産。

野菜工場を運営するのは、キユーピーの元社員らが
昨年9月に設立した「野菜工房」
周藤一之副社長は、「室内で管理して育てたレタスは細菌が少なく、
3週間は日持ちする
4月初めから出荷している地元スーパーへの卸売価格は、
露地栽培の1.3~3倍だが、売れ行きは好調。

野菜工場は温度や湿度、二酸化炭素排出量などを徹底管理し、
1年を通じて野菜を栽培。
蛍光灯などを使って、地下でも栽培できる完全制御型(国内約30カ所)、
ガラスの温室を利用した太陽光利用型(同約20カ所)がある。

野菜工場はもともと80年代に、大手スーパーなどが
人工の光で野菜をつくれるかどうかを研究するために始まった。
第2次ブームの90年代後半、水耕栽培技術の向上で参入企業も増えた。
工場設置費用の負担は重く、野菜の販路確保も難しいため、
なかなか定着しなかった。

転機は、昨年の中国製冷凍ギョーザによる中毒事件。
野菜でも、高い品質管理をうたう国産を選ぶ傾向が強まった。
狭い空間で栽培でき、不況で閉鎖した工場を活用したいという
機運も追い風に。
独自のノウハウが必要なため、新規参入組を支援する関連ビジネスが
急速に広がっていることも、第3次ブームの特徴。

三菱樹脂は、民事再生手続き中の農業資材専門商社の
水耕栽培事業を近く買収し、11年から、野菜工場の運営に必要な
ノウハウや設備をまとめて販売する事業に乗り出す。

先行組も、収益拡大の好機とみる。
90年代から野菜工場の設置を始めた大成建設は、
野菜栽培ベンチャーと連携。
工場設置から販路まで、総合的に支援する事業を始めた。
遊休設備の活用を狙う精密機械や電子部品会社などから、
約70件の引き合いがある。

三菱総合研究所は今月末、野菜工場の関連ビジネスに参入を
目指す企業の研究会を発足。
酒井淳子研究員は、「野菜工場は初期投資がかさむため、
短期間では収益を上げにくい。
中長期的に利益を生みだす事業と位置づければ、
国内に定着する可能性は十分ある」

http://www.asahi.com/business/update/0502/TKY200905020155.html

学生発 フリーペーパー、全国200以上

(朝日 2009年4月27日)

大学生が作るフリーペーパーが続々と生まれている。
全国で200以上。
学生自身が広告をとり、記事の取材や編集をし、配布まで行う。
自分たちの書きたいことだけを書いて満足するのではなく、
読者や広告主を満足させる誌面を目指す。

◆美大発 高品質を企業が評価

「この色は目立ちすぎ」
「こっちのデザインの方が見やすい」
東京都国分寺市のビルの一室。

フリーペーパー「PARTNER(パートナー)」のスタッフが、
誌面の試し刷りを囲んで議論。
納得できる仕上がりになるまで、話し合いは続く。

昨年、大学生によるフリーペーパーのコンテスト
「スチューデント・フリーペーパー・フォーラム2008」
立命館大の「CREW」、北九州市立大の「WATCHa!!」など、
東北から九州まで72誌の応募、優勝したのが「PARTNER」。
07年4月に創刊。

多摩美術大、武蔵野美術大、女子美術大など
東京近郊の美大生約20人が中心。
授業で様々な作品を作っているが、学外で発表する場が少ないことから、
多くの人の目に触れる場として雑誌に挑戦。

発行部数は3万部で、年4回発行。
全国の美大35校に置かれている。
広告やアート業界で働く先輩のインタビュー、就職や留学に関するアンケート
といった特集が並ぶ。
美大生が作っているだけあり、写真や誌面デザインのレベルは高い。

多摩美術大2年の高木皓平編集長は、
「作るのも読むのも美大生。今学生が求めていることが分かる」
広告は3社と年間契約、トヨタやソニーなどの大企業から入ることも。
美大生に確実に届く媒体であることが評価。

◆岐阜発 県内の大学結びたい

発行意欲は、地方の学生も同じ。
岐阜県内で出されている情報誌「GIFT(ギフト)」は、
岐阜や名古屋の大学に通う学生で作る団体「岐阜人」が07年から発行。
年4回、1万部をキャンパスや駅前で配っている。

同県内の大学は、それぞれの所在地まで距離が遠く、
大学間の交流はほとんどない。
編集部の岐阜市立女子短大2年、神原千恵さんは、
「周りの学生は、家と学校の往復だけ。サークルも活発じゃない」

名古屋に近く、学生は「名古屋に比べて何もない」と思いがち。
大学間をまたいだ団体をつくって、学生同士をつなぎ、
岐阜の魅力を伝えたい、と創刊を決めた。

岐阜大大学院2年の中尾祐也・岐阜人代表は、
「自分の足で歩いて探せば、楽しい場所はいろいろあるし、
魅力的な人もいる。もっと外に出よう、と提案したい」

大学生がどんな記事を求めているのか、試行錯誤。
最も人気があるのは、お店紹介のページ。
おしゃれな学生のスナップも、「友達が載っているかも」と
手に取ってもらうきっかけに。
サッカーJ2のFC岐阜の応援ページも作った。

◆講座発 早大有数の人気科目

フリーペーパーを学問として学ぶ大学も。
早稲田大では昨年度から、全学共通科目として
「フリーペーパー講座」を開設。

定員50人に、400人以上が応募する人気科目に。
実際に、フリーペーパーを発行する会社関係者らを講師として招き、
自社の戦略や国内外のフリーペーパーの歴史を語ってもらう。

講座から生まれたフリーペーパーの一つが、「Re:ALL(リアル)」
文化構想学部の学生が今月創刊。
創刊号の特集は、「文構って何?」
同学部は07年にできたばかりで、同学部3年の西山武志編集長は
「他学部の学生や企業に配ったり、受験生向けのイベントを開いたりして、
文化構想学部の知名度を上げたい」

◆昔は同人誌 今はビジネス

なぜ、学生はフリーペーパーにひかれるのか?
早大メディア文化研究所の森治郎客員教授によると、
(1)学内や地域の情報
(2)サークルや趣味
(3)就職やキャリア形成、を扱うものが多い。
「有料誌に見劣りしない質の高いものが増えた。
(1)は、学生が地元を歩くことで、地域活性化につながる可能性もある」

同人誌のようなミニコミ、学生新聞は昔からあった。
今の学生は、フリーペーパーづくりを通じてビジネスを学んだり
社会とつながったりしたいと考えているのが特徴。

誌面づくりのソフトの値段が安くなり、操作も簡単になったことも、
フリーペーパーを身近にした。

早大の学生だった丹羽健二さん(24)は07年8月、
ベンチャー企業やマスコミなどのアルバイト情報を載せる
「キャリアバイト」を1人で始めた。
学生時代から起業に関心があり、ベンチャー企業で社員と同等に働いた。
「お金をもらいながら成長できた」

その経験から、アルバイトをする学生に
「仕事力を高め、自分の夢につなげる働き方を広めたい」と、
ベンチャーなどに絞った求人情報誌を作る。
卒業した昨年、ネット関係の会社を立ち上げ、
キャリアバイトも事業の一つにした。

編集部には早大の後輩、東京大、上智大などの約20人が加わった。
年6回発行で、首都圏の大学に、計1万部を手渡ししている。
記事は、仕事に関するインタビューやコラムと、
アルバイトやインターンの求人広告が中心。
現在の編集長で早大4年の中村翔さんは、
「求人広告を出してくれた会社から、キャリアバイトを見て来る学生は
意識が高いと言われると、やりがいを感じる」

◇フリーペーパー

広告収入を財源に、無料で定期的に発行される新聞や雑誌。
日本生活情報紙協会の06年の調査では1200紙、計3億部が発行。
宅配や駅などにラックを置いて配布するものが多い。

http://www.asahi.com/edu/news/TKY200904270102.html

若田さん、ふわり 「宇宙舞踊」に挑戦

(朝日 2009年5月3日)

国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在中の若田光一さん(45)が、
日本の実験棟「きぼう」で、世界初の「宇宙舞踊」に挑んだ。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)が、画像を公開。
若田さんは顔に化粧をし、帝釈天をイメージしたという独特の衣装で、
宙を舞った。

宇宙舞踊は、お茶の水女子大名誉教授の石黒節子さんが考案。
無重量状態を生かし、中国・敦煌の壁画に描かれた飛天や、
法隆寺の聖徳太子の座像をもとに、動きを考えた。
4月30日に実施。

首周りに、長さ約3メートルの「ひれ」がついた白っぽい衣装を着た
若田さんは、顔に銅色系のクリームを塗り、髪形も整えて登場。
機器類を布で覆って、「舞台」に見立てたきぼうの中で、
体をU字に反らして飛んだり、あぐら座で浮いたり、
手にした造花の花びらに息を吹きかけて散らしたり。
予定にはなかったバック転も披露。

石黒さんは、「無重量でしかできない美しい動きがテーマ。
衣装やメーク用品は規制が厳しかったが、
踊りに欠かせないのでこだわった」

化粧品は、資生堂の市販品が中心で、米航空宇宙局の検査を経て、
ISSへの持ち込みが認められた。

http://www.asahi.com/science/update/0501/TKY200905010319.html

2009年5月5日火曜日

海洋産業振興に本腰 県、指針策定へ体制強化

(岩手日報 4月30日)

県は、三陸沿岸海洋産業振興指針(仮称)を策定。
水産加工品開発や観光産業振興、海洋バイオテクノロジー研究など、
部局ごとの関連施策を総合的に推進して、海洋産業の振興を図る。

達増知事が提唱する「海洋版シリコンバレー」の具体化を目指し、
地域振興支援室内に特命課長を配置して、組織体制を強化。
同様の取り組みは全国でも少なく、
三陸の豊かな資源を有効活用した本県独自の施策を本格推進。

指針は、国と地方が連携して、海洋施策を推進するとした
国の海洋基本計画(2008年)を受け策定する。

海の資源に着目した産業の仕組み構築が、基本施策。
研究機関のネットワーク化、起業支援、人材育成などの取り組みを推進。
水産加工・流通、海洋バイオ、海洋資源開発、観光産業など、
各分野の課題や施策方針をまとめて一体的に進める。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20090430_1

特集:マータイさんに旭日大綬章(その2止) 共感、世界に広げて

(毎日 4月30日)

マータイさんが、世界に発信する地球環境と平和のための合言葉
「MOTTAINAI」が、各国のメディアから相次いで取り上げられている。

米CNNは、マータイさんの活動を取り上げた番組「リビールド」を放映。
ノーベル平和賞受賞までのマータイさんの活動を振り返り、
名誉会長を務めるMOTTAINAIキャンペーンを紹介。
宇都宮市で開催された、第2回もったいない全国大会での基調講演や
市民の反応、同市立中央小での植樹の風景などを放映。

マータイさんは、「地球は特別な惑星ですが、資源は限られています。
日本で、MOTTAINAIという考え方に出会い、感銘を受けました。
たった一つの言葉が、多くのことを含んでいる。
この言葉を、世界で共有したい

「いろんな国で異なる習慣を目にするのは、とても興味深いこと。
(最初は奇異に思えた)お辞儀が、今ではケニアでもお辞儀をしてます」
「木を植えることは簡単でありながら、人々に勇気を与えます。
子供たちが植樹をする光景は、まさに(私が思い描いた)将来の姿」

米公共ラジオ放送(NPR)でも、マータイさんが紹介、
仏ストラスブール市と群馬県板倉町の小学生が、テレビ会議で、
暮らしの中の無駄や環境問題について話し合った際、
仏紙「DNA」などで取り上げられた。

MOTTAINAIへの関心は、欧米にとどまらない。
中東バーレーンの日刊紙「Al Wasat」で、
バーレーン大准教授のマジード・ジャシム氏は、
「その語源は、MOTTAIという本質的な価値を表す言葉と、
欠如を表すNAIという言葉が組み合わさってできている」
「日本語のMOTTAINAIが、世界の注目を浴びるようになった」と評価。

アジアでは、韓国大手紙「ソウル新聞」や台湾の雑誌「経典」で紹介、
インドネシア高級紙「コンパス」が取材。

◇マータイさん「平和のため、森守ろう」 自治体「全国大会」3500人参加

MOTTAINAI精神を具体的な活動につなげようと、
「もったいない全国大会」が、07年と08年、宇都宮市で開催。
市民が国内外に発信しようと、情熱を傾けた大きな成果で、
全国から3500人が参加、各地の具体的な取り組みを紹介。

第2回大会では、マータイさんが基調講演を行い、
地球温暖化の危機的な現状に触れ、
「炭素を吸い、酸素を吐き出す森は地球の肺だ。
森林を守ることが極めて重要」
「平和は、環境破壊や資源の乱用をしていては達成し得ない。
公平な形で資源を共有し合わなければ、紛争の数は増えてしまう」

パネルディスカッションではマータイさんのほか、
小池百合子元環境相らが環境保護をテーマに議論を展開。
「この素晴らしい『MOTTAINAI』を、この大会から全国へ、
世界へ広げていく」との宣言文。

草の根の運動が広がりつつある。
第1回大会では、南太平洋の島国ツバルでスクールバス不足を知り、
宇都宮青年会議所の募金活動で、中古バス1台が同国に寄贈。

MOTTAINAI精神を具体的な行動に移すべく、
宇都宮市の環境団体などが中心に、「もったいない運動市民会議」設立。
「もったいないフェア(仮称)」開催など、同運動の普及に取り組む。
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◆「もったいない全国大会」を開いた宇都宮市長、佐藤栄一さん

日本人として受章を喜びたい。
「もったいない」という日本語を広めてくださった業績を、
日本人が評価しないのであれば、これほど恥ずかしいことはない。
昨年、宇都宮市にお越しいただき、市が進める
「もったいない運動」に力を与えてくださいました。
マイはしや洗いはしが急速に広まっているのも、マータイさんのお力。
受章を機に、私たちも「もったいない運動」に弾みをつけたい。

◆「もったいない善兵衛」を創作した女流講談師、神田紫さん

この度はおめでとうございます。
毎日新聞で、「3Rの意味がすべて含まれている日本語の
『もったいない』は素晴らしい。これを世界の共通語にしましょう」と
マータイさんが語った記事を読みました。
「もったいない」という言葉の意味の大切さ、深さ、重さを改めて
思い起こさせ、環境講談「もったいない善兵衛」が出来上がりました。
これからも地球温暖化が進まないよう、「もったいない」を提唱してください。

◆当初からキャンペーンに取り組む伊藤忠商事会長、丹羽宇一郎さん

この度は、旭日大綬章の栄に浴されましたことを心よりお喜び申し上げます。
今回の受章は、これまで環境保護に取り組んでこられたマータイさんの
変わらぬ姿勢のたまもの。マータイさんが提唱し、毎日新聞と当社が
推進しているMOTTAINAIキャンペーンは今年で5年目を迎え、
更なる広がりを見せています。
今後も、環境保護の意識を世界へ広げるべく、
ますますご活躍されることをお祈り申し上げます。

◆学生がマータイさんと交流している昭和女子大学理事長、人見楷子さん

受章おめでとうございます。
博士は、来日のたびに学園をご訪問くださり、環境保護を訴えられました。
小さい行動でも、私たちが今できることをすれば、
地球の未来を変えられるという力強いメッセージは、
みんなが環境課題に取り組むきっかけに。
博士と植えたヤマモモの木は、今年も花を咲かせます。
若者たちはその実を見るたびに、博士のことばを思い出してくれる。

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2009/04/30/20090430ddm010050150000c.html

新しい波/301 市民マラソン熱/9止

(毎日 5月2日)

東京都心の歩道を、交通規則を守りながら走る大会として、
01年に始まった「東京夢舞いマラソン」は、
今年10月11日、第10回の節目を迎える。

「市民主導で、あらゆるランナーに開かれた3万人規模の大会を」が
設立当時の目標。
都市型マラソンに向けた機運の盛り上がりは、
07年創設の東京マラソン実現につながり、ブームを生む遠因。

運営するNPOの代表は、元毎日新聞記者の大島幸夫さん(71)。
ボストン、ニューヨーク、ロンドンなど、海外21のマラソン大会に
参加した末にたどり着いた結論が、
(1)ユニバーサルデザイン(社会弱者に配慮)
(2)目抜き通りを利用
(3)祭り
(4)粋がある--の4つの理念。
「夢舞い」は、その頭文字から取った。

「夢舞い」は、東京マラソン開催を翌年に控えた06年10月の
第7回大会を最後に休止する予定。
大島さんは、「東京マラソンは相変わらず行政、陸連主導で、
ランナーもボランティアも規則に縛られ、
何一つ市民が主役という要素はなかった。理想とはほど遠かった」と、
継続に至った理由を語る。

大島さんは、「ブームと言っても、ランナーはお役人に甘え、
それが行政、陸連のお仕着せのスタイルを作る。
ランニングを愛する市民が、手弁当で大会を支える。
そんなランナーが多数を占めた時、初めて日本に
マラソン文化が定着したと言えるのでは」

時間制限のないホノルルマラソンを日本に紹介するなど、
楽しむランニングを提唱してきた立正大社会福祉学部教授の
山西哲郎さん(65)は、「かつて競技性が強く問われたランニングは、
現在はスローライフを体現するジョギングやウルトラマラソン、
トレイルランなど多様に展開。

女性や中高年ランナーの増加はブームなどではなく、
人間らしさを取り戻す自然な欲求」ととらえている。

山西さんは、「走る楽しみに触れた者が作り手側に回ることで、
新しいアイデアが生まれ、マナーを守ろうという意識も広がっていく」と
ブームに注文をつける。

http://mainichi.jp/enta/sports/21century/news/20090502ddm035050027000c.html

東京五輪76%が賛成、じりじりと支持アップ…読売調査

(読売 5月2日)

2016年の夏季五輪招致について、読売新聞社が
全国世論調査(4月25~26日実施、面接方式)で、
東京開催への賛否を聞いたところ、
「賛成」が76%で、前回調査(今年1月31日)より2ポイント増加。
「反対」は17%で、4ポイント減。

賛成とした回答を年代別に見ると、20歳代の82%が最高、
30歳代の79%が続いた。
70歳以上は73%、若年層ほど賛成が多い傾向。
男女別では、男性78%、女性74%。

今年10月に開催都市が決まる招致レースでは、
シカゴ(米)、リオデジャネイロ(ブラジル)、マドリード(スペイン)が立候補、
東京は国民の支持率が課題。
賛成は08年2月が72%、前回は74%で、徐々に増えている。

石原慎太郎・都知事は、「ありがたい数字だ。
(さらに支持率が上がるよう)努力していく」
調査は、全国の有権者3000人を対象に実施。
1810人から回答を得た(回収率60・3%)。

http://www.yomiuri.co.jp/sports/news/20090501-OYT1T01211.htm

2009年5月4日月曜日

スポーツに今も覗く戦争の影

(日経 4月30日)

◆吉井 妙子・スポーツジャーナリスト

スポーツの現場にいると、意外にも戦争の歴史に
向き合わされてしまうことが多い。
4月23日朝日新聞に、アウシュビッツ博物館に関する記事が掲載。

なぜこの時期に、と疑問を抱きながらも、ドキドキしつつ文字を追った。
私は、アウシュビッツという文字に必要以上に反応してしまう。

4年前、日本のバレー界で長く監督を務めていたアリー・セリンジャー氏に、
自分はナチスドイツのホロコースト政策の生き残りであり、
生きて行くために、ユダヤ人強制収容所で受けた残忍極まりない迫害を
記憶から消さねばならなかった、と打ち明けられた。

◆名将は、「アンネ・フランクと一緒だった」と告げた…

セリンジャー氏の親族のほとんどがアウシュビッツで惨殺され、
彼はベルゲン・ベルゼンの収容所で、『アンネの日記』の著者、
アンネ・フランクと一緒だった。

ホロコーストという20世紀の負の遺産の生き証人が、
日本にいたという事実に驚き、彼の足跡を追った。

600万人のユダヤ人が殺戮された、というドイツやポーランドの
強制収容所を回ったが、ポーランド南部にある
アウシュビッツの存在感は圧倒的だった。

ガス室で焼かれた人間の灰、焼かれる前に刈り取られた膨大な髪の毛、
メガネ、義足まで展示、現場が語る事実の饒舌さに目眩を覚えた。

朝日の記事は、アウシュビッツ博物館が開館から60年以上経ち、
修復の必要に迫られ、資金問題が立ちはだかっているという内容。

次の一文に目が留まった。
「すぐさま応じたのは、ナチスドイツを生んだドイツ。
今年は、約100万ユーロ(約1億3000万円)を出資、
来年以降も提供を続ける構え。
だが、他国の反応は鈍い」

セリンジャー氏の話を機に、ナチスドイツを生んだ背景や、
その後の敗戦処理のやり方も知ったが、
ドイツはこの過ちから目を逸らすことなく、被害国に対し
膨大な賠償金を支払い、法律で「ホロコースト政策は無かった」とする
修正歴史主義者の発言も封じた。

ナチスドイツの同盟国でもあった日本はどうだったか?
戦後から60年以上経った今もなお、中国や韓国の選手、応援団から
向けられる反日感情を目の当たりにすると、
戦後の日本の対応を思い起こさざるを得ない。

ドイツ選手に対し、ナチスドイツの犠牲になったロシアやポーランド、
ハンガリー、フランスなどから、敵意をむき出しにされた試合を見たことが無い。

◆誤解されたイチローのひと言

その至近の例が、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)。
組み合わせのまずさから、日本は韓国と決勝までに
5回も闘い、そのたびに韓国の応援団はボルテージが上がった。
“敵意”の矛先は、イチローに向かった感がある。

伏線はあった。
第1回WBCのアジア予選で、イチローは
「これから30年、日本には手が出ない、と。そんな強さで勝ちたい」
韓国メディアに、「これから30年、日本には手が出ない」と紹介、
韓国の野球ファンの気持ちを逆なで。

イチローは、自分がメジャーで華々しい記録を樹立できたのは、
日本のプロ野球でその礎を作れたからで、
日本野球のレベルの高さをWBCで実証したい、と言いたかった。
そこに居合わせた記者なら、誰もがそう受け止めたはず。

韓国記者が大勢出席した準決勝の記者会見場で、
米国在住の日本人記者が、「発言が誤解されている。
韓国メディアが大勢いることだし、もう一度真意を伝えては」と進言。

しかし、イチローは毅然として言った。
「どう解釈するかは、受け取る人の人生観による。
言い直す必要はありません」

韓国メディアは、イチローが韓国野球を軽視していないことを知っていたはず。
だが、真意は伝わらなかった。
日本野球の「顔」でもあるイチローは、
彼らには日本そのものに映っても不思議ではなかった。

そんな経緯があり、今回のWBCも韓国応援団による
「イチローバッシング」が蒸し返された。
「Dead Ichiro」という揃いのTシャツを着た集団も。
汚い言葉も浴びせられた。
胃潰瘍になっても当然の環境。
そんな彼を、仲間達が必死に支え続けた。

◆勝利以上に嬉しかったWBCの拍手

日本対韓国の決勝戦は、魂と魂がぶつかり合う音が
グランドから聞こえてきそうなほど白熱。
激闘の末、日本が勝利すると、韓国スタンドからも拍手が起こる。
私には日本の勝利より、そのことの方が嬉しかった。

心を揺さぶるような両国の選手たちのプレーが、
観客席のライバル心を融和させたようにも見え、
それこそがスポーツの持つ力でもあると思った。
WBCメンバーの死闘を取材しつつ、歴史の重さがふと甦ってきた大会でも。

【編集部注】セリンジャー氏の半生を追った吉井妙子氏のノンフィクション
『サバイバー 名将アリー・セリンジャーと日本バレーボールの悲劇』
2008年8月、講談社から発売。定価1890円。

http://allatanys.jp/B001/UGC020005920090429COK00283.html

「八幡平牛」ブランドに 市牛肉推進協が発足

(岩手日報 4月29日)

八幡平市産の牛肉の消費拡大を目指して、市牛肉推進協議会が発足。
地元で生まれた子牛を地元で肥育し、「八幡平牛」としてブランド化を
図るとともに、市内への流通量を増やし地産地消も進める。

新岩手農協西部営農経済センターでの設立総会には
センター職員、生産者ら約20人が出席。
会長に、田村正彦市長を選出。

本年度は、八幡平牛ののぼりやポスターを製作、
試食会を開いて、おいしさと安心・安全をPRする。

昨年度、市内の和牛繁殖農家は307戸、子牛を育てる肥育農家は6戸。
地元の子牛が、市内で肥育される割合は約一割にとどまり、
協議会は、繁殖から肥育までの「市内一貫生産」をさらに拡大したい。

八幡平市の和牛枝肉の肉質は、5ランク中1、2番目の5等級、4等級が
平均75%と市場の評価は高い。
市内への流通は少なく、「どこで食べられるのか」との質問も多かった。
今後、地元でも味わえるようホテルや小売店への流通量を増加。

同市の食肉総合卸業、肉の横沢の横沢盛悦社長(62)は、
「県外客に空気や自然同様に、八幡平の食を楽しんでほしい。
ブランド化は、生産者をはじめ地域振興へも波及する」

新岩手農協西部地域和牛改良組合の小林辰雄組合長(64)は、
「優良な牛をPRできる。いかに市場を開拓するかが大事」とし、
同農協西部地域肥育牛生産部会の立花貴人部会長(37)は、
「いい牛をつくろうと生産者の励みになる」と歓迎。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20090429_7

特集:マータイさんに旭日大綬章(その1) 資源を分け合う

(毎日 4月30日)

政府は、ノーベル平和賞受賞者のワンガリ・マータイさんに、
「旭日大綬章」を授与。
「『もったいない』を通じ、環境保護の意識を高め、
日本の国際的な地位の向上に寄与した」ことが大きく評価。
MOTTAINAIキャンペーンに共感する多くの人たちの祝福とともに、
マータイさんと日本のかかわりや、マータイさんが名誉会長を務める
キャンペーンの足跡をたどった。

04年、ノーベル平和賞受賞したマータイさんは、05年来日、
「自らの受賞が意味するところを悟った」
「資源を分け合うことが、人々を平和にすること」

マータイさんは、「日本では、さまざまな文化をひとつに包み込んだ
美しい言葉をもっていた。世界は、『もったいない』という言葉から
学ばなければなりません」

3R(リデュース、リユース、リサイクル)、リスペクトを、
一言で言い表す日本語「もったいない」。
その言葉との出会いが、大きなキャンペーンに発展、
日本政府は叙勲という形でその功績を高く評価。

マータイさんは、「もったいない」の言葉を知って約3週間後の3月4日、
国連本部で開かれた女性の地位向上委員会で、
「女性たちによる世界的『MOTTAINAI』キャンペーンを展開、
資源を効率よく利用しましょう」
政府の代表やNGOの女性たちが、「もったいない」と3度、大きな声で合唱。
キャンペーンは、この日から取り組みが始まった。

05年、マータイさんは京都議定書の発効記念行事に出席、
愛・地球博(愛知万博)の会場も訪れた。
日本の環境政策のターニングポイントとなる、いくつかの行事に立ち会った。

世界的キャンペーンの呼びかけに対し、
全国各地で草の根の取り組みが始まった。

マータイさんが訪れた昭和女子大学は、学園全体で取り組んでいる。
神奈川県は、環境のために一人一人ができる取り組み
「マイアジェンダ」(私の実践行動)への登録など
環境保全キャンペーンを展開。

福島や東京、大阪、京都など十数都道府県で、同様の取り組み。
個人として、マータイさんの活動に共感を寄せる人々も。
絵本「もったいないばあさん」を通じ、ものを大切にすることや
環境問題に関心を寄せることを呼びかける真珠まりこさんは、
マータイさんと対談。

元環境相の小池百合子さんは、
「UNBOWED へこたれない~ワンガリ・マータイ自伝」を翻訳。
タレントのルー大柴さんは、「NHKみんなのうた」でも放送された
「MOTTAINAI~もったいない~」で好評を博した。

06年、全国の子供たちが参加する植林活動
「MOTTAINAIキッズ植林プロジェクト」が開始。
3年間で北海道から九州、ブラジル、ラオスまで計30カ所以上で行われた。

総合商社「伊藤忠商事」と毎日新聞は、共同で05年、
「MOTTAINAI」のロゴマークを使った資源循環型ブランドの商品や
サービスを流通させる取り組みを始めた。
MOTTAINAIキャンペーンに賛同する企業は、70社に上り、
売り上げの一部で、マータイさんのグリーンベルト運動を支援。
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◆ワンガリ・ムタ・マータイ

1940年ケニア・ニエリ郡生まれ。
米国ピッツバーグ大で、生物科学の修士号取得、
71年、ナイロビ大(ケニア)で生物分析学の博士号取得。
77年、グリーンベルト運動(GBM)を創設、
農村女性に植林を通じた社会参加を呼びかけた。
延べ約8万人が参加、植樹した苗木は約4000万本に。

GBMの狙いは、植林という環境維持のための活動を通じ、
女性グループを組織化、植林から得られる収入で
農村女性の経済的地位を向上させる。
81~87年、ケニア女性国民会議の議長に就任、この運動を各地に紹介。
運動の広がりとともに、経験を分かち合い、地域が抱える問題を、
草の根が参加する運動で解決するという信念が醸成、
植林運動はケニア国内、タンザニアやウガンダなど隣国に広がった。

植林運動を、女性の地位向上や民主化につなげようとする姿勢は、
モイ前大統領の弾圧の対象、水力発電所の工事で
建設地上流の森林伐採に反対して逮捕。

モイ政権が倒れた02年、国会議員選で当選、03年、副環境相に就任。
環境保護と民主化への取り組みの功績が評価、
04年、ノーベル平和賞を受賞。
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◆「MOTTAINAI」を歌にしたタレント、ルー大柴さん

この度は、受章おめでとうございます。
マータイさんの素晴らしい活動が、ジャパンでも認められたことを
大変うれしく思います。
私が、マータイさんにお会いしたのは2年前。
「MOTTAINAI」を歌わせていただいたときに、「ナイスソング!!」と
言ってくださったこと、気さくに会話をしてくださったこと、
鮮明に覚えています。
機会があれば、ぜひトゥギャザーさせていただき、
共にMOTTAINAIの輪を広げていければ幸いです。

◆マータイさんの自伝「へこたれない」(小学館)を訳した
元環境相の小池百合子さん

04年、アフリカに3000万本もの木を植えたマータイさんは、
環境分野の活動家として、初めてノーベル平和賞を受賞。
09年、日本で1億2000万の「もったいない」の心の花を咲かせようと
励ましてくださったマータイさんに、旭日大綬章が贈られました。
これからもマータイさんとともに、「もったいない」という日本の美徳を広げ、
深めてまいりたいと、思いを新たにしております。

◆「もったいない」で「腹八分」を提案する宗教学者、山折哲雄さん

マータイさん、この度のご受章おめでとうございます。
マータイさんは、われわれの歴史と文化の中から
「もったいない」という含蓄のある言葉を見いだされ、
それが地球環境問題の解決のため、欠かすことのできない
新しい理念となることを、あっという間に世界に広めてくださいました。
そのことに、心から感謝し、われわれの「もったいない」キャンペーンにも、
一層のご支援をお願いする次第であります。

◆「もったいないばあさん」の絵本作家、真珠まりこさん

本当におめでとうございます。
マータイ博士は、「もったいない」には他者へのリスペクトがある、
とよくお話しされています。
だからこそ、環境問題を解決するためだけではなく、
世界平和につながる言葉なのだと。
同じ時代に、もったいないばあさんを通して、自然の恵みや人や
ものへの感謝の気持ち、大切に思う心、「もったいない」の心を
伝える活動をする者として、お目にかかれたことを心から光栄に思います。
==============
◆マータイさんとMOTTAINAIキャンペーンの歩み

04年12月 ケニアの副環境相(当時)のワンガリ・マータイさんが、
植林活動のグリーンベルト運動(GBM)を通じ、環境保護と民主化に
取り組んだ功績が評価、環境分野として初めてノーベル平和賞受賞。
アフリカの女性としても初

05年2月 マータイさんが毎日新聞の招きで来日。
東京本社編集局長とのインタビューで日本語「もったいない」に出会い、共感

3月 国連婦人の地位向上委員会で、マータイさんが
「MOTTAINAIを世界に広げよう」と提唱、キャンペーンがスタート。
毎日新聞にキャンペーン事務局を開設、マータイさんはキャンペーン名誉会長

7月 小泉純一郎首相(当時)が、英グレンイーグルズ・サミットで
MOTTAINAIを世界共通語にしようと提案

06年2月 2度目の来日。東京、千葉、福島、横浜、静岡、大阪、福岡を
訪れ、講演、植樹など行い、各地で温かい歓迎を受ける。
大阪では、植林活動「MOTTAINAIキッズ植林プロジェクト」がスタート

8月 マータイさんが、ケニアを訪問したバラク・オバマ米上院議員(現米大統領)
とナイロビの公園で記念植樹。キャンペーン事務局もケニアでオバマ氏と懇談、
MOTTAINAI風呂敷を贈呈

11月 MOTTAINAI精神に基づいたライフスタイルを研究、発信する
「MOTTAINAI Lab」を設立

07年4月 著書「UNBOWED へこたれない~ワンガリ・マータイ自伝」が
日本で出版。3度目の来日で、秋田県美郷町立千屋小学校で初めて見た
満開の桜に感激。子どもたちや佐々木毅国土緑化推進機構理事長らと
MOTTAINAIキッズ植林を実施

6月 MOTTAINAIキャンペーン公式サイト(http://mottainai.info/

7月 キャンペーンの一環で、再生パソコンをGBMに寄贈

8月 宇都宮市で、第1回もったいない全国大会を開催。
水没の危機にある太平洋のツバルに、スクールバスを贈る運動を開始

10月 マータイさんとMOTTAINAIキャンペーンが
米国公共ラジオ放送(NPR)で紹介される

12月 MOTTAINAI公式サイトに英語版が加わる

08年2月 仏ストラスブール市と群馬県板倉町の小学生が、
インターネット・テレビ会議でMOTTAINAIを話し合う。
日本の国連大使が、国連総会でMOTTAINAIのライフスタイルを提唱。
宇都宮青年会議所が、募金で中古バスを再生、ツバルの小学校に寄贈

5月 4度目の来日。第4回アフリカ開発会議(TICAD4)や
UNEP笹川賞(国連環境計画、日本財団)選考委員会に出席

6月 宇都宮市の第2回もったいない全国大会で基調講演。
米CNNがキャンペーン事務局を取材

7月 再生パソコンを、ツバルの中学・高校に寄贈

10月 パシフィコ横浜で、過去最大級のMOTTAINAIフリーマーケット開催。
来場は6万3000人

11月 MOTTAINAI公式サイトのモバイル版がスタート

09年2月 キャンペーン賛同の著名人19人の提供品による
「ヤフオクMOTTAINAI月間チャリティーオークション」を実施。
売り上げはGBMに寄付

4月 米CNNが、マータイさんの活動を紹介する番組「リビールド」を放映。
政府は、マータイさんに旭日大綬章授与を発表

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2009/04/30/20090430ddm010040131000c.html

東京の五輪開催支持率は56%…IOCが世論調査

(読売 5月2日)

2016年夏季五輪招致で、国際オリンピック委員会(IOC)が
2月に行った東京への世論調査の結果、
五輪開催支持率が56%だったことが分かった。

結果は、4月のIOC評価委員会の東京視察時に東京側に伝えられ、
9月に公表されるIOC評価委の報告書に盛り込まれる。

IOCによると、IOCが直接委託した会社が行った調査で、
4都市同時に実施したわけではない、としている。

IOCが、08年6月の第1次選考のために実施した独自の世論調査では、
マドリード90%、リオ77%、シカゴ74%、東京59%。
米国内の報道では、今年2月の調査で、シカゴは70%を下回った。

調査は、設問に「どちらでもない」を入れた上で、賛成と回答した数字。
東京の招致委が独自で行った同様の設問の最新調査では、
東京都内で70%を下回ったものの、全国では70%を超えた。

http://www.yomiuri.co.jp/sports/news/20090502-OYT1T00873.htm

2009年5月3日日曜日

「ありす」と「まな」が魅力発信 三鉄25周年ポスター

(岩手日報 4月29日)

三陸鉄道(山口和彦社長)は、同社の人気キャラクター
「久慈ありす」と「釜石まな」をデザインしたポスターを発売。
発売前から話題を集める人気で、開業25周年を盛り上げる。

ポスターは二枚一組で、人気漫画家のみぶなつきさんが描いた。
同社の新制服を着たキャラクターが描かれている。

「久慈ありす」のポスターは、北リアス線堀内駅のホームがモチーフ。
さわやかな夏を表現し、観光客に魅力を伝える。

「釜石まな」のポスターは、南リアス線盛駅の待合室を忠実に再現。
「今日も明日もこの駅で。」のコピーには、

地元住民の利用促進の願いを込めた。
全国各地から問い合わせが寄せられる人気で、
山口社長は、「三陸鉄道沿線の明るい雰囲気が伝わる」と
出来栄えに手応えを感じている。

ポスターは各B1判。1200セット限定で、1セット3000円で発売。
久慈、宮古、釜石、盛の各駅で販売し、通信販売も検討。
問い合わせは、同社(0193・62・8900)へ。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20090429_11

インタビュー・環境戦略を語る:アサヒビール・荻田伍社長

(毎日 4月27日)

ビール類生産に使う電力の約3割を、自然エネルギーで作られた
「グリーン電力」に切り替えたアサヒビール。
電気代は、年間1億数千万円余計にかかるが、
一般家庭の4500軒分の排出量に相当する1万8000トンのCO2を削減。
食品業界で初の取り組みの意義を、荻田伍社長に聞いた。

--「グリーン電力」とは?

◆風力やバイオマス、太陽光などで発電された電気。
CO2を排出しないので、地球温暖化防止に役立つ。
東京電力などが出資する「日本自然エネルギー」と利用契約。

--導入の経緯は。

◆環境に配慮することで社会に貢献できると、前々から注目。
02年、稼働した神奈川工場(南足柄市)で330万キロワット時の
グリーン電力を導入。
アサヒビール創業120周年の今年、一気に4000万キロワット時に拡大。

--主力商品「スーパードライ」350ミリリットル缶に、
「グリーン・エネルギー・マーク」を印刷。

◆製造時、グリーン電力を使用したことを示すため。
お客の目線は年々厳しくなっている。
商品やサービスを提供するのではなく、環境に配慮する姿勢も伝えたい。

-売り上げの一部を環境保全のため都道府県に寄付する。

◆ビールや飲料は麦、ホップ、水などの「自然のめぐみ」からつくられている。
感謝の意味も込め、自然保全活動を行うことは責務。
「『うまい!を明日へ!』プロジェクト」と銘打って、
期間限定でスーパードライの缶1本につき1円を寄付し、
地域特性に応じた保全活動に取り組んでいる。

--生産現場でのCO2削減へ向けた取り組みは?

◆これまで麦汁とホップを同時に煮沸していたが、
ホップを別の小さな釜で煮沸し、その後混ぜることで
全体の煮沸時間を短縮し、CO2を3割削減する方法を開発。
昨年9月から順次導入。
ビール類の製造工程で出る廃棄物も、「100%再資源化」を達成。
ビール9工場では、年28万トンの廃棄物が出る。
その8割は、麦芽の殻や皮で、牛の飼料に使う。
汚泥は有機肥料に、酵母は医薬部外品などに利用し、
そのほかは事務用品に至るまで細かく分別。

--CO2の削減目標は?

◆10年までに、酒類部門で90年比15%削減する目標。
昨年までに、ビール9工場で10%強削減。
ビール類の製造は90年比で5割増、1本あたり38%減らしたことに。

--環境への取り組みにはコストがかかる。

◆CO2だけでなく、生産コストの削減にもつながっている。
一時的に費用はかかるが、長い目で見れば収益性改善につながる。
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◇おぎた・ひとし
九州大経済卒、65年アサヒビール入社。一貫して営業畑を歩み、
九州、関信越の両本部長、アサヒ飲料社長を経て、06年3月から現職。
福岡県出身。67歳。

http://mainichi.jp/life/ecology/archive/news/2009/04/20090427ddm008020007000c.html

若手育成Jの挑戦 練習量が増加、私生活もケア

(朝日 2009年4月28日)

高校生を育てるJリーグの下部組織「アカデミー」で、
通信制の学校に通ってサッカーに専念させる取り組みが広がっている。
高校生年代の全員を通信制に通わせ、プロと同じように練習する
J1新潟の取り組みが注目。

◆新潟の場合

新潟は、専門学校と通信制高校の両方で学んで高校卒業資格を取る
プログラムを用意し、ユース所属の33人がそこで学ぶ。
06年から始め、全員になったのは今年から。
平日も、午前と午後の1日2度の練習が基本。
全寮制で高校1、2年生は専門学校の寮、3年生はプロと同じ寮。

「以前は、自宅―学校―クラブと通うため、練習開始も帰宅も遅かった。
体力回復するだけの余裕がなく、鍛えても疲れるばかりで伸びなかった。
今は練習量が増え、休む時間も十分。
昨年プリンスリーグ(北信越)で初優勝するなど、成果が出ている」と
片渕浩一郎監督。

力を認められたり、プロでけが人が出たりすると、
「明日はトップチームへ行け」と出来るのもこの環境ならでは。

普通の高校生活で身につける社会性を育めるのか、という厳しい目も。
監督やコーチが、普段の生活に目を配る。
生活にかかわることが、サッカー指導に生きることもある。

「今の高校生は、必要なものを与えられて当たり前という
育てられ方をしている」と、実感した片渕監督は、
それが目標にどうやって到達するかを、自分で考える力が足りない
原因だと気づいた。
「そこをどう指導するか。それができればサッカーもうまくなる」

◆他チームは?

マイナス面としては、全員が寮と通信制という前提が逆に障害となり、
他チームに人材が流れる例。
その点、全日制と通信制の2校と提携し、選手と保護者の希望に応じる
東京ヴの取り組みが先を行く。
現在10人が通信制を選び、東京ヴのクラブハウスで午前中に自習。

鹿島学園高(茨城)と提携している鹿島のような例。
午前中の練習を体育の単位に振り替えたり、一部の授業を補習にしたり、
練習しやすい環境を整えている。

◆Jリーグ技術委員長・上野山信行氏に聞く

サッカーJ1ガ大阪で取締役育成・普及部長を務め、
多くの代表選手を生み出した上野山信行氏(51)が、
Jリーグ技術委員長に就任。リーグ全体の若年層強化を担う。

当面の仕事はクラブ訪問。
育成時代の指導者が、トップチームに上がった選手と
密に連絡を取る必要性を強調。

「10代は精神的なもろさもある。
トップに上がっても、当たり前のようには試合に出られず、ストレスがたまる。
精神的に自立する20歳までケアすべき。
幼い頃から指導していれば、個々の心理面についてよく知っている」

各クラブに、育成のスペシャリストを早急に養成しなければならない。
現在、育成の指導者は現役引退してからトップチームを指揮するまでの
「ステップ」ととらえられがち。入れ替えも早い。

「クラブにとっても、選手は自前で育成するほうが、
時間はかかるが高額の移籍金で外国人選手などを取るより得。
育てた選手を、他クラブへ移籍させればクラブのもうけになる可能性も」

訪問では、細かな指導法は問われれば教えるが、あとは各クラブにまかせる。
「自分は、28歳で選手を引退して指導者になったが、
当時は体も動くし、プレーを見せるだけの一方的な教え方。
同時に、行き詰まりも感じていた。

30歳を過ぎた頃、夜泣きする長女に『泣くな』と怒鳴ったことが。
妻に、『こんな小さい子供は聞かん』と言われた。
その時に気づいた。
わからない相手に、こちらの考えを押しつけてはだめだということを」

優れた指導者は優れた聞き役、の持論を伝えていきたい。

http://www.asahi.com/sports/fb/TKY200904280105.html

コーヒー飲みアルツハイマー病予防?…カフェイン効果に期待

(読売 4月22日)

コーヒーやお茶などに含まれるカフェインに、
アルツハイマー病の予防効果があるとする研究結果を、
森隆・埼玉医大准教授と米フロリダアルツハイマー病研究センターなどが
動物実験からまとめた。

米国で近く患者らにカフェインを投与する臨床試験に入る。
米専門誌に論文が掲載。

物忘れがひどくなるアルツハイマー病は、脳にたんぱく質の
アミロイドベータ(Aβ)が異常に蓄積、神経細胞が死んでしまう。

生まれつきAβが蓄積しやすいマウスに、1日あたり約1・5ミリ・グラムの
カフェインを水に溶かして4~5週間与えた。
人間がコーヒーを毎日5杯ずつ飲むのに相当。

その結果、カフェインを与えないマウスに比べ、記憶力の低下が改善。
記憶にかかわる脳の海馬や大脳皮質では、
Aβが蓄積した「老人斑」の形成が4~5割減少。
カフェインが、Aβを作る酵素の働きを抑えることも突き止めた。

森准教授は、「カフェイン入り飲料は広く飲まれており、
病気の予防や進行抑制の効果を注目していきたい」

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20090422-OYT1T00635.htm