2009年6月27日土曜日

やっぱり「ちょい太」、やせ形より7年長生き…厚労省調査

(2009年6月10日 読売新聞)

40歳時点の体格によって、その後の余命に大きな差があり、
太り気味の人が最も長命であることが、厚生労働省の研究班
(研究代表者=辻一郎東北大教授)の大規模調査で分かった。

最も短命なのはやせた人で、太り気味の人より6-7歳早く死ぬ、
という衝撃的な結果に。
「メタボ」対策が世の中を席巻する中、
行きすぎたダイエットにも警鐘を鳴らすものといえそう。

宮城県内の40歳以上の住民約5万人を対象に12年間、
健康状態などを調査。
過去の体格も調べ、体の太さの指標となるBMIごとに、
40歳時点の平均余命を分析した結果、
普通体重(BMIが18・5~25)が男性39・94年、女性47・97年、
太り気味(25~30)は男性が41・64年、女性が48・05年と長命。
「肥満」(同30以上)の人は、男性が39・41年、女性が46・02年。
やせた人(同18・5未満)は男性34・54年、女性41・79年。

病気でやせている例など、統計から排除しても傾向は変わらなかった。
やせた人に喫煙者が多いほか、やせていると感染症にかかりやすい、
という説もあり、様々な原因が考えられる。
体格と寿命の因果関係は、はっきり分かっていない。

太り気味の人が長命という結果について、東北大の栗山進一准教授は、
「無理に太れば、寿命が延びるというものではない」とくぎを刺す。

同じ研究で、医療費の負担は太っているほど重くなる。
肥満の人が40歳以降にかかる医療費の総額は、
男性が平均1521万円、女性が同1860万円。
どちらも、やせた人の1・3倍。
太っていると、生活習慣病などで治療が長期にわたる例が多く、
高額な医療費がかかる脳卒中などを発症する頻度も高い可能性がある。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/6/10/101701/

カルシウム不足:女性の99%超 やせ傾向、朝食抜く人ほど不足

(2009年6月12日 毎日)

骨の健康に不可欠なカルシウムについて、
必要摂取量を満たしている女性は1%に満たないことが、
ダノン健康・栄養普及協会の調査で分かった。
カルシウムは、過不足の結果がすぐに表れないことから
「沈黙のミネラル」と呼ばれ、摂取量不足が問題。

調査は、20-50歳代の女性を対象にインターネットで実施、722人が回答。
カルシウムを「適度にとっている」、「とりすぎ」と感じている人は36・5%、
実際の食生活から摂取状況を推定するチェック表を使って
自己診断してもらったところ、「足りている」は0・8%、
「少し足りない」を含めても5%未満。

女性のカルシウム摂取量(18歳以上で1日600-700ミリグラム)に
ついて、77・1%が「分からない」と答え、正解率は8・7%。

ライフスタイルとの関連を分析、やせ傾向の人に不足が目立ち、
朝食を抜いたり夕食を外食で済ませることが多い人ほど不足。

上西一弘・女子栄養大教授(栄養生理学)は、
「女性のカルシウム不足は、閉経後の骨粗しょう症のリスクを高める。
若い時から骨密度を測るなど気をつける必要がある」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/6/12/101880/

米グーグルのホロウィッツ副社長「技術の世代交代進む」

(日経 6月13日)

米グーグルで、検索・広告・動画以外のサービスを統括する
ブラッドリー・ホロウィッツ副社長に、
クラウドコンピューティングの将来性などについて聞いた。

——グーグルのクラウド・サービスは、基幹業務系など
企業向けシステムを避けているのか?

「ワープロや表計算などから成る『グーグル・アップス』をみると、
パソコンソフトのクラウド化が中心にみえる。
ウェブメールの『Gメール』の企業版は、企業が自前サーバーで
運営してきたメールシステムを、クラウド上に完全に置き換えるもの」

「昨春から提供している『アップ・エンジン』は、クラウド上の
グーグル・サーバーに、誰でも自由にアプリケーション・ソフトを構築、
その機能・処理能力をネット経由で社員や消費者に提供できる。
企業の独自システムを構築するのに適している」

——アマゾン・ドットコムのように単純なストレージ分野には進出しないのか?

「アップ・エンジンは、グーグル・サーバーのCPU(中央演算処理装置)と
記憶容量を使えるので、ストレージサービスに似ている。
ファイアーウオールで守られた企業内システムのデータを暗号化して、
社外とやり取りできるようにするSDCというツールを、4月から提供。
企業向けの業務ソフトそのものの分野では、
セールスフォース・ドットコムなどの優れたSaaS企業があり、
グーグルは企業向けシステムの分野ではデータセンター機能や
ソフトの開発環境などインフラ部分を提供」

SaaS型の業務ソフト企業とは、グーグルのクラウドサービスと
うまく連携が取れるような環境を整えている。
セールスフォース・ドットコムとは、マッシュアップが可能な仕組みを用意。
SDCは、企業の社内データをセールスフォースのデータベースと
安全にやり取りするパイプとしても使える」

——最近、米マッキンゼーが大企業では自社データセンターより
クラウドの方がコスト高になると報告。

「特定の状況を設定した上で、既存の企業システムと比較して、
クラウドは危険だとか時期尚早だとかいう報告が出ている。
世界中で、クラウドへの移行がむしろ加速している事実について、
疑問を挟む余地はない。
私自身は、もはや未熟な時期は過ぎたと思っているが、
たとえまだ未熟だとしても、クラウドが主流になるのは時間の問題」

——今春、Gメールのサービスが何時間も止まる事故が相次ぎ、
クラウドの信頼性に不安が高まった。

「個別企業内のメールサーバーが止まっても、外からは分からず、
ニュースにはならない。
今この瞬間も、東京のどこかの会社でメールサーバーが止まっているはず。
それくらい個別企業のメールサーバーが落ちる頻度は高い。
Gメールは、比べものにならないくらい落ちる確率が小さい。
我々のシステムに何か問題が起きると、すぐに世の中に知られ、ニュースに。
透明性を高めることの宿命だ」

「Gメールでもグーグル・アップスでも、利用登録した瞬間に
世界で最も安定的で速いサーバーが使え、世界中のグーグル社員が
あなたのデータセンター管理者として最先端の技術で働いてくれる。
ウイルスや侵入などに対する安全の面でも、これほど心強い体制は、
個別企業のデータセンターでは実現できない」

——扱うデータ量が膨大になり、制御不能にならないのか?

「全く逆だ。
グーグルがデータを蓄積し処理している超並列サーバーの特徴は、
規模が大きくなるほど効率的になり、処理速度が高まり、
安定性が増す設計になっている」

——クラウド化の進展で基本ソフト(OS)など、
パソコンなど端末側のプラットフォームの自由度が高まっている。

「クラウド化の進展で、ソフトやデータを動かすプラットフォームは、
ブラウザーやウェブ上のSNSなど、OSより上のレイヤーに移りつつあり、
みんなが同じOSを使う必要性は薄れている。
インテルがOS供給元となるソフト会社を買収し、パームが新しくだした
携帯端末『Pre(プレ)』は、『webOS』というクラウド利用を前提にしたOSを
搭載した背景にはそんな潮流がある」

「もっと大きな流れとして、ICTの基本的な技術群が
世代交代の時期に入ったとみている。
『グーグル・マップ』やGメールも、1990年代に登場したJavaやXMLなどを
組みあわせた技術であるAjaxによって実現。
前世紀の技術で、ここまで高度なクラウドコンピューティングが
実現できたのは、ある意味奇跡。
これまでは何とか古い技術でやりくりできたが、そろそろ限界に」

「OSだけではなく、ネットワーク機器にしろ、通信インフラにしろ、
情報通信技術のあらゆる側面で、クラウドコンピューティングの普及を
前提にした、新たな土台作りが必要。
それぞれの業界のプレーヤーがそれに気付いており、
すでに動き始めているというのが今日の状況」

◆ブラッドリー・ホロウィッツ

米ミシガン大コンピューター・サイエンス学科卒、
米マサチューセッツ工科大(MIT)メディアラボで修士号。
博士課程在籍中の95年、シリコンバレーに移り住み、
動画ソフトベンチャーを共同創業。00年上場、03年売却。
04年、米ヤフーで先進技術開発部門長などを務め、
08年2月から現職。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/interview/int090612.html

岡村・日商会頭 東京への五輪招致で地域活性化

(産経 2009.6.12)

日本商工会議所の岡村正会頭(東芝会長)は、
内外情勢調査会の講演で、「経済圏は広域化してきており、
広域化した課題に対応するためには、今の都道府県では不十分」、
道州制の導入が必要との考えを示した。

講演は、「今後の日本経済と地域活性化」がテーマ。
岡村会頭は、「国と地方の権限、役割を明確にする必要がある」と指摘、
道州制は「地域活性化のためにも必要」と訴えた。

国を挙げて東京招致を目指している2016年開催の
オリンピック・パラリンピックについても、
「東京のみならず、全国各地の活力を高める」、
東京開催の実現が地域活性化にもつながるとの考え。

岡村会頭自身、招致委員会の理事を務めているが、
東京での開催が、「日本経済の起爆にもなる」と期待。

一方、次期衆院選に関連し、
「若い人が将来に夢を抱けるような長期的ビジョンを提示してほしい」、
日本の将来像を政策論争の中心に据えるよう、与野党に求めた。
日本が進むべき方向として、「世界に冠たる科学技術立国を目指すべき」

http://sankei.jp.msn.com/economy/business/090612/biz0906122159016-n1.htm