2009年8月15日土曜日

反対側の脳が機能肩代わり 梗塞でも神経回路組み替え

(2009年8月12日 共同通信社)

脳の左右一方が脳梗塞を起こして一部の機能を失っても、
反対側の脳が神経回路を組み替え、機能を肩代わりする例が
あることを、自然科学研究機構生理学研究所の
鍋倉淳一教授(神経生理学)らがマウス実験で突き止め、
12日付の米科学誌に発表。

ヒトの脳は、左右で機能の違いがあるが、
一部損傷しても反対側で代替できる場合の研究を進めれば、
「脳梗塞後のリハビリテーションなどに応用できる」(鍋倉教授)。

鍋倉教授らが、左半身の感覚をつかさどるマウスの右脳部分で、
人工的に脳梗塞を起こしたところ、左前脚は無反応に。
左脳の一部で、神経細胞情報をやりとりするシナプスの組み替えが
1、2週間で活発化。

4週間後に、機能を失った右脳部分と同様の活動パターンが観察、
左前脚も動かせるようになった。

鍋倉教授は、左脳で神経回路の組み替えなどが起こり、
右脳の機能を肩代わりするようになったと分析。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/8/12/105670/

日本を救う?「サイエンス型産業」

(日経 2009-07-31)

新しい産業や強い事業を生み出す際、
最新の科学成果を原動力にする事例は多い。
産学官が連携して、「つくばナノテクノロジー拠点」の
整備に向け動き出した。
ナノテクやバイオテクノロジー、ロボットなど期待が寄せられる
分野は、「サイエンス型産業」とも呼ばれ、
2009年版の科学技術白書はその重要性を唱えている。
果たして日本は、サイエンス型産業で、
世界の大競争を勝ち抜いていけるのだろうか?

緊急経済対策と銘打った補正予算で、
企業の研究開発を支援するプログラムが目白押し。
「つくばナノテクノロジー拠点」の整備はその1つで、
経済産業省と文部科学省で合わせて361億円を計上、
産業技術総合研究所と物質・材料研究機構、筑波大学、
日本経済団体連合会の4機関で構成する「運営最高会議」が、
研究テーマの策定や運営体制などを詰めている。

現時点での構想では、パワーエレクトロニクスや
ナノエレクトロニクスなど、6つのコア領域を決め、
試作ラインや計測サービスの開放、国内外に開かれた共用研究室
などの基盤を整備。
10年度から本格活動に入る予定で、
参加する企業や大学をこれから募る。

産業界の期待は大きい。
「これが、エレクトロニクス再興のラストチャンスかもしれない」
国内メーカーは、事業統合によって減り続け、世界的な不況で
メモリーメーカーが公的支援の受け入れを決めるなど、破綻寸前の状態。
未開拓領域への集中投資で、巻き返しを狙う。

新しいプログラムによって、
世界で競争力のある産業を作り出せるのだろうか?
エレクトロニクス業界の研究開発を支援する経産省のプログラムには、
低消費電力の回路確立を目指す、「半導体MIRAIプロジェクト」
などが進行中。
つくばナノテク拠点のテーマは、それらの継続のように見受けられる。

産業界に、自ら研究開発を負担する体力がなくなり、
国が補完する構図が鮮明。
未来のエレクトロニクスのため、国として保持しなければいけない技術や
ノウハウ、人材を一気に失わないようにする、防衛的な研究開発。

「サイエンス型産業」は、長期にわたって技術の覇権を握り続ける
米国の動向を分析して誕生した考え方。
科学論文に裏打ちされた特許出願や、大学の研究をもとに設立した
ベンチャー企業による産業創出という現実を踏まえ、
半導体をはじめとする先端分野で、日本もこの路線を突き進むべきだ、
という指摘が出始めた。

科学技術の政策から、強化すべきテーマを練り直さなければいけない。
木村英紀・東京大学名誉教授は、
「日本の弱点は、理論・システム・ソフトウエア」と指摘、
もっと横断的な科学技術の振興に力を入れようと唱えている。

電気・電子や機械工学、材料力学、応用化学といった
従来型の科目に縛られるのではなく、
制御工学や設計学、ネットワーク、複雑系など新しい研究の枠組みを例示。
直面する技術的課題の解決に生かせるテーマ。

日本は長く、製造現場の強いものづくりで、
経済成長を遂げていく思いにとらわれていた。
これからも、強いものづくりを実現していくためには、
根幹となる科学技術を、いかに強くしていくかを考えなければいけない。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/techno/tec090729.html

東大本ブームの裏側にあるものは?

(日経 2009-08-08)

東京大学に関連した、“東大本”がブーム。

この1年で、「東大合格生のノートはかならず美しい」(文芸春秋)、
「東大英単」(東京大学出版会)などヒット作が目白押し。
受験生のみならず、一般の会社員や主婦に読まれている。
なぜ今、東大本ブームなのか?

「『知の技法』以来ほぼ10年ぶりのヒット」
東京大学出版会は、今年3月に発行した「東大英単」の売れ行きに
驚きの表情を隠さない。
発行部数は6月末で7万部、初年度で10万部を突破する勢い。

元々東大出版会は、研究者や東大生向けのお堅い本が主体。
東大英単も、学生向けの教材として当初書かれたものだが、
会社員が次々購入、同出版会は「東大の冠は読者受けを狙い、
あえて入れたのだが、これほど売れるとは予想外」

「東大合格生のノートはかならず美しい」も、
累計で37万部に達するベストセラーに。
続編や類似の出版物も次々売り出され、一大ノートブーム。

「東大教師が新入生にすすめる本」(文芸春秋)も売れ、
早くも続編が書店に並ぶ。
紀伊国屋書店では、同書に関連したブックフェアを開始。

深刻な出版不況の中で、東大の冠がなぜこれほど
一般の読者を引き付けるのか?
初老の東大教授は、「以前は東大に偏見やコンプレックスを
持つ人もいたが、今は好意的に見てくれる人が増えた」

東大受験をテーマにしたコミック「ドラゴン桜」(講談社)
メガヒットとなり、東大出身のタレントがクイズ番組に
続々登場するなど、お茶の間でも身近な存在。

これは、「大学自身がPRを始めるなど、
オープンな姿勢に変わってきたことが背景に」(東京大学新聞)。
東大は、2005年から全国で受験生相手の学校説明会を開始、
一方で各学部に広報を設置、競って研究成果や情報公開に。

オープン化の裏には、「学生の質の劣化がある」
少子化やゆとり教育の導入で、高校生全体の学力が低下。
医学部ブームで理1、理2に理数系トップの秀才が集まらなくなった。
ハーバード大など、欧米の有力大を直接目指す高校生も。

学校説明会に踏み切ったのも、京都大学などに流れていた
地方の秀才を1人でも多く獲得するため。
メディアで、東大のブランドがはんらんするのも
大学側には都合のいい現象。
象牙の塔から脱皮を図ろうとする東大。
一連のブームの裏側では、大学関係者の焦りも見え隠れする。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/syohi/syo090806.html

2009年8月14日金曜日

「不衛生な観光スポット」の世界ランキング発表

(CNN 7月21日)

米旅行情報サイトのトリップアドバイザーは、
夏の観光シーズンに向け、「不衛生な観光スポット」の
世界ランキングを発表。

キスしていく観光客の多さやハトの多さなどを基準に、
サイトの編集者が独自に5カ所を選んだ。

不衛生スポットのトップに立ったのは、
アイルランドのブラーニー城にある「ブラーニー石」。

キスをすると雄弁になれる、という伝説を信じて、
昨年だけで約40万人が石にキスをした。
昨年ここを訪れた米アリゾナ大学微生物学教授の
チャック・ジェルバ氏は、「私は石にキスしなかったが、
妻がしてしまったので、妻にキスする前に彼女の唇を拭いた」

2位に入った米シアトルのパイクプレース・マーケットにある
「ガム・ウォール」は、噛み捨てられた色とりどりのガムが、
高さ約4.5メートル、幅約50メートルの劇場の壁一面に張り付け。
1993年、劇場前で待っていた学生がガムを付けたのが始まりとされ、
以来、世界中から訪れた観光客が、噛み捨てガムのアートを制作。

イタリア・ベネチアのサンマルコ広場は、ハトの多さで3位に。
ハトは、細菌やウイルスを持っていることも多く、
市当局は2007年から対策に乗り出し、
ハトにエサをやらないよう観光客に呼び掛けている。

4位には、ジョージ・クルーニーやマリリン・モンローといった
映画スターの手形に、年間450万人の観光客が手を触れていく
米ロサンゼルスの「グローマンズ・チャイニーズ・シアター」、
5位には、仏パリにある劇作家オスカー・ワイルドの墓所。

こうした観光スポットを訪れたからといって、
細菌に感染するわけではないが、多くの人が触れれば、
それだけ細菌も増えると専門家は指摘。
旅行者は消毒液を持ち歩き、手をよく洗った方がいい、とアドバイス。

http://www.cnn.co.jp/fringe/CNN200907210012.html

そしゃく可能な歯を再生 東京理科大、マウス実験

(2009年8月4日 共同通信社)

歯のもととなる細胞を、歯が抜けた場所に移植する
マウスの実験で、正常に機能する歯を再生させることに
世界で初めて成功したと、東京理科大の辻孝教授(再生医工学
)らが
米科学アカデミー紀要(電子版)に4日付で発表。
東北大、東京医科歯科大との共同研究。

再生した歯は、ものをそしゃくするのに十分な硬さがあり、
神経がつながって、刺激を与えると脳に痛みが伝わった。

幹細胞から人為的に器官や臓器をつくる再生医療が注目、
器官や臓器が実際に機能するかどうかは分かっていなかったが、
十分に機能する可能性を示す。

辻教授らは、マウスの胎児にあり、歯のもととなる「歯胚」から、
さまざまな器官のもととなる上皮細胞と間葉細胞を取りだし、
2種類の細胞を再び集めて「再生歯胚」を作製。
大人のマウスの上あごから臼歯を抜き、そこに再生歯胚を移植。
約50日後には、歯は通常に近い大きさまで伸びた。

この歯は硬く、内部には正常の歯と同様に神経線維があった。
外部から刺激を与えると、痛みを感じた際に脳でできる
タンパク質が、このマウスの脳でできていることを確認、
歯から脳に痛みの刺激が伝わっていることが判明。

辻教授は、「原理は同じで、歯だけでなく、ほかの臓器に応用可能」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/8/4/105307/

「笑いヨガ」で心身健康 うつ症状にも効果期待

(2009年8月3日 共同通信社)

「アーッハッハッハ!オーッホッホッホ!」
大阪市東淀川区にある貸部屋の一室。

笑いヨガ(ラフターヨガ)の同好会「関西ラフタークラブ」
男女が、Tシャツなどの軽装で輪になって床に座り、
大きな笑い声を響かせる。

「ヨガというと、スレンダーな人がするイメージですが、
ふっくらしていても大丈夫。座ったままでもできる」
同クラブのリーダー岩井誠さん(56)。

笑いヨガは1995年、苦痛を緩和させる笑いの効果に着目した
インドの医師が、ヨガの腹式呼吸法と瞑想を取り入れて始めた。
日本で始められたのは、2006年。
わずか3年で全国に広まり、約40の同好会が生まれた。
「笑い好き」な関西では特に活発で、少なくとも七つのクラブが活動。

会では、目を見開き、舌を出しながら笑う「ライオンラフター」や、
メンバーで手をつなぎ輪になって笑う「ハスの花ラフター」など
10種類ほどの笑いヨガをこなし、最後は瞑想で心を穏やかに。
計1時間半ほどだが、顔やおなかが筋肉痛になる人も。

「体は、作り笑いと本物の笑いを区別できない」
理由もなく笑うのは難しそう。
コツは、「アイコンタクト」。
メンバーが笑う目元を見ると、相乗効果でこちらも笑ってしまう。
こうして笑いを増幅させ、本物の笑いにしていく。

笑いには、がん予防や免疫力向上、代謝の改善など医学的な効果も
認められ、笑いヨガは近年医療や福祉の現場で注目。

パニック障害を抱えていた大阪市のパート女性(54)は、
始めて2カ月で症状が消えた。
「最初は全然笑えなかったけれど、少しずつ笑えるようになり、
心が開いた」と生き生きと話す。

大阪府「枚方ラフタークラブ」のリーダー杉永祐子さん(54)は、
今年から軽度うつ病の患者を対象に会を開き始めた。
「最初暗い表情をしていた人でも、終わるころには『楽しかった』と
言ってくれる。笑いはその人の中にある

▽笑いヨガ(ラフターヨガ)

ヨガの腹式呼吸法や瞑想を取り入れた、
ユーモアや冗談に頼らずに笑うエクササイズ。
インド・ムンバイの内科医マダン・カタリア氏が、
ヨガインストラクターである妻マドゥーリさんのアイデアを借りて開発、
近所の公園でたった5人で始めた。
現在、約60カ国30万人以上が行い、6千ほどのグループがある。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/8/3/105253/

2009年8月13日木曜日

環境と命学ぶ20日間 葛巻・森と風のがっこう

(岩手日報 8月2日)

葛巻町江刈の旧小屋瀬小中上外川分校を活用した
森と風のがっこうで、19泊20日という長期日程で
「くずまき子どもESDサマースクール」が開かれている。

県内のほか青森、宮城、東京など7都県の小学4年から中学3年の
20人が、盛りだくさんな体験を通じてエネルギー循環や
命の大切さに、理解を深めながら友情を培っている。

森と風のがっこうは、NPO法人いわて子ども環境研究所
(吉成信夫理事長)が運営。
ESDは、「持続可能な開発のための教育」の意味、
過去3年は自然エネルギーをテーマにエコ生活を体験する
10日間のプログラムだったが、「生活」全般に視野を広げ、
2倍の日数に挑戦。

7月26日に集まった20人は、校庭に太陽光パネルを設置、
ペットボトルで「温水器」を作って屋根に取り付け、
交代で自転車発電するなどし、自然エネルギーだけで過ごす一日も。

1日は、ろうそく作りに取り組んだ。
2日、同町の安孫自然塾で林業に励む。
「森」と「風」の2班に分かれて食事作りや動物の世話、
まきで風呂を沸かす作業などに力を合わせ、
今後は演劇や森の中の基地作りなども予定。

二戸市の石切所小5年の金田一華奈さんは、
「20日間と長いが楽しみがいっぱい」と笑顔を絶やさず、
セントメリーインターナショナルスクール中1年の渥美雄大君は、
「葛巻の空気はおいしい。新しいことにどんどん挑戦したい」

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20090802_7

脳梗塞の仕組み解明 たんぱく質2種、炎症悪化作用

(2009年8月3日 毎日新聞社)

脳梗塞の発症後に起きる脳の炎症で、
神経細胞が死にいたる詳しいメカニズムを、
慶応大の吉村昭彦教授(免疫学)らが明らかに。

後遺症を減らしたり、治療が遅れても効果がある
治療方法の開発が期待。
3日の医学誌ネイチャー・メディシン(電子版)で発表。

脳梗塞は、脳の血管が詰まり、脳組織が損傷する病気。
損傷後、その周囲が数日間炎症を起こして神経細胞が死滅し、
体のまひや言語障害などをもたらす。
炎症のメカニズムが不明で、発症後1日が過ぎると
有効な治療法がなかった。

炎症にかかわるたんぱく質として、インターロイキン(IL)17とIL23が
関係していると仮定。
脳梗塞を再現したマウスの脳で、ILの発現を調べた。

発症1日目、梗塞部分に死んだ細胞を捕食する免疫細胞
「マクロファージ」が集まり、IL23を作っていた。
別の免疫細胞「γδ型T細胞」が集まって、IL17を分泌。
そのピークは発症3日目。
このT細胞は、IL23の刺激でIL17の分泌を始める性質があり、
2種類のILが連鎖的に作られ、
時間差で炎症を悪化させる仕組みが分かった。

二つのILが分泌されない遺伝子欠損マウスを作ると、
通常と比べて梗塞部分の体積が約4割小さくなった。
T細胞が梗塞部分に集まることを防ぐ薬剤を使っても、
ほぼ同じ効果があった。
同様のメカニズムが人間にある可能性は高い。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/8/3/105248/

2009年8月12日水曜日

農業人材の育成策探る 全国高校研究大会が開幕

(岩手日報 8月6日)

全国農業経営者育成高校研究協議大会
(全国農業経営者育成高校研究協議会など主催)が開幕。
全国から約120人が参加、農業教育や寮教育の実践発表を通し、
21世紀をたくましく生きる人材の育成に向けて、
農業教育のあり方を探った。

農業経営者育成高校は、寄宿舎を持ち、
地域の中心的な農業教育をする高校を、文部科学省が指定。
全国に31校、本県は盛岡農、水沢農の2校。

同協議会会長の岡崎正昭岩見沢農高校長(北海道)は、
「生徒が地域産業の担い手として活躍できるよう、
魅力ある学校の実現を目指し、実りある研究協議となるよう期待する」
法貴敬県教育長らが祝辞。

鈴木重男葛巻町長が、「夢しか実現するものはない-山村が持っている
資源を生かした町づくりへの挑戦」と題して講演。

学校教育、農業教育、寮教育の3分科会に分かれて研究協議、
盛岡農高自彊寮などを視察。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20090806_4

ワタミやAOKIがLEDを急ぐ訳

(日経 2009-08-01)

来春、改正省エネ法の施行まで半年あまり。
小売り・サービス業者でも、エネルギー消費を減らす準備は
整いつつある。

省エネの切り札として、コンビニエンスストア、居酒屋やカラオケ店が、
発光ダイオード(LED)を店内照明や看板に使う。

試行を始める時点では、省電力の期待を深めた。
しかし、一様に効果があるわけではない。
営業時間の長さや要求される照度によって、省エネ効果は変わってくる。

小売店では、商品が並ぶ棚に陰影があってはいけないし、
店内が暗い印象を与えないよう配慮。
居酒屋やカラオケ店では、照度を落としても
店内の雰囲気づくりに利用できる。
経費節減の恩恵は大きい。

ワタミは、店内と調理室の照明にLEDを導入。
照明だけで比較すると、電気使用量は95%削減でき、
電気代を年間150万円浮かす。

グループに小売業態とサービス業態を抱える
AOKIホールディングスで、省エネ効果はサービスの方に分がある。
AOKI銀座店は、外観照明に白色LEDを採用。
明るさを従来の3倍に設定したが、消費電力は逆に2割少ない。

ヴァリックが運営するカラオケ店「コート・ダジュール」と
複合カフェ「快活クラブ」では、消費電力を半分以下に削減できる。
ヴァリックは、40店の照明をLEDに切り替える。
5年かけて全店に広げる。
店の電気代は、LED化によって9割減る。
LED化に伴う設備のリース費用を計算に入れても、
電気代の削減効果は50%。

コート・ダジュールの営業は、午前5時まで。
外観照明は、毎日9~11時間、点灯、LED化の効果が大きい。
外食産業、カラオケや複合カフェなどの店舗型サービス業は、
市場が頭打ちとなっても、営業形態を工夫しながら
需要を創出したり、競合他社から需要を奪ったりすることで
成長を続けてきた。

外食は、倹約に努める消費者の「内食」志向に直面し、
カラオケ市場の成熟感は強まる。
売り上げの成長が期待できないなか、
事業モデルの効率性がいよいよ問われる局面に入ってきた。

効率運営の仕組みを確立するのはだれか。
改正省エネ法への取り組みぶりが、試金石となりそう。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/syohi/syo090731.html

緑黄色野菜のがん抑制解明 埼玉県立がんセンター

(2009年8月3日 共同通信社)

埼玉県立がんセンター・臨床腫瘍研究所(川尻要専門員)らの
グループは、緑黄色野菜に多く含まれるインドール化合物が
大腸がんの発生を抑制する仕組みを解明、
米科学アカデミー紀要電子版に発表。

緑黄色野菜が大腸がんの予防に効果があることは、
以前から知られていたが、どのような仕組みで
効果が生じるのかは分かっていなかった。
今回の研究で、インドールがAhRというタンパク質を活性化させ、
がんを引き起こす物質β-カテニンを分解するメカニズム
初めて明らかに。
大腸がんの予防法の開発への応用が期待。

インドール化合物は、ブロッコリーやキャベツ、カリフラワーなど
アブラナ科の野菜に多く含まれる。

大腸がんは、細胞増殖を進めるβ-カテニンとそれを分解する
タンパク質APCとの割合が遺伝子変異で崩れ、
β-カテニンが過剰に蓄積することで発症する。

今回の研究は、遺伝子操作でAPCとβ-カテニンの割合を崩し、
がんにかかりやすくしたマウスにインドールを添加した飼料を投与。
通常の飼料を与えた個体と比べ、
がんの発生時期が遅れ、発生個数も3分の1程度に抑えられた。

遺伝子操作で、AhRを作れないようにしたマウスはがんを発症し、
APCだけでがんを防ぐことができないことも判明。
APCは、細胞質で働くのに対し、AhRは細胞核で働く。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/8/3/105239/

2009年8月11日火曜日

万引増加率30%全国一 県内今年上半期件数

(岩手日報 8月6日)

県内の今年上半期の万引認知件数は673件、
増加率が約30%と全国ワースト。
検挙者の年代別では、65歳以上の高齢者が32%と最も高かった。

県警によると、認知件数は前年同期の515件より158件増。
増加率は30・7%、全国平均の6・4%を大幅に上回った。

検挙者は512人、年代別では高齢者が164人、
未成年者(14~19歳)120人、50代65人、30代52人、20代49人。

県警は7月以降、制服警察官の店内への立ち入り、
経営者を集めた犯罪抑止のための研修-などを強化。
同月の1カ月間の万引認知件数は115件(前年同期比7件増)、
増加率は6・5%に鈍化。

今年上半期の刑法犯認知件数は4016件(同81件減)、
過去5年間で最少。
殺人、強盗、放火などの重要犯罪は32件(同11件減)。

県警生活安全企画課の菊池有市次長は、
「万引は、高齢者が出来心から小額の食料品を盗むケースも目立つ。
店内の巡回、客への積極的な声掛けなど、
店側とも連携した防止策を強めていく」

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20090806_6

有機食物は非有機食物に比べて栄養が豊富とは言えない?

(2009年8月5日 WebMD)

ある種の重要な栄養素の量について見た場合、
有機栽培された食物は、従来の方法で栽培された食物より
栄養が豊富とは言えない。

「『有機栽培された食物は、従来の方法で栽培された食物より
栄養的に優れている、というエビデンスがあるか』との回答を得たい」
と同研究の筆頭著者、ロンドン大学衛生熱帯医学校の
公衆衛生栄養学者Alan Dangourは、
「答えはノー。有機食物は、従来より栄養的に優れていることはない」

『American Journal of Clinical Nutrition』の結論は、
食品研究者からの強い反対を招いている。

有機食物の世界市場は、年間約480億ドル。
有機食物は、穀物生産は化学物質の使用、
動物生産は医薬品の使用を規制する標準の下で生産。

Dangour博士らは、1958~2008年の有機栽培食物と
従来の方法で栽培された食物を比較した研究を検索。

研究55件を発見、以下の数項目の栄養カテゴリーについて評価。
窒素、ビタミンC、フェノール化合物(ポリフェノール)、マグネシウム、
カルシウム、リン化合物、カリウム、亜鉛、全ての可溶性固形物、
銅、酸性物質(acidity content)

その結果、従来の方法で生産された穀物の方が窒素が多く、
有機栽培された穀物の方がリン、酸性物質の含有量が多い。
他の穀物栄養素カテゴリーは、違いが検出されなかった。
動物性食品のみでは、栄養素量に差は認められなかった。

英国食品基準局が援助した同レビューでは、
2種類の栽培方法の間に、残留農薬の差は認められなかった。

米国有機食品産業の職員は、一部の他の専門家と同様、
同レビューに強く異議。

「有機食物には、ビタミンと重要な微量元素がより多く含まれ、
有毒な残留物がはるかに少ないと、科学的に疑う余地がない」
有機消費者協会ナショナル・ディレクター、Ronnie Cummins氏。
「何百万人もの米国の消費者が、有機産物に割り増しの金額を
支払っている理由である」

1つの問題は、古い研究を用いたという点にあり、
1958年に行われたものもあると
消費者連盟の上級科学者、Michael Hansen。
「栄養素量について言えば、新しい研究では、
有機食物と非有機食物の間に明らかな有意差が認められている」
「1980年以前の研究のほとんどは、方法論上の欠陥など、
多くの理由で不備がある」

食品から供給される栄養素は低下している、
とHansen博士は、別の理由を挙げている。
Dangour博士は、有機栽培された食物と従来の方法の食物との
比較は、個々の研究の中で行われ、反論は全く的外れ。
「研究の大多数は、2000年以降に発表されたもの」

ボールダーに拠点を置く業界グループ、
オーガニック・センターの主任科学者、Charles Benbrookは、
異なる結論が得られている。
「有機栽培された食物は、従来の方法で栽培された食物より
栄養的に優れていることが明確に裏付け」

Benbrook博士は、有機栽培された食物に、ポリフェノールや
抗酸化物質が約25%多く含まれ、
これらの物質に注目していないという点を批判。
ロンドンのチームは、食品間に認められた差を
「軽視している」とBenbrook博士。

http://www.m3.com/news/SPECIALTY/2009/8/5/105385/

多田富雄の落葉隻語 漢方薬 郵送禁止の乱暴

(2009年8月7日 読売新聞)

近年医学界では、「エビデンス・ベイスト・メディシン」という
長たらしい言葉がはやっている。
エビデンス、つまり科学的根拠に基づいた医療という意味。

医学は科学だから、科学的根拠があるのは当然。
昔のような「さじ加減」は通用しない。
薬の投与量は、科学的に決定される。

患者の状態はあらゆる検査によって、正確に把握される。
昔のように、曖昧な聴打診による経験的診断法は排される。

こうして近代医学は発展してきたのだが、それが行き過ぎて、
問題も起こっている。
医者がパソコンばかり眺めていて、患者の顔を見て診察しない。
数値に頼って、患者の訴えを聞かない。

百人百様の病気に、マニュアルどおりの医療しか行わない。
検査結果にばかり依存した最近の医者にありがちな欠陥。
昔のお医者さんは、もっと親身になって一人ひとりを診てくれた、
という苦情が出る。

それを反省し、欧米では患者の愁訴に基づいた医療、
「ナラティブ・ベイスト・メディシン」というのが提唱。
ナラティブ、すなわち物語を基礎にした医療。
患者は、個別の愁訴を持っている。
その物語を聞いて、一人ひとりにオーダーメイドの医療を志す。
現代医療に欠けていた視点。

もともと東洋医学では、それを実践してきた。
漢方医は、患者一人ひとりの症状をよく聞き、
個別の患者に応じて薬を調合してきた。
刻々変化する患者の病状に合わせて調合を変える。
ナラティブ・ベイスト・メディシンは、漢方では何百年も続いた伝統。

難病やがんの末期など、個別性が高い病気の治療には、
エビデンスに基づいた医学だけでは対応しきれない。
一人ひとり個別の対応が必須。
私のような脳卒中後遺症など、一人ひとり症状の程度や質が異なる。
誰一人として、同じリハビリのやり方では通用しない。
異なった病気や障害に対して、医者や療法士は
一人ひとりに対応する治療を施す。

一律に日数で制限するなど論外。
それを厚労省は理解しようとしない。
同じ過ちをまた繰り返そうとしている。

私は二十年来、漢方薬のお世話になっている。
初めは金沢の漢方の名医にかかっていたが、
体が不自由になってからは、茨城の山中の薬草園で
細々と営業している漢方薬局で、仙人みたいな薬剤師に調剤。
個別に相談し、自分に最適の処方をしてもらう。
遠いので、薬は一月分を郵送してもらってきた。
症状の変化は電話で連絡する。

6月から、薬事法が改定、薬を送ってもらうのが禁止。
薬のネット販売を規制したついでに、漢方薬の郵送まで
禁止してしまうという乱暴なお達し。
電話で症状の変化を伝えても、少しでも処方が変わると
もう送ってもらえない。薬がもらえずに泣いている患者も多い。

漢方薬は、患者の症状にあわせて微調整する
ナラティブ・ベイスト・メディシンの典型。
生薬や煎じ薬など、重いものや嵩張るものは郵送してもらうのが
本来の購入法。
それが禁止されてしまった。
遠くに住む高齢者や障害者は、とたんに困ってしまった。

どこででも同じ薬を買うことができるわけではない。
長く同じ薬剤師にお願いし、信頼と経験に基づいて、
自分に合った薬を調剤してもらっていた患者は、途方にくれている。

伝統医薬の価値を再評価することは、世界の医療の潮流。
日本だけ漢方医薬の入手法が、政府によって恣意的に
妨害されてしまうのは許すことができない。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/8/7/105471/

2009年8月10日月曜日

シリコンバレーに学ぶ「雇用」

(日経 2009-08-06)

去年の暮れ、雇用問題が大いにメディアをにぎわした。
電機メーカーや自動車メーカーの「雇い止め」が“糾弾”、
日比谷公園の「年越し派遣村」の映像が、連日お茶の間に。
半年余り、雇用関連の話題はすっかり下火になったが、
問題自体が消えたわけではない。
実情はかなり深刻なようだ。
「平成21年度 経済財政白書」にはこんな数字が。

「雇用保蔵」という概念をご存じだろうか?
企業の雇用人数から、生産量を達成するための
「適正労働者数」を差し引いたもので、
企業がどのくらい過剰雇用を抱えているかを示す数字。
昨年10~12月、日本企業の雇用保蔵は600万人前後に達し、
これは驚くべき事態。

山一証券などが倒産した1997年の金融危機、
上場企業の合算損益が赤字転落した2002年ITバブル崩壊時さえ、
上回る過剰雇用に今の日本企業は耐えている。

「日本企業の過剰雇用は解消した」といわれたが、
世界的な需要減退を受け、日本企業は大量の
「社内失業者」を抱え込んだ。
今後景気が回復し、生産が復調すれば、
「適正労働者数」も増加し、雇用保蔵は低下する。
が、現実はそれほど楽観を許しそうにない。

この問題をどう解決すればいいのか?
1つの方向性は、労働者のモビリティを高め、
成熟産業から成長産業へ人の移動するスムーズに進めること。
人間であるからには、旧来の仕事への愛着もあれば、
会社への愛着もある。
過剰雇用の深刻さを考えれば、流動性を高める方向を
目指さざるをえない。

日本の雇用について、いろいろ神話があり、
「転職社会が到来した」といわれるが、実態は変わってない。
日本の大企業システムが絶頂期にあった、
1990年の男性正社員の転職率は3%、2005年は3.5%。
女性やパート・アルバイトを含め、転職率の数字は上昇しておらず、
諸外国に比べても低い水準。

日本社会とは真逆の転職社会といえば、米シリコンバレー。
バレーの地域研究に取り組むアナリー・サクセニアン氏に、
「頻繁に転職をする人は、『継続して何かをやり遂げる達成感』や
『職場への帰属感』が持てなくなって、経済的に成功したとしても、
人生が無味乾燥なものにならないか」と聞いたが、
「彼らは、特定の企業に帰属しないかわりに、
専門が同じ人たちのコミュニティーに帰属し、
そこでの評価や人間関係を大切にしている。
大学時代の友人関係も強固で、強いネットワークを維持

自分の周囲を見渡しても、会社を辞めて転職、独立する人の
性格やその後の職業は様々だが、共通するのは、
ほぼ例外なく社外に大勢友達がいる人。
社外のネットワークがあるからこそ、転職リスクの高い日本で
転職に踏み切ることができる。

シリコンバレーの事例が、日本全体の雇用問題の解消に
役立つかは分からない。
専門技能を持ったバレーの人たちと、派遣で雇い止めされた人を
同列に考えるのは難しいが、
自分の帰属する組織の外にネットワークを持つこと。
友達をたくさんつくれば、それだけ情報も増え、
満足いく転職ができるチャンスも広がるのでは?
転職なんかしなくても、今の組織で一生やっていけると
自信のある人には関係ない話だが、
「雇用保蔵600万人」という衝撃の数字を目に、
いろいろ考えてみた。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/ittrend/itt090805.html

学びの情報基地(3)展示品通じて市民交流

(読売 8月1日)

ユニークさで人気の美術館も、
新たな存在意義を求めた催しを続ける。

「親指に毛糸をひっかけて、指の間を通して……」
金沢21世紀美術館で、スタッフが編み物を教えていた。
戸惑う人も、「大丈夫」と励まされ、毛糸の花を約20分で完成。
それが、この場の展示作品になる。

スタッフは、「メンバー」と呼ばれる10~30歳代の男女20人。
看護師大橋貴子さん(36)は、「いろんな人に会え、
仕事と違った刺激があります」

この催しは、地域の若者の交流活発化のため、
2007年度に始まった教育プログラムの一環。
04年の開館以来、水を張ったプールの底を人が歩くように見える
作品などで話題を呼び、年間約157万人が訪れる
大人気の同館による地域貢献の次の一手。

1、2年目は、アーティストの日比野克彦さんらと組んだアートや
演劇のプロジェクトを開催。
今回は、「『編む』とは、ゼロから何かを生み出すこと」という
「ニットの貴公子」広瀬光治さんの考えに共感して実現。
公募で集まったメンバーは、合宿でみっちりと編み物指導を受け、
仲間や入場者との交流を通して創造の意味を考えている。

「教科書で見た絵や」、
「ゴッホの『ひまわり』ゆうたら、本物は何十億やろ」
広いロビーに感嘆の声が響く。
大塚国際美術館(鳴門市)には、ピカソ「ゲルニカ」、
ダ・ビンチ「モナ・リザ」、エル・グレコ「受胎告知」など、
世界25か国の名画約1000点がずらりと展示。
これらは、すべて陶板に焼き付けた複製。

同館は1998年、「古代から現代までの名画が実物大で、
触って鑑賞できる」を売りに、陶板名画美術館としてオープン。
昨年度の年間入館者数は約23万人、大人3150円という
入館料の高さも影響し、渦潮観光とセットで訪れる観光客が大半。
教育普及担当の喜井智子さん(36)は、「リピーターを育てたい」

その一つが、鳴門教育大学、鳴門市と共催で、
5年前から行う小学生向け美術鑑賞ワークショップ。
今年2回目のイベントに、市内の小学3~6年生47人が参加。
同大生の指導で、館内の絵画に描かれた人の形をまねたり、
クイズで遊んだりした。

県立城ノ内中学校(徳島市)の3年生18人が訪れ、
ラファエロ作の「アテネの学堂」に描かれたピタゴラスが見つめる図を
教材に、数学の講義を受けた。
同中の斎藤大輔教諭(45)は、
「複製だが、迫力のある作品の前で数学を学び、
子どもたちの見方が広がったようだ」

話題性の裏で、教育普及に向けた地道な努力が続けられている。

金沢21世紀美術館の企画展
「広瀬光治と西山美なコの“ニットカフェ・イン・マイルーム”」は、
公開制作が9月11日まで、展示は来年3月22日まで。
(電)076・220・2800。

大塚国際美術館は、鳴門公園内にあり、
ロボット「アートくん」が名画解説を行う。
(電)088・687・3737。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20090801-OYT8T00317.htm

地球と暮らす:/83 日本スポーツGOMI拾い連盟 楽しみながら環境美化

(毎日 7月27日)

国立競技場で、「第4回スポーツGOMI拾い大会」が開催。

「ごみ拾いをスポーツに」という掛け声の後、
大学や企業などの10チームがごみ袋を手に散っていった。
競技時間は60分。
「たばこの吸い殻が多過ぎる」との声。

決められた区域内のごみを集めて、得点を競う。
社会奉仕の色彩が強いごみ拾いに、楽しんで取り組むのが狙い。
1チーム5~10人、道具は軍手とトングのみ。
配点は、ごみの種類で決まる。
燃えるごみや空き缶・瓶は100グラムで10ポイント、
たばこの吸い殻100グラムで100ポイント、
ペットボトルのキャップは一つ7ポイント--など。

集めたごみの分別まで行うのがルール。
走ったり、ごみ箱からあさると減点。

優勝は、世田谷区の阿部元博さんらで構成する家族チーム
(2025ポイント)、2位が慶応大(1489ポイント)。
10チームで、計約60キロのごみが集まった。
男子学生は、「勝敗がかかると真剣になる。
どの辺にごみが多いのか考えながら行動し、楽しめた」

発起人は、環境関連イベントを手がける馬見塚健一さん(42)。
早朝のジョギング中、公園のごみが気になり、
ストレッチをしながら拾い始めた。
「これはスポーツになるかもしれない」と直感、
環境学専攻の学生らに呼びかけた。

大会を主催する連盟の武蔵野大環境学部3年、杉本仁さん(21)は
「スポーツなので、環境にあまり関心がない人も参加しやすい。
環境への意識を高めるきっかけになってほしい」

豊川市の「豊川手筒まつり」翌日の8月23日、ごみ拾い大会。
馬見塚さんは、「イベント後の開催が理想的。全国に広げたい」
==============
08年4月発足。同6月、渋谷区役所周辺で初の大会を開催。
昨年、社団法人日本イベント産業振興協会の
「日本イベント大賞社会貢献部門賞」を受賞。
問い合わせは、馬見塚さんの勤務先(03・5791・5750)。

http://mainichi.jp/life/ecology/archive/news/2009/07/20090727ddm016040034000c.html

2009年8月9日日曜日

阪神・岩田投手:1型糖尿病の子を甲子園に招待

(毎日 8月2日)

阪神の岩田稔投手(25)が、自身と同じ
「1型糖尿病」の子供たちを甲子園球場に招待。

訪れたのは、1型糖尿病患者を支援する「日本IDDMネットワーク」
(井上龍夫理事長)が、募集した中から選ばれた5~20歳の15人。

岩田は、大阪桐蔭高時代に発症。
現在は1日4回、インスリン注射を打ちながら、プレー。
昨年に引き続いての招待で、今年は計4回を計画。
今年は、1勝につき10万円を研究基金に寄付することも予定。

サインや写真撮影にも応じた岩田投手は、
「悩んでいる子供も多いと思う。
自分の経験を伝えられれば。
安定した成績を残して、子供たちの目標になれれば」

http://mainichi.jp/select/science/news/20090803k0000m050057000c.html

知りたい!:未来照らすソーラー熱 デザインすっきり、住宅に…車に…携帯に

(毎日 7月30日)

住宅向け太陽光発電ビジネスが、熱気を帯びている。

温室効果ガスを出さない究極のクリーンエネルギーとして、
改めて注目、国の住宅向け設置補助も復活。
メーカーは、需要喚起に知恵を絞り、
住宅用のモダンな発電パネルを次々発売。
太陽光を利用したハイブリッド車や携帯電話も登場し、
ソーラーブームの様相。

◇価格下落+補助が後押し

以前は、平らで不格好だった発電パネル。
「景観を損なわないデザイン」をうたい文句に、
最近は、屋根瓦型のパネルが売り出されている。
ベランダのガラス戸やサンルーフの天井に使えるシースルータイプや、
薄さ約1ミリで自在に曲げられるフィルム型など、
使い勝手がよい商品も発売。

パネル設置で、一般家庭の電気代の6~7割
(発電能力3キロワットの場合)をまかなえる。
積水ハウスに、太陽光発電を搭載した住宅の注文が急増。
今年度の目標販売戸数を、4000戸から6000戸に上方修正。
「買う時は少し高いけれど、毎月電気代を支払う度に割安感を楽しめる」

◇いずれは必需品?

「炎天下で駐車しても、車内は暑くなりません」
千葉市の幕張メッセで開かれた展示会。
京セラのブースには、人だかり。

視線の先には、トヨタ自動車のハイブリッド車「新型プリウス」上の、
ソーラーパネル付きムーンルーフ(22万円前後)。
太陽光発電でファンを回して換気、室温の上昇を抑える。
「将来は車の必需品になる可能性もある」(自動車メーカー幹部)。

KDDI(au)は6月、太陽光パネルの付いたシャープ製の
ソーラー携帯電話(オープン価格、4万円台後半)を発売。
「電池が切れても、晴天の太陽光に10分間当てれば、
1分間の通話が可能」で、低迷する携帯市場の活性化を目指す。

◇200万円で導入可能

住宅への太陽光利用は93年ごろ始まった。
照明やエアコン、冷蔵庫など電力消費に必要な3キロワット程度の
発電システム設置に、600万~1000万円もかかり、
導入は一部富裕層などに限られた。

国は今年1月、環境戦略の一環で以前行っていた
太陽光発電設置補助を復活。
技術革新によるコストダウンもあり、
一般住宅向け太陽光発電パネルは200万円以下で導入。
今年1~6月の住宅向け設置補助の申請数は4万件を超え、
過去最多の05年度を上回る勢い。

自治体の補助もブームを支える。
太陽光発電普及拡大センターによると、全国451の自治体が
独自の補助制度を実施または実施予定。
例えば、東京都新宿区で3キロワットの設備を導入する場合、
約200万円から国21万円、都30万円、区54万円の
計105万円が差し引かれ、自己負担は半額以下。
今年4月、補助を始めた埼玉県は年2600件の申請を想定、
4億円の予算を計上。
6月末で2200件超、補正予算で7億円を追加計上する盛況ぶり。

家庭の太陽光発電で生じた余剰電力を、
電力会社に通常の電気代(1キロワット時あたり約24円)の倍額で
買い取ってもらう制度も年内に始まり、市場は当面、熱くなりそう。

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2009/07/30/20090730dde001040005000c.html

末梢神経:鮮明に撮影 MRI改良、死角なし--オランダと日本チーム、世界初

(毎日 7月30日)

脊髄から手足に延びる末梢神経を鮮明に撮影する装置を、
オランダ・ユトレヒト大の高原太郎准教授(画像診断学)と
東海大の研究チームが世界で初めて開発、
米医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に発表。

全身撮影が可能で、撮影時間は5分程度。
末梢神経がかかわる病気の診断や治療に役立つ可能性がある。

チームは、末梢神経細胞内の水分子が、
中枢神経や他の細胞と異なる振る舞いをすることに着目。

MRI(磁気共鳴画像化装置)を改良、末梢神経の水分子だけに
反応する特殊な電磁波を当てることで、鮮明な画像化に成功。

現在、神経の撮影には超音波が利用され、
骨などが邪魔して死角ができるのを避けられなかった。
この手法は、死角がなく、直径2ミリ程度の細い神経も鮮明に写る。

高原准教授は、「臨床での利用には、画像の解像度を
さらに高める必要がある。
原因不明の神経痛の原因部位や神経断裂の場所を探したり、
神経が細くなっていく筋萎縮性側索硬化症(ALS)の進行状況の
把握に応用できる」

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2009/07/30/20090730dde041040066000c.html