(日経 2009-08-01)
来春、改正省エネ法の施行まで半年あまり。
小売り・サービス業者でも、エネルギー消費を減らす準備は
整いつつある。
省エネの切り札として、コンビニエンスストア、居酒屋やカラオケ店が、
発光ダイオード(LED)を店内照明や看板に使う。
試行を始める時点では、省電力の期待を深めた。
しかし、一様に効果があるわけではない。
営業時間の長さや要求される照度によって、省エネ効果は変わってくる。
小売店では、商品が並ぶ棚に陰影があってはいけないし、
店内が暗い印象を与えないよう配慮。
居酒屋やカラオケ店では、照度を落としても
店内の雰囲気づくりに利用できる。
経費節減の恩恵は大きい。
ワタミは、店内と調理室の照明にLEDを導入。
照明だけで比較すると、電気使用量は95%削減でき、
電気代を年間150万円浮かす。
グループに小売業態とサービス業態を抱える
AOKIホールディングスで、省エネ効果はサービスの方に分がある。
AOKI銀座店は、外観照明に白色LEDを採用。
明るさを従来の3倍に設定したが、消費電力は逆に2割少ない。
ヴァリックが運営するカラオケ店「コート・ダジュール」と
複合カフェ「快活クラブ」では、消費電力を半分以下に削減できる。
ヴァリックは、40店の照明をLEDに切り替える。
5年かけて全店に広げる。
店の電気代は、LED化によって9割減る。
LED化に伴う設備のリース費用を計算に入れても、
電気代の削減効果は50%。
コート・ダジュールの営業は、午前5時まで。
外観照明は、毎日9~11時間、点灯、LED化の効果が大きい。
外食産業、カラオケや複合カフェなどの店舗型サービス業は、
市場が頭打ちとなっても、営業形態を工夫しながら
需要を創出したり、競合他社から需要を奪ったりすることで
成長を続けてきた。
外食は、倹約に努める消費者の「内食」志向に直面し、
カラオケ市場の成熟感は強まる。
売り上げの成長が期待できないなか、
事業モデルの効率性がいよいよ問われる局面に入ってきた。
効率運営の仕組みを確立するのはだれか。
改正省エネ法への取り組みぶりが、試金石となりそう。
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/syohi/syo090731.html
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