(毎日 7月30日)
住宅向け太陽光発電ビジネスが、熱気を帯びている。
温室効果ガスを出さない究極のクリーンエネルギーとして、
改めて注目、国の住宅向け設置補助も復活。
メーカーは、需要喚起に知恵を絞り、
住宅用のモダンな発電パネルを次々発売。
太陽光を利用したハイブリッド車や携帯電話も登場し、
ソーラーブームの様相。
◇価格下落+補助が後押し
以前は、平らで不格好だった発電パネル。
「景観を損なわないデザイン」をうたい文句に、
最近は、屋根瓦型のパネルが売り出されている。
ベランダのガラス戸やサンルーフの天井に使えるシースルータイプや、
薄さ約1ミリで自在に曲げられるフィルム型など、
使い勝手がよい商品も発売。
パネル設置で、一般家庭の電気代の6~7割
(発電能力3キロワットの場合)をまかなえる。
積水ハウスに、太陽光発電を搭載した住宅の注文が急増。
今年度の目標販売戸数を、4000戸から6000戸に上方修正。
「買う時は少し高いけれど、毎月電気代を支払う度に割安感を楽しめる」
◇いずれは必需品?
「炎天下で駐車しても、車内は暑くなりません」
千葉市の幕張メッセで開かれた展示会。
京セラのブースには、人だかり。
視線の先には、トヨタ自動車のハイブリッド車「新型プリウス」上の、
ソーラーパネル付きムーンルーフ(22万円前後)。
太陽光発電でファンを回して換気、室温の上昇を抑える。
「将来は車の必需品になる可能性もある」(自動車メーカー幹部)。
KDDI(au)は6月、太陽光パネルの付いたシャープ製の
ソーラー携帯電話(オープン価格、4万円台後半)を発売。
「電池が切れても、晴天の太陽光に10分間当てれば、
1分間の通話が可能」で、低迷する携帯市場の活性化を目指す。
◇200万円で導入可能
住宅への太陽光利用は93年ごろ始まった。
照明やエアコン、冷蔵庫など電力消費に必要な3キロワット程度の
発電システム設置に、600万~1000万円もかかり、
導入は一部富裕層などに限られた。
国は今年1月、環境戦略の一環で以前行っていた
太陽光発電設置補助を復活。
技術革新によるコストダウンもあり、
一般住宅向け太陽光発電パネルは200万円以下で導入。
今年1~6月の住宅向け設置補助の申請数は4万件を超え、
過去最多の05年度を上回る勢い。
自治体の補助もブームを支える。
太陽光発電普及拡大センターによると、全国451の自治体が
独自の補助制度を実施または実施予定。
例えば、東京都新宿区で3キロワットの設備を導入する場合、
約200万円から国21万円、都30万円、区54万円の
計105万円が差し引かれ、自己負担は半額以下。
今年4月、補助を始めた埼玉県は年2600件の申請を想定、
4億円の予算を計上。
6月末で2200件超、補正予算で7億円を追加計上する盛況ぶり。
家庭の太陽光発電で生じた余剰電力を、
電力会社に通常の電気代(1キロワット時あたり約24円)の倍額で
買い取ってもらう制度も年内に始まり、市場は当面、熱くなりそう。
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2009/07/30/20090730dde001040005000c.html
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