2011年5月7日土曜日

小学校英語(2)電子黒板 先生に自信

(読売 3月3日)

「教科を英語で言うよ。正しい発音を聴いて」。
教壇に1人で立つ学級担任が、電子黒板に映し出された
イラスト入りの教科名を、専用ペンで指す。

「ソーシャルスタディーズ」、「ジャパニーズ」――
ネイティブスピーカーの音声が流れると、
児童たちは一斉に大きな声で発音。

京都市立藤ノ森小学校で、1月14日に行われた
「全国小学校英語活動実践研究大会」の公開授業。

5年生のクラスでは、「時間割作り」をテーマに授業が行われた。
各自が英語で、教科名が記されたカードを時間割表に張り付け、
ペアで「What do you study on Monday?」、
「Istudy math,music,……」などと会話。

対馬淡君(10)は、「英語を話すのはちょっと難しいけど、
外国人の先生がいない時でも音で聴けるから、慣れてきた」

藤ノ森小では、2006年度に教員が「英語活動部」を設け、
全校挙げて指導法などの検討を重ねてきた。
担任主導の授業に有効なツールとして活用しているのが、電子黒板。

08年度から5、6年生の授業で導入し、年間35時間のうち、
外国語指導助手(ALT)が配置されていない19時間で主に使っている。

「児童に生の英語に触れさせたり、視覚から興味を引き付けたりできる。
英語指導に不慣れな担任の不安解消にもつながっている」と、
杉本和彦校長(59)は電子黒板の効用を説く。

公開授業を行った坪田宙教諭(28)は、もともと英語が苦手で、
初めは子どもたちに、英語を発音して示すことさえ恥ずかしかった。
「でも、電子黒板を使ううちに、自分でも指導できると自信が出てきて、
ALTとのチームティーチングでもひるむことがなくなった」

京都市では、1997年度から3年かけて、
全市立小学校に英語活動が導入され、市教委が独自開発した教材が、
指導案や活動事例集とともに各校に配布。
02年、教員たちで組織する京都市小学校英語活動研究会が発足。
同研究会が中心となって、04年に始まった
全国小学校英語活動実践研究大会は、今年で7回目を数えた。

同研究会会長の藤村徹・京都市立養正小学校校長(55)は、
英語活動の推進には、教員自身が研究会や校内で、
積極的に授業のアイデアを出し合い、指導力を高めていく
取り組みが欠かせない。
電子黒板の活用は、その成果のひとつ」

◆メモ

文部科学省が作成した補助教材「英語ノート」には、
デジタル版として、CDや電子黒板に対応したDVDがある。
黒板に投影された教材を専用ペンで操作する仕組みで、
「英語ノート」の内容を音声や絵を使って説明できる。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20110303-OYT8T00198.htm

レアアース使用しない磁石材料生成

(サイエンスポータル 2011年3月7日)

東北大学大学院の高橋研・教授、小川智之・助教と
戸田工業などの研究グループは、レアアースを使用しない磁石に
なりうる物質として期待されている強磁性窒化鉄の粉末を、
分離・生成することに成功。

生成された強磁性窒化鉄は、鉄より大きな磁力を持ち、
大気中でも非常に安定という特徴があることが確認。
生産性や収率も非常に高いことから、実用化が期待できる。

ハイブリッドカーや電気自動車、洗濯機やエアコン用など、
パワーが必要なモータには、現在、レアアースである
ネオジムやジスプロシウムを含む磁石が使われている。

レアアースは産出国が偏っているため、安定的な輸入に不安がある。
レアアースを含まない磁石の開発が急がれている。

強磁性窒化鉄は、1972年に高橋實・東北大学教授(故人)が、
その存在を提唱、これまで薄膜はできるものの、
磁石材料に適した安定的な粉末生成法は見つかっていなかった。

http://www.scienceportal.jp/news/daily/1103/1103071.html

2011年5月6日金曜日

復興への希望は(下) 震災50日、戸羽 太陸前高田市長に聞く

(東海新報 5月1日)

――震災以降を振り返っての率直な感想と、最優先で取り組んできたことは?

戸羽 大変厳しい状況の中で、自衛隊、警察、消防、全国の自治体、
ボランティアの応援、世界各国からの励ましがあり、
避難者の皆さんにも我慢強く協力していただいた。
何とか、少しずつ前に進んできた。

行政とすれば、行方不明の方々を1人でも多く、
ご家族の元に返してあげたい。
それは今も変わらず、最優先にやってきた。

――震災では、漁業、農業が壊滅的な被害を受けた。

戸羽 漁業については、漁協や国の関係機関、県と話し合っている。
市の経済の下支えでもあり、大事にしなければ。
漁業者からの声は、時間がかかっても整備をした中で一からやりたい、
とりあえずワカメ養殖だけでもなどとそれぞれ、
行政よりは漁協が中心となって漁業者の意思統一を図り、
同じ方向で市も応援できる形をつくっていきたい。

農業は、自家用生産が中心、津波による塩害問題も。
私個人としては、農業そのものの切り替えを図るのも必要。
ある議員から、たとえば漢方薬などがつくれないかという話も。
こういうタイミングだからこそ、切り替えも可能だし、
研究機関の応援も得られる。
農業でもご飯を食べられるよう、皆さんと相談をしていきたい。

――商工業の復興、雇用対策への取り組みは?

戸羽 商工業が、今すぐ復活するのは難しい。
仮設商店街や仮設住宅が各地域にできたとき、
必要な店などはつくっていきたい。

雇用に関しては、避難所での調理や高齢者の話し相手など、
ボランティアでやっていることを仕事にすれば、
男女関係なく働ける場がいっぱい。
1人が1週間ずっと働くのではなく、曜日別などにして、
一人でも多くの人が働く形も考えなければならない。

生活費すべてをまかなうのは難しいが、あまりお金を使わなくて済む、
今の期間にいくらかでも収入を得れば、自立への準備、
きっかけづくりにはなる。
本格的には、大企業が復興支援という名の下に雇用の場を
つくってもらえるよう、呼びかけを図っていきたい。

――浸水区域の土地を利用する考えは?

戸羽 いろんな考え方があるが、私個人からすれば、
基本的に住む地域ではない。
商店街のようなものであれば、許される部分は出てくるが、
あれぐらいの平場であれば、太陽光や風力発電、養殖漁場の拡大など、
可能性はいろいろある。
専門家の意見を聞いて市民に提示し、
方向性を決めていかなければならない。

新しく生まれ変わった陸前高田市が、
「よくなったね。若い人たちにも魅力のあるまちになったね」と
言われる風にならないと。
犠牲になった方々の気持ちに報いるためにも、
大事なところは大事にしながらも、思い切った転換をしなければ。

――仮設住宅の建設、入居が進むが、市内で必要戸数が建設でき、
以前のような地域社会を維持できるか?
被災者の自立に向け、どのような道筋をつける考えか?

戸羽 仮設住宅は、2000ちょっとの数があれば足りるのでは。
最終的な数は分からないが、その数ならば市内で建てられる。

地域社会については、小友町の方が小友町に住むことを
ベースに考えているが、以前と同じ地域に住みたいという声に
100%応えるのはちょっと難しい。
それができない地区も、できるだけ固まって別の地域に行けば、
人間関係は保てるよう、配慮はさせていただいている。

市内にもガソリンスタンドができ、
ガソリンは自分で手に入れられるようになった。
地元のスーパーからは出店の話を聞いている。
今後、買い物難民やガソリン不足の問題はだんだん解消され、
家があっても、そういう理由で動けなかった方々には、
自立をしていただかなければならない。
仕事がなく、蓄えがないという方も。
今後は、生活保護などの相談にも乗っていかなければならない。

被災という部分はあっても、徐々に本来の姿に戻していかなければ。
その中で、「仕事も見つけ、生活保護がなくても大丈夫」となるよう、
仕事をつくり、企業にも呼びかけ、雇用の面でも相談に乗っていきたい。
仮設住宅に入ったから、これだけの時間が経ったからと、
突然切り離すわけにはいかない。
実態や個々の家庭状況を見ながら、
できることをやっていかなければならない。

http://www.tohkaishimpo.com/

小学校英語(1)研修不足 担任に不安

(読売 3月2日)

「ヘッド・ショルダーズ・ニーズ・アンド・トウズ」。
児童役の小学校教員たちが、CDから流れる歌に合わせ、
身振りを交えて、体の部位を示す英語を繰り返す。

2月中旬の週末、小学校英語活動の研修会が、
神田外語学院で開かれ、6講座に計42人が参加。

受講した千葉県内の公立小学校教員の男性(44)は、
「授業づくりのアイデアをつかめれば、と参加した。
校内では、自分も含め英語をうまく使えない教師が多く、苦労している」

埼玉県内の公立小教員の女性(40)は、
「公的な研修だけでは、新年度から自信を持って授業を進めるには不十分。
研修制度を充実させてほしい」

神田外語大学児童英語教育研究センターの長田厚樹センター長(55)は、
「外国語活動の必修化を目前に控え、改めて不安や戸惑いを抱く
先生は多いのでは」と、教員たちが休日返上で研修に参加する背景を分析。

同大などで構成する神田外語グループは、
2007年から教員向けに、様々な小学校英語講座を開き、どれも大盛況。
当初は東京だけだったが、今では札幌から静岡まで、全国9会場で開催。

小学校教員の大半は、教員養成課程で英語指導教育を受けていない。
教科でない英語活動に教科書はなく、文部科学省が作成した
補助教材「英語ノート」があるだけ。
統一した授業内容が決まっているわけではない。

文科省は、今年度までの2年間で、教員1人あたり計30時間の
校内研修を行うよう求めてきた。
ベネッセ教育研究開発センターが昨年、実施した調査によると、
全国の公立小の5、6年生の学級担任らが、
09年度から10年度夏休みまでに受けた校内研修は、平均6・8時間。
「0時間」も、20・4%に。

英語活動の中心となるのは、「学級担任」が66・6%。
一時の外国語指導助手(ALT)に依存した授業から、
本来あるべき姿に戻っている。

担任の責任がますます重くなる中、
授業の準備は整っているというにはほど遠い。

◆小学校の外国語(英語)活動が、来月から5、6年で必修化。
準備不足や人材不足など、課題は少なくないが、
既に特色ある授業を展開している事例も。
各地の取り組みを紹介し、対応策を考える。

◆メモ

各校での研修は、都道府県、政令市、中核市の教育委員会主催の
研修を受けた「中核教員」が担い手となって行われる。
文科省が、全国の公立小学校を対象に実施した調査によると、
中核教員研修には2008、09両年度に各校から平均2人が参加、
たとえ1時間でも校内研修を実施した学校は、09年で78.9%。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20110302-OYT8T00169.htm

肥満糖尿病 インスリンが筋肉に届きにくく、高血糖に 東大など仕組み解明

(2011年3月2日 毎日新聞社)

肥満になると、毛細血管の働きに異常が生じ、
血糖値を下げるホルモン「インスリン」が、
全身の筋肉に届きにくくなることを、
東京大などの研究チームがマウスの実験で解明。

インスリンが届かないと、筋肉が血液からブドウ糖を取り込めず、
高血糖状態が続いて、糖尿病を発症しやすくなる。
2日付の米科学誌セル・メタボリズムに掲載。

健康な人では、食後に血糖値が上がると、
膵臓のβ細胞からインスリンが分泌され、血液を通じて全身に届けられる。
筋肉は、インスリンが到達したことが引き金となって、
ブドウ糖を取り込みエネルギーに変えるが、
インスリンが毛細血管から筋肉に届く仕組みはこれまで不明。

研究チームは、インスリンが到達したことを、
他の分子に伝える物質「IRS2」に着目。

毛細血管の細胞に、IRS2を持たないマウスは、
通常のマウスと比べ、筋肉に届くインスリンの量が半分程度に減った。
「インスリンが届いた」という信号が、他の分子に適切に伝わらないため、
インスリンを血管の外の筋肉に送り出すための仕組みが機能しなかったから。

普通のマウスに、脂肪分の多い餌を8週間与えて肥満状態にしたところ、
IRS2が健康なマウスの2割程度しかなく、
インスリンが血管から筋肉に届きにくくなっていた。

研究チームの門脇孝・東京大教授は、
「IRS2を増やす薬剤が開発できれば、生活習慣などが影響する
2型糖尿病の根本的な治療になりうる」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/3/2/133169/

2011年5月5日木曜日

復興への希望は(上) 震災50日、戸田公明大船渡市長に聞く

(東海新報 4月30日)

――3月11日以降の対応を振り返った上で、現在の素直なご心境を?

戸田 最初の3日間は、緊急対応モードを作ることに力を注いだ。
避難所を回り、住民の皆さんからさまざまな話を聞いた。
自分なりに要望をまとめ、部課長会議や国会議員、政府の方々に
ぶつけることを繰り返してきた。

市内の主な企業を回った中で、皆さん前向きに再開への活動を始め、
勇気づけられた。
市では災害復興局を立ち上げ、復興基本方針も発表。

自治体、自衛隊、日本国政府、海外からの支援隊などには、
感謝の気持ちでいっぱい。
世界的に注目された災害であり、教訓を今後のまちづくりに
生かしていかなければ、と感じている。

――現時点で、最優先で取り組むべき課題は?

戸田 被災地で事業再開するためのライフライン復旧が、非常に急がれる。
店舗兼住宅となっていた個人商店や個人事業主は、行き場を失っており、
再開への一歩を支えたい。

仮設店舗設置を国が支援しようとしている中、一刻も早く実現させたい。
空き店舗に移るのは限界があり、被災した大船渡町内に
仮設店舗を造ることも必要。
津波が押し寄せた縁辺部、がれき撤去を終えた土地が候補地に。

電気、水道の復旧は、とくに水産業で急がなければ。
魚市場はカツオ漁に合わせ、6月の営業再開を目指す。
氷、冷凍、加工の各工場も動き出し、漁業者も活動する。

避難生活が長くなるにつれ、住民の皆さんも生活の質に対する
不満感が出てくるはず。
仮設住宅の建設を急ぎたい。
父、母が亡くなった児童生徒のケアも重要。

――震災では、漁業や水産業全般で壊滅的な被害を受けた。

戸田 現在、漁業者は船を共同使用しながら動いているが、
少ない所得から始めるのはやむを得ない。
元に戻るまでの必要経費を支援する施策を、国を挙げて考えてほしい。

未来指向型として、生産体制を個人ベースから協業、企業ベースに
移行させることも、国が先導していい。

――失業者も増えている。
当面の雇用の場確保に加え、商工業再生に向けたビジョンをどう描くか?

戸田 国として、各事業主に震災による損失額を補填、
補助することを考えてほしい。
損害額を被ったままでは、非常に重い負担に。

復興計画を作る過程で、さまざまな分野で復興プロジェクトが出てくるが、
国支援と並行して、できるだけ早く着手したい。
スピード感を持って動き出せば、早期雇用は相当進む。

――国や県に対して、どのような施策を期待しているか、
民間や住民レベルで望んでいる支援は?

戸田 スピード感を出すための工夫をお願いしたい。
平時でも非常時でも、スピード感が大事。
補正予算が決まった段階で、各市町村への配分額が
即刻固まるような流れが重要。
復興特区というか、既存の法律や税制に縛られない
柔軟な運用も望みたい。

民間団体の皆さんには、被災者の生活の質を上げる支援を期待。
市内では、被災前から医療・介護分野の充実が課題の一つ。
緊急時で、もっと大変な状態になり、さらに支援を望みたい。

――浸水地域での土地利用は、今後どのように進めるべきか?
計画策定に向け、どのようなプロセスを考えているか?

戸田 津波が来ても死者が出ない、家が流されないまちづくりを、
国で支えてほしい。
「災害は忘れたころにやってくる」であり、仕組みとしての定着が重要。
市でも、災害危険区域指定や都市計画の用途変更を検討したい。

浸水域に住宅は建てない。
ただし生産、業務施設は建て続ける。
新たに建てる場合、避難所として使えるような構造を考慮。

浸水域にある既存建物を使って、事業を再開することはウェルカム。
将来、再建する場合、さらに災害に強い構造にしてほしい。
商店街では、店舗と住居は分離する形など、
安心・安全なまちづくりを目指していきたい。

いろいろな意見が出てくると思うが、市内の各地区や業界、行政、
市民の各代表、学識経験者の議論を経て、一つの方向性を出したい。
計画を策定する中、スピードは重視したい。

http://www.tohkaishimpo.com/

ブログ再開!

ブログを再開します!

このたびの東日本大震災では、
私の住む岩手・大船渡をはじめ、
多くの沿岸部が津波による被害を受けました。
また、度重なる余震によって、内陸部の一部にも被害が及びました。

震災のはじめのころは、ライフラインがすべて止まり、
生きていくだけで精一杯という状況でした。
2週間後に電気が復旧し、ネットも49日目にようやくできるようになりました。

これまでも、友人や見知らぬ方々から多くの支援を頂き、
こうしてある程度の生活まで回復できて、本当に感謝でいっぱいです。

それでも、まだまだ大船渡の街は瓦礫でいっぱいです。
ゴミやヘドロによる悪臭もあります。
仕事や教育の環境は、少しずつ回復していますが、
震災前には程遠い状況です。

教育では、学校自体が被災したり、避難所となっていたり、
校庭には仮設住宅が建てられていたりと、
勉強や部活動をするには不自由を強いられています。

仕事では、大船渡の主要産業である水産加工や
太平洋セメント、アマタケといった企業がまだ再開できない状況です。
企業の再開と雇用の維持が進まないと、
多くの人が離れていくかもしれません。

また、陸前高田や気仙沼、大槌といったところは、
大船渡よりも復興が遅れているようです。
やるべきことはたくさんあります。

私は、少しでも復興へのサポートができればと思います。
5年でも、10年でもかけて、また海の街・大船渡を復興させたいですね!!