2011年5月6日金曜日

小学校英語(1)研修不足 担任に不安

(読売 3月2日)

「ヘッド・ショルダーズ・ニーズ・アンド・トウズ」。
児童役の小学校教員たちが、CDから流れる歌に合わせ、
身振りを交えて、体の部位を示す英語を繰り返す。

2月中旬の週末、小学校英語活動の研修会が、
神田外語学院で開かれ、6講座に計42人が参加。

受講した千葉県内の公立小学校教員の男性(44)は、
「授業づくりのアイデアをつかめれば、と参加した。
校内では、自分も含め英語をうまく使えない教師が多く、苦労している」

埼玉県内の公立小教員の女性(40)は、
「公的な研修だけでは、新年度から自信を持って授業を進めるには不十分。
研修制度を充実させてほしい」

神田外語大学児童英語教育研究センターの長田厚樹センター長(55)は、
「外国語活動の必修化を目前に控え、改めて不安や戸惑いを抱く
先生は多いのでは」と、教員たちが休日返上で研修に参加する背景を分析。

同大などで構成する神田外語グループは、
2007年から教員向けに、様々な小学校英語講座を開き、どれも大盛況。
当初は東京だけだったが、今では札幌から静岡まで、全国9会場で開催。

小学校教員の大半は、教員養成課程で英語指導教育を受けていない。
教科でない英語活動に教科書はなく、文部科学省が作成した
補助教材「英語ノート」があるだけ。
統一した授業内容が決まっているわけではない。

文科省は、今年度までの2年間で、教員1人あたり計30時間の
校内研修を行うよう求めてきた。
ベネッセ教育研究開発センターが昨年、実施した調査によると、
全国の公立小の5、6年生の学級担任らが、
09年度から10年度夏休みまでに受けた校内研修は、平均6・8時間。
「0時間」も、20・4%に。

英語活動の中心となるのは、「学級担任」が66・6%。
一時の外国語指導助手(ALT)に依存した授業から、
本来あるべき姿に戻っている。

担任の責任がますます重くなる中、
授業の準備は整っているというにはほど遠い。

◆小学校の外国語(英語)活動が、来月から5、6年で必修化。
準備不足や人材不足など、課題は少なくないが、
既に特色ある授業を展開している事例も。
各地の取り組みを紹介し、対応策を考える。

◆メモ

各校での研修は、都道府県、政令市、中核市の教育委員会主催の
研修を受けた「中核教員」が担い手となって行われる。
文科省が、全国の公立小学校を対象に実施した調査によると、
中核教員研修には2008、09両年度に各校から平均2人が参加、
たとえ1時間でも校内研修を実施した学校は、09年で78.9%。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20110302-OYT8T00169.htm

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