2007年9月8日土曜日

バルザン賞:カーボンナノチューブの飯島教授に

(毎日新聞 2007年9月4日)

優れた研究者に与えられるイタリアのバルザン賞が、
カーボンナノチューブを発見した飯島澄男・名城大教授(68)に。
賞金は、100万スイスフラン(約9600万円)。

同賞基金は、イタリアの日刊紙の名記者だった
エウジェニオ・バルザン氏を記念して1957年に設立。
毎年4人の研究者と、数年おきに人道・平和に貢献した人に授与。
これまでにマザー・テレサや、発達心理学者のピアジェ氏らが受賞。

カーボンナノチューブは、極めて細い筒状の炭素物質で、
次世代の素材として期待される。

http://www.mainichi-msn.co.jp/science/kagaku/news/20070904k0000e030015000c.html

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バルザン賞というのは、初めて知りました。
このような社会貢献をした人を世界的に評価する、というのは素晴しいことです。
日本にも、野口英世アフリカ賞が2006年に創設されました。
こういうニュースは、もっともっと社会に認知されて欲しいですね。

野口英世アフリカ賞
http://www.cao.go.jp/noguchisho/index.html

2007年9月7日金曜日

身長決める主要遺伝子、初発見=タイプにより1センチの差-国際チーム

(時事通信 9月3日)

人間の身長を決める主要遺伝子を、
約3万5000人の遺伝情報調査で初めて発見したと、
米マサチューセッツ工科大とハーバード大のブロード研究所などの
国際研究チームが、米科学誌ネイチャー・ジェネティクスの電子版に発表。

この遺伝子「HMGA2」は、
構成するDNA塩基配列に個人差がある。
父母から受け継ぐ2つの遺伝子の特定部分の塩基が
両方とも「シトシン」の人は、両方とも「チミン」の人に比べ、
平均で約1センチ身長が高いという。

研究チームは、身長の高低は9割が両親からの遺伝要因で決まると指摘。
HMGA2は、胎児の背骨や手足の成長に関連するとみられ、
主要な遺伝子ではあるが、他にも身長に関する遺伝子が多数あるとみている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070903-00000014-jij-int

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これは、面白い研究ですね。
昔から身長は遺伝要因で決まる、と言われていましたが、
どうやら本当のようです。
遺伝要因ではどうしようもないですが、
環境要因はどの程度関与しているのでしょうかね??
私の場合、兄との生存競争(大食い競争?)に敗れたため、
10センチ近く差がありますが・・・。

本の現場 福岡伸一さん 科学者にこそ、文学が要る

(毎日新聞社 2007年8月17日)

「生物と無生物のあいだ」 講談社現代新書(777円)

自宅近くの多摩川べりを散策しながら、ふと思い出す大学教師の言葉。
「人は瞬時に、生物と無生物を見分けるけれど、
それは生物の何を見ているのでしょうか?」

生命とは何か。

20世紀の科学は、生物を遺伝子などの部品に還元する
分子生物学で解き明かそうとしてきた。
本書の前半では、その発展の歴史を、分子生物学者としての体験に、
やや不遇な科学者たちの人生を織り交ぜて語った。

「でも、分子生物学の最前線を平易に解説した本ではありません」。
むしろ、その方法論に対するアンチテーゼであるところに、本書の醍醐味がある。

小さいころは、昆虫少年だった。
ファーブルや今西錦司にあこがれ、
昆虫学に優れていた京都大農学部に進んだ。

しかし、時代は分子生物学の黎明期。
その大波に流され、ファーブルも今西も色あせていったという。
米国や日本で最先端の競争に没頭してきたが、
研究を進めるほどに壁を感じるようになった。

たとえば、重要な遺伝子をつぶして作ったノックアウト・マウスは、
なんの問題もなく成長した。
「生命を機械論的にとらえるアプローチには限界がある」。

そう気づいた時に思い出したのが、
本書のキーパーソンであるルドルフ・シェーンハイマー。

私たちの体を構成する分子は、
食物として取り込んだ分子と絶え間なく入れ替わっている。
分子のレベルでみると、私たちは1年前とは別人だ。
こうした「時間」の概念を持った生命のダイナミズムを、
ネズミの実験で証明したユダヤ人科学者である。

本書の後半では、この「動的平衡」という生命徴を念頭に、
自らの研究の意味も問い直していく。
「再生医療やクローン技術に対する違和感も、
実は、生命に不可欠な時間を逆戻ししているからではないでしょうか」

そうした観点で生命をとらえることで、
「読者が自分の違和感を説明するヒントになってもらえれば」と。

「科学の成果は、最終的にはごく簡単な言葉で語られるべきだ」というのが持論。
専門論文を書くことこそが科学者の使命、
との考えが主流を占める中にあって、「異端」といってもいい。

「異端ぶり」は、牛海綿状脳症(BSE)の病原体をプリオンとする
「プリオン説」に疑問を感じ、
その検証をライフワークとしているところからもうかがえる。

昆虫少年は、読書少年でもあったという。
だからだろうか、巧みな比喩が理解を助け、文体には文学的な味わいがある。
「えらそうに聞こえるかもしれませんが、科学者にこそ文学が要る。
文学的想像力がないと、生物をプラモデル化してしまうのです」

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◇ふくおか・しんいち

1959年東京生まれ。京都大卒。米ハーバード大などを経て青山学院大教授。
著書に「もう牛を食べても安心か」「プリオン説はほんとうか?」など。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=52630

2007年9月5日水曜日

「そうだったのか!現代史」


「そうだったのか!現代史」 池上 彰著、集英社


これは面白かったですよ!
現代史は、しっかりと知っておかなければならないのに、
学校ではさらっとしか習わないところ。

今起こっている戦争や事件、世界の情勢は、
ここ100年の間に起きた出来事が要因になっています。

私たちはどうしても日本からの観点でしか、世界を見ようとしません。
他国を理解するには、その国で何が起こったのかを学ぶ必要があります。
歴史を学ぶことは、他の国々を理解するために必要不可欠です。
そのためにも、現代史を学ぶことは重要ですね。

日本は、第二次世界大戦以降、戦争は起きていません。
しかし、他国では戦争や内乱が続きました。
中国では、共産党と国民党との内戦が続き、文化大革命で多くの命を失いました。
韓国でも、朝鮮戦争で国土が荒廃し、同じ民族同士で多くの血を流しました。
北朝鮮は、言うまでもありません。今でも人民を苦しめています。

今の日本がいかに平和で恵まれているか、
そして他国のためにいかなる支援をすることができるか。
国際社会の一員として、責任ある行動をするためにも、
現代史を理解しなければなりませんね。

イチロー:7年連続で200安打 史上3人目、歴代2位

(毎日新聞 2007年9月4日)

米大リーグ、マリナーズのイチロー外野手(33)は、
ヤンキース戦の三回にロジャー・クレメンス投手から本塁打を放ち、
7年連続のシーズン200安打を達成。

大リーグ史上3人目、歴代2位で、
83年から7年連続のウエード・ボッグス(レッドソックスなど)に並んだ。
1位は、ウィリー・キーラー(オリオールズなど)が1894~1901年の8年連続。

200安打まであと「2」としていたイチローは、
一回の第1打席で右前打、三回の第2打席で右中間本塁打、
第3打席でも左前打を放った。

イチローは、2001年からシーズン200安打以上を記録。
04年には262安打をマークし、大リーグのシーズン最多安打記録を84年ぶりに更新。

▽イチローの話 

(200安打目の相手投手クレメンスが)ビッグネームなので、いい記念になった。
どんな状況でも、個人の仕事はやらなければいけない。
同じように数字を残すことは、「マスト(義務)」ですね、僕の中では。

◇クレメンスから「ちょっといい感じ」

史上3人目の7年連続200安打は、ニューヨークで。
しかも、通算354勝のクレメンスから一発を放っての偉業達成。
「ちょっといい感じ、と思っちゃった」と、笑って言った。

200安打到達直前にもがき苦しんだ昨年は、「自分の弱さしか見えてこない」。
今年は、「ホッとした感じはしない。それがうれしい」と、余裕を口にした。
「プラスというより、(打ち損じの要因である)マイナスがゼロになった感じ」
という技術的な進歩を確認できていた。
33歳のイチローは、今なお成長を続けている。

http://www.mainichi-msn.co.jp/sports/major/news/20070904k0000e050005000c.html

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この偉業は素晴しいですね。
200安打するだけでも、大リーグに年間数人しかいないのに、
それを7年連続で成し遂げるというのは、すごい、というしかない。
それに、7年間ほとんど試合に出場し続けないとできない記録。
イチローのすごいところは、出場するだけでなく、
打つ、走る、守る、すべての面で成績を残していること。
世界一の一番バッターとして、これからも活躍し続けて欲しい。

私も昔は一番バッターでした。
さっぱりヒットは打てませんでしたが・・・。

2007年9月2日日曜日

世界初、カトリック信者向けのバチカン航空が就航

(CNN 2007.08.28)

ローマ・カトリック総本山のバチカンによる、
カトリック信者向けのバチカン航空が就航。
ローマと各国の聖地を結ぶチャーター便で、
年間15万人の利用者を見込んでいる。

イタリアの貨物航空会社ミストラル・エアーが機材を提供し、
使用機体はボーイング737型機。
機内の備品や客室乗務員の制服には、バチカンのロゴが描かれている。

就航初日には、ローマのフィウミチーノ空港から、
ルルドの泉の奇跡で知られるフランスのルルドへ、信者を乗せて飛び立った。

今後は、低価格路線を続けながら、
ポルトガルのファティマやスペインのコンポステーラ、
モーゼが十戒を授かったエジプトのシナイ山など各聖地へ、
安全に格安で信者を運びたいとしている。

http://cnn.co.jp/business/CNN200708280019.html

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これはいいですね。
私もぜひ乗ってみたいです。
カトリック信者ではありませんが。
日本でも、観光地めぐりをするような航空会社があるといいですね。
世界遺産を周遊するとか、映画ロケ地をめぐるとか。
ますます逃避行に走りそうですね?!