2009年8月8日土曜日

「世界最大、最速」のソーラー船で世界一周へ 建造進む

(CNN 8月1日)

太陽光からの電力で動く「ソーラーボート」で、
世界を一周する計画に、スイス人エンジニアの率いるチームが挑戦。

太陽光発電のみで動く船としては世界最大、最速となる。
2010年の完成を目指し、建造が進んでいる。

「プラネット・ソーラー」と名付けられたこの船を考案した
エンジニアは、ラファエル・ドミヤン氏。
約11億円の資金を投じ、ドイツ北部キールで作業を進める。
「船が温室効果ガスを一切排出せず、高速で航行できることを証明したい」

船の全長は30メートル。
変換効率23%という高性能のソーラーパネルが表面を覆い、
面積は470平方メートル、テニスコート2面分。
最大時速約26キロと、大西洋を2週間で横断できるスピードを目指す。

ソーラーボートで長時間航行する際の最大の課題は、天候。
プラネット・ソーラーは、曇天が3日間続いても、
動力を充電でまかなうことができる。
フランス気象庁と提携し、航行中に気象情報を入手し、
予報に応じて航路を調整する。

プラネット・ソーラーは、11年春、欧州を回った後、
世界一周の旅に出る予定。
ドミヤン氏とともに、手こぎボートでの太平洋横断記録を持つ
フランス人冒険家、ジェラール・ダボビル氏がかじを取る。

航海の途中で寄港する数十カ所の都市では、
空気で膨らませる即席のパビリオンを設営し、
地球環境への理解を呼び掛ける啓蒙活動を行う計画。

ドミヤン氏は、「エネルギー資源の不足や気候変動により、
われわれは社会全体の見直しを迫られている。
この状況を、新たなチャンスと考えることもできる」

http://www.cnn.co.jp/science/CNN200908010001.html

県内大学進学率40%台に 全国ではなお低位

(岩手日報 8月7日)

学校基本調査速報によると、2009年度の県内の大学進学率は、
前年度比1・1ポイント増の40・6%、初めて40%台。
全国平均53・9%、東北6県平均43・9%を下回り、
全国では、沖縄県(37・1%)に続きワースト2位。

09年度県内の大学進学者は5391人(男2614人、女2777人)、
前年度より68人増えた。
高校卒業者数は1万3280人、進学率は男39・0%、女42・3%。

県教委や各高校は、大学進学率向上を目指し、
さまざまな取り組みをしてきた。
04年度の大学進学率33・7%に比べ、09年度は6・9ポイント増。

県教委の佐藤成人高校教育課長は、
「各校の取り組みのほか、就職難という状況も進学率を引き上げた要因。
東北、全国平均にはまだ届いておらず、
今後も進学率アップを目指し努力したい」

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20090807_7

学びの情報基地(2)美術館「体験型」に活路

(読売 7月30日)

いかに市民に足を運んでもらうか、
西洋美術館の草分けが試行錯誤を続けている。

「スイレンには、温帯スイレンと熱帯スイレンがある」
柳並木の水路沿いに、小粋な飲食店や雑貨店が軒を連ねる
岡山県倉敷市の「美観地区」。
大原美術館で、ワークショップ「倉敷を知る 植物のかたち」開催。

庭園で植物を観察し、パリ郊外にある画家モネの庭の池から
株分けしたというスイレンの池を眺め、館内でモネの「睡蓮」など
絵画に描かれた植物を見る。
近くの市立自然史博物館から講師を招いての、一風変わった試み。

この日の昼過ぎ、小学生向け行事の案内役として今年導入された
「ジュニア・アテンダント」の養成講座が開かれ、
大学生と高校生計27人が、作品の魅力をわかりやすく伝える
練習に取り組んだ。

8月下旬、「チルドレンズ・アート・ミュージアム」も予定。
子どもや市民にダンスを楽しんでもらったり、
彫刻と遊んでもらったりする、全館を挙げた参加体験型イベント。

グレコ、マティス、棟方志功ら、名だたる作品の収蔵・展示で
知られる同美術館で、教育普及活動が盛んに行われている。
理由について、学芸課長の柳沢秀行さん(42)は、
「ここはもともと、素晴らしい作品を集めて、
市民に見せることを前提に始まった」

同美術館は1930年、実業家の故大原孫三郎氏が、
画家の児島虎次郎を支援、その収集作品を市民に公開するため、
国内初の西洋美術館として開設。

高度成長期やバブル経済期には県外客でごった返し、
88年の瀬戸大橋開通時には、有料入場者は年間120万人。
柳沢さんによると、この時に地元の客が離れてしまい、
ブームが去るに従って入場者数が激減。

反省から、小学校を無料で招待する「小学校まるごと美術館」や、
年間約4000人の未就学児無料受け入れなどの教育普及事業を
拡充し、数年前からは10年、20年後の同美術館を
共に支える学生への浸透に力を入れる。

「知識と理屈を持った大人に、どうアプローチしていくか、
試している最中」と柳沢さん。
昨年度の有料入場者数は約34万人、高階秀爾・四代目館長(77)は
「中高生や20、30歳代の若者の利用者が増え始め、手応えを感じる」

大原謙一郎理事長(68)は、「客集めの企画をやれば、
入館者は増えるだろうが、受け継がれてきた
『価値と風格を持ち主張する美術館』の志は譲れない」と強調。

ボランティアの観光ガイド萩原やす代さん(61)は、
「昔の専門的な展示に比べ、かなり分かりやすくなった」

来年は開館80周年。
社会貢献の先頭を切ってきた老舗美術館の奮闘が注目。

チルドレンズ・アート・ミュージアムは、8月22、23日に開かれ、
小中学生は入館料が半額(250円)。
大原美術館((電)086・422・0005)。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20090730-OYT8T00218.htm

マクロファージエラスターゼはマウスのマクロファージ内で細菌を殺菌

(2009年7月30日 Nature)

マクロファージエラスターゼは、マクロファージ内で細菌を殺菌

マクロファージは、肺や腹腔などの多くの臓器で
病原体侵入に対する第一次防衛線として機能するように
適切に配置され、その貪食および微生物を排除する
能力についてはよく研究されている。

マクロファージは、活性酸素種、一酸化窒素や
抗微生物タンパク質などの細菌を殺すことができる数種の物質をもつ。
マクロファージ由来のプロテイナーゼが
マクロファージの抗微生物的性質に寄与しているのではないか。

マクロファージエラスターゼ
(マトリックスメタロプロテイナーゼ12、MMP12)は、
成熟した組織マクロファージにもっぱら発現している酵素、
また肺気腫を含むいくつかの病気の進行に関係があるとされ、
MMP12の生理学的な機能については報告がない。

Mmp12−/−マウスは、腹腔や肺などのマクロファージに富む
侵入路を介して、グラム陰性およびグラム陽性細菌を
攻撃投与した際、両方の菌について細菌排除が低下、
致死率が増大することを明らかにする。

細胞内に貯蔵されたMMP12は、細菌性病原体の取り込み後、
マクロファージのファゴリソソームへと移動。
ファゴリソソーム内に入ったMMP12は、細菌の細胞壁にとりついて、
細胞膜を破壊し、その結果細菌が死滅する。

MMP12の抗微生物性は、その触媒ドメインではなく、
カルボキシ末端ドメイン内に存在する。
このドメインには、独特な4つのアミノ酸配列がタンパク質の外側に
露出しているβループ上に存在し、
これが観察された抗微生物活性に必要。

今回の研究は、マトリックスメタロプロテイナーゼによる
直接的な抗微生物活性についての最初の報告、
配列的にも構造的にも、独自の性質をもつ
新規抗微生物ペプチドについて記述。

http://www.m3.com/news/SPECIALTY/2009/7/30/105257/

2009年8月7日金曜日

アンジェリーナ・ジョリーさん、イラク避難民キャンプを訪問

(CNN 7月24日)

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の親善大使を務める
米女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが、
イラクの首都バグダッド郊外に設けられた避難民キャンプを訪問。

キャンプには、宗派間抗争などで家を追われた
イラク人約2万人が暮らしている。
ジョリーさんが、同国を訪れるのは3度目。

昨年2月に比べ、避難民の環境に多少の改善がみられる一方、
「生活必需品はすべて不足。
水道の供給もようやく始まったばかり。
人々はれんがで手作りした建物の中で、土の上に寝ている。
ここには雇用機会もない」と指摘。

ジョリーさんは、米軍戦闘部隊がイラクの都市部から撤退した
今こそが「最も重要な時期」だと強調。

「ほかにも多くのことがニュースの見出しを飾っているけれど、
『では次へ行こう』という気持ちになってはいけない。
ここでは、今も罪のない家族が避難生活を強いられ、
たくさんの米軍兵が戦いを続け、これまでに多くの国の人々が
犠牲になってきた。
今こそ前向きの変化を起こさなければ」

次に訪れる時までに、避難民がUNHCRの支援で
自分たちの土地に家を建て、そこで暮らしていることを願う、と述べ、
資金不足の問題にも言及。

「今年のUNHCRの資金は、必要な額の半分。
すべての住まいを建設するのに、十分な支援が得られていない」と、
国際社会の協力を求めた。

http://www.cnn.co.jp/showbiz/CNN200907240021.html

三陸地方都市建設協総会 「道路に予算確保を」

(東海新報 8月1日)

岩手と宮城両県の県際五市町で組織する
三陸地域地方都市建設協議会総会が開かれた。

三陸縦貫道をはじめとした整備促進運動の継続を確認、
道路特定財源が一般財源化された中、
計画的な道路整備への必要予算確保などを求める決議。

同協議会は、三陸地域の総合的な開発や環境整備を
推進しようと、昭和37年発足。

大船渡市、陸前高田市、住田町、気仙沼市、本吉町の
首長と議会議長で構成。

総会には、協議会役員のほか国土交通省東北地方整備局、
県大船渡地方振興局土木部の職員ら約30人が出席。

会長を務める甘竹勝郎大船渡市長は、
「三陸縦貫道整備など、目に見える形で大きな成果が生まれている。
さらなる進捗のほか、各地域における諸課題解決に全力を注ぎたい」、
齊藤廣見三陸国道事務所長も祝辞。

議事に入り、20年度事業報告とこれまでの要望活動の経過を報告。
20年度収支決算を認定、21年度の事業計画と収支予算を承認。
道路整備促進に関する決議案を了承。

決議では、今年度からの道路特定財源の一般財源化をふまえ、
「地方が必要とする道路整備を、安定的に推進できるものにしなければ、
地域住民の安全・安心に対する不安の高まりが懸念」

「計画的な道路整備に必要な予算の安定的確保を図るとともに、
三陸縦貫道などの早急な整備を」と求めている。

役員改選では、会長職は、「構成市による2年ごとの持ち回り」、
鈴木昇気仙沼市長が新たに就任。
来月、同市と合併する本吉町議会の高橋清男議長から、
「構成市町に南三陸町も入れるべきでは」との提案、
同町の意向も把握しながら今後協議。

総会後、「三陸の道路に関する最近の話題について」と題し、
齊藤所長が講演。
三陸縦貫道の進捗状況などを取り上げて解説。

http://www.tohkaishimpo.com/

中国奥地の黄砂、13日で地球一周 九州大などの研究

(朝日 2009年8月1日)

中国奥地のタクラマカン砂漠で空高く巻き上げられた黄砂が、
13日ほどで地球を一周することを、
九州大や東京大、国立環境研究所など日米中の研究グループが
初めて突き止めた。

地球温暖化や海の生態系に影響を与えている可能性もある。
英科学誌「ネイチャー・ジオサイエンス」(電子版)に掲載。

九州大の鵜野伊津志教授(環境気象学)らは、
07年5月、中国のタクラマカン砂漠で発生した砂嵐によって、
高度10キロほどに巻き上げられた砂の動きを、
米航空宇宙局(NASA)の人工衛星カリプソの観測データを使って追跡。

アジアから北米、欧州へ吹く偏西風と砂の動きを、
コンピューターシミュレーションで分析、
巻き上げられた砂の一部が地球を13日間かけて一周した。

これまで北米や欧州で黄砂が観測されたことはあったが、
地球一周が確認されたのは初めて。

地球一周の間、高度10キロほどで薄い氷の雲を作るもとになって、
地球を温暖化させる働きをしたり、砂に含まれていた鉄分が
太平洋中央部に落ちて植物プランクトンの栄養になったりする
可能性があることもわかった。

鵜野教授は、「地球温暖化や海洋生態系に影響を与える可能性がある」
春先に日本に飛来する黄砂は、
タクラマカン砂漠とは異なる場所で発生し、
上昇する高度も低いため、地球一周はしない。

http://www.asahi.com/science/update/0801/SEB200908010001.html

学びの情報基地(1)動物園や博物館、教育普及へ連携

(読売 7月29日)

美術館や動物園を含めた、様々な博物館による
教育普及活動が広がりつつある。

樹木の途中に置かれたご飯入りの竹筒をとろうと、
マレーグマが指先からツメをのばして登り始めた。
「うわぁー」、「忍者みたい」、「かわいいね」と歓声。
上野動物園動物解説員の小泉祐里さんが、
「ツメの動かし方を見て下さいね。歩き回っている時、
足の裏や足の運びもよく観察してください」

上野動物園、国立科学博物館、東京国立博物館で、
セミナー「上野の山でクマめぐり」が開かれた。
ライオンめぐり、ゾウめぐりに続き、今年で3回目。

ホッキョクグマ、マレーグマ、ヒグマ、ツキノワグマの生態を観察し、
歩いて数分の科学博物館へ。
クマ7種のあご骨などを見ながら、同館動物研究部研究員の
川田伸一郎さん(36)から、歯やあご、手や足の特徴などの話を聞く。

「ツキノワグマが木の実を食べている時はどうでしたか?」、
「マレーグマの足骨はこんな風に曲がるんでしたね」

東京国立博物館では、神辺知加研究員から説明を受け、
熊毛とみられる材料を用いたよろいかぶとや、
金太郎とクマが描かれた日本の絵、
クマをかたどった中国の皿やツボなどを鑑賞。

動物園の小泉さんが再登場。
「絵の中のツキノワグマに注目して下さい。
描かれている左足の後ろのでっぱりが、本物にはない。
昔の人が、十分クマを見切れていない部分もある」

一般参加者30人に、3館園の動物解説員、研究員らが同行、
自らの専門知識を披露するという連携プレー。

主婦、田中瑞生さん(60)は、「骨格標本の比較も初めてだし、
クマという一つのテーマに沿って、いろんな見方ができ、勉強に」

美術館、動物園、水族館を含む博物館の世界では、
展示、収集・保存、研究が主要な業務。
資料収集の資金が不足し、展示だけでは集客がおぼつかないことや、
博物館の社会貢献を積極的に推し進めてきた欧米の影響により、
教育普及に力を注ぐことで存在意義を高めようとする
ケースが増えている。

科学博物館は、いち早く「開かれた博物館」というテーマを掲げ、
科学を一般人にわかりやすく伝えるサイエンス・コミュニケーターの
養成実践講座をはじめとした、学習支援制度の充実ぶりは有名。

東京国立博物館も、各種講演会、講座、
ボランティアガイドツアーなどを開催。
動物園や水族館は、展示自体に教育的な意味合いがあるが、
上野動物園では2006年から、見ている動物についての
関連情報が得られる「ユビキタス携帯端末」を貸し出すなど工夫。

博物館の垣根を超えた連携も広がり始めた。
国際博物館会議(本部・パリ)が、1977年「国際博物館の日」
(5月18日)に、国内でも7年前から毎年5月、
多くの博物館が常設展入場無料を実施、地域連携イベントを開催。
「上野の山でクマめぐり」もその記念事業の一つ。
国立西洋美術館、東京都美術館など上野地区の9施設で
共同のイベントも行われた。
年間1億数千万人が訪れる大観光スポットながら、
館同士の連携は目立たなかった上野公園に、新しい息吹。

各地の博物館は今、どんな取り組みを進めようとしているのか。

◆展示物の魅力 学習効果期待

「いつでも、だれでも、自由に学べる」博物館。
生き物から標本、歴史資料や芸術作品まで、展示されている
実物の魅力や面白さを学ぶ「実物教育」の場。

博物館教育の活用は、小、中、高校の新学習指導要領にも
改めて位置づけられた。
各自の興味に応じた学習が可能で、カリキュラムに沿って
限られた時間で行われる学校教育とは異なる効果が期待。

財政難で閉館や業務縮小を迫られる館も少なくないが、
業績を利用者数だけで測れば、お楽しみイベントを集めた
テーマパークとなってしまう。
元上野動物園園長でもある中川志郎・日本博物館協会顧問(78)は、
「本来、文化・教育は金もうけの手段ではない。
地域に支えが得られるかがかぎではないか」

中国、韓国などアジア地域の博物館で、
「アジア博物館学会」を設立する動きも。
水嶋英治・常磐大学教授(52)は、
「壊さず保存する『石の文化』の欧米と、腐るためにいったん壊して
作り直す『木の文化』のアジアでは、博物館の在り方も違う。
アジアの視点を持つ学会を拠点に、
博物館教育の質をさらに向上させたい」

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20090729-OYT8T00299.htm

2009年8月6日木曜日

カンボジアの「エイズコロニー」、差別助長とNPOが批判

(CNN 7月28日)

カンボジア政府が、首都プノンペン郊外に
エイズウイルス(HIV)感染者を集めた集落をつくり、
感染者と家族を、それまで住んでいた場所から立ち退かせて
転居させているとして、人権保護団体が政府を批判。

この集落は、プノンペン郊外のトゥオル・サンボにあり、
地元では「エイズコロニー」と呼ばれている。
政府は、6月から感染者を転居、先週だけで20世帯を
それまで住んでいた場所から退去。

住居は、壁が薄く粗末なつくりで、清潔な水が出る水道もなく、
このような場所に感染者を隔離すれば、
偏見を助長するだけだ、とHIV感染者支援団体は指摘。

人権保護団体のヒューマン・ライツ・ウォッチは、
100以上の団体と連名で、カンボジアのフン・セン首相と
保健相あてに書簡を送付。

「カンボジア当局が、事実上の『エイズコロニー』を
形成していることを深く憂慮する。
トゥオル・サンボは仕事からも、医療機関からも、
支援サービスからも遠く離れ、感染者を転居させるのは
差別的かつ生存を脅かす」と批判。

感染者やその家族はこれまで、日雇いやバイクタクシーの運転手、
清掃などの仕事をして生計を立てていたが、
トゥオル・サンボでは仕事が見つかる見通しはほとんどない。

地元自治体の関係者は、英字紙プノンペン・ポストに対し、
トゥオル・サンボの問題については把握し、改善のための措置を
講じているとコメント。

転居させられた人は、家が借りられない不安はなくなったが、
薄い住居の壁を、刃物で切り裂いて泥棒に入られる事件が起き、
不安を感じる。

国連の統計によると、カンボジア国内のHIV感染者は
2008年現在で成人6万7200人、子供3800人。
減少傾向にあるものの、流行が繰り返される状況。

http://www.cnn.co.jp/science/CNN200907280017.html

インフル薬にお茶の力 カテキン加工、タミフルより効果

(朝日 2009年7月31日)

緑茶に含まれるカテキンを加工し、
インフルエンザ治療薬に応用する技術を、
大阪大学と横浜市衛生研究所の共同チームが開発。

季節性インフルエンザや鳥インフルエンザで、効果が確認。
感染を防ぐ作用もあり、鼻やのどに噴霧する予防薬への応用も期待。
製薬会社と実用化を目指す。

開発に利用したのは、緑茶に多く含まれている
エピガロカテキンガレート(EGCG)というカテキンの一種。
カテキンは茶の渋み成分で、EGCGがウイルスの働きを抑えるのは
以前から知られていた。
そのまま飲むと、体内ですぐに分解され、効果がなくなってしまう。

研究チームは、体内での分解、代謝を抑える作用のある
脂肪酸と合成することで、EGCGが分解されず、
ウイルスの感染や増殖を抑える技術を開発。

加工したEGCGを、季節性インフルエンザや鳥インフルエンザの
ウイルスに混ぜ合わせ、イヌの腎臓細胞にふりかけて感染力を調べた。
治療薬タミフルよりも約100倍、感染を抑える効果。

鶏の有精卵を使った増殖実験でも、何もしない卵12個では
中のヒナが70時間で4割、164時間で全数が死亡、
加工したEGCGを投与した卵12個では全数が生き残った。

作用を調べると、ウイルスが細胞に侵入するのを防いだり、
仮に侵入しても、ウイルスの遺伝子が増殖しない。

主任研究者の大阪大学の開発邦宏助教(有機化学)が、
08年に特許を出願。

製薬会社など数社から、治療薬やマスク、スプレーなど
商品化したいとの引き合いが来ており、現在交渉中。
数年内の実現を目指す。

開発さんは、「緑茶を飲んでも効果はないが、
開発した成分は高い効果があった。
作用からみれば、新型インフルエンザにも効果が期待。
茶葉から大量に抽出でき、安価で副作用も少ない」

http://www.asahi.com/science/update/0730/OSK200907300155.html

スポーツ21世紀:新しい波/312 Back Softball/5

(毎日 8月1日)

日本ソフトボール協会に、オランダで予定されていた
「ハーレム大会」が中止になると連絡が入ったのは、5月29日。

当初は、北京五輪の4強にオランダとイタリアを加えた
計6チームが参加し、6月下旬に実施される計画。

ソフトボールが、12年ロンドン五輪の実施競技から除外された
理由の一つは、「国際的な普及度が低い」こと。
16年五輪の実施競技を絞り込む、
8月中旬の国際オリンピック委員会(IOC)理事会を前、
人気や普及度が低いとされる欧州で開かれる国際大会。

関係者は、五輪復帰へ向けたアピールの場になると期待。
参加を呼び掛けられた国で、手を挙げたのは4強のうち日本だけ。
チームは出そろわず、主催者の資金調達も困難になって
中止が決まった。

日本協会の三宅豊総務委員長は、
「中止決定後も、日本代表を欧州に派遣、
欧州のオールスターと試合をやってはどうかと提案。
(IOC委員への)アピールという意味で、
単なる大会ではなかったのだが……」と振り返る。

国内でも、強化費を含めた資金確保は重要な課題。
JOCは、今年度の強化費配分方針を見直し、
競技団体の評価基準にアジア大会の成績も加味した。
五輪の成績を重視する従来の規定では、
非五輪競技は最低ランクに位置づけられるが、
アジア大会の成績も考慮すれば、ソフトボールを救済できる。

見直しの背景には、継続した強化が途切れると、
競技力の維持が困難になるという考え。

野球やサッカーといった人気競技のように、
資金に恵まれているわけではなく、
JOCの強化費に多くを依存しなくてはならないのが
ソフトボール界の実情。

「今年度、予定していた強化事業に影響は出ていない」
とする日本協会も、来年度以降どうなるかは未知数。

ソフトボール界は、手応えをつかめないまま第一の関門である
IOC理事会を待つ。
そこで出される結果は、国際的な競技力そのものに
影響を及ぼす可能性を秘めている。

http://mainichi.jp/enta/sports/21century/

2009年8月5日水曜日

牛糞で発電、年間20万ドルのコスト削減 米酪農家

(CNN 8月2日)

米ペンシルベニア州ピッツバーグ郊外で、
4代にわたって酪農を営むショーン・セイラーさん(36)が、
牛の排泄物「糞」を利用した発電装置を導入して約3年。

年間20万ドルのコスト削減に結びつき、
牛糞の臭いに対する苦情も減り、発電後の廃棄物を
腐葉土として販売できると、効能を力説。

セイラーさんの牧場では、約600頭の乳牛を飼育。
毎日、大量に出る牛糞を巨大なタンクに貯蔵。
バクテリアの力を借り、約2週間ほど「発酵」させてメタンガスを発生。
生じたメタンガスを燃やし、発電タービンを回し、電力を得る。

牛糞の発酵時、熱が発生し、この熱は建物の暖房や給湯器に利用。
発電した電気は、牧場全体で使うほか、近所の建物にも売電。
発電後に残った廃棄物は、肥料として引く手あまた状態。

発電システムの導入前、牛糞の臭いに対する苦情も多かったが、
現在、臭いそのものが98%近く減り、苦情はほとんどなくなった。

牛糞を利用した発電システムは、1970年代の石油ショック期、
米国で知られるようになった。
導入コストが高いため、なかなか手が出ない状態。

セイラーさんの牧場でも、ペンシルベニア州環境保護局が
60万ドルの補助金を出し、2006年に導入。

セイラーさんは今後、廃棄物を出さない、すべてのエネルギーを
自給自足することが目標。
牛糞のほか、使い終わった植物油を利用したバイオ燃料を
使っていきたい。

http://www.cnn.co.jp/business/CNN200908020015.html

インスリン分泌促すたんぱく質、神戸大教授ら発見

(2009年7月31日 読売新聞)

糖尿病治療に有効なインスリンの分泌を促す、
たんぱく質(Epac2)を、神戸大の清野進教授らが見つけた。
新たな糖尿病治療薬開発につながる成果で、
31日の科学誌サイエンスに発表。

これまで、膵臓のβ細胞にあるEpac2が、
インスリン分泌に関与することはわかっていたが、日本で最も多い、
100万人以上が服用する治療薬「スルホニル尿素薬(SU薬)」が
効くのは、Epac2とは関係ない仕組みと考えられていた。

清野教授らは、このSU薬が、従来の仕組み以外にも、
直接Epac2と結合することで、
インスリン分泌が促されることを突き止めた。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/7/31/105170/

市民力を鍛える(8)臓器提供学び 命考える

(読売 7月28日)

臓器提供を行う意味を、授業で教える学校が増えている。

新潟県上越市の市立頸城中学校に、
同県臓器移植コーディネーターの秋山政人さん(43)が出前授業。
2年生14人に、名刺大のカードを配る。
「これは、皆さんの権利を尊重する大切なものです」

臓器提供意思表示カード。
「自分が脳死になったら、臓器を提供したい」との意思を
生前に残す、一種の遺言書。
秋山さんは、病院で脳死になった人がカードを持っていれば
駆け付け、家族に意向を尋ねる。

「脳死というのは、心臓は動いているけど、頭が死んでしまった状態」
授業では、パソコンで図を見せながらやさしく説明。
「世の中にはこんなこともあるんだなって程度でも、
理解してもらえればうれしい」と締めくくった。

秋山さんが働く同県臓器移植推進財団は、
出前授業を2年前に始めた。
現行の臓器移植法では、臓器提供できるのは15歳以上。
「中学生から移植について知ってもらいたい」と、
中学・高校延べ12校に出向いてきた。
同様の講師派遣は、栃木、茨城県などでも行われている。

15歳を迎える中学3年生への啓発のため、
厚生労働省は2004年度、パンフレットを作り、
毎年全国の中学校に送っている。
中学の学習指導要領は、臓器移植の授業まで求めておらず、
どの教科で教えるかも学校任せ。

同省が行ったアンケートによると、パンフを配るだけの学校が約7割。
「生命倫理の話は難しく、学校もどう教えていいか迷っているのでは」と
峰村芳樹・同省臓器移植対策室長。

トキワ松学園中学・高校では、「いのちの教育」の授業の一環として
臓器移植を取り上げている。
2000年から、中1~高2の保健で、人間の誕生、病気、老い、死の
「生老病死」を学び、臓器移植は高2で3か月間勉強。
佐藤毅教諭(35)は、「臓器移植の教育は、
保護者にも賛否両論あるので、いきなり『死』を教えるのは避けた。
まず『生』から学ばせ、いろんな意見を認め合う形にした」

生徒には、家族と話し合うよう指導。
高3の河南華さん(17)は、「母も私も、自分が脳死になったら
臓器提供したいけど、家族の提供には反対という意見だった」

小学4、5年生に、保護者と一緒に臓器移植を学ばせる学校。
長崎県諫早市の市立みはる台小学校の山下泰子教諭(47)は、
移植患者や大学病院の医師らを講師に招き、
親子で「命の大切さ」を考えるきっかけを作っている。

「親も子どもの死など考えたくはない。
でも万が一の時、本人の思いを尊重してあげられるように、
日頃から話し合ってもらいたい」と山下教諭。
命は、自分だけのものではないことを理解させるための教材として、
臓器移植が活用されている。

◆臓器移植法

脳死者から臓器が提供される要件などを定めた法律。
1997年施行の現行法の運用指針は、提供できる年齢を
15歳以上と定めたが、乳幼児が国内で移植を受けられない問題。
今月13日に改正法が成立、年齢制限を撤廃。
改正法は来年7月に施行、15歳未満も家族の同意があれば
臓器提供できるようになる。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20090728-OYT8T00239.htm

2009年8月4日火曜日

遠隔診療のキット開発 医師不足や医療格差に対応

(2009年7月28日 共同通信社)

医師不足や医療の地域格差に対応していくため、
東北大の吉沢誠教授(生体制御工学)のグループが、
情報通信技術(ICT)を使った遠隔診療を可能にするキット
「電子診療かばん」を開発。
厚生労働省の認可を待って、2011年度までの製品化を目指す。

キットには、超音波装置、血圧計、心電計などの医療機材と、
ビデオカメラ、パソコン、携帯電話などの通信機器が詰められ、
手軽に持ち運びできる。

看護師が、キットを持って患者宅を訪れ、医師と連絡を取りながら、
(1)心電図や血圧などを測定
(2)医療情報を携帯電話やパソコンで送信
(3)ビデオカメラなどを介して病院の医師が診療-という流れで、
医師が少ない地域などで多くの患者への対応が可能。

救急医療の際、救命士が測定したデータを医師に送ることで
的確で素早い診断を仰ぎ、災害地や高齢者施設、
学校などでの医療に活用できる。
診断に基づき、医薬品処方も実現したいとしている。

患者と接する看護師の行為が、医師法が禁じる
「医師以外の医業」に抵触しないと、
厚労省に認めてもらうことなどが課題。

吉沢教授は、「今後実験によって、キットを用いた遠隔診療の
有効性を証明していきたい」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/7/28/105013/

市民力を鍛える(7)ゲーム通し世界へ視線

(読売 7月25日)

子どもに世界とのつながりを感じてもらうよう、努力している学校。

大阪市立南高校のゼミナール室で、1年生9人が
「ケニア人生すごろくゲーム」に興じていた。
マラリアや栄養失調、失業などのマス目に止まる度に、1回休みになる。
「また失業した」、「休みがやたら多いな」

ゲームは、地理Aの授業の一部。
「ケニアでは、小学校を中退するのも普通だし、貧しさからスラムで
犯罪に巻き込まれることもある。
未来が断ち切られてしまうことこそが、貧困やねんで」
すごろくを考案した辻良隆教諭(51)が狙いを説明すると、
生徒たちは一変して神妙な顔つきに。

一人一人に、アフリカの国名が書かれたカードが配られ、
それぞれどうやったら幸せになれるのか、3学期にリポートを提出。
徳田鮎美さん(16)は授業後、「日本で当たり前な事も、
家庭環境で左右されてしまう厳しい世界。
もっと深く知りたいと思った」と感想。

辻教諭が授業を始めたのは、2003年度、国際協力機構(JICA)の
研修で、ケニアを視察したことがきっかけ。
以後、持続発展教育(ESD)の考え方を取り込んだ
国際理解教育を実践。
「日本の物差しが通用しない世界があることを知り、
自分の問題として考えられることが大事」

難しいのは、アフリカの国々を身近に感じてもらうこと。
授業では何度も、自分自身の体験を交えるようにしている。
「ゲームをやって、『アフリカは大変だね』で終わらせたくない。
その国の人の気持ちになって、貧困解決に向けて学んでいくことで、
地球市民として生きる力を育みたい」

持続発展教育の実践は、海外事情を知ることだけではない。
三重県伊勢市立五十鈴中学校は、生徒が地元の特産品
「松阪木綿」で作ったきんちゃくやコースターなどを販売し、
利益をカンボジアの地雷除去のために活動しているNPOに寄付。

商品製作から販売までを、架空の企業「株式会社いすず」が
行う設定にしているのが特徴。
良い製品を安い価格で消費者に提供し、利益を寄付することで
企業の社会的責任や持続発展教育の概念を体験。
社長役を務める家庭科の西村朱美教諭は、
「企業はもうけるだけ、と思っていた生徒にとって驚きだったようだ」

昨年は、学校の活動を知った靴メーカーの協力で、
松阪木綿を表地に使ったスニーカーを製作してもらい販売。
今年は、南青山で開かれた「チャリティーアート展覧会」に
出展するなど活動が広がっている。
「自分たちの活動が地域から東京、そして世界に広がっていくことで、
自分が一人で生きていないこと、他人に支えられて生きていることを
感じてほしい」と西村教諭は期待。

◆持続発展教育(ESD)

環境保全や貧困の克服、差別の撤廃など、将来に損失を与えずに
現在の社会づくりを行う考え方を教えること。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20090725-OYT8T00259.htm

古橋広之進さん死去:復興のシンボル 国民勇気づけ

(毎日 8月2日)

競泳自由形で驚異的な世界新記録をマークした、
元水泳選手の古橋広之進さんが2日に急逝。80歳。

男子四百メートル、千五百メートル自由形などで、
33個もの世界新記録を樹立、米国メディアから
「フジヤマのトビウオ」と称賛された古橋さんは、
戦後の復興のシンボルとして、国民を勇気づけた。
現役引退後、JOC会長などを務め、日本スポーツ界の土台を築いた。

戦後の復興期、日本は戦争責任を追及、五輪に参加できなかった。
1948年のロンドン五輪。五輪の競泳決勝と同じ日程で開催された
日本選手権で、古橋さんは四百メートル自由形で4分33秒4、
千五百メートル自由形で18分37秒0をマーク。

ロンドン五輪優勝者や当時の世界記録をも上回る活躍に、
多くの国民は胸のすく思いだった。

国際水泳連盟が日本の復帰を認め、
49年の全米選手権に招待された古橋さんは、
四百メートル、八百メートル、千五百メートルと自由形3種目で
世界新記録を連発。
米国メディアは、尊敬の意を込め「フジヤマのトビウオ」との
ニックネームを贈った。

90~99年まではJOC会長として、92年バルセロナ、
96年アトランタの両五輪で日本選手団団長を担った。
08年10月、五輪経験者では初の文化勲章を受章。
「スポーツの社会的価値を高めたい」と願ってきただけに、
喜びはひとしおだった。

今年6月、日本水泳連盟は競泳日本代表の愛称を
「トビウオジャパン」に決めたと発表。
「躍動感に満ちあふれた泳ぎで、世界に羽ばたいてほしい、
という願いが込められている気がする」とコメントした古橋さんの思いは、
日本競泳界に引き継がれている。

http://mainichi.jp/enta/sports/general/news/20090803k0000m040082000c.html

2009年8月3日月曜日

すべての電力を再生可能エネルギーに ツバル

(CNN 7月21日)

南太平洋に浮かぶ島国のツバルは、2020年までに、
すべての電力を再生可能エネルギーからの発電に切り替える計画。
ツバルは、海抜が最も高い部分で4.5メートルしかなく、
地球温暖化に伴う海面上昇の影響が懸念。

プロジェクトは、地球温暖化防止を目指し、
関西電力など主要8カ国の電力会社10社でつくる
非営利組織(NPO)の「e8」が支援。
ツバル政府は、目標達成にかかる予算として約19億円相当を見込み。
プロジェクト第1弾として、同国最大のサッカー競技場の屋根に、
太陽光発電パネルを設置、首都フナフティで使う電力の5%の供給。

e8の試算では、ソーラースタジアムを1年2カ月稼動させれば、
ニュージーランドから輸入する発電用燃料の消費を
1万7000トン削減、CO2排出量を50トン削減できる計算。
周辺の珊瑚礁の被害も、食い止められる見通し。

次の段階として、国を構成する島の1つ、
バイツプ島の中学校への太陽光発電システムの導入が計画。

http://www.cnn.co.jp/science/CNN200907210020.html

肥満関連支出、年14兆円 米、総医療費の9%超

(2009年7月28日 共同通信社)

肥満が社会問題となっている米国で、
肥満関連の病気で支出される医療費は総医療費の9%を超え、
2008年には年間1470億ドル(約14兆円)になったと推計、
米疾病対策センター(CDC)などの調査で明らかに。

政府支出のほか、保険会社からの支払いも含む金額。
議会で行われている医療保険改革をめぐる論議でも、
肥満への取り組みが焦点の一つ。

米国では、体格指数(BMI)が30以上を「肥満」と定義。
1980-2004年に肥満の割合が倍増、
05-06年のデータでは成人の34%が肥満。

肥満は、心臓病や糖尿病、脳梗塞などのリスクを高める。
CDCによると、総医療費に占める肥満関連の割合は、
98年は6・5%、06年には9・1%に上昇。

標準的な体格の人に比べ、肥満の人は年間1429ドルも
多く医療費を支出している。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/7/28/105012/

トヨタに勝るノキア生産方式の底力

(日経 2009-07-30)

携帯電話機最大手のノキア(フィンランド)が、復活の兆し。
景気悪化による需要縮小と、韓国メーカーの攻勢で昨年以来、
業績が落ち込んでいたが、今年4~6月期決算では、
前の期に比べて大きく改善。

そのエンジンとなったのが、ノキア独自の生産・販売方式の“再点火”。
危機を経て、原点に立ち返ったノキアが、再び攻勢に転じる。

ノキアのオリペッカ・カラスブオ最高経営責任者(CEO)は、
「厳しい状況にもかかわらず、ノキアは底堅い業績を示した。
市場シェアは、わずかながら上昇。
市場回復の兆しもあり、追い風が吹き始めている」

ノキアが発表した業績は、純利益が前年同期比73%減の
2億8700万ユーロ(約380億円)。
大幅な減益には違いない。
今年1~3月期の純利益が、同99.7%減の400万ユーロと
最終赤字転落寸前まで追い込まれたのに比べ、大きく改善。

市場シェアも38%と、08年第2四半期の40%からは落ちたが、
今年の第1四半期の37%からは上昇。

特に、携帯電話機の販売台数は前の期よりも10.7%増の
1億320万台、念願だった1億台の大台を回復する伸び。
多くの点で、前年同期より少ないが、前の期と比較すれば増加傾向。
これらの状況から判断すると、
ノキアの業績は今年第1四半期が底で、第2四半期は回復の過程に。

回復の要因となったのが、「量への回帰」。
英国では、「バイ・ワン・ゲット・ワン・フリー(1台買えば、2台目はタダ)」
という販売キャンペーン開始。

安売りに走れば、泥沼の値引き合戦になる可能性もあったが、
市場の動向を見極め、ある程度単価が下がるのは織り込んだ上で、
一気に攻勢に出た。

販売単価は62ユーロと、1年前から12ユーロ、
前の期に比べても3ユーロ下落。
欧州でライバルとなるソニー・エリクソンが122ユーロと高水準で、
前の期から比べ2ユーロ上昇したのとは対照的。

この1年、人員削減などリストラで体質改善に努め、それも一段落。
好機とみて、年後半にかけて、さらに販売攻勢に出る。

世界最大の携帯電話機メーカー、ノキアの強みはコスト競争力。
「量」を確保すれば、調達や生産で大きなアドバンテージ。
単価が落ちても、それ以上のコスト削減が見込める。
量を増やすだけでなく、基本ソフト(OS)は3種類に集約。
毎年新機種だけで50~60機種、全体で150機種以上もある。
量産効果を発揮するとともに、商品の生産を簡単にした。

最終の組み立て工場は、ほぼ自社所有。
ライバル他社に、付加価値が低いとみて最終組み立て工程を
外部委託する社が多いが、ノキアは
「迅速に、効率よく、無駄なく生産するには、自社生産が不可欠」
(ユハ・プッキランタ上級副社長)として、自社工場にこだわる。
主力ではないCDMA規格の商品や季節要因で、
一時的に増産が必要の際は外注するが、全体の2割程度。

量を生かす「規模の経済」を、より効果的に実現するための司令塔が、
ノキア独自の「ディマンド・サプライ・ネットワーク(DSN)」。
サプライヤーと工場、本社や販売店など、総合的ネットワークで結び、
在庫を圧縮すると同時に、販売店への商品供給を迅速に行う。

アルゼンチンの販売店から注文を受け、中国のサプライヤーに
部品を発注し、メキシコの工場で生産する手はずを整えるのがDSN。
アルゼンチンの販売店に商品が届くまで、約2週間。
これはほぼ最悪のケースで、通常はもっと短い期間で商品を供給。
そのリードタイムは、業界で最も短いと評される。

米調査会社AMRリサーチによると、全業種を対象にした
サプライチェーン・ランキングで、ノキアは2007年、
長くトップに君臨していたパソコン大手のデルを抜いて1位。
08年、アップルにかわされ、2位となったものの、
携帯電話機の専業メーカーでは断トツ。
生産方式で日本を代表するトヨタ自動車や、
スーパー大手の米ウォルマート・ストアーズをしのぐ強さ。

供給(サプライ)面に加え、DSNのもう1つの強みが、
需要(ディマンド)予測。
販売現場と協力し、需要予測を立て、効率的な生産につなげる
「CPFR(協調立案による予測と補充)」という考え方を導入。
小売業界で広まりつつあった先端手法を、携帯電話機業界に
いち早く持ち込み、正確な需要予測と製品供給に役立てた。

POS(販売時点情報管理)などの情報や企業戦略を、
販売店などに積極的に公開して共有、ともに販売戦略を練る手法。
ノキアが2005年、工場を建設し、いち早くインドに進出、
販売網を整備した上で、同国の携帯電話機市場を席巻したのも、
CPFRを活用した需要予測が大きな役割を果たした。

「ノキアの怖さは、需給両面にあるが、特に需要予測はまねできない」
と、ある日系電機メーカーの幹部。
ノキアが需要予測を基に、本格的に動き出したとしたら、
市場シェア40%を握っていた時代以上の力を持つことも。
「巨人」と称されたノキアが、さらに大きくプレゼンスを強めて
復活を遂げる日も近いかもしれない。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/ittrend/itt090729.html

放射性炭素年代測定法:C14濃度に局所的むら 「箸墓は卑弥呼の墓」説に難題

(毎日 7月28日)

放射性炭素(C14)年代測定法は、どこまで確かな年代を出せるか?
国立歴史民俗博物館の研究グループが、
卑弥呼の墓とする説がある箸墓古墳の築造年代を推定した
科学手法の現状と課題を探った。

炭素原子(C)は、C12、C13、C14という三つの同位体。
C14は、時間とともに窒素に変化するが、
宇宙線の作用で、同じだけのC14が窒素から生成、循環し、
大気中の二酸化炭素やそれを取り込み、生物が持っている炭素の中で、
C14が占める比率(C14濃度)は一定を保つ(約1兆分の1)。

遺物では、新たな炭素の取り込みがなく、C14だけが減少、
C14濃度を測定することにより、死滅後の年数がわかる。

加速器質量分析(AMS)法の導入によって、微量の試料で測定でき、
考古学的な編年の物差しである土器の付着炭化物(こげやすす)を
測定する方法が、90年代に開発。
歴博が、箸墓の年代推定に用いたのもこの方法だが、
何によってできた炭化物かがわかりにくいという難点。

大気中で生成されたC14が、CO2の形で海に溶け、循環するには、
時間がかかり、海洋生物が持つC14濃度は陸上生物より低い。
C14濃度が低く、海産物のC14年代は全海洋の平均で、
年によって最大約400年も古くなり、
海洋深層水が上昇している海域では、さらに古い値に。

名古屋大学の宮田佳樹・研究機関研究員は、
同一の地層から出土した炭化材、貝類、海生動物の骨、
土器付着炭化物を測定。
遺跡の年代を示す炭化材より貝類が古く、
水深約50メートルまで潜り、表層の魚を捕るウミスズメはさらに古く、
水深約200メートルまで潜って深層の魚を食べるニホンアシカは
さらに古いC14年代を示した。
深くなるほど、海水のC14濃度が低くなる。

土器付着炭化物の中には、ニホンアシカよりさらに100年以上
古い年代を示すものがあった。
何らかの化学変化で、土中の古い炭素を吸収したためとみられるが、
詳しい原因は未解明。

大気中のC14濃度も、C14を生成する太陽の活動によって
年ごとに変化している。

C14年代法研究をリードしてきた名古屋大学の中村俊夫教授は、
大気循環の変化により、C14濃度に局所的なむらができる、
という最近の研究を紹介。
樹木年輪と照合して作成した国際標準のデータベースで、
C14年代を実年代に直すと、日本では古墳出現期を含む
1~3世紀に、最大約100年古くずれる。
歴博グループが用いた日本産樹木年輪による
日本版データベースの完成と検証、公開が待たれる。

古墳研究をリードしてきた白石太一郎・大阪府立近つ飛鳥博物館館長は、
C14年代法の実用性を認めつつ、
年代データを利用する考古学の側の問題を指摘。

箸墓の築造年代は、同時期とみられる古墳に副葬された
鏡の年号や型式編年をもとに、240~290年と考えられている。
歴博グループが、周濠から出土した布留0(ふるゼロ)式土器の年代を、
「240~260年」と推定したのはこれと矛盾しない。

同じ型式の土器が、築造の初期段階とみられる土取り穴から出土し、
周濠から出土したから築造直後の年代であるとして、
箸墓は卑弥呼(247年ごろ死亡)の生存中に築かれた
「寿陵」だった可能性がある、
とまで論じているのは全く根拠がないと批判。

土器は、1型式に20~30年の幅があり、
2型式が併存することもある。
C14年代法は、条件がよくても20~30年の測定誤差があり、
正確に実年代に直す方法は研究の途上。
数年刻みの目盛りではないという、それぞれの方法上の限界を
踏まえてこそ、考古学と自然科学の実りある共同作業になる。

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2009/07/28/20090728dde018040026000c.html

2009年8月2日日曜日

ストレスが子供の喘息を引き起こす可能性

(2009年7月27日 WebMD)

ストレスが多い家庭の子供は、交通による大気汚染、
受動喫煙等の環境的誘因に関連した喘息のリスクが高い
可能性があることが、新しい研究で明らかに。

排気ガス汚染に日常的に曝露されている子供のうち、
ストレスが最高度の家庭の子は、低度の子に比べ、
喘息発症率が50%高かった。

サザンカリフォルニア大学(USC) Keck医学部のRob S. McConnellは、
環境的誘因が存在しない場合、ストレスは喘息リスクに
大きな影響を及ぼさなかった。
「汚染が肺の炎症作用を引き起こし、炎症は喘息の基本的な特徴」
「ストレスにも炎症誘発作用があり、ストレスと大気汚染の影響が重なると、
いずれか一方よりも悪化」

この試験は、大気汚染が呼吸器の健康に及ぼす影響を検討する
大規模試験に参加した、約2,500例の年齢5-9歳の小児を対象。
参加時、喘息または喘鳴の証拠があった小児はなく、
3年間にわたり全例が経過観察。

小児のストレスマーカーとして、親が子供のストレスレベルを調査する
質問表への記入を行った。
受動喫煙、家庭の特徴、親の教育レベル(社会経済的地位の指標)
等の情報も収集。
3年間の試験期間中、120例が喘息を発症。

ストレスのみでは、喘息リスクの上昇は認められなかったが、
ストレスの多い家庭と交通による汚染が高度な居住地の組み合わせが、
居住地が交通渋滞地域のみの場合よりも、
大きい喘息のリスクファクターである。

母親が妊娠中に喫煙していた子供も、
家庭環境にストレスが多い場合、喘息発症率が高かった。
「複数の原因があるこの複雑な疾患に寄与する因子について、
いくつかの新しい手がかりが得られる」

喘息の有病率は、1980~1994年に75%増加し、
年齢5歳未満の小児における喘息有病率は
この数年間で160%以上増加。

全世界では、3億人が喘息であると推定、
2025年まで4億人に増加すると世界保健機関は予測。

喘息研究者であるノースカロライナ大学のDavid B. Pendenは、
排気ガス、たばこ煙等の環境汚染物質への曝露が
喘息患者の喘息症状を誘発する。

汚染物質への曝露が、喘息発症に何らかの役割を果たしている
エビデンスも増加しつつある。
「免疫機能に関連した多くの異なる疾患における
ストレスの役割について、多くのことがわかり始めている」とPenden博士。

ハーバード大学Beth Israel Deaconess Medical Centerの
研究者らによる研究で、ストレスと幼児の喘鳴および
他の喘息リスクファクターの増加との関連が認められた。
「ストレスが疾患に及ぼす影響について、解明されていないことが多いが、
それでもこのデータは説得力のあるもの」とPenden博士。

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http://www.m3.com/news/SPECIALTY/2009/7/27/104970/

低炭水化物食と低脂肪食がII型糖尿病患者の体重、A1Cに及ぼす効果に差はない

(2009年7月27日 Medscape)

「Diabetes Care」7月号の報告で、
低炭水化物食がII型糖尿病患者の体重、
ヘモグロビンA1C(A1C)値に及ぼす効果は、
低脂肪食とほぼ同じであるが、低炭水化物食摂取の方が、
1年後の高比重リポ蛋白(HDL)コレステロール値が増加。

Albert Einstein College of Medicine of Yeshiva Universityの
Nichola J. Davisらは、
「II型糖尿病患者の最適な減量法に、見解は一致せず、
減量と血糖コントロールを達成の最善の食事法は不明」

「糖尿病のない者の試験では、低炭水化物食による減量結果が
他の食事療法と同等または低炭水化物食が減量に有効で、
American Diabetes Associationの最新のガイドラインに、
短期間減量には、カロリー制限した低炭水化物食、低脂肪食が有効」

目的は、II型糖尿病の肥満成人105例を対象、
減量、血糖コントロールに対する1年間の低炭水化物食、
低脂肪食の効果を比較。
主要評価項目は体重、A1C値、副次評価項目は3ヵ月、6ヵ月、12ヵ月
時点の血圧、脂質プロフィール。

体重減少は、低炭水化物群の方が低脂肪群より早期にみられ、
体重、A1C値が最も低下したのは最初の3ヵ月間。
12ヵ月時点の体重減少率は、両群とも3.4%と差がなく、
両群ともA1C値に有意な変化なし。血圧に影響なし。
低炭水化物群では、低脂肪食群に比して
HDLコレステロール値は大幅に増加。

University of Connecticutの栄養学教授Maria-Luz Fernandezは、
「低炭水化物食で、HDLコレステロールが増加。
これは、低炭水化物療法で非常に一貫した結果。
糖尿病患者では、HDLコレステロール値が非常に低く、
きわめて重要な臨床的意味合いがある」

この試験には、低脂肪群の方が低炭水化物群より
ベースラインの体重が重いこと、ある1日の食事の記憶、
1日の食事記録によって食事摂取を評価したことにより
バイアスが生じた可能性があること、
身体活動を客観的に評価していないこと、といった制約。

「II型糖尿病の肥満患者では、12ヵ月間の低炭水化物食と低脂肪食で
体重、A1C値に有意差は認められなかった。
両群とも、体重は平均3.4%減少したが、A1Cは低下しなかった。
各食事療法の短期的な効果は持続的なものではない」

Dr. Fernandezは、「低炭水化物食を実践するのは、
炭水化物の量が非常に少ない場合には難しいが、
25%炭水化物食は難しくなく、糖尿病患者にはきわめて有用」

Dr. Fernandezは別の研究で、反応に性差があるか、
ベースラインでのHDLコレステロールが低値の場合に反応が異なるを
検討するための試験を実施するよう提言。

Diabetes Care. 2009;32:1147-1152.

http://www.m3.com/news/SPECIALTY/2009/7/27/104972/

子どもの朝読、家読推進 県教委がプラン

(岩手日報 7月27日)

「中2で1カ月4冊の読書」。
国民読書年を来年に控え、県教委はこんな数値目標を掲げた
「いわて子ども読書プラン2009」をまとめた。

活字離れが叫ばれる中、朝読書や全校読書を推進する
「朝読(あさどく)」と、家庭や地域が協力する「家読(いえどく)」で、
中2の月平均読書数を3冊から1冊増やす。

学校現場から、「ゆとり教育の見直しで読書に充てる時間は減っている」
との声も聞かれ、子どもを取り巻く読書環境の改善が求められている。

同プランは、5カ年計画。
08年度で終了した第1次プランでは、08年度の1カ月の平均読書冊数は
小5が9・9冊(03年度8・9冊)、中2が3冊(同2・4冊)、
高2が1・8冊(同1・3冊)と増加。

1カ月間、1冊も本を読まなかった児童生徒(08年度)は、
小5が1%(03年度2%)、中2で22%(同26%)、高2で33%(同49%)。
学年が上がるにつれ、広がる読書する子としない子の二極化は大きな課題。

プラン2009では、「本に親しむ環境づくり」に加え、
読書時間の確保などに取り組む。
学校での朝読書や全校読書を推進し、
子どもが読書の楽しさを感じるようにする。
親子で読書に親しむ家庭の取り組みや、教育振興運動など
地域での活動は「家読」という言葉に託した。

県教委生涯学習文化課の大月光康総括課長は、
「子どもが本に触れる機会を少しでも増やしたい。
そのため、学校、家庭や地域の取り組みが継続して行われるよう、
行政として支援していきたい」

学校現場から、「ゆとり教育からの転換で、授業時間は増えたものの
読書時間はなかなか確保できない。
児童生徒が、本に触れる時間を学校だけで増やすのは難しい」
(30代女性中学教諭)。

新プランでは、08年度を基準年に5年後の数値目標を設定。
月平均読書数は、小5が12・7冊、中2が4冊、高2は2・4冊。
不読者は小中をゼロに、高2は19ポイント減の14%に。

岩教組の菊池智尋書記長は、
「十分な読書時間が取れない学校のカリキュラム。教師の多忙化。
ゆっくりとわが子とかかわれない保護者。
読書推進には、幅広い環境の改善が必要。
良さの押しつけではない支援を期待したい」

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20090727_6

札幌市時計台、「機械遺産」に 128歳、今も現役

(朝日 2009年7月29日)

日本機械学会は、国内に現存し、歴史的に意義のある
「機械遺産」として、北海道の観光名所になっている
札幌市時計台の時計装置など、6件を新たに選んだ。
8月7日「機械の日」、芝浦工業大豊洲キャンパスで認定式を行う。

札幌市時計台は、1878年、札幌農学校の「演武場」として建設。
当初、小さな鐘楼がついていたが、1881年改修され、時計が設置。
同学会は、「設置当初の機構が現在も稼働しているという点で、
時計塔の機構部としては国内現存最古といえる」と評価。

機械遺産の認定制度は07年に始まり、今年が3回目。
文化遺産として大切に保存し、次世代に伝えていくことが目的。
これまで、初代新幹線0系車両、国産旅客機YS11など31件。

今年選ばれたのは、精米などに使われた旧峯岸水車場(三鷹市)、
歯車の歯切り加工をする親歯車ホブ盤HRS―500の
マスターウォームホイール(沼津市)、
国内最古の自家用乗用車「ロコモビル」(北海道北斗市)、
現存最古の国産乗用車「アロー号」(福岡市)、
機関車の向きを変える英国製50フィート転車台(静岡県川根本町)。

http://www.asahi.com/science/update/0728/TKY200907270460.html