2009年8月2日日曜日

ストレスが子供の喘息を引き起こす可能性

(2009年7月27日 WebMD)

ストレスが多い家庭の子供は、交通による大気汚染、
受動喫煙等の環境的誘因に関連した喘息のリスクが高い
可能性があることが、新しい研究で明らかに。

排気ガス汚染に日常的に曝露されている子供のうち、
ストレスが最高度の家庭の子は、低度の子に比べ、
喘息発症率が50%高かった。

サザンカリフォルニア大学(USC) Keck医学部のRob S. McConnellは、
環境的誘因が存在しない場合、ストレスは喘息リスクに
大きな影響を及ぼさなかった。
「汚染が肺の炎症作用を引き起こし、炎症は喘息の基本的な特徴」
「ストレスにも炎症誘発作用があり、ストレスと大気汚染の影響が重なると、
いずれか一方よりも悪化」

この試験は、大気汚染が呼吸器の健康に及ぼす影響を検討する
大規模試験に参加した、約2,500例の年齢5-9歳の小児を対象。
参加時、喘息または喘鳴の証拠があった小児はなく、
3年間にわたり全例が経過観察。

小児のストレスマーカーとして、親が子供のストレスレベルを調査する
質問表への記入を行った。
受動喫煙、家庭の特徴、親の教育レベル(社会経済的地位の指標)
等の情報も収集。
3年間の試験期間中、120例が喘息を発症。

ストレスのみでは、喘息リスクの上昇は認められなかったが、
ストレスの多い家庭と交通による汚染が高度な居住地の組み合わせが、
居住地が交通渋滞地域のみの場合よりも、
大きい喘息のリスクファクターである。

母親が妊娠中に喫煙していた子供も、
家庭環境にストレスが多い場合、喘息発症率が高かった。
「複数の原因があるこの複雑な疾患に寄与する因子について、
いくつかの新しい手がかりが得られる」

喘息の有病率は、1980~1994年に75%増加し、
年齢5歳未満の小児における喘息有病率は
この数年間で160%以上増加。

全世界では、3億人が喘息であると推定、
2025年まで4億人に増加すると世界保健機関は予測。

喘息研究者であるノースカロライナ大学のDavid B. Pendenは、
排気ガス、たばこ煙等の環境汚染物質への曝露が
喘息患者の喘息症状を誘発する。

汚染物質への曝露が、喘息発症に何らかの役割を果たしている
エビデンスも増加しつつある。
「免疫機能に関連した多くの異なる疾患における
ストレスの役割について、多くのことがわかり始めている」とPenden博士。

ハーバード大学Beth Israel Deaconess Medical Centerの
研究者らによる研究で、ストレスと幼児の喘鳴および
他の喘息リスクファクターの増加との関連が認められた。
「ストレスが疾患に及ぼす影響について、解明されていないことが多いが、
それでもこのデータは説得力のあるもの」とPenden博士。

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http://www.m3.com/news/SPECIALTY/2009/7/27/104970/

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