2009年8月6日木曜日

インフル薬にお茶の力 カテキン加工、タミフルより効果

(朝日 2009年7月31日)

緑茶に含まれるカテキンを加工し、
インフルエンザ治療薬に応用する技術を、
大阪大学と横浜市衛生研究所の共同チームが開発。

季節性インフルエンザや鳥インフルエンザで、効果が確認。
感染を防ぐ作用もあり、鼻やのどに噴霧する予防薬への応用も期待。
製薬会社と実用化を目指す。

開発に利用したのは、緑茶に多く含まれている
エピガロカテキンガレート(EGCG)というカテキンの一種。
カテキンは茶の渋み成分で、EGCGがウイルスの働きを抑えるのは
以前から知られていた。
そのまま飲むと、体内ですぐに分解され、効果がなくなってしまう。

研究チームは、体内での分解、代謝を抑える作用のある
脂肪酸と合成することで、EGCGが分解されず、
ウイルスの感染や増殖を抑える技術を開発。

加工したEGCGを、季節性インフルエンザや鳥インフルエンザの
ウイルスに混ぜ合わせ、イヌの腎臓細胞にふりかけて感染力を調べた。
治療薬タミフルよりも約100倍、感染を抑える効果。

鶏の有精卵を使った増殖実験でも、何もしない卵12個では
中のヒナが70時間で4割、164時間で全数が死亡、
加工したEGCGを投与した卵12個では全数が生き残った。

作用を調べると、ウイルスが細胞に侵入するのを防いだり、
仮に侵入しても、ウイルスの遺伝子が増殖しない。

主任研究者の大阪大学の開発邦宏助教(有機化学)が、
08年に特許を出願。

製薬会社など数社から、治療薬やマスク、スプレーなど
商品化したいとの引き合いが来ており、現在交渉中。
数年内の実現を目指す。

開発さんは、「緑茶を飲んでも効果はないが、
開発した成分は高い効果があった。
作用からみれば、新型インフルエンザにも効果が期待。
茶葉から大量に抽出でき、安価で副作用も少ない」

http://www.asahi.com/science/update/0730/OSK200907300155.html

0 件のコメント: