(朝日 2009年7月31日)
緑茶に含まれるカテキンを加工し、
インフルエンザ治療薬に応用する技術を、
大阪大学と横浜市衛生研究所の共同チームが開発。
季節性インフルエンザや鳥インフルエンザで、効果が確認。
感染を防ぐ作用もあり、鼻やのどに噴霧する予防薬への応用も期待。
製薬会社と実用化を目指す。
開発に利用したのは、緑茶に多く含まれている
エピガロカテキンガレート(EGCG)というカテキンの一種。
カテキンは茶の渋み成分で、EGCGがウイルスの働きを抑えるのは
以前から知られていた。
そのまま飲むと、体内ですぐに分解され、効果がなくなってしまう。
研究チームは、体内での分解、代謝を抑える作用のある
脂肪酸と合成することで、EGCGが分解されず、
ウイルスの感染や増殖を抑える技術を開発。
加工したEGCGを、季節性インフルエンザや鳥インフルエンザの
ウイルスに混ぜ合わせ、イヌの腎臓細胞にふりかけて感染力を調べた。
治療薬タミフルよりも約100倍、感染を抑える効果。
鶏の有精卵を使った増殖実験でも、何もしない卵12個では
中のヒナが70時間で4割、164時間で全数が死亡、
加工したEGCGを投与した卵12個では全数が生き残った。
作用を調べると、ウイルスが細胞に侵入するのを防いだり、
仮に侵入しても、ウイルスの遺伝子が増殖しない。
主任研究者の大阪大学の開発邦宏助教(有機化学)が、
08年に特許を出願。
製薬会社など数社から、治療薬やマスク、スプレーなど
商品化したいとの引き合いが来ており、現在交渉中。
数年内の実現を目指す。
開発さんは、「緑茶を飲んでも効果はないが、
開発した成分は高い効果があった。
作用からみれば、新型インフルエンザにも効果が期待。
茶葉から大量に抽出でき、安価で副作用も少ない」
http://www.asahi.com/science/update/0730/OSK200907300155.html
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