(2009年7月27日 Medscape)
「Diabetes Care」7月号の報告で、
低炭水化物食がII型糖尿病患者の体重、
ヘモグロビンA1C(A1C)値に及ぼす効果は、
低脂肪食とほぼ同じであるが、低炭水化物食摂取の方が、
1年後の高比重リポ蛋白(HDL)コレステロール値が増加。
Albert Einstein College of Medicine of Yeshiva Universityの
Nichola J. Davisらは、
「II型糖尿病患者の最適な減量法に、見解は一致せず、
減量と血糖コントロールを達成の最善の食事法は不明」
「糖尿病のない者の試験では、低炭水化物食による減量結果が
他の食事療法と同等または低炭水化物食が減量に有効で、
American Diabetes Associationの最新のガイドラインに、
短期間減量には、カロリー制限した低炭水化物食、低脂肪食が有効」
目的は、II型糖尿病の肥満成人105例を対象、
減量、血糖コントロールに対する1年間の低炭水化物食、
低脂肪食の効果を比較。
主要評価項目は体重、A1C値、副次評価項目は3ヵ月、6ヵ月、12ヵ月
時点の血圧、脂質プロフィール。
体重減少は、低炭水化物群の方が低脂肪群より早期にみられ、
体重、A1C値が最も低下したのは最初の3ヵ月間。
12ヵ月時点の体重減少率は、両群とも3.4%と差がなく、
両群ともA1C値に有意な変化なし。血圧に影響なし。
低炭水化物群では、低脂肪食群に比して
HDLコレステロール値は大幅に増加。
University of Connecticutの栄養学教授Maria-Luz Fernandezは、
「低炭水化物食で、HDLコレステロールが増加。
これは、低炭水化物療法で非常に一貫した結果。
糖尿病患者では、HDLコレステロール値が非常に低く、
きわめて重要な臨床的意味合いがある」
この試験には、低脂肪群の方が低炭水化物群より
ベースラインの体重が重いこと、ある1日の食事の記憶、
1日の食事記録によって食事摂取を評価したことにより
バイアスが生じた可能性があること、
身体活動を客観的に評価していないこと、といった制約。
「II型糖尿病の肥満患者では、12ヵ月間の低炭水化物食と低脂肪食で
体重、A1C値に有意差は認められなかった。
両群とも、体重は平均3.4%減少したが、A1Cは低下しなかった。
各食事療法の短期的な効果は持続的なものではない」
Dr. Fernandezは、「低炭水化物食を実践するのは、
炭水化物の量が非常に少ない場合には難しいが、
25%炭水化物食は難しくなく、糖尿病患者にはきわめて有用」
Dr. Fernandezは別の研究で、反応に性差があるか、
ベースラインでのHDLコレステロールが低値の場合に反応が異なるを
検討するための試験を実施するよう提言。
Diabetes Care. 2009;32:1147-1152.
http://www.m3.com/news/SPECIALTY/2009/7/27/104972/
0 件のコメント:
コメントを投稿