2009年8月7日金曜日

中国奥地の黄砂、13日で地球一周 九州大などの研究

(朝日 2009年8月1日)

中国奥地のタクラマカン砂漠で空高く巻き上げられた黄砂が、
13日ほどで地球を一周することを、
九州大や東京大、国立環境研究所など日米中の研究グループが
初めて突き止めた。

地球温暖化や海の生態系に影響を与えている可能性もある。
英科学誌「ネイチャー・ジオサイエンス」(電子版)に掲載。

九州大の鵜野伊津志教授(環境気象学)らは、
07年5月、中国のタクラマカン砂漠で発生した砂嵐によって、
高度10キロほどに巻き上げられた砂の動きを、
米航空宇宙局(NASA)の人工衛星カリプソの観測データを使って追跡。

アジアから北米、欧州へ吹く偏西風と砂の動きを、
コンピューターシミュレーションで分析、
巻き上げられた砂の一部が地球を13日間かけて一周した。

これまで北米や欧州で黄砂が観測されたことはあったが、
地球一周が確認されたのは初めて。

地球一周の間、高度10キロほどで薄い氷の雲を作るもとになって、
地球を温暖化させる働きをしたり、砂に含まれていた鉄分が
太平洋中央部に落ちて植物プランクトンの栄養になったりする
可能性があることもわかった。

鵜野教授は、「地球温暖化や海洋生態系に影響を与える可能性がある」
春先に日本に飛来する黄砂は、
タクラマカン砂漠とは異なる場所で発生し、
上昇する高度も低いため、地球一周はしない。

http://www.asahi.com/science/update/0801/SEB200908010001.html

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