(毎日 8月2日)
競泳自由形で驚異的な世界新記録をマークした、
元水泳選手の古橋広之進さんが2日に急逝。80歳。
男子四百メートル、千五百メートル自由形などで、
33個もの世界新記録を樹立、米国メディアから
「フジヤマのトビウオ」と称賛された古橋さんは、
戦後の復興のシンボルとして、国民を勇気づけた。
現役引退後、JOC会長などを務め、日本スポーツ界の土台を築いた。
戦後の復興期、日本は戦争責任を追及、五輪に参加できなかった。
1948年のロンドン五輪。五輪の競泳決勝と同じ日程で開催された
日本選手権で、古橋さんは四百メートル自由形で4分33秒4、
千五百メートル自由形で18分37秒0をマーク。
ロンドン五輪優勝者や当時の世界記録をも上回る活躍に、
多くの国民は胸のすく思いだった。
国際水泳連盟が日本の復帰を認め、
49年の全米選手権に招待された古橋さんは、
四百メートル、八百メートル、千五百メートルと自由形3種目で
世界新記録を連発。
米国メディアは、尊敬の意を込め「フジヤマのトビウオ」との
ニックネームを贈った。
90~99年まではJOC会長として、92年バルセロナ、
96年アトランタの両五輪で日本選手団団長を担った。
08年10月、五輪経験者では初の文化勲章を受章。
「スポーツの社会的価値を高めたい」と願ってきただけに、
喜びはひとしおだった。
今年6月、日本水泳連盟は競泳日本代表の愛称を
「トビウオジャパン」に決めたと発表。
「躍動感に満ちあふれた泳ぎで、世界に羽ばたいてほしい、
という願いが込められている気がする」とコメントした古橋さんの思いは、
日本競泳界に引き継がれている。
http://mainichi.jp/enta/sports/general/news/20090803k0000m040082000c.html
0 件のコメント:
コメントを投稿