2009年8月6日木曜日

カンボジアの「エイズコロニー」、差別助長とNPOが批判

(CNN 7月28日)

カンボジア政府が、首都プノンペン郊外に
エイズウイルス(HIV)感染者を集めた集落をつくり、
感染者と家族を、それまで住んでいた場所から立ち退かせて
転居させているとして、人権保護団体が政府を批判。

この集落は、プノンペン郊外のトゥオル・サンボにあり、
地元では「エイズコロニー」と呼ばれている。
政府は、6月から感染者を転居、先週だけで20世帯を
それまで住んでいた場所から退去。

住居は、壁が薄く粗末なつくりで、清潔な水が出る水道もなく、
このような場所に感染者を隔離すれば、
偏見を助長するだけだ、とHIV感染者支援団体は指摘。

人権保護団体のヒューマン・ライツ・ウォッチは、
100以上の団体と連名で、カンボジアのフン・セン首相と
保健相あてに書簡を送付。

「カンボジア当局が、事実上の『エイズコロニー』を
形成していることを深く憂慮する。
トゥオル・サンボは仕事からも、医療機関からも、
支援サービスからも遠く離れ、感染者を転居させるのは
差別的かつ生存を脅かす」と批判。

感染者やその家族はこれまで、日雇いやバイクタクシーの運転手、
清掃などの仕事をして生計を立てていたが、
トゥオル・サンボでは仕事が見つかる見通しはほとんどない。

地元自治体の関係者は、英字紙プノンペン・ポストに対し、
トゥオル・サンボの問題については把握し、改善のための措置を
講じているとコメント。

転居させられた人は、家が借りられない不安はなくなったが、
薄い住居の壁を、刃物で切り裂いて泥棒に入られる事件が起き、
不安を感じる。

国連の統計によると、カンボジア国内のHIV感染者は
2008年現在で成人6万7200人、子供3800人。
減少傾向にあるものの、流行が繰り返される状況。

http://www.cnn.co.jp/science/CNN200907280017.html

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