2009年8月6日木曜日

スポーツ21世紀:新しい波/312 Back Softball/5

(毎日 8月1日)

日本ソフトボール協会に、オランダで予定されていた
「ハーレム大会」が中止になると連絡が入ったのは、5月29日。

当初は、北京五輪の4強にオランダとイタリアを加えた
計6チームが参加し、6月下旬に実施される計画。

ソフトボールが、12年ロンドン五輪の実施競技から除外された
理由の一つは、「国際的な普及度が低い」こと。
16年五輪の実施競技を絞り込む、
8月中旬の国際オリンピック委員会(IOC)理事会を前、
人気や普及度が低いとされる欧州で開かれる国際大会。

関係者は、五輪復帰へ向けたアピールの場になると期待。
参加を呼び掛けられた国で、手を挙げたのは4強のうち日本だけ。
チームは出そろわず、主催者の資金調達も困難になって
中止が決まった。

日本協会の三宅豊総務委員長は、
「中止決定後も、日本代表を欧州に派遣、
欧州のオールスターと試合をやってはどうかと提案。
(IOC委員への)アピールという意味で、
単なる大会ではなかったのだが……」と振り返る。

国内でも、強化費を含めた資金確保は重要な課題。
JOCは、今年度の強化費配分方針を見直し、
競技団体の評価基準にアジア大会の成績も加味した。
五輪の成績を重視する従来の規定では、
非五輪競技は最低ランクに位置づけられるが、
アジア大会の成績も考慮すれば、ソフトボールを救済できる。

見直しの背景には、継続した強化が途切れると、
競技力の維持が困難になるという考え。

野球やサッカーといった人気競技のように、
資金に恵まれているわけではなく、
JOCの強化費に多くを依存しなくてはならないのが
ソフトボール界の実情。

「今年度、予定していた強化事業に影響は出ていない」
とする日本協会も、来年度以降どうなるかは未知数。

ソフトボール界は、手応えをつかめないまま第一の関門である
IOC理事会を待つ。
そこで出される結果は、国際的な競技力そのものに
影響を及ぼす可能性を秘めている。

http://mainichi.jp/enta/sports/21century/

0 件のコメント: