2009年8月8日土曜日

マクロファージエラスターゼはマウスのマクロファージ内で細菌を殺菌

(2009年7月30日 Nature)

マクロファージエラスターゼは、マクロファージ内で細菌を殺菌

マクロファージは、肺や腹腔などの多くの臓器で
病原体侵入に対する第一次防衛線として機能するように
適切に配置され、その貪食および微生物を排除する
能力についてはよく研究されている。

マクロファージは、活性酸素種、一酸化窒素や
抗微生物タンパク質などの細菌を殺すことができる数種の物質をもつ。
マクロファージ由来のプロテイナーゼが
マクロファージの抗微生物的性質に寄与しているのではないか。

マクロファージエラスターゼ
(マトリックスメタロプロテイナーゼ12、MMP12)は、
成熟した組織マクロファージにもっぱら発現している酵素、
また肺気腫を含むいくつかの病気の進行に関係があるとされ、
MMP12の生理学的な機能については報告がない。

Mmp12−/−マウスは、腹腔や肺などのマクロファージに富む
侵入路を介して、グラム陰性およびグラム陽性細菌を
攻撃投与した際、両方の菌について細菌排除が低下、
致死率が増大することを明らかにする。

細胞内に貯蔵されたMMP12は、細菌性病原体の取り込み後、
マクロファージのファゴリソソームへと移動。
ファゴリソソーム内に入ったMMP12は、細菌の細胞壁にとりついて、
細胞膜を破壊し、その結果細菌が死滅する。

MMP12の抗微生物性は、その触媒ドメインではなく、
カルボキシ末端ドメイン内に存在する。
このドメインには、独特な4つのアミノ酸配列がタンパク質の外側に
露出しているβループ上に存在し、
これが観察された抗微生物活性に必要。

今回の研究は、マトリックスメタロプロテイナーゼによる
直接的な抗微生物活性についての最初の報告、
配列的にも構造的にも、独自の性質をもつ
新規抗微生物ペプチドについて記述。

http://www.m3.com/news/SPECIALTY/2009/7/30/105257/

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