(2009年8月5日 WebMD)
ある種の重要な栄養素の量について見た場合、
有機栽培された食物は、従来の方法で栽培された食物より
栄養が豊富とは言えない。
「『有機栽培された食物は、従来の方法で栽培された食物より
栄養的に優れている、というエビデンスがあるか』との回答を得たい」
と同研究の筆頭著者、ロンドン大学衛生熱帯医学校の
公衆衛生栄養学者Alan Dangourは、
「答えはノー。有機食物は、従来より栄養的に優れていることはない」
『American Journal of Clinical Nutrition』の結論は、
食品研究者からの強い反対を招いている。
有機食物の世界市場は、年間約480億ドル。
有機食物は、穀物生産は化学物質の使用、
動物生産は医薬品の使用を規制する標準の下で生産。
Dangour博士らは、1958~2008年の有機栽培食物と
従来の方法で栽培された食物を比較した研究を検索。
研究55件を発見、以下の数項目の栄養カテゴリーについて評価。
窒素、ビタミンC、フェノール化合物(ポリフェノール)、マグネシウム、
カルシウム、リン化合物、カリウム、亜鉛、全ての可溶性固形物、
銅、酸性物質(acidity content)
その結果、従来の方法で生産された穀物の方が窒素が多く、
有機栽培された穀物の方がリン、酸性物質の含有量が多い。
他の穀物栄養素カテゴリーは、違いが検出されなかった。
動物性食品のみでは、栄養素量に差は認められなかった。
英国食品基準局が援助した同レビューでは、
2種類の栽培方法の間に、残留農薬の差は認められなかった。
米国有機食品産業の職員は、一部の他の専門家と同様、
同レビューに強く異議。
「有機食物には、ビタミンと重要な微量元素がより多く含まれ、
有毒な残留物がはるかに少ないと、科学的に疑う余地がない」
有機消費者協会ナショナル・ディレクター、Ronnie Cummins氏。
「何百万人もの米国の消費者が、有機産物に割り増しの金額を
支払っている理由である」
1つの問題は、古い研究を用いたという点にあり、
1958年に行われたものもあると
消費者連盟の上級科学者、Michael Hansen。
「栄養素量について言えば、新しい研究では、
有機食物と非有機食物の間に明らかな有意差が認められている」
「1980年以前の研究のほとんどは、方法論上の欠陥など、
多くの理由で不備がある」
食品から供給される栄養素は低下している、
とHansen博士は、別の理由を挙げている。
Dangour博士は、有機栽培された食物と従来の方法の食物との
比較は、個々の研究の中で行われ、反論は全く的外れ。
「研究の大多数は、2000年以降に発表されたもの」
ボールダーに拠点を置く業界グループ、
オーガニック・センターの主任科学者、Charles Benbrookは、
異なる結論が得られている。
「有機栽培された食物は、従来の方法で栽培された食物より
栄養的に優れていることが明確に裏付け」
Benbrook博士は、有機栽培された食物に、ポリフェノールや
抗酸化物質が約25%多く含まれ、
これらの物質に注目していないという点を批判。
ロンドンのチームは、食品間に認められた差を
「軽視している」とBenbrook博士。
http://www.m3.com/news/SPECIALTY/2009/8/5/105385/
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