(毎日 5月2日)
東京都心の歩道を、交通規則を守りながら走る大会として、
01年に始まった「東京夢舞いマラソン」は、
今年10月11日、第10回の節目を迎える。
「市民主導で、あらゆるランナーに開かれた3万人規模の大会を」が
設立当時の目標。
都市型マラソンに向けた機運の盛り上がりは、
07年創設の東京マラソン実現につながり、ブームを生む遠因。
運営するNPOの代表は、元毎日新聞記者の大島幸夫さん(71)。
ボストン、ニューヨーク、ロンドンなど、海外21のマラソン大会に
参加した末にたどり着いた結論が、
(1)ユニバーサルデザイン(社会弱者に配慮)
(2)目抜き通りを利用
(3)祭り
(4)粋がある--の4つの理念。
「夢舞い」は、その頭文字から取った。
「夢舞い」は、東京マラソン開催を翌年に控えた06年10月の
第7回大会を最後に休止する予定。
大島さんは、「東京マラソンは相変わらず行政、陸連主導で、
ランナーもボランティアも規則に縛られ、
何一つ市民が主役という要素はなかった。理想とはほど遠かった」と、
継続に至った理由を語る。
大島さんは、「ブームと言っても、ランナーはお役人に甘え、
それが行政、陸連のお仕着せのスタイルを作る。
ランニングを愛する市民が、手弁当で大会を支える。
そんなランナーが多数を占めた時、初めて日本に
マラソン文化が定着したと言えるのでは」
時間制限のないホノルルマラソンを日本に紹介するなど、
楽しむランニングを提唱してきた立正大社会福祉学部教授の
山西哲郎さん(65)は、「かつて競技性が強く問われたランニングは、
現在はスローライフを体現するジョギングやウルトラマラソン、
トレイルランなど多様に展開。
女性や中高年ランナーの増加はブームなどではなく、
人間らしさを取り戻す自然な欲求」ととらえている。
山西さんは、「走る楽しみに触れた者が作り手側に回ることで、
新しいアイデアが生まれ、マナーを守ろうという意識も広がっていく」と
ブームに注文をつける。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/news/20090502ddm035050027000c.html
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