2009年5月6日水曜日

野菜工場、旬なんです 不況を逆手、遊休施設を転用

(朝日 2009年5月3日)

企業が、工場などの施設内で野菜を効率的に育てる「野菜工場」が、
3度目のブームを迎えている。
消費者の「食の安全」に対する関心が高まる一方、
不況で操業を停止した遊休設備を有効活用できる利点。
新規参入を支援するビジネスも、熱を帯びつつある。

埼玉県秩父市の県営工場団地。
半導体部品メーカーの倉庫の一室で、無農薬のレタス栽培が始まった。
長さ17メートルの3段の棚には、青々としたレタスが並ぶ。
太陽の代わりに蛍光灯、土の代役に栄養分をバランス良く含んだ
溶液を使って、年45トンを生産。

野菜工場を運営するのは、キユーピーの元社員らが
昨年9月に設立した「野菜工房」
周藤一之副社長は、「室内で管理して育てたレタスは細菌が少なく、
3週間は日持ちする
4月初めから出荷している地元スーパーへの卸売価格は、
露地栽培の1.3~3倍だが、売れ行きは好調。

野菜工場は温度や湿度、二酸化炭素排出量などを徹底管理し、
1年を通じて野菜を栽培。
蛍光灯などを使って、地下でも栽培できる完全制御型(国内約30カ所)、
ガラスの温室を利用した太陽光利用型(同約20カ所)がある。

野菜工場はもともと80年代に、大手スーパーなどが
人工の光で野菜をつくれるかどうかを研究するために始まった。
第2次ブームの90年代後半、水耕栽培技術の向上で参入企業も増えた。
工場設置費用の負担は重く、野菜の販路確保も難しいため、
なかなか定着しなかった。

転機は、昨年の中国製冷凍ギョーザによる中毒事件。
野菜でも、高い品質管理をうたう国産を選ぶ傾向が強まった。
狭い空間で栽培でき、不況で閉鎖した工場を活用したいという
機運も追い風に。
独自のノウハウが必要なため、新規参入組を支援する関連ビジネスが
急速に広がっていることも、第3次ブームの特徴。

三菱樹脂は、民事再生手続き中の農業資材専門商社の
水耕栽培事業を近く買収し、11年から、野菜工場の運営に必要な
ノウハウや設備をまとめて販売する事業に乗り出す。

先行組も、収益拡大の好機とみる。
90年代から野菜工場の設置を始めた大成建設は、
野菜栽培ベンチャーと連携。
工場設置から販路まで、総合的に支援する事業を始めた。
遊休設備の活用を狙う精密機械や電子部品会社などから、
約70件の引き合いがある。

三菱総合研究所は今月末、野菜工場の関連ビジネスに参入を
目指す企業の研究会を発足。
酒井淳子研究員は、「野菜工場は初期投資がかさむため、
短期間では収益を上げにくい。
中長期的に利益を生みだす事業と位置づければ、
国内に定着する可能性は十分ある」

http://www.asahi.com/business/update/0502/TKY200905020155.html

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