(毎日 4月30日)
マータイさんが、世界に発信する地球環境と平和のための合言葉
「MOTTAINAI」が、各国のメディアから相次いで取り上げられている。
米CNNは、マータイさんの活動を取り上げた番組「リビールド」を放映。
ノーベル平和賞受賞までのマータイさんの活動を振り返り、
名誉会長を務めるMOTTAINAIキャンペーンを紹介。
宇都宮市で開催された、第2回もったいない全国大会での基調講演や
市民の反応、同市立中央小での植樹の風景などを放映。
マータイさんは、「地球は特別な惑星ですが、資源は限られています。
日本で、MOTTAINAIという考え方に出会い、感銘を受けました。
たった一つの言葉が、多くのことを含んでいる。
この言葉を、世界で共有したい」
「いろんな国で異なる習慣を目にするのは、とても興味深いこと。
(最初は奇異に思えた)お辞儀が、今ではケニアでもお辞儀をしてます」
「木を植えることは簡単でありながら、人々に勇気を与えます。
子供たちが植樹をする光景は、まさに(私が思い描いた)将来の姿」
米公共ラジオ放送(NPR)でも、マータイさんが紹介、
仏ストラスブール市と群馬県板倉町の小学生が、テレビ会議で、
暮らしの中の無駄や環境問題について話し合った際、
仏紙「DNA」などで取り上げられた。
MOTTAINAIへの関心は、欧米にとどまらない。
中東バーレーンの日刊紙「Al Wasat」で、
バーレーン大准教授のマジード・ジャシム氏は、
「その語源は、MOTTAIという本質的な価値を表す言葉と、
欠如を表すNAIという言葉が組み合わさってできている」
「日本語のMOTTAINAIが、世界の注目を浴びるようになった」と評価。
アジアでは、韓国大手紙「ソウル新聞」や台湾の雑誌「経典」で紹介、
インドネシア高級紙「コンパス」が取材。
◇マータイさん「平和のため、森守ろう」 自治体「全国大会」3500人参加
MOTTAINAI精神を具体的な活動につなげようと、
「もったいない全国大会」が、07年と08年、宇都宮市で開催。
市民が国内外に発信しようと、情熱を傾けた大きな成果で、
全国から3500人が参加、各地の具体的な取り組みを紹介。
第2回大会では、マータイさんが基調講演を行い、
地球温暖化の危機的な現状に触れ、
「炭素を吸い、酸素を吐き出す森は地球の肺だ。
森林を守ることが極めて重要」
「平和は、環境破壊や資源の乱用をしていては達成し得ない。
公平な形で資源を共有し合わなければ、紛争の数は増えてしまう」
パネルディスカッションではマータイさんのほか、
小池百合子元環境相らが環境保護をテーマに議論を展開。
「この素晴らしい『MOTTAINAI』を、この大会から全国へ、
世界へ広げていく」との宣言文。
草の根の運動が広がりつつある。
第1回大会では、南太平洋の島国ツバルでスクールバス不足を知り、
宇都宮青年会議所の募金活動で、中古バス1台が同国に寄贈。
MOTTAINAI精神を具体的な行動に移すべく、
宇都宮市の環境団体などが中心に、「もったいない運動市民会議」設立。
「もったいないフェア(仮称)」開催など、同運動の普及に取り組む。
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◆「もったいない全国大会」を開いた宇都宮市長、佐藤栄一さん
日本人として受章を喜びたい。
「もったいない」という日本語を広めてくださった業績を、
日本人が評価しないのであれば、これほど恥ずかしいことはない。
昨年、宇都宮市にお越しいただき、市が進める
「もったいない運動」に力を与えてくださいました。
マイはしや洗いはしが急速に広まっているのも、マータイさんのお力。
受章を機に、私たちも「もったいない運動」に弾みをつけたい。
◆「もったいない善兵衛」を創作した女流講談師、神田紫さん
この度はおめでとうございます。
毎日新聞で、「3Rの意味がすべて含まれている日本語の
『もったいない』は素晴らしい。これを世界の共通語にしましょう」と
マータイさんが語った記事を読みました。
「もったいない」という言葉の意味の大切さ、深さ、重さを改めて
思い起こさせ、環境講談「もったいない善兵衛」が出来上がりました。
これからも地球温暖化が進まないよう、「もったいない」を提唱してください。
◆当初からキャンペーンに取り組む伊藤忠商事会長、丹羽宇一郎さん
この度は、旭日大綬章の栄に浴されましたことを心よりお喜び申し上げます。
今回の受章は、これまで環境保護に取り組んでこられたマータイさんの
変わらぬ姿勢のたまもの。マータイさんが提唱し、毎日新聞と当社が
推進しているMOTTAINAIキャンペーンは今年で5年目を迎え、
更なる広がりを見せています。
今後も、環境保護の意識を世界へ広げるべく、
ますますご活躍されることをお祈り申し上げます。
◆学生がマータイさんと交流している昭和女子大学理事長、人見楷子さん
受章おめでとうございます。
博士は、来日のたびに学園をご訪問くださり、環境保護を訴えられました。
小さい行動でも、私たちが今できることをすれば、
地球の未来を変えられるという力強いメッセージは、
みんなが環境課題に取り組むきっかけに。
博士と植えたヤマモモの木は、今年も花を咲かせます。
若者たちはその実を見るたびに、博士のことばを思い出してくれる。
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2009/04/30/20090430ddm010050150000c.html
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