(東海新報 3月22日)
大船渡港の永浜・山口地区港湾整備が進む中、
大型船舶入港への環境を整え、課題を探ろうと、
海上保安部や行政、物流、漁業関係者らで構成する
同港安全対策協議会は、五万㌧級の貨物船を使った
試験荷役準備を進めている。
同規模の貨物船は、過去に入港したケースがないため、
安全に通航できるかなどを確認。
試験荷役は、21年度に複数回計画。
安全対策協議会長を務める釜石海上保安部の榎本猶一部長は、
「大型貨物船を試験的に入港させることで、安全対策を取りまとめたい。
十分な情報共有をお願いしたい」
赤崎町に位置する永浜・山口地区岸壁への大型貨物船試験入出港に
関する安全対策について協議。
準備を進めている試験荷役の計画概要が示された。
全長260㍍に及ぶ水深13㍍岸壁は、国土交通省東北地方整備局
釜石港湾事務所が整備を進め、今月には完成する見込み。
同地区整備によって、大型貨物船の受け入れ態勢が広がる。
コスト低減を図ろうと、大型船による運搬を求める声は、
地元内外の企業、事業所から高まっている。
同協議会では、各種検証項目などを抽出、分析することで
利用拡大につなげようと準備を進めている。
試験荷役は、21年度4回程度行う予定。
入出港する貨物船は約5万3000㌧、
大船渡港に入港する貨物船としては過去最大。
試験では、水深13㍍岸壁において、別の小型船に石油コークスを
積み替える「瀬取り」を行い、茶屋前ふ頭などに運搬。
13㍍岸壁で石油コークスを下ろし、ダンプカーで同町の
太平洋セメント大船渡工場に運ぶ試験も計画。
珊瑚島付近などの水路幅が2百数十㍍と狭く、大型船通航には
細心の配慮が必要であることが話題に。
水路沿いには養殖施設があるが、入港を誘導する関係者からは
漁業者や管理する県に対して、許可された設置位置順守を強く求める発言。
漁業関係者からは、「どの日の何時に大型船が通るかなど、
安全確保へ情報提供を徹底してほしい」といった要望。
入港予定日が決まり次第、海事関係団体や漁業者、一般市民らに
周知することにしている。
大船渡市側から、クルーズ客船の予定が示された。
5万㌧の『飛鳥Ⅱ』、『ふじ丸』、『ぱしふぃっくびいなす』、
『にっぽん丸』の4隻。
接岸岸壁はいずれも野々田ふ頭。
『ぱしふぃっくびいなす』は、9月に2回入港。
各客船は、これまで同港に複数回入港しているが、
1年に4隻揃って訪れるのは過去に例がない。
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