(サイエンスポータル 2009年3月31日)
高校普通科に学ぶ生徒の理科に対する関心は、
小中学生に比べて大幅に低い、という結果が
高校の理科教員に対する調査で明らかに。
調査は、科学技術振興機構と国立教育政策研究所が、
全国約900校の高校で理科を教える約3,300人の教員を対象に、
質問紙による方法で実施。
普通科の生徒全員が履修する理科総合A、同B、理科基礎の授業で、
「生徒の60%以上が好きだと感じている」と答えた
担当教員の割合は約1割。
過去に行われた小中学校教員に対する同様な調査で得られている
回答の割合、4-8割を大幅に下回っている。
日本の子どもたちは、小学生の時は理科が好きなのに
中学、高校と進むにつれて嫌いになる生徒が増える、と
これまで言われていたことをあらためて裏付ける結果。
普通科教員で、「生徒による観察や実験を週1回以上実施している」と
答えた割合も約1割、同じ問いに対する小中学校の教員の
回答割合6-8割に比べると大きな差。
「実験の手順を生徒自身によく考えさせているか」、
「生徒に自分の考えを発表する機会をよく与えているか」という問いに、
「そう思う」と答えた普通科理科教員は、1割未満。
普通科の理科授業がこうした状況にある理由として、
「授業時間の不足」、「大学入試への対応のための指導に時間を取られる」、
「設備備品の不足」を挙げる声が多かった。
普通科の理科の設備備品費は、1学校当たり全国平均で
年間約32万円(生徒一人当たり407円)、
消耗費も生徒一人当たり510円と、観察や実験を重視する
理科授業が難しい予算状況。
調査対象となった教員の経歴をみると、
大学で理学系を専攻した普通科理科教員の割合は約5割、
公立中学校理科教員の約3割に比べると多い。
大学院を修了している理科教員の割合も3-4割、
公立中学校理科教員の約2割を上回っている。
http://www.scienceportal.jp/news/daily/0903/0903311.html
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