(2009年3月24日 Medscape)
中年期に身体活動度を高めた男性は、
一貫して身体活動度の高い男性と同じレベルまで、
死亡リスクが低下することを示す地域集団ベースのコホート研究が、
3月6日付け『BMJ』オンライン早版に報告。
「西欧における中年男性の約半数は、定期的な身体活動に参加していない」
とウプサラ大学(Uppsala University)(スウェーデン)のLiisa Byberg氏ら。
「若年期に身体活動をしないことは有害とみられているが、
その後の人生における運動レベルの上昇が
死亡率を低下させるかどうかはわかっていない。
死亡率に対する影響を、他の生活習慣における変化の効果と比較すれば、
身体活動の健康効果の可能性は伝えやすくなる」
目的は、中年期以降の身体活動度の変化が死亡率に影響を及ぼす
度合いを評価することと、その変化を禁煙の効果と比較すること。
スウェーデン、ウプサラにおいて、1970-1973年に50歳の男性2205例を
35年間にわたり追跡調査、60歳、70歳、77歳、82歳の時点で再評価。
主要エンドポイントは、(あらゆる原因による)総死亡率。
身体活動度が低度、中程度、高度の集団において、
絶対死亡率は27.1、23.6、18.4/1000人-年、
高い身体活動度による相対的死亡率低下は、低い身体活動度と比較し32%、
中程度の身体活動度と比較し22%。
追跡調査の最初の5年間には、50-60歳の間に身体活動度を高めた男性は
死亡率が上昇し続けた。
10年間の追跡調査後、これらの男性の身体活動度の上昇は、
一貫して身体活動度の高い男性のレベルまで死亡率を低下。
身体活動度の上昇に伴う死亡率の低下は、禁煙による低下に匹敵。
「中年期における身体活動度の上昇によって、
一貫して身体活動度の高い男性に認められるのと同程度まで死亡率が低下」
「この低下は、禁煙による低下に匹敵するもの」
この研究の限界として、標本が男性に限られること、
身体活動度の評価が質問票による大まかで、誤分類のリスクが
結果の過小評価につながった可能性、
LOCF(last observed value carried forward)法
(欠測値を最直前のデータで補完する方法)に関連したバイアスの可能性。
「中年以降の男性においても、身体活動を奨励する取り組みは重要。
中年期に身体活動度を高めると、最長10年にわたる無効果の誘導期間
(induction period)後、寿命に延長が認められる」
BMJ. Published online March 6, 2009.
http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/3/24/94195/
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