(毎日 9月3日)
2016年夏季五輪の招致を目指す立候補4都市の
評価報告書を、IOCが公表したことを受け、
東京以外の各都市も評価に対する感想を示した。
報告書で、「(開催計画は)非常に質が高い」と記述された
リオデジャネイロが高評価を受けた印象が強いが、
シカゴやマドリードもIOCから指摘された点には
大きな問題はないとの見解を表明。
2016年の夏季五輪開催地選定で、立候補している
リオデジャネイロとマドリードの両都市の間で、
先に落選した方が残った候補地を支持するとの相互協定を
結んでいることが分かった。
ブラジルのルラ大統領が、フランス公共ラジオに明らかに。
東京、シカゴも立候補している同五輪の開催地は、
10月2日のIOC総会で、IOC委員の投票によって決まる。
過半数を獲得する都市が出るまで、最も票数の少なかった都市を
除外しながら投票を繰り返す。
ルラ大統領によると、既にスペイン国王フアン・カルロス1世と
電話協議し、合意に達している。
大統領は、「われわれは協定を結んだ。リオが先に落選すれば
マドリードを支持、マドリードが先に落選すればリオを支持する」
◇「信頼の証しだ」ルラ大統領言葉
IOCが発表した評価調査書で、リオデジャネイロが開催候補地として
高い評価を得たのを受け、ブラジルのシルバ・スポーツ相は、
ルラ大統領の言葉として、「(報告書は)世界がブラジルに寄せる
信頼の証し。ブラジルは、2016年五輪の開催地として確実だ」
会見には、パエス・リオ市長やカブラル・リオ州知事らも出席。
治安に課題が残るが、新たな取り組みで成果を上げているとの指摘に、
州知事は、「評価は非常に前向きだ。
われわれが築きつつある実績に、IOCは信頼を置いている」
パエス市長も、インフラや輸送面での問題も解決可能とし、
「報告書は大きな弾み」と楽観的な見方。
◇マドリード市長「問題解決済み」
マドリードの招致委員会は、IOCの評価報告書公表を受け、
ガジャルドン・マドリード市長は、「10月2日(のIOC総会)まで
解決できない指摘点は一つもない。
12年の五輪招致で負けたマドリードが、あきらめずに闘い続けている
姿を評価してくれたのだろう」と強気の姿勢に終始。
報告書で、「ドーピング対策の法制化に関し、不透明な面がある」と
指摘された点について、ガジャルドン市長は「既に解決済み」
スペイン政府の担当局長が、「スペイン国内の内規と国際基準が
異なる場合、国際基準が優先される」と説明。
◇「1番でタッチ」シカゴ招致委会長
IOCの評価報告書公表を受け、シカゴ招致委員会のライアン会長は、
「ビジョンや計画が評価されて満足。
われわれが勝利することには大きな価値がある」と、
20年ぶりとなる米国開催に向けての意気込み。
報告書で懸念された財政保証について、
「シカゴ市の強固な財政基盤によって支えられている。心配はない」と力説。
課題とされた通勤、通学時間帯の交通にも、
電車輸送の安定性を強調、バスの運行を増やすなどして万全を期す。
開催都市を決定する10月2日のコペンハーゲンでの総会に、
支援を表明しているオバマ米大統領が出席するかについては、
「計画はない」と言ったものの、同会長は
「最後の最後までアイデアを練る。
10月2日、(競泳の)マイケル・フェルプスのように
他都市よりも先に、1番でタッチする」
◇スペイン各紙が東京有力伝える
スペイン各紙は、IOCの評価報告書公表を受け、
東京とリオデジャネイロが有力と伝えた。
パイス紙電子版は、「東京とリオがリード」との見出しで報道。
東京は、1964年の五輪開催経験やコンパクトな計画、
財政保証などが評価され、リオは国民の高い支持率や財政基盤、
南米初開催を訴え優位とした。
ABC紙電子版は、東京が1位で以下リオ、シカゴ、マドリードと順位。
各紙ともマドリードは、スペインのドーピング規制を疑問視した
指摘などがマイナスとした。
http://mainichi.jp/enta/sports/general/general/archive/news/2009/09/03/20090903dde035050033000c.html
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